猫の身体能力は他の動物と比べても驚異的ですよね。中でも自分の体長の5倍以上跳べる猫のジャンプ力は目を見張るものがあります。今回のMOFFME記事では、猫のジャンプ力の秘密や猫がジャンプすることができない理由など詳しく紹介していきます。
猫のジャンプ力について徹底解説!猫のジャンプの秘密を紹介
猫のジャンプ力、どのくらいあるかご存知ですか?
猫は優れた身体能力の持ち主で、猫のジャンプ力は棚や冷蔵庫の上でも助走なしで飛び乗れてしまいます。
その高さは、猫の自分の体長の5倍、1.5〜2メートルほどだと言われています。
人間で言えば、オリンピックの高跳びの金メダル級ですが、猫のジャンプの高さを人間に換算すると、7〜9メートルの高さをジャンプできることになるのです。
つまり、人間で例えるとビルの2〜3階くらいまで助走なしで飛び上がれることになります。
何故このように高く跳べるのでしょうか。
今回のMOFFME記事では猫のジャンプ力の秘密について解説していきます。
- 猫のジャンプ力の秘密を紹介
- 猫がジャンプできない理由を紹介
- 猫が安全にジャンプできる環境の整え方
- まとめ
猫のジャンプ力の秘密を紹介
子猫の時代には乏しかったジャンプ力も、大人につれて本格的なジャンプ力を見せるようになります。
もともと猫の祖先は、木に登って獲物を捕まえることに優れていました。
また、天敵から身を守るため木に登り身を隠す必要もあったのです。
犬や他のペットに比べ、猫のジャンプ力は群を超えています。
なぜそんなに高く跳べるのでしょうか。
ここでは、
- 秘密は後ろ足
- 着地は4本足
- 失敗するとジャンプができなくなるのは本当か
の3つのポイントに分けて詳しく見ていきましょう。
秘密は後ろ足
猫が自分の体高の5倍ほどの高さのジャンプ力を発揮できるのは、後ろ足の力がとても強いためです。
特に後ろ足の「速筋」と呼ばれる筋肉が発達しています。
速筋は瞬間的に、とても強い力を出すことができるのです。
この筋組織が後ろ足に多いために、猫は木に跳びついたり、獲物を高いところからジャンプして捕まえたり、短い距離を全力で走る、といった行動ができるようになりました。
後ろ足は前足に比べると少し長めになっています。
この長い後ろ足をバネのように深く折り曲げて伸ばすことによって、1.5メートルほどの高さまでに達するジャンプができるのです。
着地は4本足
ジャンプ力とともに必要なのがバランス感覚です。
ジャンプする力が備わってても正確に着地できなくては怪我をしてしまいます。
猫はどんな体勢から跳んでも必ず4本足で着地する「空中立ち直り反射」という能力を備えていて、猫が高いところから落ちても無傷だったり、軽傷ですむのはこの能力があるためです。
肉球と足の関節の筋肉で衝撃を分散させる能力もあります。
また、猫の内耳にある三半規管は、脳に地面に着地するときの距離がどのくらいあるかを伝達するのです。
その結果、手足の筋肉や柔らかい肉球で、衝撃を和らげつつ上手に着地する体勢を整えられます。
ただし、「空中立ち直り反射」は体をうまく回転させて着地するため、低い場所から落ちたときは回転するときの距離が短いため、怪我をすることがあるようです。
失敗するとジャンプができなくなるのは本当か
猫は、病気や怪我、肥満のどれにも当てはまらない場合に、ジャンプをしなくなるのは、ジャンプの失敗が原因かもしれません。
もともとジャンプには自信があっただけに一度失敗すると、また失敗するのではないかと恐れ、跳ばなくなる猫もいるようです。
学習能力が高いと言えますが、繊細でストレスを感じやすいのも猫の特徴です。
猫がジャンプできない理由を紹介
ジャンプが上手くいかない、あるいはジャンプをしないのは、関節痛の問題や爪が割れるなど病気や怪我で足に痛みがあることが考えられます。
では、どんなときに猫はジャンプできなくなるのでしょうか。
次の3つが考えられます。
- 病気や怪我
- 太りすぎ
- 老化
病気や怪我
猫がジャンプできなくなっている理由に挙げられるのは、上記にも挙げたとおり病気や怪我をしている場合があります。
足を庇うような歩き方をしていたり、同じ場所ばかり舐めていることがあれば「痛い」可能性があります。
他にも、食欲がなかったり、あまり動かないというように、どこかに痛みがあって元気がない場合はすぐに動物病院へ連れて行くようにしてください。
猫は病気が原因でジャンプができなくなることがあります。
病気の原因として様々ですが、例を挙げるならば「感染症」「腎不全」「心筋症」「気管支炎」「リンパ腫」「猫風邪」「中耳炎」などが考えられます。
愛猫を日頃から様子を見て、どこか問題があれば早めに対処してあげましょう。
太りすぎ
猫は日頃から運動して身体を動かしていないと肥満になってしまい、ジャンプのできない身体になってしまいます。
あまり普段から運動しておらず、登ろうとするのに手をかけて止めてしまったり、登りたそうに見上げているだけで諦めてしまう猫はジャンプに失敗するのを怖がっている可能性があります。
愛猫がそのような場合は、適正体重にすることができるよう、飼い主さんがオモチャなどで遊んで身体を動かすように注意しましょう。
老化
猫が低いところしか行かなくなって、高いところを避けるようになったら猫の年齢も考えて様子をみましょう。
7歳を過ぎれば老猫、シニア猫と呼んでもいい年齢です。
老化のため筋力が落ちるだけでなく歯も抜けてきたり、耳も聞こえにくくなったり視力も衰えて、高い場所に登る見当がつきにくくなってきます。
運動することも少なくなり、じっとしていることが増え、筋力も低いので、高いところに登るジャンプ力も衰えてきているのです。
また、猫じゃらしで遊んでる時も低い位置だと反応はするものの、飛び上がって遊ぶことは少なく、高さのあるジャンプができなくなっていることがあります。
猫が安全にジャンプできる環境の整え方
猫がうまくジャンプするのは日頃から遊びや運動をするには、安全にジャンプできる環境が必要といえます。
家の中で飼っている分にはジャンプ力が衰えても猫にとって困ることはありません。
しかし、猫が元気で活動できるようにするには、家の中では限られてきます。
オモチャを使って遊んだり、キャットタワーを設置したり、猫の生まれ持った能力を守ってあげるのも飼い主の役目なのです。
この回では、
- キャットタワー
- 上下運動
- 障害物を取り除く
など、家の中での安全にジャンプできる環境について解説していきます。
キャットタワー
キャットタワーなどを置いてジャンプできる環境を整えてあげましょう。
猫には上下運動が必要とされていますので、高さのあるキャットタワーなどを置き、ジャンプ力が発揮できる場所を作ってあげましょう。
猫が上り下りするときにジャンプしない場合も考えて、低い位置にはステップのあるキャットタワーもおすすめです。
猫が登りそうな高さの場所には物を置かないよう安全に注意しましょう。
上下運動
障害物を取り除く
猫は猫じゃらしで遊ぶ時にもジャンプ力を発揮します。
猫が思い切りジャンプをしても大丈夫なように周りの障害物は取り除くように対策しましょう。
猫がぶつかったり、着地するときに怪我をしないように、床の上や低い場所の障害物を片付けておいてください。
安全に降りられるようにする
猫が飛び降りたときにも怪我をしないように、低いところにステップを作ってあげるといいでしょう。
猫が登るような高さの家具があれば、降りるときに階段状になるようにしたり、ボックスを置いて、階段を踏んで降りられるよう対策が必要です。
愛猫がいつまでも怪我なく健康でいられるように飼い主は適切な対策をしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
- 猫のジャンプ力の秘密を紹介
- 猫がジャンプできない理由を紹介
- 猫が安全にジャンプできる環境の整え方
を見ていきました。
猫のジャンプ力は人間をはるかに超えたものでしたね。
昔、狩りをしていた時代に猫は、待ち伏せて一気に獲物を仕留めていました。
さらに木に登って周りを警戒したり、地面より高い安全な場所で食事をとっていました。
人間とペットとして暮らしている現在はそんなことする必要はありませんが、本能として備わっているもので、猫のジャンプ力は魅力の一つです。
完全室内飼いであっても、猫のジャンプ力を発揮できる空間にしてあげてください。
生活空間が変われば、必要のない能力は少しずつ減っていくものなのかもしれませんが、猫じゃらしで遊ぶときに見せる狩猟本能は、まさに「猫らしさ」の一つです。
猫から「猫らしさ」を無くさないためにも、身体を使った遊びを取り入れて猫本来の身体能力を磨いてあげたいものですね。