「犬の肉球にカビが生えている!」「犬の肉球がカサカサになっている!」と焦る飼い主さんが多数存在するそうです。この場合、すぐに病院に連れていくか、セルフで肉球マッサージで済ませるか悩むのではないでしょうか。実はカビだと思ったらそうでないパターンもあるのです。
この記事の目次
目次を閉じる「犬の肉球にカビがある!大丈夫なの?」飼い主さんの疑問解決
- 犬の肉球がパンパンに腫れた原因
- ボロボロ、ザラザラ乾燥する犬の肉球の原因
- 犬の肉球の役割
- 犬の肉球がイソギンチャクみたいになってる原因と対処法
犬の肉球がパンパンに腫れた原因
皆さんは「肉球がパンパンに腫れている」「肉球にひび割れがある」「肉球にできものがある」「カビが生えている」などの肉球のトラブルを発見したことがありますか?
犬の肉球がパンパンに腫れてしまう原因には
- 細菌性皮膚炎
- マラセチア性皮膚炎
- 皮膚糸状菌
- ニキビダニ症
- アレルギー性皮膚疾患
などさまざまな病気や原因があります。ほかっておくと大変なことになる可能性もあるため、日頃から肉球の様子をしっかり確認してあげましょう!
では、それぞれの原因と症状を詳しくご紹介します。
①細菌性皮膚炎
細菌性皮膚炎は、別名「膿皮症」といわれ、細菌が原因で発症する皮膚炎です。
皮膚の外傷、スキンケア不足、皮膚の異常、先天的な要因、栄養不足、免疫力の低下などのさまざまな要因が、皮膚にもともといる「ぶどう球菌」と関与することで発症します。
細菌性皮膚炎を発症すると、皮膚のバリア機能が破壊され、細菌が異常繁殖します。
細菌性皮膚炎の症状は
- かゆみ
- 赤いニキビのようなできもの
- 皮膚がジュクジュク
になるなどがあげられます。症状により治療方法はさまざまで、軽度の細菌性皮膚炎は殺菌作用のある外用薬を使用します。
症状がひどい場合は、内服薬や注射をつかいます。また、予防策として薬用シャンプーを使うのも有効です。
②マラセチア性皮膚炎
マラセチアは、犬の皮膚にもともと存在するカビの種類で、チワワやトイプードルは感染しやすい犬種といわれています。
マラセチア性皮膚炎は、マラセチアが異常に繁殖することで、赤い炎症・かゆみ・ベタつき、フケなどの症状があらわれる皮膚病です。
湿度と気温の高い季節や夏場に悪化することが多いカビの皮膚病ですので、皮脂の多い犬種は特に注意が必要です。チワワやトイプードルは皮脂は多くありませんが、感染しやすい犬種なため注意が必要です。
定期的に犬の体を洗い清潔に保つことで予防することができます。しかし、ゴシゴシ洗いすぎてしまうと肌がカサカサになり皮膚をキズつけてしまうこともあるため、優しく洗うことを心がけましょう!
特に足や指の間に症状がでやすいのが特徴です。また、症状を繰り返してしまう場合は、アトピー性皮膚炎やホルモン異常、食べ物のアレルギーがないかを確認してもらうことが必要です。
③皮膚糸状菌
皮膚糸状菌とは、犬だけでなく人間にも付着している常在菌(カビ)の一種が繁殖し症状を引き起こす病気です。
このカビ菌を顕微鏡でみてみると、糸のように細長い菌がみえるため「糸状菌」と呼ばれるようになりました。皮膚糸状菌に感染している動物との接触、免疫力の落ちているときにカビが皮膚から侵入し感染します。
この皮膚糸状菌に感染すると、かゆみやフケ、毛がちぢれて脱毛してしまいます。また、症状が悪化すると白いブツブツしたできものができることもあります。
1週間に1回犬の体を洗い、皮膚を清潔に保つことで予防することができます。皮膚糸状菌は、人にも感染する病気で、人に感染すると「水虫」と診断されることが多いようです。
④ニキビダニ症
ニキビダニ症は、犬の皮膚に常在寄生しているニキビダニ(ダニの種類)が異常に繁殖することでおこる皮膚病です。
顕微鏡でしか確認することができず、アトピー性皮膚炎と診断され症状が悪化してしまうこともあります。滴下タイプの予防薬では駆除できないダニの種類で、脱毛と強い痒みが特徴です。
愛犬がいつもより肉球舐める、足の裏舐めるなどが見られた場合は1度診察してもらうことをおすすめします。気温が暖かくなる春から夏の始まりの季節は、ノミやダニが活発になる季節です。
心配な方は、ダニの予防薬・内服薬の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
⑤アレルギー性皮膚疾患
- ノミアレルギー性皮膚炎
- 通常疥癬(かいせん)
- 食物アレルギー
- 犬アトピー性皮膚炎
ボロボロ、ザラザラ乾燥する犬の肉球の原因
犬の足の裏には、プニプニとした柔らかな肉球があります。「肉球を触ると癒される」という飼い主さんも多くいるのではないでしょうか。
しかし、犬の肉球のメンテナンスを怠ると、肉球にカビが生える、肉球がボロボロ、ザラザラになってしまいます。また、犬の肉球には「病気のサイン」も隠されています。
肉球がどのようなときに正常なのか、わかりやすくご紹介しますので、日々のスキンシップの中でさりげなくチェックしてあげましょう!
全身に広がっていたら正常な角化
角化症には先天性のものと、そうでないものがあります。角化は、犬の肉球や鼻などに現れます。
先天性の角化症は、タコやフケ、面ぽうなどが特徴で、小さい頃に発症し年齢を重ねるごとに少しずつ悪化していきます。しかし、命に関わるようなものではありませんが、継続的なケアが必要です。
また、全身に広がっていたら正常な角化ですが、飼い主がムリにひっぱったり、カットしようとすると肉球がキズつき感染症を起こすこともあるため、歩き方がおかしい、白い肉球が心配な方は獣医師に相談することをおすすめします。
アレルギー・皮膚病
肉球が乾燥し、赤みやブツブツなどの湿疹がある場合は、食物アレルギー・アトピー性皮膚炎・ノミやダニ・ハウスダストなどの環境アレルギーや皮膚糸状菌・マラセチア性皮膚炎などの皮膚病の可能性があります。
かかっているアレルギーや病気によって症状や症状が現れる場所は異なります。カビや病気の症状が悪化しないよう、早めの受診・相談をおすすめします。
病気のサインにいち早く気づくためには、犬の肉球をよく観察することが必要です。日々のスキンシップの中で、犬の肉球や体の健康状態をチェックをする癖をつけることが、病気の予防につながります。
犬の肉球の役割って?
犬の肉球には
- クッション機能
- 汗の排出
- 体温調整
- 感覚器官
- 地面からの冷たさや熱から身体を守る
などさまざまな役割があります。
肉球が正常な状態を保っていない場合、病気やケガの原因になる可能性があります。
愛犬の肉球を日頃から観察し、病気・ケガの予防を心がけましょう!心配なかたは、病気やケガを予防し、保湿のできる肉球クリームを使うのがおすすめです。
クッション機能
犬の肉球の役割1つ目は「クッション機能」です。毎日の散歩、フローリングやコンクリートの上を走り回る犬の足には、とても大きな負荷がかかっています。
そんな負荷を和らげてくれるのが「肉球」です。肉球がひび割れていたり、ぱっくり割れてしまっていると、クッション機能がうまく働かず愛犬が転倒・ケガをしてしまうことがあります。
肉球の潤いを保つことでクッション機能が働き、ケガや病気の予防にもなります。「愛犬の肉球が割れている」「肉球が乾燥している」飼い主さんは、肉球クリームなどでしっかりとケアしてあげましょう!
汗の排出・体温調整
犬の肉球の役割2つ目は「汗の排出・体温調整」です。皆さんは、犬とお散歩や遊んでいるときに「犬の汗」を見たことがありますか?
犬の汗腺は、鼻と肉球にしかなく、人間のように汗をかくことができません。犬は、ハァーハァーと舌を出す「パンティング」で体温の調節を行いますが、パンティングで体温調節が出来ない場合は、肉球から汗を出して体温の調節をします。
肉球が乾燥し、ぱっくり割れていると汗をうまく排出・体温調節ができなくなってしまうため注意が必要です。お散歩前に少し肉球クリームをぬると、歩く時の摩擦や乾燥から肉球を守ることができます。
感覚器官
地面からの冷たさや熱から身体を守る
犬の肉球の役割4つ目は「地面からの冷たさや熱から身体を守る」働きです。暑い地域や極寒の地域など、さまざま場所で生活している犬の肉球は、プニプニと柔らかく弾力がありますが、角質層が厚く、肉球の間にはたくさんの毛が生えています。
この分厚い角質と毛のおかげで、コンクリートなどの暑い場所を歩いてもヤケドをしないようになっています。
しかし、毎日の散歩や運動で肉球は傷んでしまうため「散歩や外で遊ぶ時間」には気をつける必要があります。
また、肉球にある静脈が冷えしまっても、すぐ近くを通る動脈が血液を温かくしてくれるため、寒い場所でも元気に走り回ることができます。
補足:犬の肉球がイソギンチャクみたいになってる?どうすれば
上記の記事では
- 犬の肉球がパンパンに腫れた原因
- ボロボロ、ザラザラ乾燥する犬の肉球の原因
- 犬の肉球の役割
についてご紹介しましたがいかがでしたか?犬の肉球は、健康のバロメーターです。カビや乾燥がないか定期的に確認が必要がありますが、犬の肉球が「イソギンチャク」のようにブツブツなっていることがあります。
これは、カビや病気ではないため心配はいりません。これは、皮膚が分厚くなっているために起こるもので、犬が年齢を重ねるごとに角化亢進し、イソギンチャクのようにブツブツが少し伸びます。
肉球と同じように、鼻も角化亢進しますが肉球ほどにはなりません。むりにカットしようとするとケガのもとになるため、飼い主・犬が気にしている場合は、獣医師に相談しましょう。
カビなの、ひび割れ?肉球のケアのやり方
肉球のひび割れはカビや病気が原因のものと乾燥によるひび割れがあります。カビの場合は、脱毛や赤みなど他の症状がでる可能性があるため、発見したらすぐに動物病院に相談しましょう!
愛犬の肉球を病気やカビから守るためには、日頃のお手入れが大切です。しかし、正しいケアができていないと意味がありません。
- まず爪を切る
- 乾燥した肉球にクリームを塗ってあげる
- マッサージしてあげる
です。
今回の記事で、正しい肉球ケアの方法をみにつけ、犬の肉球を清潔に保ちましょう。
まず爪を切ってあげる
肉球クリームをいきなり塗る前にまずは愛犬の爪を切ってあげましょう!爪を切るときに、肉球や肉球周りの汚れが酷い場合は、軽く洗ってあげてください。
汚れを落としキレイな肉球を保つことで、肉球クリームの浸透力があがると同時に、病気の予防にもなります。
「犬が暴れてうまく爪をきれない」「爪切りに慣れていない」飼い主さんは、トリミングの利用がおすすめです。
月に1回程度トリミングを利用することで、愛犬の体を清潔に保てるほか、犬の爪きりも丁寧にしてもらえます。また、飼い犬は爪が伸びやすいので、爪切りの頻度は月に1回が目安です。
乾燥した肉球にクリームを塗ってあげる
爪切りの次に肉球にクリームをぬってあげましょう。肉球クリームのぬり方は、手に適量のクリームをとり、小さい肉球から大きい肉球にかけて順番に指を滑らすようにゆっくりとぬります。
このとき、指の隙間も忘れずにぬってあげることがポイントです。愛犬が肉球クリームを舐めてしまう場合は、靴下をはかせてあげましょう。
靴下をはかせてあげることで、保湿の効果がアップします。しかし、長時間靴下を履かせることは、蒸れる、歩くときにすべる恐れがあるため控えましょう。
その他の対策は、ボールなどのおもちゃで気をそらす、抱っこして舐めないようにするなどがあります。
飼い主さんがマッサージしてあげる
肉球クリームを指の隙間までていねいにぬった後は、指の腹でやさしくマッサージしてあげましょう。
やさしくマッサージすることで、肉球クリームの浸透率が高まります。クリームをぬり、マッサージした後は余分な肉球クリームを拭き忘れないようにしましょう!
また、肉球をマッサージしてあげることは、愛犬とのスキンシップにもなります。信頼関係を深めることができるうえに、肉球が保湿されプニプニになるなんて一石二鳥ですね。
毎日のケアが大変という飼い主さんは、散歩前に少しぬるだけでもひび割れの対策になります。
まとめ:「犬の肉球にカビがある!?」飼い主さんの疑問解決
今回のMOFFMEでは、
- 犬の肉球がパンパンに腫れた原因
- ボロボロ、ザラザラ乾燥する犬の肉球の原因
- 犬の肉球の役割
- 犬の肉球がイソギンチャクみたいになってる原因と対処法
について詳しくご紹介しましたが、いかがでしたか?カビが生えていたり、パックリ割れていたりと犬の肉球には、さまざまなトラブルがあることがわかりましたね。
また、肉球は「病気のサイン」が出やすい場所でもあります。毎日のスキンシップの中で、さりげなく犬の肉球をチェックする癖をつけ健康維持に役立てましょう!
MOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!