内容をまとめると
- プラムに含まれている成分「アミグダリン」が犬にとって危険なので与えてはいけない
- 痙攣、嘔吐、頻脈、呼吸促迫、粘膜の充血などの中毒症状が報告されている
- 少量の誤食でも、必ず動物病院に連れて行くこと
- 犬の医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心
「プラムは犬が食べても大丈夫なの」?と疑問に思ってしまう飼い主さんがたくさんいるようです。実際のところはダメです。プラムは犬にとってとても危険な問題なのです。プラムの中にある青酸のせいで犬が中毒を起こしてしまうのです。この記事ではそのことを解説します。
この記事の目次
目次を閉じるプラムは犬が食べても大丈夫?絶対ダメ!
犬を飼っている皆さんは、犬がプラムを食べてはいけないことを知っていますか?また、他にも食べてはいけない果物があります。
プラムとは、すももやプルーンのことを言います。ニホンスモモ、ヨーロッパスモモ、アメリカスモモの3種類があります。その中でも、ヨーロッパスモモとアメリカンスモモをプルーンとしています。
今回のMOFFME記事では、
- プラムを犬に食べさせてはいけない理由
- 間違えて犬がプラムを食べてしまった時の対処法
- プラムを加工させたら犬に食べさせてもいいのか
- 犬が食べてはいけない果物
- 補足:犬が食べてもいい果物
初夏から秋頃までスーパーに並ぶプラム。人としては生で食べても、加工されたジャムやドライフルーツでも美味しい食べ物ではあります。
しかしながら、大切な愛犬に食べさせてしまうのはとても危険です。正しい知識をつけて、愛犬の大切な命を守りましょう。
またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。
プラムを犬に食べさせてはいけない理由
モデル:ノエル
プラムを犬に食べさせてはいけない理由は、主に2つあります。それは、
- プラムに含まれる成分が原因で中毒症状を起こす
- プラムの種が内臓に詰まってしまう可能性がある
プラムの主な栄養素や成分は、「アミグダリン」「カリウム」「β-カロチン」「ペクチン」があります。その中でも「アミグダリン」は犬にとって危険な成分です。
では、アミグダリンはどのように危険なのでしょうか。また、プラムの種を飲み込んでしまった場合はどのような症状が起きるのでしょうか。
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
青酸で犬が痙攣をおこしてしまう
プラムに含まれていて、犬には危険な成分とされているアミグダリン。このアミグダリン自体には毒性はないとされています。
しかしながら、このアミグダリンを犬が消化していく中で猛毒とされる青酸(シアン化水素)が発生し、犬が中毒症状を起こしてしまうことになります。
シアン化水素は人にとっても中毒症状を起こさせる危険な物質です。中毒症状として、痙攣、嘔吐、頻脈、呼吸促迫、粘膜の充血などの症状が現れます。
また、息や胃の内容物から特有のアーモンド臭を放つことが特徴の一つとされています。この臭いは青酸が発生する過程で出るものです。
最悪の場合は、死に至るケースも報告されています。プラムを食べさせることは絶対にやめましょう。
プラムの種が内臓につまってしまう
プラムの種を犬が誤って飲み込んでしまった場合、種は胃液で溶けず消化されません。その結果、消化管内で詰まってしまう危険性があります。
また、内臓を傷つけたり腸閉塞を起こしたりすることがあります。特に小型犬の場合には、のどに詰まらせて窒息死してしまう可能性もあります。
そのため、プラムを犬の手の届かないところに置くことはもちろんのこと、飼い主がプラムを食べた後の種の後始末は必ずおこなうようにしましょう。
犬が間違えてプラムを食べてしまった時の対処法
モデル:ノエル
万が一、プラムを食べてしまった場合には、嘔吐や痙攣などの症状が現れます。少量であったり症状がなかったりしても、必ず動物病院へ連絡しましょう。
先述のとおり、青酸中毒の症状が現れるまでには、体内でアミグダリンを分解してからとなるため時間がかかります。そのため、症状がすぐに現れないからといってそのままにしてはいけません。
犬が誤食してしまった時間や量などを動物病院へ連絡し、主治医の指示を仰ぐようにしてください。
プラムは加工したら犬に食べさせても大丈夫?
プラムの一種とされるプルーン。加工例としては、ジャムやドライフルーツとして食べることが多いと思います。
特にドライフルーツは、乾燥によって栄養を濃縮させています。栄養を濃縮させているということは、危険な成分であるアミグダリンも濃縮されてしまっていることになります。
そのため、プルーンを乾燥させたドライプルーンも生のプルーンと同様に食べさせてはいけません。
また、ドライフルーツは水分が少ないため、生の状態のものよりも食べる量が多くなる可能性があります。摂取量が多くなるとそれだけ危険度も増すため、ドライプルーンは与えないようにしましょう。
他にも!食べてはいけない果物
モデル:ノエル
ここまで、プラムやプラムの加工したものの誤食の危険について説明してきました。プラム以外にも、人間にとっては美味しく食べられても犬にとっては有害な果物があります。
ここでは、
- ぶどう
- レーズン
について、食べてはいけない理由を説明していきます。
ぶどうやレーズンの他にも、マスカット、いちじく、ざくろ、レモン、グレープフルーツ、すだちなどの果物は食べてはいけないとされています。犬にとっては毒性のある物質が含まれていたり、中毒症状を起こしたりするものがあるので、絶対に食べさせないようにしてください。
ぶどう
ぶどうも犬には食べさせていはいけない果物です。2001年にアメリカの研究者などによって犬のぶどう中毒が報告されたことにより、ぶどうを食べさせてはいけないとの見解が示され始めました。
ぶどう中毒の原因物質としては、未だに特定されておらずにはっきりとしていません。カビ毒やぶどう由来の未知の成分が考えられています。
ぶどう中毒になると、食べてから数時間以内に嘔吐することが特徴です。また、下痢や食欲低下、呼吸促迫や震えなどを起こす犬もいます。
さらには、ぶどうの摂取によって腎臓が障害を受け、急性腎不全により死に至ってしまうといった最悪の場合もあります。このような死亡症例もあれば、後遺症が残る症例や元気に回復する症例もあり、個体差があるのも事実です。
その他、肝酵素値上昇による重度尿細管壊死、腸から出血が生じるなど、様々な研究結果が報告されています。
レーズン
レーズンは生のぶどうよりも中毒症状を生じやすく危険とされています。また、体重1kgあたり10〜30gで腎障害を発症する可能性が高いそうです。
急性腎不全に陥る原因物質はカビ毒などが考えらています。しかしながら、なぜそのような症状が出るのか、ぶどうと同様に原因は未だにはっきりわかっていません。
症例としては、ぶどうパンを誤食してしまった犬が死亡したといった事例が報告されています。レーズンの危険性については犬の性別や品種、年齢は関係がないため、プラムやぶどうと同様にレーズンも食べさせないようにしましょう。
補足:反対に犬が食べてもいい果物とは
モデル:ノエル
補足として、犬が生食・加熱の両方で食べてもいいとされる果物を紹介します。ただ、食べてもいい果物でも与えてもよい量が決まっているので注意が必要です。
食べてもいい果物は以下のとおりです。柿、梨、りんご、桃、バナナ、いちご、みかん、スイカ、メロン、パイナップル、キウイ、さくらんぼ、ブルーベリー、マンゴー、びわ、ライチ、デコポンなどがあります。
これらの果物は与えてもいいのですが、丸々一個を与えていいわけではありません。葉や茎、種や皮などを取り除かなければならないものもあります。
また、犬によっては食物アレルギーなどもあるため、注意してください。
まとめ:プラムは犬が食べても大丈夫?
このMOFFME記事では、犬がプラムを食べても大丈夫なのかについてお伝えしてきました。プラムを食べてしまった時の危険性を理解していただけましたでしょうか。
また、万が一食べてしまった時はこの記事を思い出していただき、飼い主の皆さんが慌てずに対処できるようにしていただければ幸いです。大切な愛犬の命を守ることができるのは飼い主の皆さん次第です。
この記事について簡単にまとめます。
- 犬はプラムに含まれるアミグダリンによって青酸中毒を起こしてしまう
- プラムの種も腸閉塞などの危険性がある
- 誤食してしまったら、すぐに動物病院へ連絡をするべき
- プラムの加工物も食べてはいけない
- ぶどうやレーズンも食べてはいけない果物
- 補足:食べてもいい果物でも摂取量などを気をつけなければならない
プラムのみならず、他の果物についても記載してきました。また果物だけでなく、野菜や他の食べ物にも犬が食べてはいけないものがあります。
大切な愛犬のためにも、食べてもいいものといけないものについては正しい知識をつけてください。