近年の猫ブームでは、「愛猫には健康で長生きしてほしい」と願う飼い主も多いのではないでしょうか。その一つの方法として、猫に漢方を与えることで健康を促進できるという話もあります。今回のMOFFME記事では、猫に漢方は効果的か・メリットやデメリットを紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる猫に漢方は効果あり?メリット・デメリット・有効な病気を紹介
最近、猫を飼う方がどんどん増えていて、長生きする猫も多くいます。
飼い主さんとしては、愛猫といつまでも一緒に過ごしていたいと思うはずです。
そのため、長生きしてもらうにはどうすればいいのか考える方も多いでしょう。
飼い主さんの中には漢方を与える人もいるようです。
猫にとって漢方は効果があるのでしょうか。
今回「MOFFME」では
- 猫に漢方は効くの?漢方とは
- 猫に漢方を与える際のメリット・デメリットを紹介
- 猫の漢方薬の飲ませ方を紹介
- 漢方は猫のどんな病気に効果的か
猫を飼っている方や今後飼う予定がある方などは最後までご覧ください。
猫に漢方は効くの?漢方とは
猫に漢方を与える飼い主さんが世の中にはいますが、効果はあるのでしょうか。
そもそも漢方薬とはどのような薬で、猫に漢方を与えてもいいのでしょうか。漢方にも人間用と猫用があるのかなど様々な疑問が出てくると思います。
その疑問をこれから解決できるように書いていきます。
ここからの内容は
- 猫に漢方は効く
- 漢方とは
猫に漢方は効く
猫に漢方が効くのかということについては、猫に漢方は効きます。
また、漢方は動物専用のものが動物専門の薬局に売っていたり、ネット上で病院や漢方薬局に相談して購入したりできます。
普段動物病院で出される薬は悪いところを的確に治す西洋医学の薬です。
漢方薬は、病気を治すという点では同じですが、体調や体質を考えて病院などから出されます。
病気を優先して治すのが西洋医学の薬で、体調を考えた上で治すのが漢方薬です。
漢方薬は、病気が同じでも猫の体調などによって与える物が異なるので、必ず獣医師や薬剤師など知識のある人に相談した上で与えるようにしましょう。
漢方とは
そもそも漢方薬とはどのような薬なのか知っていますか?
漢方薬とは、中国の薬という印象があると思いますが、中国の医療から生まれてから日本に伝わってきて、日本で進化したものが現在扱われている漢方薬です。
また、効果としては、自然治癒力を高めるというもので、病気を薬の力で治すものではありません。
猫の体調を良くするために漢方薬を使うことは良いことなので、獣医師などによく相談した上で使用することを検討してみてください。
猫に漢方を与える際のメリット・デメリットを紹介
猫に漢方薬を与えること自体は問題がなく、どちらかといえば、与えることで良い効果が期待できます。
しかし、漢方薬を与えるということは、良いことばかりが起こるわけではなく、もちろん悪いことも複数あります。
では、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
ここからの内容は
- 猫に漢方を与える際のメリット
- 猫に漢方を与える際のデメリット
猫に漢方を与える際のメリット
猫に漢方薬を与えることでどのようなメリットがあるのでしょうか。メリットとしては、様々な問題に効果が期待できることです。
どのようなことに効果があるのかというと
- 下痢
- 関節の問題
- 皮膚の問題
- 排尿関係の問題
また、漢方薬は遅効性で、服用からしばらくしてから効果が出るという印象がありますが、即効性のものも結構あります。
副作用がほぼないことで猫への負担が少なく、長期間にわたって服用できることも猫に漢方薬を与えるメリットです。
そして、植物由来の漢方薬であれば、効果も人間が漢方薬を飲んだときと同様の効果を得ることができるので、植物由来の漢方薬を与えるようにしましょう。
猫に漢方を与える際のデメリット
猫に漢方薬を与えることでどのようなデメリットがあるのでしょうか。デメリットは、複数あります。
そのデメリットとは、服用してから効果の出るのが遅いものが多いということや漢方薬を取り扱っているところが少ないということです。
即効性のものもありますが、遅効性が多いというのが現状です。また、漢方薬は副作用がほとんどない薬ですが、猫が服用する際に注意しなければならない点があります。
その注意点とは、ユリ科の植物の成分が漢方薬に含まれているかどうかという点です。
ユリ科の植物は、猫にとって害のある植物で、肝臓に多大なダメージを与えます。
しかし、死に至るレベルなのか、治療すれば治るレベルなのかなど、どの程度の症状が出るのかはわかっていません。
漢方薬を使用する際には、猫に悪い影響がないかなど獣医師などに確認は念入りに行いましょう。
ユリ科由来の漢方薬とは
- 麦門冬
- 知母
猫の漢方薬の飲ませ方を紹介
ここまでの内容をご覧頂いて、猫に漢方薬を与えたいと思われた飼い主さんもいるのではないでしょうか。
猫に漢方薬を飲ませる方法は様々ありますが、猫にどのようにして漢方を飲ませれば良いのかわからない方が多いはずです。
そんな飼い主さんに向けて、猫に漢方薬を飲ませる方法について書いていきます。
ここからの内容は
- 漢方薬を猫の餌に混ぜて飲ませる
- お湯で溶かして飲ませる
- シリンジで与える
- カプセルに入れて飲ませる
漢方薬を猫の餌に混ぜて飲ませる
漢方薬を猫に飲ませる方法として、猫の餌に混ぜて飲ませるという方法があります。
この方法は、普段動物病院から処方された薬を飲ませるときに最も多く用いられる方法です。
普通にご飯に混ぜてもいいのですが、薬の部分だけを残してしまうことが多いです。
そのため、ご飯の前に少量のウエットフードやチュールに混ぜて飲ませることをおすすめします。
この方法だと最後まで飲みきってくれる可能性が非常に高いです。注意点としては、あくまで少量にするということです。
多くしてしまうとお腹いっぱいになって食べきらなかったり、味の違いなどにだんだんと気づいてしまうこともあるので、少量にしておきましょう。
目安としては、内容量の半分以下にするといいでしょう。
お湯で溶かして飲ませる
漢方薬を猫に飲ませる方法として、お湯で溶かして飲ませるという方法があります。
漢方薬は苦味があるので、猫はどうしても嫌がってしまいます。その場合、お湯に溶かしてあげたら飲める場合があります。
普段から猫用のミルクを飲む猫の場合は、猫用のミルクに混ぜて溶かして飲ませてあげてもいいです。
また、ハチミツを少しだけ入れて、混ぜてあげることで漢方薬の苦味が薄れるので、飲んでくれやすくなります。
しかし、ハチミツを大量に摂取してしまうと猫の体には悪影響なので、あくまで少量にしておきましょう。
この方法は、最初にご飯やウエットフード、チュールに混ぜても飲まなかったときに試してみてください。
理由としては、普段、動物病院から処方される薬を飲ませる場合にご飯などに混ぜて与えるほうが汎用性があるからです。
お湯などに溶かして飲ませるという方法は、ご飯などに混ぜて飲まなかったときの手段として覚えておきましょう。
シリンジで与える
ご飯に混ぜたり、お湯やミルクに溶かしたりしても漢方薬を猫が飲まなかった場合の漢方薬を飲ませる方法として、シリンジで与えるという方法があります。
飲ませ方としては、シリンジを猫の口の端から先端を口の中に入れて、少しずつ飲ませていきます。
子猫のときから育てていたりしてミルクを与えた経験がある飼い主さんは苦労することなく与えられるかもしれません。
しかし、ドライフードなどを食べるくらいに成長していた猫を飼った場合は、なかなか難しいです。
厳しいと感じたときには、かかりつけの獣医師などに相談して、コツを教えてもらうことをおすすめします。
慣れてしまえばそこまで難しくはないので、試してみてください。ただ、猫が暴れてしまうこともあるので、暴れるときは複数人で協力して怪我に気をつけながら行いましょう。
カプセルに入れて飲ませる
漢方薬を猫に飲ませる方法として、カプセルに入れて飲ませるという方法もあります。
この方法をするには、まず、小さいカプセルを買ってくる必要があります。そして、カプセルの中に漢方薬を詰め込んで、飲ませてあげます。
カプセルの中に漢方薬を入れてしまえば、漢方薬独特の苦味などは一切感じないので、確実に飲んでくれます。
しかし、いちいちカプセルを買ってきて、漢方薬をカプセルに詰めることが手間なので、少しだけ大変です。
また、カプセルを飲み込ませるのも最初は苦労する可能性が高いです。慣れるまではとても苦労しますが、慣れてしまえば確実なので、試してみてください。
ここまで、様々な方法を紹介してきましたが、猫によって合う合わないがあるはずなので、色んな方法を試してみて、愛猫に合う方法を探してあげてください。
漢方は猫のどんな病気に効果的か
漢方は、猫の病気を治すことができたり、体調を良くしたりと効果的な場合があります。
しかし、どんな病気にどの漢方薬がうまく効果を発揮してくれるのかは、獣医師や漢方の知識を持っている人などでないとわからないです。
猫に漢方を与えると様々な病気に効果を発揮してくれますが、どのような病気に効果的なのでしょうか。
漢方が効果を発揮してくれる病気は
- 慢性腎臓病
- 膀胱炎、血尿、尿路結石
- 糖尿病
- 胃炎、腸炎
- 猫のカゼ、気管支炎
- 関節痛、運動器疾患
- アレルギー性皮膚炎
- 腫瘍・がん
慢性腎臓病
飼い猫が亡くなる原因として最も多い慢性腎臓病に効果が発揮することができます。
慢性腎臓病は、15歳以上の猫の3頭に1頭が発症する病気とされています。
慢性腎臓病に効果のある漢方薬は
- 六味丸(配合生薬:地黄、山茱萸、山薬、沢瀉、茯苓、牡丹皮)
- 柴苓湯(配合生薬:柴胡、沢瀉、半夏、黄芩、蒼朮、大棗、猪苓、人参、茯苓、甘草、桂皮、生姜)
- イスクラ001源気
この中で六味丸と柴苓湯は一般購入することができます。六味丸は180錠入りで約3,300円です。柴苓湯も15包で約3,300円となっています。
イスクラ001源気に関しては、獣医師に診断されて必要でなければ購入することができません。そのため、値段や配合生薬も明かされていないです。
イスクラ001源気の効果としては、高齢ペットの元気と健康をサポートするというものです。
膀胱炎、血尿、尿路結石
膀胱炎や血尿、尿路結石に効果的な漢方薬もあります。膀胱炎や血尿、尿路結石はひどい痛みを伴う病気です。
膀胱炎や血尿、尿路結石に効果のある漢方薬は
- 猪苓湯(配合生薬:猪苓、沢瀉、茯苓、阿膠、滑石)
- 五苓散(配合生薬:沢瀉、猪苓、蒼朮、茯苓、桂皮)
- イスクラ010通淋
この中で猪苓湯と五苓散は一般購入することができます。猪苓湯は12包で約1,100円です。五苓散も180粒で約4,400円となっています。
イスクラ010通淋に関しては、獣医師に診断されて必要でなければ購入することができません。そのため、値段や配合生薬も明かされていないです。
イスクラ010通淋の効果としては、ペットの下部尿路の健康をサポートするというものです。
糖尿病
人間の生活習慣病として知られている糖尿病ですが、猫も発症することがあります。
その糖尿病に効果的な漢方薬もあります。
糖尿病に効果のある漢方薬は
- 白虎加人参湯(配合生薬:知母、石膏、甘草、粳米、人参)
- 小柴胡湯(配合生薬:柴胡、黄ごん、半夏、人参、甘草、生姜、大棗)
- イスクラ005寧心
- イスクラ012滋潤
この中で白虎加人参湯と小柴胡湯は一般購入することができます。白虎加人参湯は240錠入りで約4,800円です。小柴胡湯も1日2回服用の10日分で約2,600円となっています。
イスクラとつく漢方薬に関しては、獣医師に診断されて必要でなければ購入することができません。そのため、値段や配合生薬も明かされていないです。
イスクラ005寧心の効果としては、ペットの健康な循環をサポートするというもので、イスクラ012滋潤の効果としては、ペットの健康な潤いをサポートするというものです。
胃炎、腸炎
人間もストレスなどから発症しやすい胃炎と腸炎ですが、猫も発症しやすい病気です。
その胃炎と腸炎に効果的な漢方薬もあります。
胃炎と腸炎に効果のある漢方薬は
- 半夏瀉心湯(配合生薬:半夏、黄芩、乾姜、人参、甘草、大棗、黄連)
- 六君子湯(配合生薬:人参、蒼朮、茯苓、半夏、陳皮、大棗、甘草、生姜)
- 小建中湯(配合生薬:芍薬、桂皮、大棗、甘草、生姜、膠飴)
- イスクラ006三仙
この中で半夏瀉心湯と六君子湯、小建中湯は一般購入することができます。半夏瀉心湯は36錠入りで約1,000円です。
六君子湯も10包で約1,800円となっています。小建中湯は45包で約2,700円です。
イスクラとつく漢方薬に関しては、獣医師に診断されて必要でなければ購入することができません。そのため、値段や配合生薬も明かされていないです。
イスクラ006三仙の効果としては、ペットの健康な消化をサポートするというものです。
猫のカゼ、気管支炎
猫が頻繁になってしまう猫のカゼや気管支炎に効果的な漢方薬もあります。
猫のカゼや気管支炎に効果のある漢方薬は
- 小青竜湯(配合生薬:半夏、甘草、桂皮、五味子、細辛、芍薬、麻黄、乾姜)
- 麻杏甘石湯(配合生薬:麻黄、杏仁、甘草、石膏)
- 柴朴湯(配合生薬:柴胡、沢瀉、半夏、黄芩、蒼朮、大棗、猪苓、人参、茯苓、甘草、桂皮、生姜)
- イスクラ002清肌
です。
麻杏甘石湯も20包で約2,400円となっています。柴苓湯も15包で約3,300円となっています。
イスクラ002清肌の効果としては、獣医師に診断されて必要でなければ購入することができません。そのため、値段や配合生薬も明かされていないです。
イスクラ002清肌の効果としては、ペットの健康な皮膚をサポートするというものです。
関節痛、運動器疾患
シニア猫になったときなどに多く見られる関節痛や運動器疾患にも効果的な漢方薬があります。
関節痛や運動器疾患に効果のある漢方薬は
- 疎経活血湯(配合生薬:芍薬、地黄、川芎、蒼朮、当帰、桃仁、茯苓、威霊仙、羌活、牛膝、陳皮、防已、防風、竜胆、甘草、白芷、生姜)
- イスクラ003通楽
この中で疎経活血湯は一般購入することができます。疎経活血湯は180錠入りで約2,400円です。
イスクラ003通楽に関しては、獣医師に診断されて必要でなければ購入することができません。そのため、値段や配合生薬も明かされていないです。
イスクラ003通楽の効果としては、ペットの健康な関節・筋肉をサポートするというものです。
アレルギー性皮膚炎
かゆみや炎症が起こり、治療も難しいとされているアレルギー性皮膚炎にも効果的な漢方薬があります。
アレルギー性皮膚炎に効果のある漢方薬は
- 消風散(配合生薬:石膏、地黄、当帰、牛蒡子、蒼朮、防風、木通、知母、甘草、苦参、荊芥、胡麻、蝉退)
- 黄連解毒湯(配合生薬:黄連、黄ごん、黄柏、山梔子)
- 小柴胡湯(配合生薬:柴胡、黄ごん、半夏、人参、甘草、生姜、大棗)
- イスクラ002清肌
この中で消風散と黄連解毒湯、小柴胡湯は一般購入することができます。消風散は20包で約2,300円です。
黄連解毒湯も24包で約1,700円となっています。小柴胡湯も1日2回服用の10日分で約2,600円となっています。
イスクラ002清肌の効果としては、獣医師に診断されて必要でなければ購入することができません。そのため、値段や配合生薬も明かされていないです。
イスクラ002清肌の効果としては、ペットの健康な皮膚をサポートするというものです。
腫瘍・がん
長生きする猫が増えている一方で、腫瘍ができたり、がんに罹ってしまったりする猫も増えています。
そんなに腫瘍やがんに効果的な漢方薬があります。
腫瘍やがんに効果のある漢方薬は
- 十全大補湯(配合生薬:黄耆、桂皮、地黄、芍薬、蒼朮、川芎、当帰、人参、茯苓、甘草)
- 補中益気湯(配合生薬:人参、黄耆、蒼朮または白朮、柴胡、当帰、升麻、陳皮、生姜、大棗、甘草)
- 八味地黄丸(配合生薬:地黄、山茱萸、山薬、沢瀉、茯苓、牡丹皮、桂皮、附子末)
- イスクラ004露華
- イスクラ009西伯利亜
この中で十全大補湯と補中益気湯、八味地黄丸は一般購入することができます。十全大補湯は180錠入りで約4,400円です。
補中益気湯も48錠入りで約1,600円となっています。八味地黄丸も1日2回服用の10日分で約2,600円となっています。
イスクラとつく漢方薬に関しては、獣医師に診断されて必要でなければ購入することができません。そのため、値段や配合生薬も明かされていないです。
イスクラ004露華の効果としては、ペットの健康を維持する免疫力をサポートするというもので、イスクラ009西伯利亜の効果としては、ペットの健康な肝・腎をサポートするというものです。
まとめ:用法容量を守れば漢方は猫の健康を促進できる
ここまで、猫に漢方は効くのかや漢方薬を飲ませる方法などについて書いてきました。
この記事では、
- 猫に漢方は効くの?漢方とは
- 猫に漢方を与える際のメリット・デメリットを紹介
- 猫の漢方薬の飲ませ方を紹介
- 漢方は猫のどんな病気に効果的か
以上の4つの内容を詳しく紹介してきました。
猫に漢方は効果的で、様々な病気にも効果がありました。メリットだけでなく、デメリットもありますが、よく把握した上であげてください。
また、飲ませるのには苦労するかもしれませんが、様々な方法を試して飲ませてあげてください。
MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険について解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!