『アルビノ』という言葉を聞いたことがあるかと思います。アルビノは毛の色素が欠乏してしまう遺伝子疾患です。アルビノの特徴は白い被毛ですが、白猫との見分け方が難しいです。今回のMOFFME記事では、アルビノについて詳しく紹介していきます。
この記事の目次
目次を閉じるアルビノの猫と白猫は違うのか。アルビノ猫の特徴や飼育方法
人間を含め、動物の中には「アルビノ」と呼ばれる、メラニン色素を持たずに生まれてくる個体がいます。
動物だけでなく、魚や虫の中にも生まれることがある種類です。
生まれつきメラニン色素を持たないアルビノは、どの動物も毛色や肌が真っ白であることが特徴です。
発症の確率が低く、自然界で生きて行くのが難しいため、野性の場合は短命であることもしばしば。
今回MOFFMEでは、
- アルビノ猫と白猫の違い
- アルビノ猫と白猫の見分け方
- アルビノ猫を飼う際の注意点
アルビノ猫と白猫の違い
先述の通り、アルビノ猫の特徴は真っ白な見た目です。そのため、見た目だけで白猫との区別を付けるのは難しいことも多いでしょう。
しかし、白猫とアルビノには遺伝子に大きな違いがあります。
白猫は親猫から「白」の色素(w遺伝子)を受け継ぐため、毛色の白い猫になります。
一方アルビノ猫は、突然変異によって色素を持ちません。遺伝子疾患によって毛色が白い猫として生まれます。
アルビノ猫の特徴は、毛色や肌だけでなく、全身に色素を持たないことです。目の色素も無いため、目が赤く見える個体が多いでしょう。
突然変異の遺伝子疾患(メラニン色素の欠乏)により、生まれてくる個体のため、意図的に生まれて来るようにすることはできません。
白変種とは
アルビノと混合されやすいのが白変種と呼ばれる個体です。白変種は毛色の色素のみが少なくなったことで、白くなった個体を指します。
毛色の色素が少ないだけで、色素が欠乏しているわけではありません。アルビノと違い、メラニン色素も持っています。
代表的なのがホワイトタイガーや、ホッキョクグマ、シロイルカなどですね。
これらの動物は、生息環境などが影響して、色素が少なくなった個体だと考えられています。
メラニン色素の産生能力は正常なので、アルビノとは大きな違いがあります。
白猫が生まれる理由
白猫は、両方の親、もしくは片方の親から白色遺伝子(w遺伝子)を受け継ぐことで生まれます。
白色遺伝子が優性であれば、全身の毛色が白い猫になり、白斑遺伝子であれば所々が白くなります。
白の優性遺伝子を持つ真っ白な猫は、優性ホワイトとも呼ばれるそうです。
両親のどちらかが白猫の場合は、受け継がれる可能性が高くなります。
白の遺伝子を持っているだけで、色素が欠乏しているわけではありません。メラニン色素の産生能力も正常な場合がほとんどです。
中には、メラニン色素が少ない個体もいますが、欠乏しているとまではいきません。
アルビノと白猫の見分け方を紹介
遺伝子が大きく異なる白猫とアルビノ猫ですが、見た目はどちらも白く、一目見ただけで見分けを付けるのは難しいでしょう。
どちらも綺麗な白猫にしか見えません。しかし、アルビノには、白猫に無い特徴が他にもあります。
その特徴というのが、
- 目の色素が無い
- キトンキャップが無い
目の色
猫の目の色は種類豊富で、その個体のチャームポイントにもなりますよね。
色素を持たないアルビノ猫は、目にも色素がありません。そのため、通常の猫の目の色には当てはまらない「赤色」に見えることがほとんど。
なぜ、アルビノ猫の目が赤く見えるのかは、色素が無いため血管の色が透けて見えるからです。
毛色が白く、赤い目をしている猫はアルビノの疑いが高いでしょう。
アルビノ猫にはキトンキャップがない
キトンキャップは、子猫特有の色斑のことを指します。生まれたばかりの子猫には、薄いグレーの色斑が現れることがあります。
これは成長と共に無くなりますが、色斑は色素を持つ猫にしか現れません。
そのため、色素を持たないアルビノ猫は、子猫の頃にキトンキャップが現れることがありません。
子猫に薄いグレーの色斑が現れた場合、アルビノではなく白猫だと判断することができます。
アルビノ猫を飼う際の注意点を紹介
アルビノ猫は、通常の猫であれば持っている色素が欠乏しているため、飼育環境に注意が必要です。
アルビノの個体は数が少なく、自然界では短命であることも多いとされています。
理由としては、白い毛色が外敵に見つかりやすいこと、メラニン色素の欠乏により視力が弱くなることが多いことが挙げられます。
ただし、ペットとして暮らすのであれば、短命となるリスクを避けることが可能です。
アルビノ猫と暮らす上で注意すべきなのが、
- 紫外線
- 視力
紫外線に気をつけよう
アルビノはメラニン色素がありません。強い日差しや太陽の光に晒されると、皮膚に大きなダメージを与えてしまうことがあります。
メラニン色素は紫外線から細胞を守る働きをしてくれますが、アルビノにはその色素が無いため紫外線に対して無防備なのです。
皮膚の炎症や皮膚がんなどのリスクがあるため、日向ぼっこをさせるのは避けた方がいいでしょう。
猫は日向ぼっこが好きな動物ですが、アルビノの場合はできるだけ太陽の光が当たらないようにしてあげる必要があります。
代わりに温かい場所をたくさん作ってあげるといいでしょう。
視力に気をつけよう
アルビノは目にも色素が無いため、視力が弱い猫が多いとされています。
また、紫外線から目を守ることもできないので、太陽光が原因で目の病気になることも。
通常の猫でも視力は低いとされていますが、それ以上に視力が低い可能性があるため、飼い主さんがサポートしてあげる必要があります。
猫は家具の配置を覚えることができ、鼻や耳の機能が優れているため、慣れたおうちでの活動なら、例え視力が無くなっても問題無いでしょう。
できるだけ家具の配置は変えずに、変えた場合は猫がぶつかったりしないよう注意してください。
まとめ
アルビノ猫は先天的に色素を持たずに生まれてくる、珍しい個体です。
紫外線などから身を守るためのメラニン色素を持っていないため、一緒に暮らす上で通常の猫とは異なる配慮が必要。
見た目の美しさや神秘的さ、珍しさから一部で人気が高いアルビノの個体ですが、「可愛い」だけでは生き物を飼うことはできません。
あまりありませんが、たまたまお迎えした猫がアルビノだった場合などは、飼育上の注意点を参考にしてください。
今回お伝えしたことは、
- 白猫は「優性遺伝子」によって生まれる
- アルビノは「遺伝子欠乏」によって生まれる
- アルビノの目の色は赤い(血管が透けて見えるため)
- 紫外線や視力に注意が必要