繁殖引退犬とはいったいどんな存在なのでしょうか。実は繁殖引退犬の里親になりたい人は意外と多いのです。この場合分離不安のデメリットやしつけ方、寿命などは一体どうなっているのでしょうか。繁殖引退犬にまつわる様々な事柄について説明していきたいと思います。
この記事の目次
目次を閉じる繁殖引退犬の里親になりたい!しつけや飼い方は?
犬を家族に迎える際、みなさんはどのようなところでワンちゃんと巡り合うでしょうか。
一般的には、ペットショップ、保護犬の譲渡会、里親募集などでではないでしょうか。
そこで、繁殖引退犬という言葉をご存じでしょうか。
聞いたことがある方もいるかもしれませんが、現在、繁殖引退犬が増加しています。
そこで今回のMOFFMEでは、
- 繁殖引退犬とは?
- 繁殖引退犬のしつけ方
- 繁殖引退犬が増加している理由
- 繁殖引退犬を迎える際の心構え
- 繁殖引退犬を迎えるデメリット
- 繁殖引退犬をどこで迎えればいいの?
- まとめ:繁殖引退犬の里親になりたい!
以上の7項目に分けて、詳しく解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください!
繁殖引退犬とは?
繁殖引退犬とは、ブリーダーで繁殖目的に飼われている犬で、ある年齢に達したり、繁殖することができなくなり、引退した犬の事を言います。
ほぼ全ての犬が血統書付きで、チワワやトイプードル、コーギーなど様々な犬がいます。
小型犬は2歳~6歳までが人間の24~40歳に相当し、6歳になるころ引退し、
大型犬は2歳半~5歳までが人間の20~30歳代に相当し、5歳になるころ引退します。
引退した犬は、新たな里親のもとでペットとして飼われることが多いです。
また、繁殖引退犬は我慢強く、優しい子も多いです。
この頁では、
- 甘えん坊?繁殖引退犬の特徴と性格
- 繁殖引退犬の去勢と寿命
甘えん坊?繁殖引退犬の特徴と性格
繁殖引退犬の特徴や性格って、どんな感じなのでしょうか。
これは、ブリーダーの飼い方にもよって異なってきますが、ペットとして飼われていたわけではないので、人見知りだったり、人とのコミュニケーションの取り方が分からない子、または感情を表に出さず我慢する子が多い傾向にあります。
言ってしまうと、甘えたいけど、甘え方をまだ知らないんですね。
引退するまでは、ほとんどをケージの中で暮らしていた、というのも珍しくはないため、仕方のないことなんです。
最近は悪質なブリーダーは減ってきているとは思いますが、それでも繫殖目的なため、ペットとは飼い方そのものが違うのです。
元々、持っている性格は甘えん坊な子が、ほとんどでしょう。
繁殖引退犬の去勢と寿命
繁殖引退犬は、それまでは繁殖していたわけですので、避妊・去勢は行われていません。
繫殖引退犬を家族に迎える場合、譲渡前に避妊・去勢手術を行っていない場合は、早めに手術してあげる方が、今後の病気の予防になります。
メス犬の場合は、
- 乳がん
- 子宮蓄膿症
オス犬の場合は
- 前立腺肥大
- 肛門周囲腺腫
- 肛門周囲腺がん
- 肛門嚢アポクリン腺がん
繁殖引退犬のしつけ方
繁殖引退犬は今までのほとんどが、ケージの中で暮らしてきた子が多いです。
そのため、トイレトレーニングなどが必要な場合も出てきます。
また、他の犬とは繁殖以外では接することも少ないため、犬同士のコミュニケーションも苦手な子が多いでしょう。
この頁では、
- トイレトレーニング
- 多頭飼いなのに他の犬と遊ばない?
トイレトレーニング
家族に迎えたら、まずはトイレを覚えて欲しいところですね。
最初から、ちゃんとトイレをできる子もいますが、環境が変わりトイレをできない子もいるでしょう。
まずは、1部屋に絞り、そこで自由にさせてあげましょう。
そこにトイレを置いて、ちゃんとトイレができたらオーバーなくらい褒めてあげて下さい。
トイレ以外で、粗相してしまった場合は、怒ったりせず無反応で素早く片付けてあげて下さい。
ここで、怒ったりすると、構ってもらえると勘違いしてトイレをなかなか覚えてくれません。
最初は、トイレをしたいだけでなく、新しい環境下でマーキングをすることもあるので辛抱強く、トイレを覚えて貰いましょう。
トイレを覚えたら、徐々に行動できる部屋を増やしてあげると良いです。
多頭飼いなのに他の犬と遊ばない?
繫殖引退犬を迎える家が、すでに他に犬を飼っている場合、最初は犬同士で遊ばない可能性があります。
今まで、自由に他の犬とコミュニケーションをとれなかった犬も多いので、いきなり新しい環境下で、知らない人と、更に知らない犬とは繫殖引退犬にとっては許容量をオーバーするかもしれません。
まずは、新しい環境に慣れてもらい、飼い主にも慣れてもらってから、他の犬とコミュニケーションをとっていくのが良いかもしれませんね。
子犬は何にでも興味津々で、無邪気に突進していきますが、繫殖引退犬はそれまでの環境が全てで、新しい環境に慣れるのも仔犬より時間が掛かるでしょう。
沢山、愛情を注げば繫殖引退犬も必ず答えてくれるので、ゆっくり見守ってあげて下さい。
繁殖引退犬が増加している理由
近年、繁殖引退犬がなぜ増加しているのはご存じでしょうか。
これは、2021年に公布された環境省令の「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令(省令基準)」のためです。
経過措置を取りながら2024年6月に完全施行されます。
これは簡単に説明すると、飼育ケージのサイズや、犬猫の交配に対し、回数や年齢に制限をかけるものです。
これにより、今までシニア期に入った犬猫でも交配させ繁殖させてきましたが、それに規制をかけます。
動物愛護の観点からの措置になるのでしょう。
その背景により、繁殖引退犬が増加しているのです。
しかし、その影響で一時的かもしれませんが13万頭の繁殖用の犬猫が路頭に迷うとも言われています。
これまで、繁殖のみしてきた犬猫に新しい生活をしてほしいですね。
繁殖引退犬を迎える際の心構え
繫殖引退犬を迎える際の心構えですが、まずは仔犬を飼うわけではないということを大前提にしなければなりません。
繁殖引退犬はブリーダーの元で、自身の個性も、その環境に適合できるように確立しています。
そのため、仔犬とは違い、飼い主との相性というのも出てくるでしょう。
また、繫殖引退犬を迎える場合、資金はどのくらいかかるのでしょうか。
この頁では、
- 第一印象が大事!犬とのマッチング
- 繁殖引退犬が過ごせるだけの資金を用意
- お試しで同居生活
第一印象が大事!犬とのマッチング
人間同士でも、今後の付き合いって出会ったときの第一印象でほぼ決まりますよね。
犬と人間でも第一印象がとても大事です。
人によっては、この犬種を飼いたいからと、いろいろなペットショップを回る方もいるかもしれません。
しかし、たまたまペットショップに寄ったり、保護犬の譲渡会に参加してみたら犬と運命を感じたとか、何か通じるものがあったからというのが、犬を飼いだしたきっかけの人の方が多いように思います。
人でもそうですよね、理想の髪型の人で、理想の顔の人を探しまわって、その人を好きになるなんてあまりないですよね。
人同士が、最初のマッチングで未来が決まるように、人と犬も最初のマッチング次第ですね。
繁殖引退犬が過ごせるだけの資金を用意
繁殖引退犬の6歳と、今までペットとして暮らしてきた6差を比べた場合、体への負担は違うと考えた方が良いでしょう。
特にメス犬の場合、何度も妊娠・出産を繰り返すので、体への負担は大きいです。
繁殖引退犬を迎える場合は、それに伴うこれからの病気に備えた方が良いでしょう。
オス犬の場合も、繁殖のためにもちろん去勢などしていませんので、小さいうちに去勢した犬よりも病気のリスクは高くなります。
とはいえ、仔犬を迎えるにしても、繁殖引退犬を迎えるにしても病気をしない時はしませんし、するときはしてしまいます。
繁殖引退犬を迎える場合は、ペット保険に加入することをお勧めします。
いざというときに、ペット保険に加入していれば、病気などの場合に資金面も助かるでしょう。
それ以外の資金は、犬の飼育道具(ケージや水飲み、トイレなど)を買うことになるでしょうが、これは仔犬を飼うのと変わりません。
お試しで同居生活
ブリーダーや、保護団体にもよりますが、繁殖引退犬を迎える前に、お試しで同居生活ができたり、または、しなければなりません。
これは、譲渡側から見れば「生涯ちゃんと面倒見てくれる飼い主か」を見極める目的もあれば、迎え入れる側から見れば「この子と、生涯暮らしていけるか」を見極める側面もあります。
場合によっては、「申し込んでくるくらいなので、最後まで面倒見るだろう」と、お試しが無い場合もありますが、仔犬を迎えるのとは状況が違いますので、できる限りお試しで同居生活してみてください。
繁殖引退犬を迎えるデメリット
繁殖引退犬を迎える場合は、しっかりデメリットも知ったうえで迎える必要があります。
やはり、これまでの数年間、繁殖目的として飼われていたわけですから、ペットのようにケアされていたとは限りません。
また、新しい環境になり、不安になる犬も多いです。
この頁では、
- 繁殖引退犬①歯がない、歯周病?
- 繁殖引退犬②怖がりの分離不安がある
繁殖引退犬①歯がない、歯周病?
繁殖引退犬は歯周病の場合が多いです。
ブリーダーにもよりますが、歯磨きが行き届いておらず、歯石が溜まり歯周病になってしまっているのです。
特にメス犬は出産でお腹の仔犬に栄養を分け与えるため、カルシウムも不足がちになります。
これが、複数回の出産をするわけですから、歯もダメージを受けてしまいます。
そのため、里親に引き取られる前に、愛護団体で治療をしてもらって歯がなくなっている場合もあります。
愛護団体で歯石取りまでしてくれているかはわかりませんので、繁殖引退犬を迎えた際に、病院で歯の健康状態はしっかり診てもらった方が良いでしょう。
見た目は何の異常もなさそうでも、実は痛くて食欲が減退している場合もあるので注意が必要です。
繁殖引退犬②怖がりの分離不安がある
繁殖引退犬は分離不安がある子も多いでしょう。
基本、繁殖引退犬は感情を表に出さず辛抱強い子が多いのですが、これはペットではなく繁殖用として育てられているので、飼い主とペットという関係ではないからです。
そして、家族として迎えられた繁殖引退犬は、飼い主とペットという関係が作られていきます。
やはり今までの環境から、新しい環境になり甘え方もよく分からず、少しずつ慣れていくでしょうが、どこか怖がりながらしばらくは暮らしていきます。
そんな中、飼い主が少しの間、家を空けただけでも犬は不安になりパニックを起こしやすくなります。
そして、吠えたり、遠吠えをすることもあります。
繁殖引退犬が家族として、本当に心を許すまでは出来る限り、人が家にいた方が良いでしょう。
繁殖引退犬をどこで迎えればいいの?
さて、繁殖引退犬のことを解説してきましたが、繁殖引退犬をペットとして迎えるにしても、どこに行けばその子に会えるの?と思いますよね。
ペットショップに行っても、ほぼ繁殖引退犬はいません。
繁殖引退犬に出会うには、どうすればいいのでしょう。
この頁では、
- 里親募集
- 保護犬の待機所
里親募集
ブリーダーが直接、里親を募集している場合について解説します。
ブリーダーが里親を募集する場合は、ホームページや、貼り紙などで募集することが多いでしょう。
病院などの掲示板に張られている場合もあります。
そこに、連絡をして調整していく流れとなりますが、ブリーダーによって無料で譲渡もあれば、有料の場合もあります。
また、ブリーダーによって譲渡条件が様々で、
- 譲渡後も健康状態など確認できること
- 指定のフードを与えること
- 何回か面談を行うこと
- 譲渡後も指定のエステでトリミングを行うこと
引き渡す以上は、ちゃんと幸せに暮らせているか確認したいですものね。
ブリーダーから繁殖引退犬を迎える場合は、迎えたら病院で、歯の健康チェックも含め、健康診断をしてもらいましょう。
保護犬の待機所
繁殖引退犬に保護犬の待機所、または保護犬の譲渡会で出会う方法を解説いたします。
動物愛護団体などに引き取られ、そこの待機所で繁殖引退犬に出会うことができます。
また、イベント会場を借りて保護犬の譲渡会を行っている場合もあります。
基本的に審査があり、意外と厳しい条件で、
- 単身
- 学生
- 未婚のカップル
- ペット飼育経験なし
- 長時間の不在
- 賃貸住宅居住
- 年齢
まとめ:繁殖引退犬の里親になりたい!
繁殖引退犬について解説してきました。
いかがでしたでしょうか。
この記事では、
- 繁殖引退犬とは?
- 繁殖引退犬のしつけ方
- 繁殖引退犬が増加している理由
- 繁殖引退犬を迎える際の心構え
- 繁殖引退犬を迎えるデメリット
- 繁殖引退犬をどこで迎えればいいの?