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愛犬がマウンティングをしているのを見たらびっくりしてしまう飼い主の方もいらっしゃるのではないでしょうか。発情期に関係なく、犬はマウンティングをすることがあります。今回は、犬がマウンティングをする理由ややめさせる方法について詳しく紹介していきます。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬がマウンティングをするのはなぜ?

犬がマウンティングをするのは、一般的には腰振りをして、交尾をするためと考える人が多いのではないでしょうか。しかし、犬のマウンティングにはさまざまな理由が隠されています。


オスメスだけではなく、雌犬同士や飼い主さんの足や腕、クッションやぬいぐるみにすることも多くみられます。


もちろん、交尾としておこなうマウンティングもそれ以外のマウンティングも犬として、正常な行動です。


理由としては、主従関係を誇示するためや興奮状態、ストレスさえもマウンティングという行動にあらわれるのです。他の犬や飼い主さんに対して、自分の気持ちを伝える手段の一つということです。


今回のMOFFME記事では、犬のマウンティングについて詳しく解説していきます。

犬のマウンティングの特徴とは?去勢後の犬や子犬もするの?


マウンティングとは、雄犬と雌犬が交尾をするときのように前足でしがみつき、腰を振る動作のことです。

特徴としては、犬に対してだけでなく、人の足や腕、クッションやぬいぐるみなどにすることがあり、すべてに理由があるということです。


その中でも、オスがメスに対して行うマウンティングには性的行動が含まれている可能性が高く、去勢後にはマウンティングをしなくなる子も多いです。

オスに限られた行動ではなく、メス子犬もマウンティングをします。マウンティングには子犬にとっては必要な成長過程になることがあるからです。

犬はいつからマウンティングをするようになるの?

一般的には、生後6ヵ月からといわれることが多いです。理由は犬の生殖能力が成熟するのが生後6ヵ月くらいと考えられるからです。


本能的な行動のため、個体差があり、2〜3ヵ月でする犬もおり、まったくしない犬もいます。大人しい性格の犬や情緒が安定している犬は、マウンティングをしないことが多いです。


いつからマウンティングをするようになるのかは、小さいころはしなかった、大きくなったらしなくなったというケースもあるため、マウンティングが始まる時期に正解はなく、一つの目安として覚えておくといいでしょう。

マウンティングはオスメスに関係なくするもの

犬のマウンティングには、性的行動以外の理由ですることが多いので、オスメスは関係なく、子犬でもマウンティングをすることがあります。

オスでも全くしない犬もいたりするため、オスだけに限定された行動ではなく、子犬にとっては、マウンティングをしたり、されたりを繰り返すことにより、身体能力を高めたり、身のこなしを覚えたりしていくと同時に、遊びの要素も含まれていることがあります。

やりすぎていると思わなければ、様子を見ておきましょう。

犬同士であれば、上下関係をしっかりもった動物のため、相手に対し、「自分の方が強いんだぞ!」と立場をしっかりと示すため、必要な行動でもあります。

そこにオスメスは関係ありません。犬だけに限らず、猫もマウンティングをすることがあります。

マウンティングで見られる液体の正体は?

マウンティングをした後にでる液体は、色がなかったり、匂いがしなかったりと犬によってさまざま。気持ち悪いな、大丈夫かなと感じることもあると思います。


それは「精子の混ざった分泌液」「尿」であることが多く、いわゆる「嬉しょん」に近いものと考えてください。少ししか出ないときもありますが、量がそれなりに出てしまうことがある場合は対処する必要があるでしょう。


クッションやぬいぐるみについてしまったり、洋服についてしまうことがよくあるため、マウンティングをしないでほしいと思う原因でもあったりもします。

犬のマウンティングの理由とは?発情期だけが原因ではない


犬のマウンティングの理由は、色々あり、原因は一つではありません。犬のマウンティングには発情期が必ずしも関係しているわけではなく、犬のマウンティングは交尾以外の理由でしていることの方が多いのです。


今回は本能的に行うマウンティング(発情期が関係してくるもの)とそうでないものを別々に説明したいと思います。


ここにあげる4つの理由は基本的な要因としてあげられることが多いものでもあります。

犬がマウンティングをする理由①:本能から行うこと

オスからメスへのマウンティングは性的行動、子孫を残そうとする本能的なもので、正常な行動です。

発情期のメスの匂いによって、興奮してしまいマウンティングしてしまう、すごい力で引っ張ってしまったり、脱走してしまう、そのような行動も見られます。

もちろん家の中でも、近くにいるメスに興奮し、マウンティングをしてしまうこともあります。発情期以外で性的行動としてマウンティングすることはありません。

オスが短時間でしたマウンティングでも妊娠する可能性があります。

トラブルを避けるために、発情期を迎えたメスの飼い主さんは、ドッグランや犬が集まる場所に行くのを控えたり、お散歩も犬が少ない時間帯やコースを選んでいくといった注意が必要です。

犬がマウンティングをする理由②:構ってほしいアピール

犬が構ってほしいときにする行動はたくさんありますが、その一つにマウンティングがあります。

飼い主さんの足にまとわりつく、マウンティングをするといったアピールを行い、飼い主さんに声をかけてもらった犬は、この行動をすると飼い主さんに構ってもらえると思い、繰り返し行います。

「かわいいからやめさせたくない」そんな方もいるかと思いますが、マウンティングは犬の体に負担がかかることもあるので、注意しましょう。

「やめてほしいけど、やめてくれない…」そんなときは、マウンティングをはじめたら無視をする、しなくなったら褒める。

それを繰り返すことにより、マウンティングをしても構ってもらえないということを学習します。マウンティングだけではない、犬の構ってほしいアピールを見逃さないことも大切です。

犬がマウンティングをする理由③:優位性を示すため

最近、よく耳にすることが多くなった「マウント」という言葉。

この言葉には自分以外に自慢したり、優位性をアピールすることという意味で、マウンティングはこの言葉からきている言葉です。犬のマウンティングにも同じ意味があります。

同性同士の犬や、人や物に対し行うマウンティングには「自分の方が強いんだぞ‼」「自分の縄張りだぞ‼」と自分の力をアピールをすることにより、相手に対し優位性を示しているのです。

これは猫にもみられることもあります。

マウンティングだけではなく、ほかの犬の上に乗ったり、攻撃したりする行動も優位性を示すためのものと言われています。

犬がマウンティングをする理由④:ストレスを感じている

ストレスを感じている犬は、色々な問題行動をおこします。
破壊行動にでたり、噛んだり吠えたりといったものがあり、マウンティングもその行動のひとつとしてあげられます。

なにか環境に変化があったり、遊んでほしいのに遊んでもらえなかったり、お散歩に行けなかったり、色々な理由があると思います。

人にとっては些細な変化でも、犬にとってはストレスになってしまうことも…。

急にマウンティングをはじめたり、破壊行動などがみられた際は、叱ったりせずに、犬にとってのストレスが何なのかを、探してあげましょう。

補足①:女性に対して行うのは叱られないから?

なぜ女性に対してマウンティングをすることが多いのかは、はっきりした理由はないとされています。


一緒にいても男性にはマウンティングしないけど、女性にはするといったことはよくあります。犬はマウンティングをしやすい人とそうでない人を見分け、行っているのかもしれません。


女性は優しく声が高いため、犬にとっては褒められている、喜んでいるとみえているのかもしれませんし、匂いホルモンに反応しているかもしれません。


女性にマウンティングすると反応が大きく、犬が楽しく感じてしまうということもあります。


しかし、これは男女や子供にも当てはまりますので、女性に対して行うマウンティングの理由は犬によるのかもしれません。

補足②:オス同士でのマウンティングにはどんな意味があるの?

オス同士のマウンティングは、子犬の頃であれば、お互いにマウンティングをすることにより、社会性を学んだり、生きる術を学んでいったり、遊びの要素が強いです。

成犬になり、ドッグランやお散歩でマウンティングをするのであれば、遊びやコミュニケーションとして行うこともありますが、相手よりも優位に立ちたいという主従関係の場合が多いです。

「自分の方が強い‼」「自分の縄張りだ‼」といった強い気持ちの表われかもしれません。

特にオスは縄張り意識が高い犬もいますので、マウンティングにより、ケンカに発展してしまったり、ケガの原因になることもあるので、すぐに止める必要はありませんが、犬を気を付けてみておく必要があります。

犬のマウンティングはやめさせた方がいい?放置するとどうなる


結論、やめさせるべきです。発情期などの本能的なものを除いてはなるべくやめさせたほうがよいでしょう。

トラブルやケガにつながることもありますし、精神的に習慣化してしまうと問題行動につながることもあり、肉体的にも腰に負担がかかるため、腰痛などの病気に発展してしまうことがあります。

ただ、あまりにもマウンティングをする、陰部を気にしている場合は違う病気が隠れている可能性もあるため、動物病院に診てもらいましょう。

飼い主との信頼関係が崩れているかも

犬のマウンティングには主従関係が関係してると説明しました。


しかし、犬が人に対してするマウンティングには主従関係以外の理由も隠されています。


なかには、飼育環境によっては、自由にそしてわがままに育ってしまい、飼い主さんとの信頼関係が崩れてしまっているケースもあります。


しかし、ほとんどの犬が遊んでいる途中で、楽しくなってしまい、飼い主さんの手や脚にマウンティングをし、興奮をおさめようとしている。


そんな犬が多いのではないでしょうか。犬がマウンティングする状況を見極めることが大切です。

他の飼い主さんに対するマナー違反

これまでマウンティングについて説明してきましたが、色々な理由があってもマウンティングは腰を振る行為のため、品の良い行動ではありません。

急にマウンティングをするのはマナー違反です。気持ち悪いと不快に思う飼い主さんもいますし、ドッグランでは興奮状態の犬がマウンティングをして、蹴る噛むといったケンカに発展してしまい、トラブルにつながるきっかけにもなります。

相手の犬が嫌がって攻撃をしてきたためケガをしてしまう、感染症にかかってしまうなど、犬にとっても、人にとっても、良くない結果に繋がってしまうかもしれません。

犬が興奮状態である場合は、無理に近づいたりしないようにしましょう。

飼い主や他の犬を噛む、蹴るなどケガにつながる恐れも

マウンティングは興奮状態のときが多く、飼い主さんの手や脚を噛んでしまうことは少なくありません。もちろんほかの犬に対しても同じです。

お互いケガをする可能性もあり、犬にとってはトラウマになってしまうこともあります。

興奮状態になるようであれば、リードを引っ張り、犬同士を離してあげたり、ドッグランで離れている際は「おいで」などで呼び戻せるようにしておくとよいでしょう。

マウンティングをやりすぎると陰部にケガをしてしまうこともあるので、十分気をつけるようにしましょう。

ぬいぐるみやクッションにマウンティングする場合は?

ぬいぐるみやクッションにマウンティングをしているときは無理に取ろうとはせず、落ち着かせることが大切です。

対象物を取られるかもと感じた犬は、それ以上に興奮し、手に嚙みついたりとケガをすることもあるので注意しましょう。

そして、犬が見ていないときにマウンティングをする対象物は片づけることにしましょう。この時は見えるところではなく、全く見えないところに片づけることが大切です。

しつこい犬のマウンティング、腰振りをやめさせる方法は?


注意してもマウンティングを繰り返すしつこい犬もいます。どうやってやめさせるべきなのか、悩む飼い主さんは多いのではないでしょうか。


犬のしつけはマウンティングに限らず、根気強さが必要です。間違った方法でやめさせると、一時的にはしなくなったとしても、また繰り返してしまったり、根本的な解決にはならないこともあります。


マウンティングをしている理由を考えて、それに合わせた方法でやめさせることが望ましいです。

人の足、腕や対象物から話して落ち着かせる

マウンティングをしているときは興奮していることも多いので、むやみに手を出したりすると、噛まれたり、ケガをするおそれがあります。

無理にひっぱったり、離したりすることはやめたほうがよいでしょう。マウンティングするクッションやぬいぐるみがある場合は、犬が見ていないときに片づけるようにしましょう。

この際は見えるところではなく、全く見えないところに片づけることが大切です。

人の足や腕へのマウンティングは飼い主さんとの主従関係が大切になってきますので、日頃からしつけを行い、犬が「まて」「おすわり」で落ち着ける状態をつくれるようにするといいでしょう。

まとわりつく場合は別の部屋に移動するのもおすすめ

マウンティングを止めさせようとしても、しつこくまとわりついてくる、そんなときはできる場合には別の部屋に移動し、犬の視界からいなくなるようにしましょう。

遊んでいても、マウンティングをしたらいなくなる。それを繰り返し行います。そうすると犬は「これをすると飼い主さんがいなくなってしまうんだ」ということを覚え、徐々にしなくなります。

かわいそうと感じるかもしれませんが、マウンティングを放置すると、別の問題行動に繋がってしまうかもしれませんので、早めの解決が望ましいです。

ストレスを解消してあげる

ストレスを発散するためにマウンティングをする犬もいます。犬にとっては小さなことでもストレスになるものです。


雨が降っていてお散歩に行けなかった、帰宅時間がいつもより遅くなってしまったなど、人間にとっては些細なことも犬はストレスを感じ、マウンティングなどの問題行動をおこすことがあります。


いつもと違うなと感じたら、なにか犬にとってストレスになることがあったのかもしれません。


トイレができなくなったり、破壊行動にでたりと、マウンティング以外の行動をする犬もいますので、そのときはいつも以上に触れ合ったり、遊んであげたりするといいでしょう。


ロープの引っ張り合いや知育玩具等は、犬のストレス発散に効果的です。

しっかりと叱り、主従関係を把握させる

飼い主との主従関係は犬を飼うにあたって、とても重要なことです。マウンティングをするときだけ、叱ったりするのでは意味をなさないこともあります。

そして、強く興奮しているときや何か物に対してマウンティングをしているときに、声をかけたりするのは逆効果になってしまい、状況を悪化させることもあります。

そのため、犬との主従関係を築くためには日常的にしつけを行うことが大切です。

時間はかかりますが、マウンティングするときに「ダメ」や「おすわり」等のコマンドで静止できるようにしておくとよいでしょう。

主従関係がしっかりしていると、マウンティング以外の問題行動が起こりにくくなることもあります。

去勢するとマウンティングが減ることも

去勢をするとマウンティングはしなくなることが多いです。去勢は生殖機能をなくすことですから、マウンティングをする必要性ががないということになります。

しかし、去勢をしたからといって、絶対にしないということではありません。本能的なマウンティングはしないのですが、ほかの理由によりしているマウンティングには意味をなさないことも…。

去勢をしたのにマウンティングをするようであれば、なにか原因があるのかもしれません。

去勢をすると、マウンティングは確実に減ります、選択肢の一つとして考えておくのもよいでしょう。

しかし、去勢にはリスクもありますので、そのことをしっかりと考えてから行うことをおススメします。

まとめ:犬のマウンティングの理由や意味とは?

犬のマウンティングにはさまざまな理由がありました。


本能的なものや飼い主さんへのアピール、他の犬に対してのマウントの一つだったり…。


もちろん、遊びの延長戦や、興奮をおさめるための手段だったりと、一般的に考えられているマウンティングとは違うイメージのものが多かったのではないかと思います。


犬はマウンティングをすることで、飼い主さんに構ってもらいたかったり、他の犬への自己表現だったりと、一つの行動にはたくさんの意味が込められていました。


一つ一つの意味を考えるのではなく、犬が何を伝え、何を感じているのかを、マウンティングを通して、犬に寄り添って、知っていくことが一番大切なのではないでしょうか。


またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!