どんな生き物もそうですが手術の後はデリケートになります。そんな犬を守ってくれるのが『術後服』です。エリザベスカラーはよく知られていますが、それの代替品として今注目されています。この記事では、犬の術後服のメリットや選び方を解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じる愛犬に術後服は必要?犬用の術後服のメリットや選び方を紹介
- 犬の手術後は『エリザベスカラー』が定番
- エリザベスカラーの代わりとなる『術後服』とは
- 犬の術後服のメリットを紹介
- 犬の術後服の選び方を紹介
- 犬用術後服の注意点を紹介
犬の手術後は『エリザベスカラー』が定番
『エリザベスカラー』。手術に縁のない飼い主さんの場合、ご存じでないこともあるでしょう。
- エリザベスカラーのデメリット①食事の邪魔になる
- エリザベスカラーのデメリット②動きにくい
エリザベスカラーのデメリット①食事の邪魔になる
まず1つ目。食事の邪魔になります。傷口を舐めさせないためとはいえ、犬が自由にご飯を食べたり、飲んだりできなくなります。エリザベスカラーが邪魔して、口が何にも届かないためです。
好きなものを好きなときに摂取する動物の本能を満たせないのでかなりストレスがかかります。傷口を守る安心感と引き換えに、ペットに負担をかけることになります。
必要な選択肢ではあるものの、犬猫にとっては非常に苦しい時間です。
エリザベスカラーのメリット②動きにくい
そして2つ目。動きにくいことです。サイズやデザインによって、また犬自身の大きさによって、床や壁についてしまうことです。ミニチュアダックスフンドなど体の高さのない犬なら、さらに動きにくくなります。
また、真っ透明なエリザベスカラーでない限り、可動域である頭を動かせる範囲からの視界も狭くなってしまいます。
カラーの大きさ・幅と視界が狭くなるせいで距離感がわからず、以前よりも安心して動くことができない状態です。
エリザベスカラーの代わりとなる『術後服』とは
術後服とは、その名のとおり、手術後に犬猫に着させるウエアです。エリザベスカラーのデメリットをカバーできるとあって、注目されています。
- 犬に術後服が必要な理由①傷口を舐めさせないため
- 犬に術後服が必要な理由②傷口を清潔に保つため
犬に術後服が必要な理由①傷口を舐めさせないため
術後服が必要な1つ目の理由は、傷口を舐めさせないためです。傷を布で覆っている状態になるため、手術を受けた犬自身はもちろん、同居しているほかの犬に舐められるのを防ぐことができます。
犬自身が舐めたとしても、傷口に触れるとそれだけで出血したり、細菌が入って膿んだりして、治りが遅くなります。糸を解こうとする犬もいます。
犬が気になる傷口を舐めないように保護することが手術後の回復にはとても大事なのです。
犬に術後服が必要な理由②傷口を清潔に保つため
2つ目の理由は、傷口を清潔に保つためです。デリケートな状態になっている傷口。術後服でカバーすることで、何かの拍子で傷口に粉や液体が降りかかったり、物や柱などにぶつけるなどの事故を防ぐことができます。
家の中だけではなく、回復途中に気晴らしに出かける久々の散歩で、はしゃいで草木や電柱、他のおうちの犬などに接触する機会があります。
そんなときも、術後服があれば、傷口に触れるすべてのものを避けられるのです。
犬の術後服のメリットを紹介
術後服の目的を理解したところで、次は術後服のメリットを見ていきたいと思います。
- 犬の術後服のメリット①手術のストレス軽減
- 犬の術後服メリット②動きやすい
- 犬の術後服メリット③他の犬から傷口を守れる
犬の術後服のメリット①手術のストレス軽減
慣れない環境での受けた手術や手術による痛み、思いどおりに体が動かせないことだけですでに犬はストレスを抱えている状態です。そこに、エリザベスカラーを使用すると、ますますストレスを与えてしまいます。
そのデメリットをカバーできるのが術後服の良いところ。食べたいもの、飲みたい水を愛犬の思うときに摂取させてあげられることで、手術のストレスを軽減できます。
犬の気持ちを思う飼い主さんに人気の理由です。
犬の術後服メリット②動きやすい
犬の体のサイズにフィットしたウエアなら、犬も動きやすく、快適に過ごすことができます。壁や床にエリザベスカラーをぶつけていたときとは段違いです。
動きやすいことで、ストレスを軽減でき、ご飯も思いどおりに食べることができるので術後の回復を妨げる心配はありません。
近頃は獣医師からも選択肢の一つとして術後服が推薦されています。病院に術後服を持参して、手術前の愛犬の引き渡し時に、一緒に渡すとよいでしょう。
犬の術後服メリット③他の犬から傷口を守れる
元気がでてくると、今まで我慢してきた分、他の犬と戯れて遊ぼうとする機会があるのでは? 社交的で、同居している犬や他のうちの犬たちとじゃれ合う習慣のついている犬ならなおさらですね。
そんなとき、エリザベスカラーは、凶器とまではいかなくても動きが不自由になるせいで、衝突時に他の犬の目に入ったりする恐れもあります。
術後服の場合、他の犬に乗っかられても、傷口に触れられないばかりか、相手の犬を傷つける可能性もなくなります。
犬の術後服の選び方を紹介
さて、ここからはウエア選びの参考になる次に4つのポイントについて詳しく解説していきます。
- 犬用術後服の選び方①サイズ
- 犬用術後服の選び方②素材
- 犬用術後服の選び方③デザイン
- 犬用術後服の選び方④機能性
いまや術後服は人気の洋服とあって、たくさんの選択肢があります。病院選びと同様、洋服選びも慎重になることで、愛犬の快適さ、回復力アップに繋がるかもしれません。
ぜひ最後までご一読いただければと思います。
犬用術後服の選び方①サイズ
犬の洋服の購入が初めての場合、小型犬・中型犬・大型犬というざっくりしたくくりではなく、きちんと胸囲・着丈・首周りの寸法を計測しましょう。着丈は首のつけ根と尻尾のつけ根までです。
サイズが合わないと着心地が良くなく、犬をイライラさせていしまう可能性があります。
また、犬の服のブランドによって、同じ数値でも実際に着たサイズ感が違います。人間の洋服もそうですよね。
体にフィットする洋服を選んであげてください。
犬用術後服の選び方②素材
術後服は一般的に、通気性が考慮されています。ただ、素材をきちんと確認してから購入して着せていない限り、蒸れたり、静電気が起こったりと、犬の負担になってしまいます。
夏であれば、冷却効果、速乾性、通気性の高い素材を選びましょう。
他の服と比べて術後服は体との隙間が少なくなるように作られていますので、収縮性のある素材かどうかの確認も重要なポイントです。
全てを満たした製品もありますので、明るい気持ちで探してみてください。
犬用術後服の選び方③デザイン
一番大事なデザインのポイントは、「傷口をきちんとカバーしている」ことです。目的を満たしたデザインを優先的に選択しましょう。
ただし、傷口の場所によっては、術後服ではカバーできないこともありえます。購入前に獣医師にどんな大きさ・部位の傷口になるか相談しておくことをお勧めします。
当然ですが、柄や色はお好きなものを選べます。上記の点に気を付けながら、お好みのデザインの術後服のショッピングを楽しんでください。
犬用術後服の選び方④機能性
術後服によって、男の子用、女の子用、兼用と明記されていますのでしっかり確認しましょう。これを守ることで、排泄の際にわざわざ服を脱がせないですみます。
また、防護目的なので、着せっぱなしにすることが多いと思いますが、着せたり脱がせたりすると犬によっては不快感やストレスを感じてしまいます。簡単に着脱できることもポイントです。
消臭機能、抗菌効果、日本製、いろいろありますので、安心して探してみてください。
犬用術後服の注意点を紹介
ここまでは、術後服のメリットや選び方を紹介してきました。購入時に確認することがたくさんありましたね!
- 犬用術後服の注意点①性別を間違えないよう注意
- 犬用術後服の注意点②嫌がったらストップ
犬用術後服の注意点①性別を間違えないよう注意
術後服は、男の子用と女の子用で設計が違うデザインです。おしっこの出る位置が違うからです。男の子用はお腹の真ん中に穴が空いているのが特徴です。
もし性別の違う術後服を着せてしまうと、おしっこをするたびに術後服が濡れて不衛生になり、傷口に細菌が入ってしまう可能性があります。
また、服のサイズ確認も大切です。おしっこの出る位置が服の真ん中の穴にくるように、体のサイズにあった術後服を選ぶようにしましょう。
犬用術後服の注意点②嫌がったらストップ
普段から犬用の洋服を着ている犬なら問題ないですが、そうでない場合、術後服を着せる過程で、ものすごく嫌がられる可能性があります。
服を着せようとすると動いたり嚙みついたりする犬も。こういう場合は無理やり着せようとせずにストップし、別の機会か別の日にチャレンジしましょう。
何度試しても難しい場合は、エリザベスカラーで代替します。飼い主さん自身がどっしりと構えてあげることが愛犬にとっても安心につながります。
まとめ:愛犬の手術後ケアは入念に!
いかがでしたでしょうか。飼い主さんなら、手術後の愛犬を労わってあげたい気持ちでいっぱいだと思います。できる手術後ケアには、メンタル、フィジカル両方ありますよね。
術後服自体はフィジカルですが、着心地を考えてあげたり、エリザベスカラーではなくウエアを選ぶことで、ストレスを軽減する役割もあるため、メンタル面でもとても重要なものと言えます。
飼い主さんが愛犬の回復を助けられることはいくつもありますが、そのうちの1つとして、今回、術後服について詳しく知っていただけたのなら幸いです。
またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!