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動物にまつわることわざや慣用句はたくさんあります。中でも犬にまつわるものはとても多く、日本だけでなく世界各国にことわざがあるのをご存知でしょうか。今回のMOFFME記事では、犬にまつわることわざや世界のことわざを詳しく紹介していきます。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬にまつわることわざについて解説!慣用句や英語フレーズを紹介

犬は古くから人間のそばにいた動物です。良い友として、相棒として人間の暮らしの中にあった犬たちは、時折、私たちが使う言葉の中にも顔を出してくれます。


では、実際に昔の人たちは、どんな時に犬をたとえに使ったり、表現に織り交ぜたりしていたのでしょうか。


今回「MOFFME」では、

  • 犬にまつわることわざの紹介
  • 犬と猫のことわざや慣用句、どちらが多いのか
  • 世界にある犬にまつわることわざを紹介
と視点を変えながら、犬にまつわることわざについて解説をしていきたいと思います!

何気ない会話の中で犬にまつわることわざを使えるようになれたら、言葉選びも少し楽しくなるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください!

犬にまつわることわざを紹介


ことわざは、大切な教訓や知恵を、覚えやすく語り継ぎやすい短文の形にしたものです。


そんなことわざの中で、時には人のかわりに、時には人とは無関係に、犬たちは色々なことをしています。


犬に限定する必要がない内容であってもあえて犬を取り入れるのは、それだけ人は身近にいる犬たちを見ていたということなのでしょう。


ここでは、

  • 飼い犬に手を噛まれる
  • 犬も歩けば棒に当たる
  • 犬猿の仲
  • 負け犬の遠吠え
  • 夫婦喧嘩は犬も食わない
  • 尾を振る犬は叩かれず
  • 煩悩の犬は追えども去らず
  • 犬も朋輩(ほうばい)鷹も朋輩
  • 犬に論語
  • 犬猿も啻(ただ)ならず
  • 狆が嚔(くしゃみ)をしたよう
  • 狡兎死して走狗烹らる
の12個のことわざ、慣用句を意味と例文を添えて紹介します。

飼い犬に手を噛まれる

意味:飼い犬のように信じていた、かわいがっていた人から裏切られること。あるいは、味方から思いがけない被害を受けること。


「あれだけ目をかけてやったというのに、恩を仇で返すとは。飼い犬に手を噛まれるとはこの事だよ」

犬も歩けば棒に当たる

意味:なにか行動を起こしたために、災難にぶつかってしまうこと。転じて、行動を起こせば幸運にも不運にもぶつかるというたとえ。


「ひどい災難だった。しかし、犬も歩けば棒に当たるとも言う。これは私が行動を起こした証として受け入れよう」

犬猿の仲

意味:犬と猿のように、非常に仲が悪いことのたとえ。


「あの二人はだめだよ。犬猿の仲で、顔を合わせるとすぐにケンカを始めるんだから」

負け犬の遠吠え

意味:勝負に負けた者が、陰で勝者の悪口を言うこと。あるいは、負け惜しみを言うこと。


「勝ったキミが気にすることはないよ。今更何を言われたところで、ただの負け犬の遠吠えなんだ」

夫婦喧嘩は犬も食わない

意味:犬も見向きしないことから、夫婦喧嘩はつまらない理由や一時的なものだから他人が仲裁に入る必要はないというたとえ。


「夫婦喧嘩は犬も食わない。離婚だ別居だと騒ぐ二人を尻目に、私は適当な用事をでっち上げて席を外した」

尾を振る犬は叩かれず

意味:しっぽを振ってくる犬を叩くような人はいない。転じて、温和で従順な人はひどい仕打ちを受けづらいこと。


「ここはおとなしくしていよう。尾を振る犬は叩かれず。はいはいと頷いておけば目をつけられることもない」

煩悩の犬は追えども去らず

意味:追い払っても犬は人についてくるように、人の煩悩はいくら追い払おうと消えることはないことのたとえ。


「煩悩の犬は追えども去らずとは言うが、なるほど確かに、我慢も忘却も一時しのぎにしかならないらしい」

犬も朋輩(ほうばい)鷹も朋輩

意味:同じ主人に仕えているのであれば、地位や役目が違おうと同じ仲間であるというたとえ


「今日は一緒に酒でも飲まないか。なあに、犬も朋輩鷹も朋輩だよ。役職の違いなんざ気にすることはないさ」

犬に論語

意味:立派な教えであっても、理解しない相手に説いても無駄ということ。


「犬に論語、馬の耳に念仏。私がどれほど人の道を説いてみせても、彼はまるで退屈そうにあくびをするだけだった」

犬猿も啻(ただ)ならず

意味:仲が悪いと例えられる犬と猿より、更に仲が悪いこと。


「いいか、あの二人は絶対に近づけるな。そんなに仲が悪いのかだと?犬猿の仲なんてものじゃない。犬猿もただならずとか、それくらいだ」

狆が嚔(くしゃみ)をしたよう

意味:鼻が低く平たい狆(チン)がくしゃみをしているような、滑稽でくしゃっとしたした顔のたとえ。


「確かに愛嬌はあるかもしれないが、それにしたってあの顔は狆が嚔をしているようではないか」

狡兎死して走狗烹らる

意味:うさぎがいなくなれば、猟犬は不要になり煮て食われてしまうこと。転じて、功績や能力がある者も不要になれば簡単に処分されてしまうこと。


「会社の方針が変わったからって、まさかクビなんてことは無いだろう。狡兎死して走狗烹らるなんて、この時代には合わないよ」

犬と猫のことわざや慣用句、どちらが多いのか


犬のことわざを知れば、今度は「猫はどうなの?」と気になってくることでしょう。


猫もまた、ずっと昔から人の暮らしのそばにいる動物です。特に日本では、ただ可愛がるためのペットとしては、犬よりも猫の方が重用されていた時代もありました。


そのせいでしょうか、単純に辞書を引いて数を挙げるのであれば、犬のことわざはおよそ30個ほど。対して、猫のことわざは100近くも見つけることができます。


しかし、ことわざでは、時にはどちらも仲良く出てきてくれることも。


ここでは、

  • 犬と猫のことわざ
  • 犬と猫の慣用句
について紹介したいと思います。

ことわざと慣用句の違いについては、ここでは「それ単体で意味を持つものがことわざ」「前後の文脈があって成立するものが慣用句」としたいと思います。

犬と猫のことわざ

「犬は3日飼えば3年恩を忘れず」ということわざがあります。対して、猫には「猫は3年の恩を3日で忘れる」なんてことわざが。


また、犬と猫が出ると言えば「犬は人につき猫は家につく」を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。


犬に比べて猫は恩知らず。そんなイメージを昔の人は持っていたのかもしれませんが、「犬猫は3日飼えば3年恩を忘れず」と二頭まとめて情に深い動物とたとえることもあります。つまるところ、猫がどんな性格だと感じていたのかは、人それぞれだったのでしょう。

犬と猫の慣用句

慣用句となると、犬と猫を一緒に入れることは滅多にありません。


ですが、無意識の内に犬と猫をたとえに用いていることは、少なくないはずです。


気まぐれな人や一人を苦にしない人を「猫みたい」と言ってみたり、逆に人懐こく明るい人を「犬みたい」と言ってみたり。


古い知恵や教訓を多く残すことわざと異なり、慣用句は現在でも拡散し残ることで新たに生まれやすいものです。


もしかしたら、今まさに犬と猫の慣用句が増えているのかもしれません。

世界にある犬にまつわることわざを紹介


ことわざに犬を入れるのは、日本に限った話ではありません。


世界中で犬は人と暮らしているのですから、当然、世界中で犬にまつわることわざも作られてきました。


日本のことわざと同じような意味を持つものもあれば、あまり日本では使わないようなたとえに用いられているものもあります。


世界のことわざを知ることで、その国で犬がどんな風に見られているのか、どんな風に愛犬がかわいがられてきたのか、そんなことも感じられるかもしれません。


ここからは、

  • アメリカ
  • エチオピア
  • タイ
  • 韓国
  • イラン
  • ロシア
  • ポーランド
の7カ国に伝わる、犬にまつわることわざを紹介していきます。

アメリカ

  • 餌を与えている犬に手を噛まれる
いわゆる「飼い犬に手を噛まれる」と同様のことわざです。遠い海の向こうでも、犬は信頼している者の象徴だったのでしょう。

  • 寝ている犬は起こすな
こちらは一転して、犬を危険なものとして扱うことわざです。触らぬ神に祟りなしに近く、意味は「余計なことをするな」となります。「寝た子を起こすな」と日本でも言いますが、寝ているものはそのままにすべきという感性は同じなのかもしれません。

エチオピア

  • 老犬はいたずらに吠えない
年老いた犬が、無駄に吠えることはない。だから、老犬が吠えた時は何かがあった時である、というたとえ。

転じて「経験豊富な老人の言葉には耳を傾けた方がいい」という意味を持つことわざです。

老犬が静かになるのは、今も昔も、どこの国でも変わりません。愛犬が年老いたときほど、その声を聞いてあげるようにしましょう。

タイ

  • 偉い人のあとを歩けば犬に噛まれない
目上の人や自分より大きな人についていけば、犬に噛まれるような危険も無い。

日本語での「寄らば大樹の陰」に近い意味を持つことわざです。

  • 犬に噛まれても、噛み返すな
こちらは、誰かの悪意に悪意で返すなということわざ。

タイは犬の愛し方が日本とは少々異なります。もしかしたら、昔は今よりも犬に噛まれる人が多かったのかもしれません。

韓国

  • 犬のエサにどんぐり
犬はどんぐりを食べないため、エサの中に入っていても食べ残します。それが転じて、「一人ぼっちで仲間に入れないこと」を意味することわざになりました。

  • 食べてる時は犬もたたかない
「食事中には怒ったり叩いたりするべきではない」という意味を持つことわざです。

ご飯は静かに食べるべきで、食卓で騒ぐのは礼儀がなっていない。そんな考え方が一般的であることを感じさせてくれます。

イラン

  • 恩知らずの人間より恩を知る犬のほうがまし
「人間よりも犬の方がいい」というそのままの意味ではなく、「犬でも恩を知るのだから、人間も恩を知り報いなければならない」という教訓のようなことわざです。

「犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ」と言うように、どうやら犬が恩を忘れない動物であるという認識は、イランでも同じだったようです。

ロシア

  • 犬が吠え、風が伝える。それでもキャラバンは進む
「周囲のことは気にせず、前に進めばいい」という教訓を含んだことわざです。

キャラバンというのは旅をする商人たち、いわゆる隊商であり、犬に吠え立てられようと、風がどんなしらせをよこそうと、過酷な旅路で立ち止まるわけにはいかなかったのです。

広大な土地を持つロシアならではのことわざと言えるでしょう。

ポーランド

  • 犬にやるソーセージはない
犬がねだっても、ソーセージを与えられることはない。その光景から「分不相応な要求はしない方がいい」「歳に合わない願いは叶えられない」というような意味を持つようになりました。

ちなみに、現代では「犬にソーセージをやってはいけない」です。人間用のソーセージは塩分や脂肪分が多く、犬が食べるには向いていません。

もし「犬にやるソーセージはある」と言いたいのであれば、そのためには必ず犬用ソーセージを用意してあげましょう。

まとめ

ことわざには、そこに暮らす人の文化や歴史が色濃く表れています。だから、人の文化や歴史にずっと寄り添ってきた犬と猫は、ことわざの中にもたくさん残されてきました。


本を読んでいる時、あるいはテレビを見ている時など、いたるところに隠されている「犬」を探しながら言葉を追いかけると、また新たな楽しみ方を見出だせるかもしれません。


今回は、

  • 犬にまつわることわざの紹介
  • 犬と猫のことわざや慣用句、どちらが多いのか
  • 世界にある犬にまつわることわざを紹介
の3つを紹介しました。

MOFFME」では、この他にも犬や猫にまつわる、日々がちょっと楽しくなるマメ知識などを多数掲載しております。ぜひご覧ください。