漢方薬は体質や症状に合わせて使用することで健康面での高い効果を発揮します。ですが、愛犬に漢方を使用しても同じような効果が期待できるのでしょうか。今回のMOFFME記事では、犬に漢方を使用しても大丈夫なのか・漢方の効果・注意点を紹介していきます。
この記事の目次
目次を閉じる愛犬に漢方を使っても大丈夫なの?漢方の効果や注意点を紹介
愛犬の健康はいつまでも維持してあげたいと思うでしょう。
少しでも長く、健康的に過ごさせてあげたいという思いから、愛犬に漢方を使ってあげたいと考えている飼い主は多いかもしれません。
しかし、そもそも犬に漢方を使ってもいいのでしょうか。
今回「MOFFME」では、
- 犬に漢方は使えるのか
- 愛犬に漢方薬を与える時のメリットを紹介
- 愛犬に漢方薬を与える時のデメリットを紹介
- 愛犬に漢方を与える方法を紹介
- 漢方薬を愛犬に与える際の注意点を紹介
犬に漢方は使えるのか
そもそも、犬に漢方を使っても問題はないでしょうか。漢方と聞けば、どうしても人間が使うようなイメージが強いかもしれません。
そのため、漢方を犬に使えば、犬に悪影響が及ぶような気がするのではないでしょうか。
しかし、もし犬に漢方を使うことができれば、その犬に合わせた健康維持ができるだけではなく、大きな副作用などを気にすることなく病気を治すことができるかもしれません。
この項目では、
- 犬に漢方を使っても大丈夫!
- そもそも漢方とは
- 補足:動物病院でも漢方は処方される?
犬に漢方を使っても大丈夫!
結論を言えば、犬に漢方を使っても問題はありません。漢方薬は基本的には自然から生まれた薬剤を使っています。
その一方、一般的な薬剤は科学的に作られているものがほとんどのため、病気などへの効果は大きいですが、その分、どうしても副作用などのデメリットが多くあります。
しかし、漢方は自然の恵みから生まれた薬のため、そうした化学薬品からできたデメリットがとても少ない傾向にあります。
副作用などのデメリットを意識することない漢方薬を、人間と同じように犬にも使用することができます。
飼い主によっては、漢方を犬にも使用することができるという情報はとても大きな情報のはずです。上手に活用をして、案件の健康を維持してあげてください。
そもそも漢方とは
犬に漢方を使うことができるということがわかりましたが、そもそも漢方とはどのようなものなのでしょうか。
多くの人は漢方という薬は知っているでしょうが、詳しく理解している人は少ないかもしれません。
漢方とは中国の伝統的な医学であり、おおよそ5世紀ごろに日本にも伝わった経緯があります。
一般的な薬はその病気に対して完治させる能力がありますが、漢方薬はどちらから言えば、体の調子を整える効果を得られる薬です。
体の全体的な健康バランスを整えることで、その病気も治癒するという考え方です。どちらかと言えば漢方は、体の治癒能力を向上させて治すという意味合いが強いです。
そのため、急激な副作用もなく、その副作用に対する健康障害も少ないとされています。
補足:動物病院でも漢方は処方される?
犬に漢方を使うことができるのは理解できたかもしれませんが、実際に動物病院などでは漢方治療が行われているのでしょうか。
実は昔から漢方薬は動物病院で使われてきました。とくに最近では、犬や猫の治療に漢方を取り入れる動物病院が増えている傾向にもあります。
つまり、病院でも漢方には一定の効果があると考えているということです。
また、正しく使用することで健康被害などもないことがわかっている証拠とも言えるでしょう。
また、動物病院では漢方をメインに薬として使うのではなく、薬の副作用を抑えるために使うこともあります。
漢方の種類の中には、体を内側から温めてくれる効果が期待できるものもあります。こうした漢方の種類などを動物病院では上手に活用をしているようです。
愛犬に漢方薬を与える時のメリットを紹介
愛犬に漢方薬を与えるメリットは何のでしょうか。
漢方が体に良いことは何となくイメージができているかもしれませんが、実際にどのようなメリットがあるのかを詳しく知っておく必要はあります。
漢方薬には実はとてもたくさんのメリットがあります。
自然由来の素材を使っているというだけでも、漢方にはたくさんの魅力があることがイメージできるでしょう。
この項目では、
- 自然の素材を使用
- 自然治癒力を使って症状を改善
- 副作用が少ない
- 飲みやすい
自然の素材を使用
漢方薬の最大のメリットは、なんと言っても自然の素材のみを使用しているということでしょう。
しかも、漢方薬の中にはその自然由来の成分を混ぜ合わせて作っているものもあります。
自然由来の素材を使って作ることがなぜメリットなのかと言えば、体の受ける影響が少ないからです。
科学薬品を使って作る一般的な薬の場合は、どうしてもさまざまなデメリットを受ける可能性が出てきます。
また、化学薬品の場合には、長期的にその副作用が続くこともあります。
しかし、自然の素材を使った漢方薬は、体の受けるデメリットが少ないという特徴があります。
イメージ的にも科学薬品よりも自然由来の成分を使った漢方薬の方が魅力が大きいことがわかるでしょう。
自然治癒力を使って症状を改善
この漢方薬を使う魅力は、自然治癒能力を高めることができることです。科学薬品の場合は、即効性はありますが、体に負担をかけて治癒することになります。
一方、漢方薬の場合は、犬がもともと持っている自然治癒能力によって治癒させることができるのです。
漢方薬はどちらかと言えば、この犬が持っている自然治癒能力を高める効果を促します。自然治癒能力を高めるとは、他の器官にも良い影響を受けれます。
メインとなる病気の改善だけではなく、その他の器官についても改善できるのも漢方薬のメリットと言えるでしょう。
体の調子をもとから整え、自然治癒を高めることは、長期的な健康維持にも繋がりますので、漢方薬はとてもおすすめの治療方法です。
副作用が少ない
また、漢方薬は先ほども解説した通り、副作用が少ないことも大きなメリットです。一般的な化学薬品の場合は、どうしても何らかの副作用が生じます。
例えば多くの化学薬品の中には睡眠導入剤が大なり小なり含まれていますが、そうしたものが含まれない漢方薬は眠くなるというリスクはありません。
しかし、全く副作用がないわけではありません。漢方薬でもほてりや下痢、むくみなどの副作用はあります。
しかし、こうした副作用の多くは軽症であることがほとんどです。一般的な化学薬品の場合の副作用は、もっと多くの副作用が長時間続くことがあります。
つまり、漢方薬の方が副作用のリスクは少ないということです。上手に簡保と付き合うことで、大きなメリットを得られるということです。
飲みやすい
一般的な薬を愛犬の処方するときに困るのが、薬を飲んでくれないことでしょう。愛犬が薬を飲んでくれない理由として、味を嫌がるということがあります。
薬の独特な苦みなどを嫌がって、愛犬は薬を飲んでくれないのかもしれません。
しかし、漢方薬の場合は一般的な薬に比べて変な苦みなどが少ないため飲みやすいです。犬は一度、嫌な思いをした場合は、その記憶を覚えています。
一般的な薬の味が悪いと記憶すれば、どの薬を出しても飲んでくれなくなります。漢方薬にはそうしたリスクが少ないため、おすすめです。
また、漢方薬には粉末状タイプだけではなく、液状タイプ、そして錠剤タイプなどもありますので、愛犬に合わせて服用させることができます。
愛犬に漢方薬を与える時のデメリットを紹介
愛犬に漢方薬を与えることで、さまざまなメリットが得られることがわかったでしょう。
しかし、残念ながら万能に感じる漢方薬にもデメリットがあります。
漢方薬は自然由来成分というメリットがある反面、自然由来ゆえに、効果に時間がかかるなどのデメリットもあります。
また、処方された漢方薬は犬のよっては全く効果が出ないようなこともあります。こうしたデメリットを理解した上で、上手に漢方薬と付き合っていくことも大切なのです。
この項目では、
- 効き目が出るのに時間がかかる
- 薬によっては合わない
- アレルギーがでる時がある
効き目が出るのに時間がかかる
まず、漢方薬は一般的な化学薬品よりも効き目が出るのに時間がかかります。これは漢方薬が自然由来の薬であるため仕方がないことと言えるでしょう。
一般的な薬の場合は、多くの場合で即効性が期待できます。苦しがる愛犬の場合は、こうした即効性の高い一般的な薬で早めに治してあげた方が安心できます。
漢方薬は基本的には長期間服用し続けて、根本的な病気の改善を行うことを目指します。また、漢方薬はゆっくりと体に浸透していくため効き目に時間がかかります。
そのため漢方薬は副作用のリスクが少ないとも言えます。重要なことは、こうしたデメリットを理解した上で上手に漢方薬と付き合っていくことです。
漢方薬の使い方によっては、このデメリットはメリットにもなります。
薬によっては合わない
漢方薬はかなりの種類があります。同じ効能を得られる漢方にもかなりの種類がありますので、その犬に合った漢方薬を選ぶことはとても難しいです。
しかも、結果的にその犬に合わなかったということも珍しくありません。漢方薬は先ほども解説した通り、効果を得られるまでにかなりの時間がかかります。
効果が現れているのかどうかが確認できるまでにはかなりの時間がかかる上に、結果的に合わなかったということもありますので、こうしたことがリスクになります。
こうしたデメリットを防ぐには、まずは合わないことがあるということを事前に理解しておくことが重要です。
また、その漢方薬が犬にとってどういった効果の過程があるのかも理解して、経過を観察することが大切です。
アレルギーがでる時がある
また、漢方薬によってはアレルギーが起こることもあります。
これは副作用ではありませんが、漢方薬は基本的には自然のものから作られていますので、犬によってはその成分によりアレルギーが発生することがあります。
こうしたアレルギーは、漢方薬を摂取して、すぐに出てくることもあります。
そのため、アレルギーが起こっているかどうか、飼い主でしっかりと観察しておくことが重要です。
また、医師により漢方薬を処方してもらうときには、その愛犬のアレルギーについて知っていることをできる限り伝えておきましょう。
過去に漢方薬でアレルギーを発症したことがあるのはもちろん、特定の時期にくしゃみが多くなるなどの花粉症的な症状についても処方前には伝えておくようにしてください。
愛犬に漢方を与える方法を紹介
愛犬に対して漢方薬を選びたいときには、どのような手順を踏むべきでしょうか。
漢方薬のメリットをしっかりと理解している飼い主は、愛犬に対して漢方薬を選んであげたいと思うでしょう。
しかし、漢方薬を処方してあげたいと思っても、どういった手順を踏むべきかわからないという飼い主も少なくないはずです。
漢方外来の探し方、そして実際に愛犬に飲ませる場合の方法などについて解説していきます。また、漢方薬がどのくらいの価格なのかも気になるでしょう。
この項目では、
- 漢方外来の探し方
- 漢方の金額目安
- 漢方の飲ませ方
- 犬の病気と漢方の使用例
漢方外来の探し方
では、愛犬に漢方薬を与えたい場合は、どのような方法で漢方外来を探すのが良いのでしょうか。
漢方外来を探すときには、インターネットの情報から探すのが一番便利です。最近では動物病院でもどのような薬を扱っているのかをインターネットで検索することができます。
漢方薬を取り扱っている動物病院で検索をすれば、すぐに見つけることができるでしょう。
ただし、本格的に漢方薬を扱っている動物病院はまだまだ少ない傾向にあります。
近くのクリニックを探すことは難しいかもしれませんが、どうしても漢方薬を試したいという飼い主は遠方でもそのクリニックで相談をしてみることをおすすめします。
また、一般的な薬を扱っている動物病院から紹介をしてもらえることもありますので、情報収集してみてください。
漢方の金額目安
漢方薬の金額は調合方法やクリニックによってまちまちと言えるでしょう。ただ、一般的な価格相場としては30日分で1万5千円ほどと考えておいてください。
漢方薬の多くは一種類の漢方薬を処方されるのではなく、数種類の漢方薬を調合して作られるのが一般的です。
そのため、調合の種類が増えれば増えるほど、価格はどうしても高くなってしまう傾向にあります。
先ほどの30日で1万5千円という価格は2種類の漢方薬を調合した場合の金額目安です。
2種類以上は調合することが多いため、このくらいの価格が一般的な金額相場と思っておいてください。
金額がどうしても気になるという場合は、処方される前にそのクリニックにしっかりと確認をして受けてください。
漢方の飲ませ方
漢方薬を処方された後に悩むのが、愛犬への飲ませ方でしょう。どのような飲ませ方をするべきかは間違いなく悩むと思います。
漢方薬は一般的な薬に比べて飲みやすいという特徴はあります。
そのため、漢方薬に方がすんなりと愛犬は受け入れてはくれますが、それでも犬によっては違和感を得て飲んでくれないということはあります。
一番、確実な飲ませ方は、エサに混ぜる方法です。とくにその愛犬が大好きなエサに混ぜて飲ませれば、自然に漢方薬を飲んでくれるでしょう。
漢方薬の多くは粉末状のため、エサの上にかけてざっくりと混ぜればエサに馴染んで食べやすくなります。
漢方薬の中には見た目よりも臭いが独特なものもありますので、少し濃いめのエサに混ぜてあげれば気が付くことなく服用してくれます。
犬の病気と漢方の使用例
漢方薬にはさまざまな種類がありますが、一般的な病気の症状の場合は、その犬にアレルギーなどがない場合、大抵は同じ種類の漢方薬が使われます。
例えば、化膿性皮膚炎の場合は十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)という漢方薬がベースで処方されます。
また、肝機能障害の場合は大柴胡湯(タイサイコトウ)や小柴胡湯(ショウサイコトウ)が使われ、消化器疾患の場合は、半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)です。
そして、胃炎や食欲不振の場合は六君子湯(リックンシトウ)が使われます。
もちろん、動物病院によっては違い種類の漢方薬が選ばれれることもありますが、こうした漢方薬が一般的に使われることを理解しておきましょう。
飼い主も漢方薬について詳しくなっておくべきです。
漢方薬を愛犬に与える際の注意点を紹介
漢方薬は一般的な化学薬品に比べれば、副作用も含めて安全な薬と言えるでしょう。
そのため、飼い主の中には、積極的に漢方薬を使っていきたいという人も少なくないはずです。
しかし、漢方薬を愛犬に与えるときには、注意点もあることを知っておきましょう。
注意点を事前に理解しておくことで、より安全に、そしてより効果的な結果を得ることができるでしょう。
この項目では、
- ほかの犬と同じ漢方薬は飲ませない
- 飼い主の判断で人間用の漢方薬を飲ませない
- 用量用法をしっかり守る
ほかの犬と同じ漢方薬は飲ませない
まず、漢方薬を愛犬に処方するときには、他の犬と同じ漢方薬は飲ませないように注意してください。
他の犬に大きな効果が現れたから、自分の犬にも効果があると感じて飲ませると効果が現れないだけではなく、大きなトラブルに発展することもあります。
これは漢方薬だけはなく、一般的な薬でも同じことが言えます。漢方薬はあくまでも医師が診察をした犬に対してだけ飲ませるようにしてください。
同じ症状ではない可能性もありますし、同じ症状であっても自分の犬は何らかのアレルギーがあるかもしれません。
しっかりと事前にカウンセリングなどを受けた犬だけに処方された漢方薬を与えるようにしてください。大きな副作用が起こることもありますので、注意してください。
飼い主の判断で人間用の漢方薬を飲ませない
また、飼い主の勝手な判断で人間用の漢方薬を飲ませるというとも避けましょう。
漢方薬は副作用が少ない薬ということは間違いありませんが、人間用と犬用とではとくに用量などに大きな違いがあります。
確かに動物病院によっては、実際に人間に使用する漢方薬が処方されることもありますが、同じ漢方薬でも用量は全く違います。
人間の漢方薬をそのまま与えてしまうと、明らかに多い量を処方してしまうことになりますので、必ず避けるようにしましょう。
また、効果が現れるどころか、愛犬に副作用が起こることも予想できます。
愛犬の病気を治してあげようとするその行為で、愛犬の病気が悪化してしまうことも考えられますので、飼い主の判断で人間用の漢方薬を飲ませることは絶対にしてはいけません。
用量用法をしっかり守る
漢方薬の効果をしっかりと得るためには、用量用法を守ることが重要です。どのような薬でもそうですが、用量や用法を間違ってしまうと正しい効果は得られません。
それどころか、用量用法を誤ってしまうと副作用が起こることもあります。
漢方薬の用量用法は、処方してくれるクリニックで事前にしっかりとレクチャーをしてくれます。
食前なのか食後なのか、そして一度にどのくらいの量を処方するべきなのかをしっかりと守ることで健康的な治療が行えますので、早く効果を実感してあげたいという勝手な思いで多くの量を処方するなどの行為は絶対にしないようにしてください。
漢方薬の効果は、長期間続けることでイメージ通りの効果が現れます。飼い主が焦らず時間をかけて処方するように心がけてください。
まとめ:漢方について理解を深めて愛犬の健康維持につなげよう
ここまで愛犬用の漢方薬について詳しく解説していきした。
漢方薬の効果や漢方薬の処方に関すること、漢方薬の注意点など、おそらくここまで読んできた飼い主はかなり詳しくなったのではないでしょうか。
この記事では、
- 犬に漢方薬を使っても問題はない
- 動物病院などでも漢方薬は一般的な薬同様、処方される
- 漢方薬は自然治癒力を使って症状を改善してくれる
- 漢方薬は一般的な薬よりも副作用が小さい
- 人間用の漢方薬を飲ませたり飼い主の勝手な判断で飲ませることはしないように
- 漢方薬は用量用法をしっかりと守って長期間続ける