犬の鼻は通常濡れている状態です。ですが、何かしらの原因で一時的または慢性的に犬の鼻が乾くことがあります。犬の鼻が乾いている際は病気の可能性もあるため注意が必要です。今回のMOFFME記事では、犬の鼻が乾く際の注意や応急処置を紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる愛犬の鼻が乾くのはなぜ?愛犬の鼻が乾く際に注意すべき病気
「犬が健康であれば鼻が濡れいている」ことは多くの方が知っていると思います。それではどうして犬の鼻が濡れているか、理由を知っていますか?
また、犬を飼っている皆さんは、愛犬の鼻の状態について毎日の観察をおこなっていますか?鼻が濡れていることだけで万全な健康というわけではないですが、健康を確認する指標にはなります。
今回のMOFFME記事では、
- 犬の鼻が基本的にいつも濡れいている理由とは?
- 犬の鼻が乾く際に考えられる原因
- 犬の鼻が乾燥している時の応急処置
どのような状態だと気をつけなければならないかなど、この記事をぜひ最後までお読みいただき、大切な愛犬との生活にぜひ活かしていただけると嬉しいです。
犬の鼻が基本的にいつも濡れている理由とは?
初めて犬の鼻に触れた場合、ひんやり湿っていて鼻水かと勘違いしてしまった人もいるかもしれません。しかし、犬は鼻を濡らすことによって健康のバロメーターを示しているともされています。
子犬のうちには、鼻が真っ黒でピカピカして湿っている場合が多いのですが、加齢や季節によって鼻の色が薄くなります。鼻の色については病気とは関連がないことが多いので、そこまで心配は必要ありません。
ただ、鼻が湿っていてもただれなどの炎症を伴って変色している場合には、注意が必要です。
その場合はかかりつけ医に相談しましょう。
さて、犬の鼻がいつも濡れている理由は、「ニオイの情報をより強力に獲得するため」「体温調節のため」とされています。
そのことについて、
- 犬の鼻が濡れるメカニズム
- 犬の鼻の構造
- 鼻を湿らせている成分
犬の鼻が濡れるメカニズム
犬の鼻が濡れるメカニズムについて、鼻の構造や鼻を濡らしている成分から説明します。まずは鼻の構造からです。
犬の鼻といっても、鼻ペチャのバグやブルドックのような犬種があれば、細い顔で鼻がツンとしたボルゾイやグレイハウンドのような犬種もあります。
犬の鼻はマズル(鼻先から目頭)の長さと頭蓋骨(目頭から耳元まで)の長さを比較し、次の3タイプに区別されています。長頭型は、マズルと頭蓋骨の長さが同じか、マズルが頭蓋骨の長さよりも長い犬種のことを指します。シェパード、ボルゾイ、グレイハウンドなどがこのタイプです。
中頭型は、マズルと頭蓋骨の長さが中ぐらいの犬種です。柴犬、コーギー、ボーグルなどがこのタイプです。短頭型は、鼻ペチャといわれることが多く、シーズーやバグなどがこのタイプです。
犬の鼻の構造
犬の鼻の構造は、大きく分けて外鼻腔・上唇溝・鼻鏡の3つです。
鼻の穴にあたる外鼻腔は、ヒトとは違って横にも切れ目が入っています。その理由として、空気を正面からだけでなく、顔の横(側面)からも取り入れるためです。
鼻の中心から唇にかけて一直線にある溝のことを上唇溝といいます。ここはニオイの分子の吸着に役立ち、常に水分を蓄えています。
鼻鏡は鼻の表面にたくさんある小さな溝のことです。この溝の中に蓄えられた水分によってニオイの分子が吸着され、嗅覚の感覚を高めているのです。
また、この鼻鏡は温度のセンサーのようにも働いており、鼻の左右の渇き具合によって風が左右どちらから吹いているかを判断できるようになっています。
鼻を湿らせている成分は涙と汗
それでは、鼻を湿らせている成分は何なのでしょうか。それは涙と汗です。
ヒトの鼻の奥と同じように、犬の鼻は目の奥において涙腺とつながっています。犬は感情によって涙を流すことはないものの、目の中に異物が入ると目の表面の粘膜を保護しようとして涙(水分)が分泌されます。
分泌された涙が鼻の奥にある外側鼻腺から出ている分泌物と混ざり合った粘液が、鼻の穴から流れ出ます。それが犬の体温調節などに必要な粘液であり、ヒトでいう汗と同じ役割をしているのです。
犬の鼻が乾く際に考えられる原因を紹介
ここまで、犬の鼻がいつも濡れている理由について説明してきました。犬の鼻を触って乾いていた場合、病気かもしれないと心配になってしまう方もいるかもしれません。
しかしながら、鼻が乾いているからといって病気であるとは一概に言えません。なぜなら、外部の状況もしくは生理的な原因で犬の鼻が乾くことがあるからです。
鼻が乾いている原因としては、
- 空気の乾燥
- 老化
- 睡眠
また、犬の鼻を触ってみてポロポロとしている場合には、長期間において慢性的に乾燥していることを示しています。その場合には、早急に病院で対処してもらう必要があります。
犬の鼻が乾く際に考えられる原因①空気の乾燥
犬の鼻が乾く原因の一つが空気の乾燥です。冬になって空気が乾燥してくると、私たちも肌が乾燥することがあります。
それと同じように空気の乾燥によって、吸い込む空気が乾燥していると犬の鼻が乾くことがあります。この原因による鼻の乾燥には特に心配はいらないものの、別の病気の原因となる可能性があります。
その病気は犬の皮膚炎や呼吸器疾患などです。そういった別の病気にならないためにも、加湿器を使って部屋の湿度を調節すると良いです。
犬の鼻が乾く際に考えられる原因②老化
犬の鼻が乾く原因の2つ目は老化によるものです。加齢によって代謝が落ちたり、外側鼻腺からの分泌物の量が減ったりすることで鼻が乾きやすくなります。
このように老犬の鼻の乾きは、それ以外に異常が特に見られなければ老化による症状です。そのため老化による乾燥が考えられる場合は、通常は心配はいりません。
犬の鼻が乾く際に考えられる原因③睡眠
犬の鼻が乾く原因の3つ目は睡眠によるものです。寝ている間は基本的に嗅覚を研ぎ澄ますことも、体温を下げることも必要がありません。
そのため、外側鼻腺からの分泌物が減り、鼻が乾燥しやすい状態となります。また、犬が起きている時には鼻を舐める姿をよく見かけますが、寝ている間は鼻を舐めないので鼻が乾いていることが多いです。
このことから、睡眠中や寝起きの鼻の乾きは一時的なものであるため、心配は特に必要ありません。
犬の鼻が乾燥している時に注意すべき病気を紹介
次に、犬の鼻が乾燥しているときに注意すべき病気を紹介します。鼻の乾燥に加え、それぞれの病気によって他の症状が必ず出てきます。
その症状によってどのような病気にかかっているのか予想がつきやすくなるので、犬の状態を注意深く観察するようにしてください。
注意すべき病気は、
- 発熱
- 脱水
- 皮膚疾患
- アレルギー
犬の鼻が乾燥している際に注意すべき病気:発熱
鼻が乾燥している際に、感染症や熱中症にかかっている可能性があります。感染症や熱中症にかかることで発熱します。
そして、体内に熱がこもることにより水分が不足します。水分が不足すると分泌物が減り、鼻が乾燥しやすくなるのです。
感染症や熱中症は重篤化することで命が危険にさらされます。発熱のほかに、食欲がない、咳やくしゃみ、下痢や嘔吐などの症状がないか注意して観察しましょう。
犬の鼻が乾燥している際に注意すべき病気:脱水
次に注意すべき病気として脱水があります。脱水による体の水分不足は、分泌物を減少させ、鼻を乾燥させます。
運動をしたあとの軽い脱水は特に心配は必要ありませんが、病気が疑われる場合の脱水症状は注意が必要です。症状として、重度の下痢や嘔吐、歯茎の乾燥、皮膚の弾力がない、衰弱して動きが少ないなどの場合には、すぐに動物病院へ連絡しましょう。
犬の鼻が乾燥している際に注意すべき病気:皮膚疾患
犬の鼻の表面も皮膚でできています。そのため、皮膚の疾患により鼻が乾く場合があります。
皮膚疾患による鼻の乾きの場合には、他にも症状が現れます。鼻にかさぶたやかゆみなどの症状が伴うことがあるのです。
さらには体や鼻の周りなど、鼻以外の皮膚にも炎症や脱毛、かゆみなどの異常が見られることが多いとされています。
犬の鼻が乾燥している際に注意すべき病気:アレルギー
犬がアレルギーを起こした場合にも、鼻の分泌物が減って鼻が乾燥します。目や鼻に炎症反応が起こって鼻涙管と呼ばれる器官が詰まることによって、鼻まで分泌物が流れずに乾燥してしまうのです。
アレルギーは花粉やハウスダストなど、特定の物質(アレルゲンといいます)に対して起こるものなので、そういった物質に触れさせないようにしましょう。
犬の鼻が乾燥している時の応急処置を紹介
ここまで、犬の鼻が乾燥している原因やその際の病気について説明してきました。先述した病気のような症状が見られる場合には、すぐに動物病院へ連絡するようにしてください。
ここでは、犬の鼻が乾燥しているときの応急処置について紹介します。
犬の症状として、
- 食事・水分を摂らない場合
- 発熱している場合
に分けて説明します。犬の様子や状況に応じてかかりつけ医と相談をしたうえで、家で実践できる場合は応急処置をおこなうようにしましょう。
もし、病気である可能性が低そうな場合は、ワセリンやヘパリン類似物質などの保湿クリームを塗ったり、水を飲ませたりして様子を見てください。これで改善されない場合には、何か病気や体調不良が隠れているため、かかりつけ医へ相談しましょう。
犬の鼻が乾燥している時の応急処置①食事・水分を取らない場合
元気や食欲がなく、水も飲まない場合には脱水症状を起こしている可能性が考えられます。動物病院の受診までに時間がかかってしまう場合には、次のことを実践してみてください。
まずは、愛犬の好物のおやつやフレッシュタイプのご飯をあげてみてください。もしくは、食べ物や鶏肉で出汁をとって風味づけしたスープを作ってあげるのもよいです。
それでも食べたり飲んだりできない場合には、動物病院を受診し、点滴が必要な場合が多いです。診察をスムーズにおこなうためにも、動物病院へは応急処置としておこなったことを伝えるようにしましょう。
犬の鼻が乾燥している時の応急処置②発熱している場合
犬の体が熱く、熱中症や発熱が疑われる場合には、まず体を冷やしてあげてください。夏場などの熱中症が原因となる体温の上昇では、体を冷やしてあげることが有効です。
冷やす部位としては、腋の下や首などの太い血管のあるところが効果的です。保冷剤をタオルなどで巻いて、冷たすぎない程度に冷やしてあげてください。
また、夏場の高温多湿の時期には、室温や湿度を下げたり、通気性をよくしてあげたりしてください。
まとめ:心配な場合は動物病院へ連れて行こう!
犬の鼻の乾燥について、理解を深めることはできましたでしょうか?
このMOFFME記事では、
- 犬の鼻が乾燥するメカニズム
- 犬の鼻が乾く際の原因(空気の乾燥・老化・睡眠)
- 犬の鼻が乾燥している際に注意すべき病気(発熱・脱水・皮膚疾患・アレルギー)
- 犬の鼻が乾燥しているときの応急処置①食事や水分を取らない場合
- 犬の鼻が乾燥しているときの応急処置②発熱している場合
日々の生活の中で、愛犬とのコミュニケーションの一環としてふれあいつつ鼻の乾燥具合を把握できると、いち早く愛犬の体調不良のサインに気づくことができます。鼻の乾燥だけでは病気とは判断できないものの、普段と違ったことに気づくことは愛犬の健康につながります。
大切な愛犬を重大な病気から守るためにも、早めの気づきや対処ができるように日頃から準備しておきましょう。
またMOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しております。ぜひ参考にしてみてください。