猫が日向ぼっこが好きなのはどうしてなのでしょうか。街を歩いているとベランダで日光浴をする猫をよく見かけます。猫は日向ぼっこが好きなのです。それはなぜなのでしょう。その理由と日向ぼっこの効果についても説明していきたいと思います。
この記事の目次
目次を閉じる猫が日向ぼっこをするのが好きなのはどうして?その理由と効果
猫が、ベランダや日光がよく当たる窓際などで、うとうとしている姿を目にすることは多いですよね。
夏でも冬でも、とにかく陽射しが好きな猫ちゃんは多いのではないでしょうか。
しかし、飼い主さんとしては、「日焼けしない?」「熱中症にならない?」と心配になることも。
実は、猫が日向ぼっこをするのは、本能的にそれが必要だと知っているからなんです。
とはいえ、猫ちゃんの様子など場合によっては注意してあげる必要があることも。
今回MOFFMEでは、
- 猫が日向ぼっこを好きな理由
- 日向ぼっこのやり方
- 日向ぼっこをするメリット
- 日向ぼっこの注意点
- 日向不足でも大丈夫?
猫が日向ぼっこをするのが好きな理由
猫が日向ぼっこをしている姿は、とってもかわいいですよね。落ち着ける場所だと、お腹を出して溶けたように寝ている猫を見ることもできます。
猫は夜行性で夜目が効く動物だと言われていますが、日向ぼっこも好きということは、日光の中でも問題無いということですよね。
実際、飼い猫だと、飼い主の生活リズムに合わせて、夜は寝て昼間活動する猫ちゃんも多くいます。
猫は1日に13時間以上眠ると言われていますが、寝る場所として日向が当たる場所を選ぶことも多いですよね。
猫は快適に過ごせる場所を探すのが得意ですから、日向ぼっこも快適なのでしょう。
猫が日向ぼっこを好む理由は、
- 暖かい場所が好きだから
- 気持ちよく眠りたいから
- 体を乾かしたいから
太陽の当たる暖かいところが潜在的に好きだから
猫は寒さにあまり強くありません。寒い地方が原産の猫もいますが、基本的には寒さにも暑さにも弱い動物です。
そのため、暖かい場所や体温を一定に保てる場所を好みます。それが日向なのです。
じっとしている間も、動物は体温を一定に保つためにエネルギーを使っています。
日向など暖かいところにいれば、体を温めるためのエネルギーの消費を抑えられるのです。
猫がよく眠るのは、狩りや縄張り争い以外で体力を温存しておくための、野生の名残りだと考えられています。
効率よく、体力を温存するため、エネルギーを消費しない方法を本能的に知っているのでしょう。とても賢い動物ですよね。
ベランダでコロコロして寝てしまいたい
猫は1日の半分以上を睡眠時間に費やします。そのため、快適に眠れる場所が必要なのです。
猫はベランダや窓際など、太陽の光が当たるところでコロコロと横になっていることが多いでしょう。
あれは、エネルギー消費を抑えつつ、効率的に体力を温存しながら眠るためなのではないでしょうか。
また、皮膚や被毛についた菌やダニなどを、紫外線によって殺菌する効果があることを、本能的に知っているのかもしれません。
猫の先祖は砂漠地方で暮らしていたと言われていますから、太陽の光と仲良く共存する方法が本能に組み込まれているのでしょう。
体を乾かしている
猫は水が苦手な動物でもあります。特に体が濡れるのを嫌がる子が多いでしょう。
日光で濡れた体を乾かす目的もあるようです。雨の後になると、日向に出る猫ちゃんが多くなるのかもしれませんね。
また、暖かい場所にいる方が、健康的に過ごせることを知っているため、体を温かくしてくれる日向ぼっこを好むのでしょう。
基本的に種類問わず、どんな猫ちゃんも日向ぼっこを好むというのが、その証拠ではないでしょうか。
単純に気持ちがいいという理由もあれば、野生の名残りであったり、本能であったりと、いくつかの理由が混ざり合っているようですね。
猫の日向ぼっこのやり方
猫にとって日向ぼっこはメリットがあるため、できるだけさせてあげたいですよね。
今は完全室内飼いが勧められているため、外に出してしまうのはおすすめしません。
室内でも十分、日向ぼっこをさせることは可能です。
ただし、白猫やアルビノ猫の場合、紫外線に対する抵抗力が弱いため、あまり長時間、日に当てない方が良いとも言われています。
その場合は、UVカットのシートを窓やベランダに貼ってあげるなどの工夫をしましょう。
ここからは、
- 室内
- ベランダや散歩中
に、猫に日向ぼっこをさせる方法について解説します。
屋内でも大丈夫!窓際・窓越しでの日向ぼっこのやり方
完全室内で飼っている猫ちゃんの場合、窓越しに日光浴ができるよう、陽の当たる場所に猫の場所を作ってあげてください。
猫は高い場所が好きなので、陽が当たる場所にキャットタワーやキャットウォークを設置してあげるのもおすすめです。
できれば、窓から外が眺められるようにしてあげると、より良いですね。
また、猫の日光浴グッズとして、窓に設置できるハンモックが販売されています。
物を置くのが難しい場合でも、これなら簡単に猫ちゃんの居場所を作ってあげられるでしょう。
可能であれば、ゲージごと窓際に置いてあげるのも良いかもしれません。
屋外のベランダや散歩中の日向ぼっこのやり方
ベランダでの日光浴は、十分に注意が必要です。猫が落下や飛び降りをしないように、ネットを付けたり、ゲージごとベランダに出してあげるのがおすすめです。
脱走や事故などの危険があるので、対策せずにベランダや庭などに出すのはやめておきましょう。
野良猫と触れ合ったりすることで、病気やダニ、ノミなどをもらうリスクがあります。
基本的には室内に、陽の当たる場所を作ってあげられると良いですが、無理なら対策をした上で、ベランダやお散歩などで日向ぼっこをさせてあげてください。
必ず日光浴が必要であるわけではないですが、陽に当たる時間があった方が猫の健康面でメリットがあります。
ただし、あまりに紫外線を浴びすぎたり、暑い場所に放置したりすると、逆に病気になってしまう可能性があるので注意が必要です。
猫が日向ぼっこをするメリット
猫ちゃんは本能的に日向ぼっこを好みます。日向で寝た後の愛猫は、お日様のいい匂いがしますよね。
ポカポカした場所は人間にとっても気持ちがいいので、時間がある時は、猫ちゃんと一緒にゆっくり日向ぼっこ…というのも素敵です。
太陽の光は、人間にとってもそうですが、猫にとってもメリットがたくさんあります。
- 体が温まる
- セロトニンが分泌される
- 快適な場所を作れる
- 紫外線による殺菌効果がある
猫は暖かいところを本能的に好む
先述の通り、猫の先祖は砂漠地方で暮らしてきたと言われています。暑いところにいたため、寒さに弱く暖かい場所を好むそうです。
猫は、体力を温存しておくために、短い睡眠を1日に何度も取る動物ですから、日中にもよく眠ります。
本能的に暖かい場所で眠ることで、エネルギーをより温存できることを知っているのです。
猫によって活動時間は異なるため、日中はあまり眠らない子もいます。
日向ぼっこが得意でない猫ちゃんもいますが、日光浴をしなくても特に心配はありません。
セロトニンの分泌
人間と同じく、日光浴をすると猫にもセロトニンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
このホルモンは、幸せホルモンと呼ばれるもので、精神を安定させてくれる働きがあるものです。
この分泌量が増えると、情緒が安定し、ストレスが軽減する効果もあるのだとか。
また、セロトニンが分泌されることで、睡眠の質が高まり快適な眠りを得ることもできるのです。
まさしく心身共に健康でいるためには、欠かせないホルモンと言えるでしょう。
また、先述の通り、日光浴をすることでビタミンDが生成されます。
ビタミンDは、免疫力の向上や骨を丈夫にする働きを持つものです。
食事でも補うことはできますが、日光浴をするだけでも生成できるので、人間も猫に倣って積極的に日光浴していきたいですね。
1日の多くを睡眠にあてるため快適な場所を選びたい
猫は1日13時間以上を眠って過ごします。一気に睡眠を取るのではなく、1日の間に何度も睡眠を取る動物です。
睡眠時間が長いのは、「猫は体力が無い動物だから」「いざという時のために体力を温存している」という理由が考えられます。
そのため、睡眠にとてもこだわりがある動物とも言えるでしょう。
猫にとって落ち着いて眠れる場所、環境は何よりも必要なものなのです。
日光を浴びながら眠ることで、体温を保つためのエネルギーを節約できるので、より体力を温存できます。
猫がお腹を出して、ほとんど液体のようになって日向ぼっこをしているのは、節電中だと考えていいでしょう。
次に活動する時のために体力を温存している最中なので、かわいいのは分かりますが、ちょっかいを出さずに見守ってあげてください。
太陽光には殺菌効果がある
太陽光(紫外線)には殺菌効果があります。猫の皮膚や被毛についた菌やダニ、寄生虫の繁殖などを防ぐことが可能です。
ダニや寄生虫は、紫外線だけで退治することはできませんが、繁殖は防げます。
愛猫の皮膚病など、病気を気にする飼い主さんも多いですよね。
日光浴である程度、殺菌が可能なため、日向ぼっこできる場所を作ってあげるのがおすすめです。加えて、定期的な検診も忘れずに。
まとめると、猫の日向ぼっこには、
- ①セロトニンの分泌で情緒が安定する
- ②ビタミンD生成で免疫力の向上、骨が丈夫になる
- ③紫外線による殺菌効果に期待できる
- ④猫は暖かい場所が好き
猫が日向ぼっこをする注意点
日光浴が猫の体に良いと聞くと、積極的にさせたくなってしまいます。
しかし、基本的に猫は自分で快適な場所を探すのが得意なため、快適な場所をいくつか作ったら、後は猫にお任せしましょう。
猫によって日光浴がそんなに好きではない子もたまにいます。強制はNGです。
また、日向ぼっこが好きな猫でも、注意しなければいけないこともあります。
- 落下などで怪我をしてしまうかもしれない
- 紫外線を浴びすぎて癌になるリスクがある
- 暑い時期は熱中症に注意
落下してけがを負ってしまう
猫は高いところから落ちても平気、というイメージが強いですが、さすがに2階以上の高所から落下すれば、怪我は免れません。
最悪の場合、命を落としてしまうこともあります。
ベランダや窓際で日向ぼっこをさせる際は、猫がベランダの柵や窓から落下しないよう注意が必要です。
日向ぼっこで眠っているうちにバランスを崩して落下したり、虫などを追いかけて落下してしまうといった事故は頻繁に起きています。
ベランダに出す際は、必ず猫が落下しないよう対策をすること。(ネットを張るなど、猫が故意に出て行かないようにもしておきましょう。)
窓際で日向ぼっこをしている場合は、窓は極力開けないようにすること。(猫を飼っている場合、窓の開けっ放しは危険です。)
上記に注意してください。
紫外線をたくさん浴びて癌になってしまう
紫外線を浴びすぎると、皮膚炎などの皮膚病になってしまう可能性もあります。さらに、皮膚癌を発症するリスクも。
日向に猫を放置しないようにしてください。猫が状況に応じて、日向と日陰を移動できるようにしてあげるのがおすすめです。
また、白猫などの色素が薄い猫や、色素が欠乏しているアルビノ猫の場合は、特に紫外線には注意しなければいけません。
本能的に日向ぼっこをしたがる猫ちゃんも多いですが、窓にUVカットシートを貼る、日光浴の時間を短縮させるなどの工夫が必要です。
ある程度日光浴をさせたら、カーテンを閉めたりして飼い主さんが調節してあげるのも良いでしょう。
暑いので熱中症になってしまう
日向ぼっこをさせる場合は、必ずお水をいつでも飲めるようにしておく必要があります。
夏などの暑い日差しの中では、脱水症状や熱中症などを引き起こすリスクがあるからです。
いくら日光浴が好きな猫でも、日差しが辛くなると自分で移動するはずですから、日陰などの涼しい場所にも自由に行ける環境を作りましょう。
また、夏場は室内で日光浴をさせるようにして、室温は26度〜28度くらいに保ってあげてください。
日差しが強いと感じる時は、レースカーテンなどで直射日光を避けるようにしてあげるのもおすすめです。
最近では日向不足で猫が日陰猫に?
猫にとって日向ぼっこはメリットが大きいですが、日向ぼっこができないからといって、病気になってしまうわけではありません。
ただし、日光は猫の健康維持に役立つことは事実です。
梅雨時期などは日差しも日向も少なくなりますよね。日向が無くても大きな問題はありません。
日向ぼっこが好きな猫ちゃんは、少々ストレスを感じるかもしれませんが…。お天気が悪い日は仕方ありませんからね。
また、猫は暗くて狭い場所も好きな動物なので、日向も日陰もどちらも好きです。どちらも用意してあげていれば問題ありません。
窓越しでも日向ぼっこは可能!
先述した通り、室内であっても日向ぼっこは可能です。
またお天気が悪い日でも、ふとした時に日が差すこともあるため、窓際に日向ぼっこができるよう、猫グッズを設置しておきましょう。
窓に貼り付けるタイプの猫ベッドや、ハンモックなら、部屋が狭くても問題ありませんし、簡単に取り外しが可能です。
日が差しやすい場所を、猫ちゃんのために確保しておいてあげるのがおすすめです。
猫ちゃんはその時々で、快適な場所を探せるので、日向と日陰の両方を用意してあげるのが良いでしょう。
実際に、夏は日陰に集まる猫ちゃんが多く、冬は日向に集まる猫ちゃんが多いとされています。
ただし、中には日向が好きすぎて、日が沈むまで日光浴をする猫ちゃんも。
そんな場合は、レースのカーテンやUVカットシートを使って、直射日光を長時間浴びないようにしてあげましょう。
夏は毛づくろいでいい匂い!日向猫
猫は1日に20分ほど毛づくろいをするとされています。グルーミングとも呼ばれていますね。
猫が毛づくろいをするのには、
- 体調と身だしなみのため
- 気持ちを落ち着かせるため
- コミュニケーションのため
まとめ:猫が日向ぼっこを好きなのはどうして?
猫が日向ぼっこをする理由や、メリット、注意点を紹介しました。
猫にとって日向ぼっこはメリットが大きいですが、無くてはならないものというわけではありません。
ただし、日向ぼっこが好きな猫ちゃんから、日光を取り上げるのはNGです。
無理にさせる必要も無ければ、取り上げる必要もありません。
猫は賢く、自分で快適な場所を探すので、快適そうだと思う場所に猫ちゃんがリラックスできるグッズを設置してあげるだけでOKです。
今回お伝えしたことは、
- 猫は暖かい場所を好む
- 日光浴をするのは本能的に暖を求めるから
- 日光浴を好まない猫もいる
- 直射日光の浴びすぎには注意が必要