犬の乳歯が永久歯に生え変わる時期は普段よりも愛犬の健康に配慮する必要があります。愛犬の歯が正常に生え変わるためにしっかりと基礎知識を身につけておくが大切です。今回のMOFFME記事では、犬の歯の構造・犬の乳歯と永久歯の見分け方・注意点や対処法を紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる犬の乳歯と永久歯の見分け方について詳しく解説!歯の構造など
愛犬のくちの中をじっくり見たことがあるでしょうか。
子犬の頃は、細く小さい歯が生えており、成犬になると、しっかりした太い歯が隙間なく並んでいますよね。
犬にも人と同じように、乳歯と永久歯があります。
犬の歯が正常に生えかわるために、しっかりと基礎知識を身につけておくが大切です。
乳歯と永久歯の違いや歯の構造を知ることにより、生えかわりで気を付けることなどが
わかります。
今回のMOFFMEでは
- 犬の歯の構造について理解しよう
- 犬の乳歯と永久歯の見分け方を紹介
- 犬の乳歯に関する注意点や対処法を紹介
- 犬の歯の生え変わり時期での注意点を紹介
- なぜ犬の歯は虫歯になりにくいのか
をくわしく解説します。
ぜひ、最後までご覧ください。
まずは犬の歯の構造について理解しよう
犬の歯の構造について、しっている方は少ないのではないでしょうか。
人の歯は食べものをすりつぶす役割がありますが、犬の歯は、肉を引きちぎるために使うので、人とは役割がちがいます。
他にも、人と犬では歯の形状や本数などに違いがあります。
愛犬を観察していると、なぜ食べものをまる飲みしてしまうのか、なぜ全部の歯が尖っているのかなど、不思議に思ったことがあるのではないでしょうか。
愛犬の歯の構造をしることは、愛犬の健康管理や毎日のケアなどにも役立ちます。
この項目では
- 人と犬の歯の違い
- 犬の歯の構造と着色
をくわしく解説します。
人間と犬の歯の違い
人間と犬の歯の違いは3点あります。
1つ目は、歯の本数と形状の違いです。人と犬では食べ方に違いがあるので、歯の本数と形状にも違います。
人間の歯は親知らずを含めて32本。食べ物を咀嚼し飲みこむので、歯は臼のような形状です。
犬の歯は42本。食べ物を引き裂き、硬いものをある程度の大きさのし、飲みこむので歯は薄く尖っています。
2つ目は、唾液成分の違いです。人の唾液には、デンプンを糖に分解する酵素・アミラーゼが含まれているが、犬の唾液にはほとんど含まれていません。
3つ目は、弱酸性かアルカリ性かの違いです。人の口は弱酸性になり、犬はアルカリ性になります。
口内がアルカリ性だと虫歯の発生は少ないです。しかし、歯垢(プラーク)が石灰化しやすく、歯石や歯周病の原因になります。
犬の歯の構造と着色
(出典:子犬のへや・サイトマップより)
犬の歯は、上記写真のように4つの歯で構成されています。
門歯(切歯)は上下6本、計12本。物をかじったり、捕らえたり、体がかゆいときに毛づくろいをする歯です。
犬歯は上下2本、計4本。大きく尖った歯で犬の武器になり、威嚇のときや獲物にかみつき、引きちぎる歯です。
前臼歯は上下8本、計16本。食べ物をすりつぶしたり、切ったり、固定する歯になります。
後臼歯は上4本、下6本、計10本。食べ物をすりつぶす歯です。
犬は咀嚼する習慣がないため、前後臼歯とも先が尖り、食べ物を飲みこめる大きさに噛み切る役割があります。
犬の歯の着色は、正常な場合は表面がツルツルし白く、異常がある場合は、表面が茶色(黄)・黒色・赤く、歯垢や歯石や歯の神経に異常がある場合が考えられます。
犬の乳歯と永久歯の見分け方を紹介
犬の乳歯と永久歯は、見た目や大きさも違います。しかし、見分けるとなると同じに見えるかもしれません。
犬の乳歯は小さくて細く、とても先が尖っていますが、永久歯は太く、しっかりとしており、先も尖っていますが丸みがあります。
乳歯と永久歯の見分け方や違いを知ることにより、愛犬の成長状態や体調管理にも役立ちます。
また、仔犬のころから、歯のケアに慣れさせれば成犬になったときの口腔ケアがスムーズにできるようになりますよ。
この項目では
- 乳歯と永久歯の見分け方のポイント
- 乳歯と永久歯の本数
- 乳歯が生えるタイミング
- 歯の生え変わり時期や順番
をくわしく解説します。
犬の乳歯と永久歯の見分け方のポイント
犬の乳歯と永久歯の見分け方のポイントは、大きさと本数です。
乳歯の時期は、部分的に歯と歯の間隔が広くなっており、歯も永久歯に比べ小さくて細く、先がとても尖っています。
永久歯になると歯と歯の間隔はなくなり、歯は尖がっていますが丸みもあり、しっかりした太い歯になります。
本数にも違いがあり、永久歯が42本に対し、乳歯は28本と永久歯より数が少ないです。
ほかの見分け方としては、上あごの犬歯のみは乳歯の前方に生えてくる永久歯ですが、他の永久歯は乳歯の内側に生えてきます。
乳歯は赤ちゃんの歯になるので、永久歯に比でると弱く折れやすいので注意が必要です。
犬の乳歯と永久歯の本数
犬の乳歯は計28本、永久歯は計42本です。乳歯と永久歯では本数が違うため、生えかわると密度も変化します。
乳歯は、犬歯、門歯(切歯)と前臼歯・後臼歯の区別はなく乳臼歯と言い、だいたい生後8週目までに乳歯28本が生えそろうのです。
個体差はありますが、乳歯が生後12週くらいから切歯が抜けはじめ、生後28週くらいまでに完全に永久歯に生えかわります。
永久歯は上あご20本、下あごく22本、上下合わせて42本です。下あごは後臼歯が2本多いので、上下の本数に違いがあります。
乳歯と永久歯は前後臼歯の数の違いにより、歯の本数が変わっているのです。
犬の乳歯が生えるタイミング
犬が産まれて、いつごろから歯が生えはじめるのか知っていますか。
犬は産まれてから、生後20日頃から乳歯が生えはじめ、生後5~8週間で生えそろいます。
仔犬は生後4週目までは哺乳期になり、母犬のそばで母乳を飲む⇒眠るを繰り返しながら、1日を過ごしているので、乳歯はまだ生えていません。
生後4~8週目は離乳期に入り、目が開き歩きはじめます。この時期に、ミルクから離乳食へと変わっていくのです。
離乳食がはじまる時期に合わせて、下記の順番で生えはじめます。
- ①下あごの切歯
- ②上あごの切歯
- ③下あごの乳臼歯
- ④上あごの乳臼歯
- ⑤下あごの犬歯
- ⑥上あごの犬歯
生後5~8週ぐらいまでには、全部で28本まで乳歯が生えそろうのです。
犬の歯の生え変わり時期や順番
犬の歯の生えかわりの時期は、だいたい生後4ヶ月を過ぎから生えかわり、一般的には生後6~7ヵ月頃には生えかわりが完了します。
抜けた乳歯のほとんどは、犬が飲みこむので飼い主さんは気づかないこともあるかもしれません。
乳歯から永久歯に生えかわるのは、下記の順番になります。ただ、個体差により順番が前後することがあり、最後に生えるはずの犬歯よりも、前・後臼歯が遅れて生えてくることも少なくありません。
- ①下あごの切歯
- ②上あごの切歯
- ③下あごの前・後臼歯
- ④上あごの前・後臼歯
- ⑤下あごの犬歯
- ⑥上あごの犬歯
生えかわりの時期は、仔犬も歯に違和感があるので、あまがみすることが多くなります。
ガムやおもちゃなどで、あまがみ対策をしましょう。
犬の乳歯に関する注意点や対処法を紹介
犬の乳歯に関する注意点や対処法って知っていますか。
仔犬の時期から愛犬を飼っていますが、実は気にしたことがなかったので、知りませんでした。
これから、愛犬を育てる飼い主にとって、犬の乳歯に関する注意点や対策法は、知っていて損はありません。
たとえば、歯の本来の本数を把握するだけで、正常か多いのかまたは少ないのかがわかりますよね。
犬も人と同じで個体差があることや乳歯や永久歯の知識を少しでも知っているだけで、落ち着いて対応することができますよ。
この項目では、犬の乳歯に関する注意点や対処、
- 歯が生えない
- 歯が欠けた
- 犬の歯が多い
- 犬の歯並びが悪い
をくわしく解説します。
犬の乳歯に関する注意点や対処法① 犬の歯が生えない場合
愛犬の歯が生えない場合は、代表的な原因として、萌出遅延と埋伏歯があります。
萌出遅延とは、永久歯が生える見込みはあるが、生えるのが遅れていることです。
乳歯が抜けてから生えかわりるまで、平均で6カ月~7カ月ですが、平均を過ぎても、永久歯が生えないときは、遅れ(遅延)ていることになります。
犬の歯の生えかわりも、人と同じように個体差があり、平均期間から1歳ごろまでかかることもあります。
埋伏歯とは、歯ぐきやあごの中に永久歯が埋まり、生えてこない状態のことです。
埋伏歯は、歯の生えかわりに異常があり、埋伏歯が他の歯やあごの骨に悪い影響をあたえている可能性もあります。
犬の乳歯に関する注意点や対処法② 犬の歯が欠けた場合
犬の歯が欠ける理由として考えられるのは、歯そのものがない「無歯」か、歯の一部が欠けて足りない「欠如歯」があります。
犬の欠けた歯の治療は必要ありません。
しかし、硬い物を噛んだことにより、破折し欠けた場合は折れた歯の修復が必要になります。
また歯肉の中で歯が折れたり、歯の根元周りまで細菌が入り込んで炎症が起きているときは、抜歯が必要になるケースがあります。
硬いものは、蹄(ひづめ)デンタルケア製品を含むガムやおもちゃ、骨、ケージ、石などです。
犬の破折の原因としてもっとも多いのは、蹄になり次に多いのは硬めのガム類になります。
硬い物を愛犬に与える際は、注意しましょう。
犬の乳歯に関する注意点や対処法③ 犬の歯が多い場合
犬の乳歯に関する注意点や対処法④ 犬の歯並びが悪い場合
犬の歯並びが悪い場合、早めの治療や矯正が必要となります。
歯並びが悪い原因は、乳歯遺残や遺伝、歯の萌出異常、外傷、腫瘍、過剰歯などです。
歯並びに問題ない犬は、口を閉じたとき歯の上下がほんの少し重なります。
犬の歯並びが悪いと、かみ合わせも悪くなり、食事中に不正な歯が口腔内を傷つけると痛みが出て、ご飯を食べなくなり、摂食障害になる可能性も考えられます。
歯並びが悪いと体調を崩す原因にもなるので、永久歯が完成する生後7ヶ月から10ヶ月くらいまでに治療や矯正が必要ですので、早めに獣医師に相談しましょう。
食べ物が食べれなくなると、命にも関わりますので、永久歯への生え変わりの際はよく観察することをおすすめします。。
犬の歯の生え変わり時期での注意点を紹介
犬の歯の生えかわりの時期は、どんなことを注意したらよいのでしょうか。
生えかわりの時期は、犬の力も強くなってきますし、噛まれる回数も増えます。
それは、歯に違和感があるから噛むのは、自然なことです。
でも、噛まれる飼い主はつらいですよね。愛犬にとっては、いつもと変わらないイタズラやあまがみでも、痛みを強く感じることがあります。
飼い主が、犬の歯の生えかわり時期に注意するべき点を理解し、対応策を覚えておくだけで愛犬とたのしくつきあうことができるでしょう。
この項目では、犬の歯の生え変わり時期での注意点
- 安全な物を噛ませる
- 出血が止まらない
- 痛みがある
犬の歯の生え変わり時期での注意点① 安全な物を噛ませる
犬の歯が生えかわるときは、歯がむずかゆくて犬が物をかじるのは当たり前なことです。
とくに退屈しているときは、口に届くものをかじってしまい、誤飲の原因になります。
子犬や家具を守るためにも、違和感を自然に解消できるかむおもちゃを与えることが大切です。
弾力のあるゴム製や丈夫なナイロン製、割れにくい木製などのおもちゃがおすすめです。
安全で長持ちして、安全で、ある程度軟度のあるおもちゃやガムなどを与えるようにしましょう。
犬の歯の生え変わり時期での注意点② 出血が止まらない場合
乳歯が抜けて、歯肉からの出血があっても、すぐに止まりることが多いです。多い出血や出血が止まらなという場合は、獣医師に診てもらいましょう。
出血が若干多い場合は、ガーゼで抑え、しばらく犬に噛んでもらい止血する方法もありますが、犬によっては難しい方法です。
5分以上経っても出血が止まらない場合には、止血しにくい病気や何らかの異常がある可能性も考えられます。
早めに動物病院を受診しましょう。
犬の歯の生え変わり時期での注意点③ 痛みがある場合
歯の生えかわりで痛みがある場合、口の周りを触ろうとするとイヤがったり、口を気にしてこすりつけたり、元気がなくなるなどの症状が出ます。
また、不快感や痛みから愛犬がいつものごはんを食べないことやうまく食べられないこともあるでしょう。
食欲はあるが、いつものように食べれない場合は、歯に刺激がないやわらかいごはんを与えます。
食欲がない場合は、口の中に異変がないか確認し、改善がない場合は、動物病院を受診しましょう。
犬の歯の生え変わり時期での注意点④ イライラしている場合
犬の歯の生えかわり時期は、歯の不快感や痛みからイライラしている場合があります。
このイライラは、生えかわりの時期だけのものです。24時間イライラを解消することは、難しいでしょう。
しかし、飼い主との散歩や遊びで愛犬が楽しむことができれば、少しは気をまぎらわせることができるかもしれません。
散歩やおもちゃなどで愛犬とたくさんスキンシップをとるとよいでしょう。
なぜ犬の歯は虫歯になりにくいのか
犬を長年飼っていますが、犬の虫歯は聞いたことがありません。
しかし、稀に犬も虫歯になりますし。なぜ犬は人と違い虫歯になりにくいのか。
それは、歯の形状と唾液の成分が人と違うからだと考えられます。
人は唾液にでんぷんを糖に分解するために、酵素やアミラーゼが含まれますが、犬の唾液にはほとんど含まれません。
虫歯のエサは糖。人と違い犬の口内には、糖が溜まりにくく、虫歯になりずらいのです。
犬は虫歯より、歯石や歯周病の方が多く発症します。歯石や歯周病のケアは必須ですが、虫歯になりにくい理由についても理解することで、日頃のケアに役立ちます。
この項目では、虫歯菌が
- 繁殖しづらい
- 栄養が少ない
- 留まりづらい
について、くわしく解説します。
虫歯菌が繁殖しづらい
犬の口腔内に虫歯菌が繁殖しづらい理由は、唾液がアルカリ性で虫歯菌が繁殖しにくいからです。
人の唾液は弱酸性でpH約6.5ですが、犬の口の中はpH8~9pHのアルカリ性になります。
虫歯菌のエサは糖になりますが、くちの中がアルカリ性だと虫歯菌が繁殖しずらい環境です。
また、犬の歯は先が尖っており、隙間なく歯が並んでいることも関係しています。
しかし、虫歯菌は繁殖しずらくても、歯垢(プラーク)は溜まりやすく石灰化しやすいので、歯石や歯周病には気をつけましょう。
虫歯菌の栄養が少ない
犬の歯には、虫歯菌の餌となる、糖がくちの中に溜まりずらいことです。
虫歯の菌も生物ですので、エサがなければ、生きていけません。
虫歯菌のエサとなる糖質は、粘り気があるグルカンが、歯にごびりつきます。
人の唾液には、消化酵素のアミラーゼが含まれているので、くちの中で炭水化物を分解して虫歯菌のエサにもなる糖分を作っています。
しかし、犬は唾液にアミラーゼは含まれないため、くちの内で糖分が作られることはありません。
犬の口内は、虫歯菌にとっては栄養がない状態なので、虫歯になりづらいのです。
ただ、犬の体質、人の食べ物を慢性的に食べていたり、糖分の多いおやつを多く食べていると虫歯になりことがあります。
虫歯菌が留まりづらい
犬の口腔内に虫歯菌が溜まりづらい理由は、歯が尖っていて虫歯菌がたまりにくいことです。
人の歯は、食べ物をすりつぶせるよう奥歯の上面が平らになっています。それに対して犬の歯は、肉を引き裂くための尖った形になります。
犬の歯は、尖っており薄い形をしているので、人の歯と比較すると犬の歯は、虫歯の菌がたまりにくくなっています。
他にも、唾液成分がアルカリ性でアミラーゼという酵素が含まれないので、虫歯菌の餌となる糖が口内に溜まりにくいことも関係しています。
虫歯にはなりずらい犬ですが、稀に虫歯になることもありますので、日々の口腔ケアやおやつの与え方を気をつけましょう。
まとめ:犬の歯のケアは徹底しよう
今回は、犬の乳歯と永久歯の見分け方や歯の構造などについて、くわしく解説しました。いかがでしたでしょうか。
今回の項目は、
- 犬の歯の構造について理解しよう
- 犬の乳歯と永久歯の見分け方を紹介
- 犬の乳歯に関する注意点や対処法を紹介
- 犬の歯の生え変わり時期での注意点を紹介
- なぜ犬の歯は虫歯になりにくいのか
犬の乳歯から永久歯になるときは、むずがゆくて噛んだりします。しかし、あまりにも硬い物を与えると歯が折れてしまうこともあるので、注意しましょう。
愛犬が乳歯の頃から、歯のケアをすることで、口腔内の病気のリスクは少なくなりますから、愛犬の歯のケアは徹底することをおすすめします。
またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!