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内容をまとめると

  1. 地域猫を飼うことは犯罪ではないが、事前に地域猫の担当者に相談しよう!
  2. ただしすでに誰かの飼い猫の場合は犯罪になる可能性があるので要注意
  3. 猫を保護したらまずは動物病院で健康チェック!その後飼育の環境を整えてあげよう
  4. 猫の治療費用は全額自己負担のため、万が一に備えてペット保険への加入がおすすめ!

海が近かったり、市場が近くにあったりすると必ずと言っていいほど地域猫ちゃんがたくさんいるかと思います。とても人慣れしている猫もいると思いますが、勝手に飼うことは法律上大丈夫なのでしょうか。今回のMOFFME記事では、地域猫の迎え方について解説します。

記事監修者「中西 涼馬」

この記事の監修者中西 涼馬
一般社団法人愛玩動物健康管理協会(CAHA)理事

子供の頃から多くの保護犬や保護猫と暮らしてきた。その他、野生動物や昆虫類含め、全ての動物に対して深い愛を持つ。現在、ドーベルマン(元保護犬)・ボルゾイ・ゴールデンレトリバー(悪徳ペットショップから保護)・ボーダーコリーや猫たちと暮らす。主に猫に関しての記事監修者として活躍している。【保有資格:猫健康管理士(一般財団法人全日本動物専門教育協会)】

この記事の目次

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地域猫を勝手に飼うことは犯罪?地域猫を迎え入れる方法など

現代でも、飼い主を持たずに外で生きている野良猫たちは少なくありません。


しかし、野良猫たちの暮らしは、時に人間の事情と対立してしまいます。そこに住む人々に迷惑をかけると認識された猫たちは、殺処分という悲しい最期を迎えることも。


そんな猫たちの命を守りたいという想いから、「地域猫」として近隣住民によって管理・保護されている猫たちも、最近は増えてきました。


では、野良とペットの中間のような地域猫を拾って勝手に飼うことは許されるのでしょうか


今回MOFFMEでは、

  • 地域猫を勝手に飼うことは大丈夫なのか
  • 野良猫を保護した際にすべきことを紹介
  • 野良猫を保護した際の注意点を紹介
の3つの項目から、地域猫や野良猫の保護について解説していきます。

人々と猫たちの事情が絡み合う地域猫について理解し、人にも猫にも良い社会を作っていくためにも、ぜひ最後までご覧ください。

またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひ参考にしてください。

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地域猫を勝手に飼うことは大丈夫なのか


「地域猫」とは、特定の飼い主ではなく、その地域に暮らす人々によって、去勢や避妊手術を受けたり、ご飯を与えられたりしている猫たちのことです。


根本的な目的は猫の管理やトラブルの防止にあるため、誰かが飼うことでよりしっかりした保護を行えるのであれば、基本的には拾って飼っても問題はありません。


しかし、管理してくれている地域の人々に確認せず勝手に飼うと、思わぬトラブルが起こってしまうことも。


ここでは、

  • 地域猫活動とは
  • 猫を拾った際に気を付けるべき法律
の解説を通して、地域猫を飼う際の注意点について紹介していきます。

地域猫活動とは

地域猫活動とは、環境省の住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドラインによると「地域住民と飼い主のいない猫との共生をめざし、不妊去勢手術を行ったり、新しい飼い主を探して飼い猫にしていくことで、将来的に飼い主のいない猫をなくしていくことを目的」としている活動です。


地域猫は特定の飼い主がいないため、自分の家族として迎え入れる事自体は禁止されていません。


しかし、勝手に飼う前に、地域猫たちを管理している人たちに「地域猫を飼いたい」と相談すると、避妊去勢やワクチン接種状況なども分かるため安心でしょう。

猫を拾った際に気を付けるべき法律

もし、拾った猫が飼い主のいない地域猫や野良猫であれば、問題はありません。


しかし、誰かの飼い猫を拾い、勝手に飼うと、刑法第254条「遺失物横領罪」に当てはまる可能性があります。


法律上、ペットたちは「物」として扱われます。そして、他人の飼い猫を勝手に飼う行為は「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領」となってしまいます。


猫たちは、自分が誰かの飼い猫であると言ってはくれません。余計なトラブルを避けるためにも、近隣でよく見かける猫を拾う前には、地域猫活動をしている人たちに確認をしておきましょう。

野良猫を保護した際にすべきことを紹介


地域猫活動の対象範囲でなかったり、たまたま漏れてしまっているなどで、今でも危険と隣り合わせの生活を送っている野良猫たちは存在しています。


そして、親を失った子猫や、傷病で弱っている猫などの野良猫を、善意で保護することもあるかもしれません。そんな時、まず何をするべきなのでしょうか。


自分勝手に飼うだけでなく、保護した猫にしっかりと幸せな生活に送ってもらうために。


ここからは、野良猫を保護した際にすべき

  • 病院へ連れて行く
  • 迷い猫チェックを行う
  • 飼育環境を整える
の3つについて紹介します。

病院へ連れて行く

野良猫を保護したら、まず最初に動物病院へ連れていきましょう。


ノミやダニが体についているかもしれませんし、目には見えない病気やケガを抱えているかもしれません。猫の飼育に不慣れであれば、保護に関するアドバイスをもらうのも良いでしょう。

なお、地域猫の場合はFIP(猫伝染性腹膜炎)に感染している可能性があるため、事前の検査は必須です。


保護猫の健康状態や病院によって、かかる予算は異なります。動物病院には電話であらかじめ「野良猫を保護したので診てもらいたい」と伝えて、必要なものを確認しておきましょう。

迷い猫チェックを行う

保護した猫が、誰かが外飼いをしている散歩中の猫であったり、脱走して迷子になっている猫という可能性もあります。上述した通り、他人の飼い猫を勝手に飼うと、それは法に触れてしまいます。


不安ならば、警察署や保健所に問い合わせる、SNSで猫を探している人がいないか調べる、近所の掲示板に張り出されていないか確認する、などの手段で、迷い猫チェックを行いましょう。


また、2022年6月1日から、ブリーダーやペットショップから購入した猫にはマイクロチップを装着することが動物愛護管理法で義務化されました。


マイクロチップには飼い主さんの情報が登録されているため、迷い猫がスムーズにお家に帰る助けになります。

飼育環境を整える

猫を飼うには、必要なものが多いです。保護猫を飼うと決めたら、素早く飼育環境を整えてあげましょう。

  • 毛布
  • トイレ、猫砂
  • 食器(ご飯用の物と水皿の2つ)
  • キャットフード(年齢や体調に合ったもの)
  • ケージ(家の中で安全を確保するため)
最低限、これらの物は必要です。

他には、ストレス解消のためのおもちゃや、被毛をブラッシングしてあげるためのブラシなどもあった方が良いアイテムです。
猫には上下運動が必要なため、キャットタワーも準備してあげましょう。


また、運ぶために使用したキャリーなどは、家に慣れるまでの隠れ家や寝床になります。猫が落ち着けそうな、静かな場所に置いてあげましょう。

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野良猫を保護した際の注意点を紹介


外で暮らしてきた猫は、生まれた時から人にお世話をされてきたブリーダーやペットショップの猫たちとは人への慣れ方や性格が異なります。


保護をして病院に連れていき、飼い猫として迎え入れようと思っても、一筋縄ではいかないことも。だからと言って、一度保護した猫を途中で放棄したり、自分勝手に飼うことで猫を不幸にしては本末転倒です。


ここからは、猫と人が一緒に幸せな生活をおくるために必要な、野良猫を保護した際の注意点として、

  • 懐いてもらうのは時間がかかる
  • 感染症のリスク
  • 不妊手術を行う
  • お風呂はストレスになる
の4点を解説していきます。

懐いてもらうのは時間がかかる

保護した猫がまだ小さな子猫であれば、甲斐甲斐しくお世話をしているうちに懐いてくれるかもしれません。


しかし、もし保護猫がもう十分に大人であったら、飼い主さんに懐いてもらうのはもちろん、人に慣れてもらうのも時間がかかることでしょう。


恩を仇で返されたように感じるかもしれませんが、広い屋外で猫のコミュニティに生きてきた猫を、閉鎖的な家で人間と暮らすために迎えるのですから、当然のこととして受け入れなければなりません。


保護猫が環境の変化に戸惑っていることを理解し、根気強く愛情を持って接し続けることが肝要です。

感染症のリスク

野良猫は、猫などの動物、あるいは人間にも感染する感染症を持っている可能性があります。


特に、先住猫がいる家に迎える場合には注意が必要です。糞尿や体に触れなくても、一度家に連れてきた時点で体に付いていたノミやダニが移るかもしれません。


保護したらまず動物病院へ連れて行くべきですが、やむを得ずに家でしばらく保護する場合は、先住猫と隔離し、飼い主さんが触る回数も最低限に抑えましょう。

不妊手術を行う

現在、ペットとして飼育する猫のほとんどは不妊・去勢手術を受けることが強く推奨されています。


これらの手術には、望まぬ妊娠による多頭飼育崩壊を招かないようにするほか、発情期の発生を抑制するという目的もあります。


ただし、野良猫であれば、拾った時点ですでに妊娠しているという事も考えられます。


もし妊娠した猫を保護した場合は一人でどうにかしようとせず、動物病院や近隣の保護猫団体などに相談して対応していきましょう。

お風呂はストレスになる

体の汚れやノミやダニの付着など、野良猫を保護したらすぐに洗ってあげたくなるかもしれません。


しかし、幼少から水に慣らされることがなかった野良猫は、基本的にお風呂を嫌います。保護してすぐに嫌がる行為をしてしまうと、その後の飼い主さんと保護猫との信頼関係の構築にも影響が出ます。


ノミやダニの駆除は病院で薬をもらいましょう。汚れがひどく体を洗う必要があるならば、無理やりお風呂に入れるのではなく、使い捨てのシャンプータオルを使用するほうが猫への負担も少ないでしょう。

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まとめ

地域猫活動も、個人での野良猫の保護も、人の善意によって成り立っているものです。


ですが、その対象が猫たちである以上、人の都合でずさんな活動をしたり、自分勝手に飼うようなことはあってはいけません。猫たちを守り、より良く生きてもらうことが大切です。


今回の記事では、地域猫や野良猫の保護について

  • 地域猫を勝手に飼うことは大丈夫なのか
  • 野良猫を保護した際にすべきことを紹介
  • 野良猫を保護した際の注意点を紹介
の3つを通して解説をしました。

この他にも「MOFFME」では、猫と人が共に暮らしていくための記事を多数掲載しています。ぜひご覧ください。