猫は魚の骨を食べるのは絶対ダメ!飲み込んだ際の対処法や注意点などのサムネイル画像

日本だと猫は魚が大好きというイメージがありますよね。実際に猫は魚を食べますが、魚を食べ慣れていない猫にとって魚の骨は口や喉に刺さってしまう危険があります。今回のMOFFME記事では、愛猫の喉に魚の骨が刺さった際の対処法・症状・与え方を紹介します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫は魚の骨を食べても大丈夫?刺さった際の対処法や注意点など

日本で猫は魚が大好物といったイメージがあり、市販のエサにも魚類のすりつぶしなどが入っていることがあります。しかしながら、猫はもともと肉食系でネズミや小鳥といった小動物を狩ることが得意なのです。


今では猫は基本的に室内飼いが推奨されていて、小動物や魚を取って食べるといったことをしたことがないことがほとんどです。それでは、食べ慣れていない魚の骨を食べても大丈夫なのでしょうか


今回のMOFFME記事では、

  • どんな魚の骨が猫の喉に刺さるのか
  • 魚の骨が猫の喉に刺さった場合の危険性
  • 愛猫が魚の骨を食べた場合の症状や対処法
  • 栄養として愛猫に魚の骨を与える方法
について紹介していきます。


ぜひ最後までご覧ください。

どんな魚の骨が猫の喉に刺さるのか


人間でも魚を食べていれば、喉に魚の骨が刺さることがあります。猫は人間よりさらに細い喉をしているため、喉に刺さってしまう可能性は十分にあります。

では、猫がどんな魚の骨を食べると喉に刺さってしまうのでしょうか。魚といっても種類はたくさんあり、さらには小さな骨だけでなく大きな骨もあります。

猫は犬に比べてあごの力が強くないため、硬いものを噛み砕くことは不得意です。大きいものであれば噛みちぎってから、丸呑みしています。 

 そのため、魚の骨も同様に丸呑みしてしまう可能性があります。鋭利な骨が猫の喉に刺さってしまうと、人間の喉に刺さった時よりも猫は苦痛に感じます。

ここでは、
  1. 小魚以外の魚の骨を与えるのはやめよう
  2. 食べ慣れている猫は小魚の骨なら大丈夫
について説明していきます。

小魚以外の魚の骨を与えるのはやめよう

猫が食べ物を食べるときには、基本的に丸飲みか1〜2回ほど噛み砕いてそのまま飲み込みます。そのため、魚の骨を与えてしまうと丸飲みしてしまう可能性があります。


丸飲みしてしまうことを考えると魚の骨は小さい方がいいため、小魚以外の魚の骨を与えるのはやめたほうが良いです。大きな魚の骨でも、運がよく胃まで流れてくれる場合もありますが、細長い骨は刺さる危険が増し、もしものことを考えるとやめた方が賢明です。


喉に刺さってしまった場合には痛み以外にもさまざまな症状が出るため、注意をしなければなりません。

食べ慣れている猫は小魚の骨なら大丈夫

猫が子猫の頃から小魚を食べ慣れていれば、骨も上手に食べられることがあります。小魚を食べ慣れている猫であれば、小魚を与えても良いでしょう。


しかしながら、成猫になるまで魚を食べたことのない猫が小魚を食べる場合には、食べ慣れていないことから骨が喉に刺さってしまう可能性があります。そのため、食べ慣れていない猫に無理に魚を与えることは避けましょう


魚を食べ慣れている猫でも、大きな骨は特に喉に刺さってしまう可能性があります。大きめの骨は事前に取り除いておきましょう。

魚の骨が猫の喉に刺さった場合の危険性を紹介



人間でも魚の骨が喉に刺さると苦しいですよね。万が一、魚の骨が喉に刺さってしまった場合、猫は何かしらの動作で危険性を訴えてきます


その動作を知っていれば適切な処置をすることにつながります。


危険性を示す動作として、

  1. 吐こうとするけど吐けない
  2. 元気がなくなる
  3. 口を気にする・口を閉じない
があります。これらについて説明していきます。

吐こうとするけど吐けない

猫は喉に魚の骨が刺さると違和感を感じて、吐き出そうとする仕草をします。毛玉を吐き出すときのように何度も吐こうとする動作をしますが、吐き出すことはできません。


このように何度も吐こうとする姿は、飼い主としてはびっくりしますし、心苦しいものがあります。苦しそうな動作を繰り返している場合には、すぐに動物病院へ連絡するようにしましょう。

元気がなくなる

猫は、喉に魚の骨が刺さることによって元気がなくなってしまう場合があります。わかりやすいのは、喉に違和感があるため食欲が無くなります


お腹が減っているのに大好きなエサを食べることができないことは、猫にとってとてもストレスになります。そのような症状を見たら、魚の骨が刺さっているかわからないとしても、動物病院へ連絡して相談をしましょう。

口を気にする・口を閉じない

猫は喉に魚の骨が刺さってしまった場合、しきりに口を気にするような仕草をします。前足で口元を触ろうとしていたり、痛みがあるため口を閉じずに開けたままなどの症状が見られます。


口を閉じずに開けたままの状態だと、口の中が乾燥してきます。そのような場合はいつもより口臭を感じます。


このような些細な仕草や通常と違った行動が見られたら、何か原因を考え、動物病院へ連絡をするようにしましょう。

愛猫が魚の骨を食べた場合の症状や対処法を紹介


愛猫が魚の骨を食べてうまく飲み込むことができない場合、何かしらの症状が現れます。ここで紹介するような症状を見せた場合には、魚の骨が喉に刺さってしまっている可能性がありますので、魚を食べた後には注意して愛猫を観察しましょう。


ここでは、

  1. 魚の骨を食べた場合の症状
  2. 対処法:動物病院へ連れて行く
  3. 対処法:可能であれば飼い主が骨を取る
について説明していきます。


ここで紹介する症状が現れた場合には、魚の骨が喉に刺さっているか、もしくは誤飲の可能性があります。慌てずに対処法を実践してください。

魚の骨を食べた場合の症状

魚の骨を食べた場合の症状として、次のものがあります。

よだれが垂れている

口が開いたままの状態

嘔吐、もしくは吐こうとしている

口または口の周辺を気にする仕草


魚を食べた後にこのような症状があった場合には、魚の骨が喉に詰まっている可能性が高いです。

魚の骨が刺さった場合の対処法:動物病院へ連れて行く

魚を食べた後に魚の骨が喉に刺さっているような症状がある場合には、すぐに動物病院へ連絡してください。まずはそこで病院からの指示を仰ぎましょう。


人間と違って、放っておけば自然と取れるといった考えはやめた方が良いです。迅速に正しい対処ができない場合には、悪化して重篤な症状を引き起こしてしまう可能性があります。


また、喉に魚の骨が刺さっている状態でさらにエサを食べることは危険ですので、やめましょう。

魚の骨が刺さった場合の対処法:可能であれば飼い主が骨を取る

家庭でできる応急処置としては、飼い主が骨を取る方法があります。猫の足をしっかりと保定して、頭を押さえつつ仰向けにします。


口を開けて喉に魚の骨が刺さっているかを確認してください。確認ができた場合は、ピンセットでまっすぐ引き抜きましょう。


この処置では、猫が暴れてさらに悪化させたり怪我をしてしまったりする可能性があります。もしくは飼い主も怪我をしてしまうかもしれないので、なるべく2人がかりで行いましょう。


しかし、無理に対処しようとせずに動物病院で診てもらうことが賢明です。

栄養として愛猫に魚の骨を与える方法を紹介

ここまでは猫が魚の骨を食べてしまったときの危険性についてお伝えしてきました。しかしながら、魚の骨には愛猫の健康にも役立つ豊富な栄養が含まれています


魚の骨は絶対にあげてはいけないものではないため、飼い主の皆さんが適切に与えることさえできれば与えても良いのです。


そのため、ここからは

  1. 魚の骨の栄養分
  2. 魚の骨を与えたい:ミキサー等で骨を粉々にする
  3. 魚の骨を与えたい:青魚を避けて味付けをせずに加熱する
  4. 魚の骨を与えたい:少量だけ与える
について紹介していきます。


魚の骨を食べ慣れていない猫にはおすすめできませんが、飼い主の皆さんが正しい与え方を知って事故を防ぐようにしましょう。

魚の骨の栄養分

魚の栄養分についてまとめます。魚の骨には猫の皮膚や被毛、関節などの健康をサポートしてくれる栄養分が多く含まれています。


代表的なものとして、カルシウム・コラーゲン・グルコサミン・コンドロイチンがあります。


カルシウムは煮干しやアジ、イワシなどに豊富に含まれており、骨や歯を形成する役割があります。また、コラーゲンやコンドロイチンには関節の保護作用のほか、猫の腸の炎症を抑えたり、認知機能を改善したりするなどの報告があります。


これらの栄養分を与えようと無理に魚を食べさせる必要はなく、魚の骨が原料のおやつがあるので代用すると良いでしょう。

魚の骨を与えたい場合:ミキサー等で骨を粉々にする

魚の骨を与えたい場合には、ミキサーやフードプロセッサーなどを使用して骨を粉々にしてあげると、骨が喉に刺さる心配がありません。


しかしながら、ミキサーやフードプロセッサーでも骨の鋭利な部分を完全に取り除くことができるわけではありません。小骨も残ってしまう可能性があります。


そのため、魚の骨を食べ慣れていない猫には、このようにミキサーやフードプロセッサーを使用した場合でもあまりおすすめはできません。

魚の骨を与えたい場合:青魚を避けて味付けをせずに加熱する

サバやアジなどの青魚には、不飽和脂肪酸というDNAやEPAなどの含有量が多くなっています。この不飽和脂肪酸を猫が過剰に摂取した場合、黄色脂肪症(イエローファット)という病気を発症する恐れがあります。


この病気は猫の腹部や胸部の脂肪が炎症を起こす病気です。また、肥満や寄生虫などのリスクを避けるためにも、味付けはせずによく加熱して与えるようにしてください。


この場合でも、できるだけ飼い主が大きな骨を取り除くなど、喉に刺さる危険性を軽減してあげるようにしましょう。

魚の骨を与えたい場合:少量だけ与える

比較的に不飽和脂肪酸の少ない魚種とされるカツオやマグロは、猫に与えても良いとされています。これらの魚も過剰摂取は猫の体に害を及ぼしかねないため、大量にあげることはやめてください。


そのため、ご飯としてガッツリあげるのではなく、おやつ程度に少量だけ与えることが良いでしょう。この場合も同様に、魚の骨を食べ慣れていない猫にはあげないことや、大きな骨はなるべく取り除くといったことをおすすめします。

まとめ:なるべくおやつでにぼしを与える程度に抑えよう

猫が魚の骨を食べた場合の危険性や対処法、また与える方法について紹介してきました。


改めてこの記事のポイントをまとめます。

  • 小魚以外の魚の骨はあげない
  • 食べ慣れている猫であれば小魚の骨なら食べても良い
  • 魚の骨が喉に刺さった場合は何かしらの症状がある
  • 症状があったら動物病院へ連絡(飼い主が取る)
  • 魚の骨には栄養分が豊富である
  • 魚の骨を与えたい場合は粉々にしたり加熱して少量だけ与えたりする
いかがでしたでしょうか?


魚好きのイメージのある猫ですが、実は魚を食べることによって骨で喉や食道、胃などを傷つけてしまう可能性があります。食べ慣れている猫でも注意が必要です。


栄養が豊富なので健康維持のためにもあげたいという飼い主さんもいるかもしれませんが、危険性を知ったうえで与え方を工夫してください。なるべく、おやつとして煮干しを与える程度が良いでしょう。


またMOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しております。ぜひ参考にしてみてください。