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内容をまとめると

  1. 猫の呼吸が早い時に考えられる原因は①運動後②体温調節③ストレス④異物誤飲⑤怪我が挙げられる
  2. ①体重・体温②心拍数③呼吸数に異常がある可能性が高い
  3. 体調不良が継続する場合は動物病院に連れて行くことがおすすめ
  4. ペットの医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心 

飼い猫の呼吸がいつもより早いと飼い主さんはとても心配になってしまいますよね。猫の呼吸が早い際はどのような原因が考えられるのでしょうか。今回のMOFFME記事では、猫の呼吸が早い時に考えられる原因や病気、チェックポイントを紹介していきます。

記事監修者「高田 菜月」

この記事の監修者高田 菜月
一般社団法人愛玩動物健康管理協会(CAHA)

2年間の愛犬(虹組)の介護中に老犬の飼育放棄の多さに驚愕。すべての犬猫が幸せで穏やかな時間を最期まですごしてもらうためにできることは何かを考え、飼い主さんのサポートや老犬・老猫のトータルケアができるサロンを開業するべく準備中。17歳のミニチュアダックスと16歳のチワックスと暮らす。【保有資格:JKC愛犬飼育管理士・ペットフーディスト・ペット看護士・ペットセラピスト・トリマー・ペットスタイリスト・動物介護】

この記事の目次

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猫の呼吸が早い時に考えられる原因を詳しく紹介していきます!

運動をした後に息を切らしたり、緊張している時に呼吸が浅くなったり、人間に見られる呼吸の変化は、実は猫にも共通している部分が多いです。

しかし、体の小さな猫は、人間よりも呼吸の変化が分かりづらくなっています。

いつもより少し早い程度ならば見過ごしてしまうことも多く、口を開けてハッハッと息を切らしている頃には、既に体調に大きな影響が出ているということも。

今回、「MOFFME」では
  • 猫の呼吸が早い時に考えられる原因を紹介
  • 猫の呼吸が早い時のチェックポイントを紹介
  • 猫の呼吸が早い場合に考えられる病気
の3つの項目から、猫の呼吸のトラブルについて解説をしていきます。

呼吸の乱れは、愛猫の身に何かが起きているサイン。一緒に暮らしている猫のサインを見逃さないためにも、ぜひ最後までご覧ください。

またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらも参考にしてください。
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猫の呼吸が早い時に考えられる原因を紹介


モデル:あずき


猫は、基本的に静かに鼻呼吸をする動物です。そんな猫の呼吸が早くなったり、口を開けて呼吸をしている時には、必ず何らかの原因があります。


もし、それが体を動かしたせいで酸素と二酸化炭素の交換をしているだけだったり、暑さに対する体温調整であるならば、自然に落ち着いていくでしょう。


しかし、猫の呼吸が乱れる原因は非常に多く、時には生死にかかわるようなケガや病気が原因であることも考えられます。


ここからは、猫の呼吸が早くなる原因になり得る

  • 運動後
  • 体温調節
  • ストレス
  • 異物誤飲
  • 怪我
の5つの状態について解説をしていきます。

運動後

動物の体は、エネルギーを生成するために酸素を利用しています。息を吸うことで取り込まれた酸素は血流に乗って必要な箇所に流れ、エネルギーを生成し、その残りかすとして作られた二酸化炭素を、今度は息を吐いて排出します。


この仕組みは、人間も猫も同じです。


私たちが運動後に息が上がっても当然のものとして受け入れているように、猫が運動後に呼吸が早くなっていても、それは自然なことで、あまり気にする必要はありません。


ただし、少し運動しただけなのに見て分かるほど呼吸が乱れているようであれば、注意が必要です。異常にはすぐ気づけるように、普段から愛猫の運動後の様子は観察しておきましょう。

体温調節

人間のように汗をかくことができない猫にとって、呼吸によって冷えた空気を取り込むことは、体温調節のために大切な行動です。


基本的に、猫は犬のように口を開けてハッハッと舌や口内を使った体温調節はほとんど行いません。


暑さを感じた時には、体温が上がらないように動かずじっとしたまま、早い呼吸を繰り返して体温を下げようとします。


猫は比較的暑さには強い動物ですが、暑い日にぐったりとして浅く短い呼吸を繰り返している場合は、熱中症の疑いがあります。「冷やして処置すれば大丈夫」などとは考えず、必ず動物病院で診てもらいましょう。

ストレス

呼吸を始めとした身体の機能は、交感神経と副交感神経の働きによってコントロールされています。


呼吸を早くしたり心拍数が上がるのは、交感神経が刺激されているから。そして、交感神経が刺激されるのは、ストレスや緊張が原因。


特に何もしていないはずの愛猫の呼吸が早い時は、周囲の環境を確かめてみましょう。もしかしたら、愛猫にストレスをかけている何かがあるかもしれません。

異物誤飲

猫が動物病院に運ばれる理由として、異物誤飲は決して珍しくありません。


おもちゃで遊んでいる時であったり、落ちていた何かに興味を引かれた時であったり、猫が食べ物以外をくわえる機会は多く、その拍子に間違えて飲み込んでしまう、ということも少なくないのです。


異物誤飲により気道や食道が圧迫される、あるいは傷つくと、当然呼吸にも影響が出ます。さっきまでおもちゃで遊んでいた愛猫が急に呼吸を不規則にしていたり、いつもより呼吸が早いと感じたら、異物誤飲を疑いましょう。

怪我

全身を被毛に覆われた猫の体は、怪我をしていても見た目には分かりづらくなっています。また、怪我をしたら静かにうずくまる事が多く、鳴いて不調を訴えるようなことはあまりしてくれません。

しかし、怪我による痛みによって呼吸が早くなったり、怪我による痛みや動きの阻害で不安や緊張を感じて呼吸に表れることもあります。

ストレスがかかるのであれば、それは呼吸にも表れます。愛猫が動かずおとなしいまま、ただ呼吸だけが早いるようであれば、それはもしかしたらどこか怪我をしているというサインかもしれません。

猫の呼吸が早い時のチェックポイントを紹介


モデル:あずき


「猫の呼吸が早いのは、異常のサイン」と意識したところで、まず猫の呼吸が早いのかどうかが分からなくては意味がありません。


最初に必要となるのは、健康な愛猫の状態を把握しておくこと。体感とは異なり、測定した数字は目に見える分かりやすい指針になります。


普段の愛猫がどれくらいの早さで呼吸をしているのか、心拍数はどれくらいかなど、正常な数字を飼い主さんが記録しておくことが重要です。


ここからは、猫に異常があった時に変化が起こりやすい

  • 体重
  • 体温
  • 心拍数
  • 呼吸数
の4つの簡単な説明と自宅での測り方について、解説していきます。

体重

猫の体重は、人間の体重計でも測ることができます。


手順は簡単。飼い主さんが愛猫を抱き上げた状態での重さを測り、その後で飼い主さんが単独で測った際の重さを引くだけ。抱っこが苦手な子であれば、洗濯ネットに入れるなどの対策をしてみましょう。


ダイエットをしているわけでもないのに体重が減り続けているのは、食欲不振などの影響が出ている証拠です。体重は一日二日で急激に変動するものではありません。こまめに測って記録をつけることが大切です。


体温

猫の体温は、猫用の体温計で測ることをおすすめします。人間用の製品でも不可能ではありませんが、共用するべきではなく、また多少手間がかかってしまいます。


基本的に、猫の体温は直腸での計測になります。しっぽを持ち上げ、肛門から2~3センチほどまで体温計の先を挿入して測りましょう。ワセリン等を用いると挿入しやすく、猫への負担も軽くなります。


猫の平熱は、38~39℃前後と言われています。平熱を越えて高いのはもちろん、あまり低いのも放っておいてはいけません。測定した体温を記録した上で、獣医師に診てもらいましょう。


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心拍数

猫の心拍数は、左前脚を畳んだ時に肘があたる箇所の付近にある、心臓の拍動で測ります。


いきなり探して見つけるのは難しいので、普段からスキンシップの合間に脈の測り方を練習しておくことをおすすめします。


猫の心拍数の平均は、1分あたり100~160回ほどとされています。1分間同じ箇所を触り続けることは難しく、興奮や緊張で早くなる可能性もあるため、15秒測定した回数を4倍したものを、1分の心拍数とします。


個体差によって開きが大きく、興奮すると心拍数も増えるため、平常時に何度か測って愛猫の平均心拍数を把握しておきましょう。

呼吸数

猫の呼吸数は、寝ている時のお腹の動きを見て測ります。お腹が上がってから下がりきったところで1回と数えます。


1分あたりの平均は、起きているときで20~40回。寝ている時は少し減り、15~25回ほどです。興奮状態だと呼吸数は増えるため、測る時は睡眠時が良いでしょう。


また、呼吸を測るからと言って口や鼻の先に手を置くのは避けましょう。匂いを嗅ぐことで呼吸が乱れ、正確な計測ができなくなります。

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猫の呼吸が早い場合に考えられる病気


モデル:あずき

猫の呼吸が早いときは、病気が原因であることも考えられます。

特に肺や喉の呼吸器系は影響が大きく、息切れや咳などの以上が見られた時には、真っ先に病気が疑われる箇所でしょう。

しかし、呼吸が早いからと言って必ずしも呼吸器の病気であるとは限りません。

ここからは、猫の呼吸が早い場合に考えられる病気である
  • 猫カゼ
  • 猫喘息
  • 猫の慢性気管支炎
  • 猫の心臓病(心筋症)
について解説していきます。

猫カゼ

「猫カゼ」というのは一つの病気ではなく、細菌や、ヘルペス、カリシ、クラミジアのウィルスなどによる比較的症状の似た疾患をまとめて呼んだものです。


カゼというだけあり人間のカゼに症状が似ており、感染した猫にはくしゃみや鼻水、発熱などが見られます。口内炎や結膜炎を併発することもあり、免疫力が低下していると肺炎を引き起こすこともあります。


体の小さな猫には、カゼも大きな負担になります。自然治癒を期待せず、初期症状が見られたらすぐに動物病院で診てもらいましょう。


また、猫カゼの多くはワクチンによって予防が可能なウィルス感染症です。腫瘍を発生させる白血病ウィルスへのワクチンなどもありますので、猫を飼い始める際には、ワクチンの接種の有無について必ず確認しておきましょう。


猫を感染症から守るワクチン接種。種類、費用、副作用のリスクは?

猫喘息

喘息とは、何らかの要因で気道が狭くなってしまい、呼吸障害を起こす病気です。アレルギーや感染症によってかかると言われています。


猫喘息にかかっている猫は、喉への違和感から日常的に咳や舌なめずりが増え、発作が起こると「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」といった苦しげな呼吸音を出すようになり、場合によっては呼吸困難におちいります。


猫喘息はどんな猫でもかかるおそれがある病気で、症状が進行すると死に至る可能性もあります。


一度でも症状が見られたら、必ず獣医師の診断を受けましょう。飼い主さんも協力し、丁寧に治療を続けていく事が重要です。

猫の慢性気管支炎

慢性気管支炎は、空気の通り道である「気管」および肺の中で枝分かれした「気管支」の炎症が持続している状態を指します。


体の弱った老猫や、若い猫でも猫カゼをこじらせた結果起こすことが多く、猫喘息の原因にもなるため、早急に治療が必要になります。


猫カゼが原因である場合、涙や目やに、食欲不振、発熱などのカゼの症状が見られます。また、炎症を起こしている胸部には痛みがあり、飼い主さんや他の猫に触られることを嫌がります。


気管支炎自体は治療によって症状をおさえることもできますが、それには根気強い治療が必要になります。愛猫が慢性気管支炎になった場合は、獣医師の判断に従い、上手く愛猫の病気と向き合っていきましょう。

猫の心臓病(心筋症)

心筋症は、心臓の大部分を構成している筋肉に異常をきたし、心臓機能に障害が出る病気です。


全身への血流を司っている心臓に問題が起きると、酸素や二酸化炭素の交換を行っている呼吸にも影響が出ます。


元気が無くなり食欲が低下するなどの気づきづらい初期症状から始まりますが、進行すると肺や胸に水が溜まり呼吸困難を引き起こしたり、心筋症に付随して血栓塞栓症を発症し、血管に血栓ができてその先の部位が麻痺や壊死を起こします。

呼吸困難も血栓も、程度や発生箇所によってはそのまま死に至ります。


心筋症に限らず、心臓病は生死に関わる病です。そして、病の治療には早期発見が重要です。「愛猫の様子が少しおかしい気がする」程度のことでも、念のため動物病院で検査を受けるようにしましょう。


また、愛猫のもしもに備えてペット保険の加入も大切です。

治療面での選択肢を増やすためにもまだ加入していない方は検討してみてください。

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まとめ

呼吸は、生きていくために必須の行為であり、普段は意識もせず自然に行われているものです。


それだけに、自分の思った通りに呼吸ができなかったり違和感が生じていたりすると、とても強いストレスを感じます。そして正常な呼吸ができない状態が長く続くと、それはそのまま生命維持の問題に繋がります。


自分で病院に行けない愛猫の異常は、飼い主さんがすぐに気づいてあげなければいけません。常日頃から、愛猫の様子はちゃんと見ていてあげましょう。


今回は、

  • 猫の呼吸が早い時に考えられる原因を紹介
  • 猫の呼吸が早い時のチェックポイントを紹介
  • 猫の呼吸が早い場合に考えられる病気
の3つについて解説しました。

この他にも「MOFFME」では、猫の健康やペット保険に関する記事を多数掲載しています。安心してペットとの暮らしを送るためにも、ぜひご覧ください。