
みなさんは『狂犬病』という言葉を耳にしたことがあるかと思います。狂犬病の特徴の一つが致死率が100%であることです。狂犬病は犬に噛まれた際に発症しますが、猫に噛まれた際には『狂猫病』なる病気を発症する可能性はあるのでしょうか。
この記事の目次
目次を閉じる狂猫病ってあるの?犬に噛まれた時と猫に噛まれた時を比較!
犬を飼われている方は「狂犬病」という言葉は知っているかと思います。
日本では年1回の犬の狂犬病予防接種が義務付けられています。
この狂犬病・狂猫病?ですが、予防接種の普及により日本では1957年以降発生していません。
しかし、日本以外ではいまだ存在しており年間4万~7万人が命を落としています。
しかもそのうち57%がアジア諸国での発生と報告されています。
狂犬病・狂猫病?の怖いのは、発症するとほぼ100%死亡してしまうところです。
では「狂猫病」はあるのでしょうか?
また、犬・猫に噛まれた場合はどのような危険があるのでしょうか。
そこで今回のMOFFMEでは、
- 狂猫病という病気はあるのか
- 犬猫に噛まれる際に注意すべきパスツレラ症を紹介
- 犬猫に噛まれた際の対処法を紹介
- まとめ
狂猫病という病気はあるのか
「狂猫病」という病気はそもそも存在しません。
しかし、狂猫病という言葉が存在しないだけで猫も狂犬病の病原体リッサウイルスに感染してしまうのです。
狂犬病という名前ではありますが犬以外に、
- 北米では猫、アライグマ、スカンク、コウモリ
- 欧州では猫、キツネ
- アフリカではジャッカル、マングース
普通は犬の病気が、猫などの動物に感染してしまうのは稀なことでが、狂犬病・狂猫病?に関してはほとんどすべての哺乳類に感染してしまう危険があるのです。
この頁では、
- 狂猫病はないが、猫からの感染は要注意
- 発症しないための予防策
狂猫病はないが、猫からの感染は要注意
日本で狂犬病・狂猫病?は1957年以降、発症報告はありませんが海外では多くの国で狂犬病が発生しています。
報告がないだけで、どこに潜んでいるか分からないのが病原体というものです。
私たちの生活しているすぐそこに狂犬病・狂猫病?はあるかもしれないのです。
「狂猫病」という病気はありませんが、猫も狂犬病・狂猫病?に感染してしまう危険性がある以上、猫からの感染にも注意が必要です。
特に海外渡航した場合、安易に犬や猫を触らないことが大事です。
なぜなら海外では、いまだ野犬が多い国もあり感染の危険も日本に比べ高くなってしまうからです。
発症しないための予防策
犬に狂犬病予防接種が義務付けられていますが、猫はどうなのでしょう。
猫は義務ではありませんが予防注射を打つことができます。
では、動物の予防接種はありますが、人間自身はどう予防すればよいのでしょうか。
世界で年間4万~7万人もの命を奪うような病気ですから、当然、人間用の予防ワクチンもあります。
狂犬病・狂猫病?の発生が多い地域へ海外渡航する場合は予防ワクチンを接種してから出発してください。
もし、予防ワクチンを打たずに狂犬病・狂猫病?に感染している可能性のある動物から噛まれたりした場合はどうしたらいいのでしょう。
その場合、感染し発症するまでに何日間かの猶予があります。
発症前にワクチンを接種することによって、発症を免れる可能性があります。
しかし、発症してしまってからの治療法は確立されていないのが現状です。
犬猫に噛まれる際に注意すべきパスツレラ症を紹介
続いては、パスツレラ症という犬猫に噛まれた際にかかってしまう可能性のある病気について紹介していきます。
飼い主にとって、犬・猫は家族であり大切な存在でしょう。
人間であれば怒ったりしても、相手に噛みつくなんてことはあまりしないと思いますが、犬や猫はケンカをする場合、噛んだり引っかいたりするのが感情を表現する手段です。
また、怒っていなくても甘噛みを知らず、噛むときは本気で噛んでしまう子もいます。
そんな犬・猫に噛まれたときに注意しなければならないのがパスツレラ症です。
この頁では、
- パスツレラ症とは
- パスツレラ症の症状について
- パスツレラ症の原因について
パスツレラ症とは
近年、日本ではパスツレラ症の発生が増えています。
犬や猫に噛まれた際に感染する感染症としては感染者数が多い病気の一つです。
パスツレラ症はパスツレラ菌による感染症です。
犬や猫はパスツレラ菌を保菌してることが多く、犬の約75%、猫はほぼ100%が口腔内常在菌として病原体を保有しています。
犬・猫は、稀に猫が肺炎を起こすことはありますがほとんどの場合、症状が出ません。
しかし、犬や猫に噛まれたり引っかかれたりして人間が発症することがあり、噛まれなくても犬・猫とキスをしたり、飛沫感染でも発症してしまうこともあります。
気管支拡張症・HIV・悪性腫瘍・糖尿病などの免疫低下を伴う疾患を持っている方は、特に注意が必要となります。
パスツレラ症の症状について
犬や猫に噛まれたり、引っかかれることでパスツレラ菌に感染し、パスツレラ症を発症した場合は、数時間でケガした部分が赤く腫れあがり、発熱や痛みの症状があらわれ、リンパ節が腫れることもあります。
これを「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と呼び、皮膚組織内で炎症が広がり、ケガした部分が関節付近である場合は関節炎を起こす危険があります。
また、骨まで到達するような深い傷の場合、骨髄炎になる危険もあります。
これまでパスツレラ症は皮膚化膿症が主な症状と見られていましたが、最近では、呼吸器系疾患・外耳炎・骨髄炎・髄膜炎・敗血症などの重篤な症状へ発展する危険性があることが分かってきました。
最悪の場合は、死亡する事例も確認されているため、お年寄りや免疫低下を伴う疾患を持っている方は特に注意しなければなりません。
パスツレラ症の原因について
犬・猫は高い確率でパスツレラ菌を持っています。
そして、人間のパスツレラ症の約60%は呼吸器系の症状です。
風邪のような軽度のものから、重篤な肺炎まで人によって様々な症状が見られます。
気管支拡張症・悪性腫瘍・結核などの疾患を持っている方は、特に重篤化する危険があるため注意してください。
そして人間のパスツレラ症の約30%は皮膚に症状があらわれます。
犬・猫に噛まれたり、引っかかれたりして蜂窩織炎などを発症してしまいます。
いずれの場合も、犬・猫に噛まれたり引っかかれたり、キスなどのスキンシップからパスツレラ菌に感染してしまうことでパスツレラ症を発症してしまう危険があるので、免疫が低下している方や、お年寄り、子供には十分注意するようにしてください。
犬猫に噛まれた際の対処法を紹介
犬猫に噛まれて負傷した場合、すぐに病院に行くべきか、普通のケガと同じように消毒して絆創膏でも張っておけばいいのか迷いますよね。
答えとしては、早めに病院で受診してください。
なぜなら、何らかの病気に感染してしまい最悪、重篤化してしまう危険もあるからです。
自身が健康な状態であれば、消毒して止血でもしとけば自然に治ると思ってしまうでしょう。
しかし、表面化してしないだけで内面的には免疫性疾患を持っていたり、何らかの原因で免疫が低下してしまっている場合もあります。
噛まれて血は出たけど、すぐに止まったので放置していて数日後、負傷部分が腫れあがって病院に行くということは多々あることです。
少しの出血だからと軽く見ず病院へ受診することをお勧めします。
自分でできる応急処置
犬・猫に噛まれたり、引っかかれた場合はすぐに水で洗ってください。石鹸を使うのも良いかと思います。
そして、出血が激しい場合は、ガーゼなどで押さえてください。
この際、傷口は絆創膏などでは塞がないでください。
傷口を塞いでしまうと中で細菌が繁殖する危険があるためです。
すぐに病院に行けない場合で痛みが酷い時は、病院に行けるまで市販の鎮痛剤を飲んでも良いかと思います。
くれぐれも早急に病院へ受診するように心掛けてください。
病院を受診
応急処置をしたら少しでも早く病院を受診しましょう。
なぜなら、細菌が体内で広がり重篤化してしまう恐れもあるからです。
病院に行く時に、何科を受診すれば良いかですが、
- 負傷箇所がズキズキ痛む・・・皮膚科、または形成外科、
- 発熱・倦怠感やリンパ節が腫れている場合・・・内科、
を受診するようにしてください。
病院では必要に応じて、傷口が深ければ縫うこともあり、もっと酷ければ外科手術をすることもあります。
まとめ:狂猫病はある?
いかがでしたでしょうか。
ここまで、狂猫病はあるのか、犬猫に噛まれた際に注意すべきパスツレラ症、そして噛まれた際の対処法を紹介してきました。
この記事では、
- 狂猫病という病気はあるのか
- 犬猫に噛まれる際に注意すべきパスツレラ症を紹介
- 犬猫に噛まれた際の対処法を紹介