愛犬の口の横にできものができたら飼い主さんとしては心配になってしまいますよね。口の横にできものができた際に考えられる病気として『口唇炎』と『口唇裂』があります。今回のMOFFME記事では、口唇炎と口唇裂の原因・対処法・予防法・注意点などを紹介していきます。
この記事の目次
目次を閉じる愛犬の口の横にできものを発見?原因・症状・対処法を紹介!
犬の口の横にできものがでることがあります。このできものが何なのか飼い主さんは心配になってしまいますよね。
犬の口の横にできものができるのはなぜなのでしょうか。
できものができる原因や症状などについて書いていきます。
今回「MOFFME」では、
- 愛犬の口の横にあるできものを良性か悪性か判断する方法
- 口の横にあるできものや腫れから考えられる病気
- 口唇炎について詳しく紹介
- 口唇裂について詳しく紹介
- 愛犬の口の横にあるできものに対して自宅でできるケアを紹介
犬を飼っている方や今後犬を飼う予定があるという方などは、ぜひ、最後までご覧ください。
愛犬の口の横にあるできものを良性か悪性か判断する方法
できものを見つけたときに気になることとしては、そのできものが良性か悪性かということのはずです。
良性かどうかという判断は、獣医師でなければできないと思いがちですが、飼い主さんが判断することもできます。
ここからは、
- 愛犬の口の横にあるできものの見分け方:良性の特徴
- 愛犬の口の横にあるできものの見分け方:悪性の特徴
それぞれの特徴について書いていきます。
良性と悪性の特徴と見分け方を紹介していきますが、口の横などにできものを見つけたときは動物病院には行くようにしましょう。
愛犬の口の横にあるできものの見分け方:良性の特徴
愛犬の口の横にできたできものが良性である場合は、パピローマウイルスの感染によってできたできものであると考えられます。
パピローマウイルスとは、犬だけでなく人間や馬など様々な動物が感染するウイルスです。
感染の仕方としては、唾液や尿などでも感染しますが、感染した動物に触れることでも感染します。
パピローマウイルスによるできものの特徴は、直径1cm未満で、色が白や黄色、ピンクのものです。
パピローマウイルスに感染したとしてもほとんどの場合は、自然治癒で治ってしまうので、できものが良性であれば、そこまで心配する必要はありません。
愛犬の口の横にあるできものの見分け方:悪性の特徴
愛犬の口の横にできたできものが悪性である場合は、病気である可能性もあります。
悪性のできものの特徴は、色が赤黒かったり、黒いことで、特に大きさなどは関係ありません。
できものが赤黒かったり、黒い場合は、どんなに小さくても悪性だと判断していいです。
また、悪性のできもので、大きくなったり、固くなった場合は要注意です。
悪性のできものであれば、痛がっている様子が見られなかったり、普段と変わらない様子でもできるだけ早く動物病院を受診してください。
犬の口の横にあるできものや腫れから考えられる病気
犬の口の横にできものができると腫れなどの症状が出てきます。
この症状から考えられる病気があります。それはどのような病気なのでしょうか。
犬の口の横のできものや腫れから考えられる病気は
- 口唇炎
- 口唇裂
以上の2つです。
できものを見つけたときは、どのような症状が出てきているのか注意深く見て、動物病院に行った際に獣医師に伝えられるようにしておきましょう。
できものや腫れから考えられる病気:口唇炎
できものや腫れから考えられる病気として、口唇炎があります。
口唇炎という病気は、その名の通り唇が腫れる病気で、喧嘩などで唇を負傷してしまった際に、その傷口から細菌が入ることで、炎症を起こします。
炎症以外の症状として、出血や口の中で臭いが発生します。他にも様々な症状や原因がありますが、後ほどより詳しく解説していきます。
できものや腫れから考えられる病気:口唇裂
できものや腫れから考えられる病気として、口唇裂があります。
口唇裂という病気は、鼻から上唇が裂ける病気で、生まれたときから先天的に発症し、子宮の外傷や子宮内でのウイルス感染などが原因とされています。
鼻から上唇が裂ける以外の主な症状として、くしゃみや咳、鼻水が多く出ます。他にも様々な症状や原因がありますが、後ほどより詳しく解説していきます。
犬の口唇炎について詳しく紹介
犬の口の横にできものができたときに考えられる病気として口唇炎がありますが、口唇炎とはどのような病気なのでしょうか。
また、犬種の中には口唇炎に注意しなければならない犬種もいます。また、、予防する方法はあります。
ここからは口唇炎について
- 口唇炎の原因
- 口唇炎の症状
- 口唇炎に注意が必要な犬種
- 口唇炎に対する治療について
- 口唇炎を予防する方法
- 老犬が口唇炎になった際のケア方法
について書いていきます。
愛犬が口唇炎にならないために、そして、なってしまったときに対処ができるようにするために口唇炎について書いていきますので、ぜひ、お読みください。
犬の口唇炎の原因
犬は、口唇炎という病気を発症することがあります。
口唇炎になる原因としては
- 炎症
- 口内炎
- 寄生虫
- 真菌
- アレルギー
- 酸球性肉芽腫症候群
- 先天性によるもの
いずれの原因にしても、真菌や寄生虫などによって異変が起きたときに、自身の体を守ろうとして、炎症が起きてしまい、口唇炎になってしまいます。
炎症が起きているということは、身体を守ろうとしているのですが、細菌が身体を蝕んでいたりと、何かしらの異常が起きていることも示しています。
炎症が起きているところを見つけたら、動物病院で診てもらいましょう。
犬の口唇炎の症状
犬が口唇炎になった際に様々な症状が見られるようになります。
口唇炎になった際の症状は
- 腫れる
- 出血
- 臭いが発生する
- よだれの量が増える
- 口の周りを気にする
- 食欲低下
全ての症状が出るわけではありませんが、この症状の中でも食欲の低下は飼い主さんが最も気づきやすい症状です。
痛みや痒み、ご飯が食べられないという状態は、犬にとってはストレスがかかってしまいます。
ストレスは他の病気を引き起こしてしまったりと、辛い思いをするだけなので、口唇炎と思われる症状が見られたら動物病院に行きましょう。
口唇炎に注意が必要な犬種
どの犬種であっても口唇炎を発症する可能性はあるのですが、特に気をつけなければいけない犬種がいます。
まず、発症する可能性が高い犬種は
- ボクサー
- ドーベルマンピンシャー
- ポインター
- グレート・デーン
- ブルドッグ
- パグ
他にも口唇炎を発症した原因が酸球性肉芽腫症候群の場合は
- シベリアン・ハスキー
- アラスカン・マラミュート
これらの犬種を飼っている飼い主さんは、口唇炎の症状が出ていないか普段から注意深く見るようにして生活してください。
犬の口唇炎に対する治療について
犬が口唇炎になってしまったら、どのような治療を行うのでしょうか。
口唇炎を発症していることが分かって、動物病院に連れて行って最初に行うのは検査です。
行う検査と検査内容は以下の表をご覧ください。
検査名 | 検査内容 | 検査費 |
---|---|---|
血液検査 | 血液を取り、好中球や好酸球が増加していないか検査を行う | 約1万円 |
顕微鏡検 | 寄生虫や真菌がいないか顕微鏡で見る | 約1万円~1万5,000円 |
レントゲン検査 | 口内炎による炎症なのか、また、歯周病になっていないか撮影して調べる | 約5,000円~7,500円 |
細胞診検査 | 注射針で患部の細胞を一部取り、顕微鏡で見る | 約1万円 |
病理組織検査 | 患部の一部を取り、検査を行う | 約1万円~1万5,000円 |
です。
検査の後に行われる治療は一般的には抗生物質で行われます。しかし、酸球性肉芽腫症候群の場合はステロイド剤を投与することで改善を図ります。
また、原因が真菌の場合には外用薬や内服薬、薬用シャンプーでの洗浄を行うこともあります。
犬の口唇炎を予防する方法
犬が口唇炎になってしまうのは、仕方のないことですが、予防することもできます。
原因が多いだけに予防方法も多くなってしまいます。
口唇炎の予防方法は
- 歯垢・歯石を取り、口の中を清潔に保つ
- シャンプーをして、被毛や皮膚を清潔にする
- アレルギーの対象となるものを近づけない
- 他の犬との接触を避ける
- 犬にとって危険な物は触られないようにする
- ストレスを与えない
- 健康診断を行う
健康診断以外はどれも自宅でできる予防方法です。健康診断は、1年に1度程度行うことで、病気の予防や早期発見に繋がります。
老犬が口唇炎になった際のケア方法
老犬が口唇炎になってしまった際にはいち早く治すためにもケアをすることが大切です。
老犬が口唇炎になると患部の周りの毛が抜けてしまったり、痛みがひどかったりします。
痛みがひどいと自分で食事をすることが難しいので、消化しやすく食べやすいやわらかいものを食べさせてあげましょう。
また、患部を気にするようになったり、掻いたりしてしまうときは、エリザベスカラーを付けてあげて、患部がひどくなることを防ぎましょう。
老犬になるとどうしても治るのが遅くなってしまうので、口唇炎が疑われるときはいち早く動物病院で診てもらいましょう。
犬の口唇裂について詳しく紹介
犬の口の横にできものができたときに考えられる病気として口唇裂がありますが、口唇裂とはどのような病気なのでしょうか。
また、犬種の中には口唇裂に注意しなければならない犬種もいます。また、予防する方法はあります。
ここからは口唇裂について
- 口唇裂の原因
- 口唇裂の症状
- 口唇裂に注意が必要な犬種
- 口唇裂に対する治療について
- 口唇裂を予防する方法
- 老犬が口唇裂になった際のケア方法
愛犬が口唇裂にならないために、そして、なってしまったときに対処ができるようにするために口唇裂について書いていきますので、ぜひ、お読みください。
犬の口唇裂の原因
犬は、母犬から生まれた際に口唇裂という病気を発症していることがあります。
口唇裂になる原因としては
- 母犬の子宮の外傷
- 母犬がウイルス感染
- 母犬のストレス
- 母犬に薬剤の投与
- 母犬の栄養不足
- 母犬が身体に害のあるものを食べる
母犬が健康な状態で出産できれば、口唇裂になる可能性が低くなります。
口唇裂は先天性の病気なので、成長していく過程でなることはありませんが、保護犬などで成長した犬を引き取ったときに口唇裂になっているときがあります。
もし、成長した犬を引き取って、身体に異常が見られた場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。
犬の口唇裂の症状
犬が口唇裂になった際に様々な症状が見られるようになります。
口唇裂になった際の症状は
- くしゃみの回数が増える
- 鼻水がよく出るようになる
- 咳が出る
- 呼吸困難
- ミルクがうまく飲めない
- ごはんがうまく食べられない
咳や呼吸に関しては、食事が上手く食道を通っていないということが考えられます。
状況によっては、カテーテルを使用して栄養を摂らなければいけない場合もあるので、かかりつけの医師などに相談してみましょう。
家で食事をさせるときなどは、何があっても良いように飼い主さんはできるだけ離れないようにしましょう。
口唇裂に注意が必要な犬種
どの犬種であっても口唇裂を発症する可能性はあるのですが、特に注意が必要な犬種がいます。
まず、発症する可能性が高い犬種は
- ブルドッグ
- ペキニーズ
- ボストン・テリア
- パグ
- フレンチ・ブルドッグ
などの鼻の短い犬種の発症リスクが高いです。
他にも
- ビーグル
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・シュナウザー
- ラブラドール・レトリーバ
以上の犬種も要注意です。これらの犬種を飼っている飼い主さんは、子犬が生まれた際などに口唇裂の症状が出ていないか注意深く見るようにしてください。
犬の口唇裂に対する治療について
犬が口唇裂になってしまったら、どのような治療を行うのでしょうか。
口唇裂を発症していることが分かって、動物病院に連れて行って最初に見るのは口蓋裂もなっているのかの確認です。
口唇裂自体は鼻から上唇にかけて裂けているため、一目で分かるのですが、口蓋裂は、口の上の天井部分が裂ける病気なので、状況によっては一目では分かりづらいです。
そのため、麻酔を使って確認することがあります。麻酔の費用は約1万5.000円程度です。
治療法としては、裂けている部分を外科手術で閉じます。
しかし、生まれてすぐに麻酔を使うことができず、手術は行えないので、生後2~3ヶ月くらいになったら麻酔を使い、手術を行います。手術費用は約10万円です。
また、口唇裂だけでなく口蓋裂があることで、くしゃみや咳の回数が多かったり、呼吸困難になる場合は抗生物質を投与することもあります。
犬の口唇裂を予防する方法
犬が口唇裂になってしまうのは、仕方のないことですが、予防することもできます。
原因が多いだけに予防方法も多くなってしまいます。
口唇裂の予防方法は
- 母犬にストレスを与えない
- 母犬が病気にならないようにする
- 妊娠中に使用する薬に気をつける
- 栄養を十分に摂らせる
- 犬にとって危険な物は触られないようにする
妊娠中の母犬の健康管理となるので、普通の健康的な犬よりも注意をしなければなりません。
具体的には、今まで普通に使っていた薬だからといって使ってはいけなかったり、今まで以上にご飯の栄養を考えなくてはいけません。
また、病気を予防するために、健康診断を行うこともおすすめです。また、使用する薬があれば、健康診断の際に使用する薬について聞いておくと安心して飲ませられます。
老犬が口唇裂になった際のケア方法
口唇裂は、母犬から生まれたときに発症している病気なので、老犬が発症することはありません。
しかし、子犬の時から口唇裂だったものの、軽いものだったことから治さず放っておいて老犬になってしまうケースはあります。
老犬まで口唇裂を放っておくと歯並びに影響が出たり、歯周病の原因となってしまうことがあります。
歯に何かしらの影響が出る可能性が高いので、子犬のときに治さなかったら飼い主さんは、歯や口内に異常がないか定期的に確認しなければなりません。
また、ある程度成長した成犬を引き取ったときに口唇裂である場合もあります。
口唇裂が見られた場合は、口蓋裂もある可能性があるので、できるだけ早いうちに動物病院で診てもらって治療を行いましょう。
愛犬の口の横にあるできものに対して自宅でできるケアを紹介
愛犬の口の横にできものができたときに動物病院にすぐ行ければいいですが、休診日などで、行けない場合もあります。
しかし、動物病院に行けなくても自宅でできることもあります。
ここからは家庭で簡単にできるケアを紹介していきます。
内容としては
- 自宅でできるケア① ビタミンEの摂取
- 自宅でできるケア② 保湿
です。
自宅で正しくケアをできるようにするためにも、正しいケアの方法を覚えておきましょう。
自宅でできるケア① ビタミンEの摂取
愛犬の口の横にできものができたときに自宅でできるケアは、ビタミンEを摂取させることです。
ビタミンEの効果は免疫力を高めたり、細胞膜を守ることで、ガンや皮膚病の発症を防ぎます。
ビタミンEを含む食材は
- アーモンド
- 大豆
- 魚卵
- 野菜
- 果物
また、熱で無くなることもないので、加熱調理をして上で与えてもビタミンEを摂取することができます。
ビタミンEだけでなく、ビタミンCと合わせることで吸収しやすくなり、抗酸化力が上がる効果も期待できるので、ビタミンCと合わせることはおすすめです。
自宅でできるケア② 保湿
愛犬の口の横にできものができたときに自宅でできるケアは、保湿をすることです。
簡単に保湿をする方法としては、皮膚に保湿スプレーをかけてあげて、保湿することです。
他にも加湿器を使って湿度を40~60%程度に保つこともおすすめです。
加湿が大切な理由は、犬は人間の20%~30%しか角質層がなく乾燥に弱いので、肌のトラブルが起きやすいからです。
できるかぎり、加湿器をつけたり、保湿スプレーをかけてあげて乾燥しないようにしてあげましょう。
まとめ:心配な時は動物病院へ連れて行こう
今回は犬の口の横にできものができる原因やできものから考えられる病気などについて書いてきました。
この記事では、
- 愛犬の口の横にあるできものを良性か悪性か判断する方法
- 口の横にあるできものや腫れから考えられる病気
- 口唇炎について詳しく紹介
- 口唇裂について詳しく紹介
- 愛犬の口の横にあるできものに対して自宅でできるケアを紹介
愛犬の口の横にできものができたときは、良性か悪性かを判断しましょう。
もし、良性であっても口唇炎などの可能性があるので、自宅でケアをしたり、動物病院に連れて行くなど、いち早く治せるようにできることを行うようにしましょう。
もし、できものが良性か悪性か分からず、心配な場合は迷わず動物病院に連れていきましょう。
MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険について解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!