犬の『指間炎』という病気をご存知でしょうか。愛犬が指や指の間を舐めていたら指間炎の可能性があります。今回のMOFFME記事では、犬の指間炎について症状や原因、治療法や発症しやすい犬種など詳しく紹介していきます。しっかり学んで対策しましょう。
この記事の目次
目次を閉じる犬の指間炎ってなに?犬の指間炎の症状や原因、治療法を解説
皆さんは愛犬の足先をよく観察した事はありますか?
裸足で生活する犬の足には様々な負担がかかるものです。一見問題のないようでも、犬の小さな指の間にはトラブルを抱えるいる事があります。
そんなトラブルの1つである「指間炎」は、様々な原因から発生し、完治まで時間がかかる炎症です。あまり聞きなれないものだとは思いますが、健康で元気な愛犬も指間炎になる可能性は大いにあるのです。
今回のMOFFMEでは、
- 指間炎に注意すべき犬種
- 指間炎になる原因6つのこと
- 指間炎の治療法6選
について詳しく解説していきます。
早期発見で愛犬の負担を減らす事ができるはずですので、愛犬の足をチェックしながら読んでいただけたら嬉しいです!
犬の指間炎の症状やなりやすい犬種を紹介
犬の指の間や肉球周りに炎症が起きる指間炎ですが、一般的には皮膚病を発祥しやすい犬種はは指間炎を発症しやすいと言われているようです。しかし実際には、どんな犬種でも発生する可能性があります。これはケガなどの外傷や汚れが原因となって指間炎が発症する場合があるからです。
健康で皮膚トラブルのない愛犬であっても、指間炎のリスクは潜んでいるという事ですね。
ここからは指間炎について
- 指間炎とはどんなもの?
- 指間炎になってしまった際の症状
- 指間炎になりやすい犬種とは
この3点からより詳しく解説していきます。
犬の指間炎とは
まず、犬の指間炎とはどのようなものでしょうか?
「指間」とは、読んで字のごとく指の間の事です。人間とは異なり、犬の指の間には水かきが付いていますよね。この部分が赤く腫れたりコブ状のできものができたりするのが指間炎とい病気です。
また指間炎は肉球の間の炎症も指します。犬の足の裏をよく観察すると、大きな肉球と周りの小さな肉球の間は溝になっていますよね。この溝や肉球の周りに炎症が起きてしまう事も指間炎と呼びます。
犬の指間炎の症状
次は指間炎の症状についてですが、比較的初期の症状は患部にほんのり赤みがある程度です。この時犬は痒さや違和感から、足先を舐めたり噛む事が増えるでしょう。患部が気になるあまり刺激し続けると、湿った状態が続き細菌の温床となってしまい症状が悪化してしまいまうのです。
症状がさらに進行すると、血液や膿みが溜まってコブ状になります。このコブの場所や状態によってはお散歩が出来なくなってしまう事もあります。
指間炎になりやすい犬種を紹介
指間炎はどんな犬種でも発症する可能性のある病気ですが、皮膚病を発症している犬は特に注意が必要です。
特に皮膚が弱いとされている犬種は
- 柴犬
- シーズー
- ラブラドールレトリーバー
- ゴールデンレトリーバー
- ブルドックやパグなどの短頭種
と言われています。
体には皮膚病などの異常がない場合でも、外界からの刺激や汗をかく足まわりは指間炎などの皮膚疾患が発症しやすい箇所なのでよくチェックをしましょう。
犬が指間炎になる原因を紹介
愛犬が指間炎になる原因は様々あります。残念ながら皮膚疾患を持っていない犬だからといって、安心はできないのがこの病気の特徴といえるでしょう。
ここからは指間炎の原因となる事を以下の6つ紹介していきます。
- 指間炎の原因①皮膚疾患
- 指間炎の原因②ケガ
- 指間炎の原因③火傷
- 指間炎の原因④爪の疾患
- 指間炎の原因⑤汚れ
- 指間炎の原因⑥トリミングでの違和感
犬が指間炎になる原因①皮膚疾患
アトピー性皮膚炎や脂漏症などの皮膚トラブルを持っていると、指間炎の発症率も自ずと高くなります。皮膚トラブルは1度治ったように見えても、悪化と改善を繰り返して長引く事が多いのが実情です。
犬の肉球は体温調節などの役割のために汗をかきます。汗が長時間溜まる事で真菌(カビ)などの発生率が上がり、皮膚のバリア機能が低下します。1度バリア機能が低下してしまうと、指間炎以外にも様々な皮膚疾患が発症しやすくなってしまうのです。
犬が指間炎になる原因②ケガ
近年では犬用の靴や肉球を保護するグッズが販売されるようになりましたが、犬の好みや歩きやすさから素足のままの犬が多いでしょう。素足で外へ散歩に行く際は、尖った小石やガラス、棘のある植物には要注意です。
足に切り傷が出来てしまうと、雑菌が入りやすく犬も傷を気にして舐めたりするので治るのに時間がかかります。雑菌が入ると指間炎になり、他の皮膚疾患の引き金になってしまう事もあります。
散歩の際に路面の状態を確認する事と散歩後に足のチェックを行い、ケガがあるようなら動物病院で獣医師に見てもらいましょう。
犬が指間炎になる原因③火傷
犬が火傷するシーンはなかなかイメージしにくいかもしれませんが、身近な行動の中に火傷のリスクが潜んでいるのです。それは散歩時の地面です。
アスファルトなどで舗装された道は、日中とても高温になります。裸足で長時間熱々の道を歩けば火傷になってしまいますよね。火傷になった足で歩き続ける事で雑菌も入り、火傷の傷と指間炎などの炎症で痛みを抱える事になるのは愛犬です。
特に日本の夏場は人間でも体調を崩す程の暑さですから、お散歩時は一度手のひらで地面に触れてみてください。熱いようなら涼しくなる時間帯にするか、日陰や土の地面など熱くない地面まで愛犬を運んでから歩くようにしましょう。
犬が指間炎になる原因④爪の疾患
爪の疾患も指間炎の原因になりえます。犬の爪は放っておけばどんどん伸びてゆきます。外で散歩をする場合は、アスファルトなどに擦れることで、ある程度削れてゆき爪の伸びが気にならない場合もありますが、チェックは必要です。
爪が伸びすぎると、ぐるぐると巻くように伸びてゆき肉球に食い込むようになります。こうなると爪が肉球を傷つけるのはもちろん、犬自身も違和感や痛みを感じて、足を舐めたり噛む事で傷つけてしまうのです。
伸びていない爪であっても、散歩時に強い衝撃が加わると欠けてしまう事があります。かけた爪が肉球に刺さったり、欠ける時に爪周りの皮膚を傷つけている場合もあるので、油断せずに、日々のチェックを行うようにしましょう。
犬が指間炎になる原因⑤汚れ
外は裸足で歩く犬の足には、土やほこりなどの汚れが溜まります。そのままにしておくと、汚れから雑菌がたまり繁殖して指間炎を起こす原因になります。
特に雨の日やその後の散歩では、泥が付いたり普段は綺麗な道が土砂で汚れている事もあります。室内飼いでない犬であっても、散歩後は足をきれいにしてあげた方が良いでしょう。
散歩後の犬の足を清潔に保つ方法
- 濡らして軽く絞ったタオルで足の裏と指の間をふく
- 汚れがひどい場合は、ぬるめのお湯で洗い流してよく乾かす。
- 乾燥してしまった汚れには、浅い桶にぬるめのお湯を貯め足を入れて揉む。
犬が指間炎になる原因⑥トリミングなどでの違和感
トリミングサロンでは、犬の足の裏をバリカンで刈る事がよくあります。肉球周りの毛が伸びると毛に汚れが付着して不衛生になる事と、肉球のグリップ機能を邪魔して転倒のリスクがあるためです。
しかし皮膚が弱い犬だと、バリカンの刃で剃刀負けのように細かな傷ができてチクチクとする場合があります。人間と同じように赤くなったり、ポツポツができる場合もあります。
このようになると、違和感から舐めたりかじってしまって指間炎が発症してしまいます。皮膚が弱いようであればバリカンを使わずにカットしてもらうよう、トリミングサロンに相談してみると良いでしょう。
犬の指間炎の治療法を紹介
ここまで指間炎が発症する様々な原因を紹介してきました。見て頂いた通り、日常生活の中に沢山の原因が潜んでいます。
「もし愛犬が指間炎のような症状が出てしまったら・・・」
と不安に思われたかもしれません。そんな時はまず、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
ここからは指間炎の症状が出てしまった時に、どのような治療を行うのか以下の6つ紹介します。
- 治療法①原因の除去
- 治療法②内服薬
- 治療法③外用薬
- 治療法④薬浴
- 治療法⑤エリザベスカラー
- 治療法6肉球の隙間の毛を刈る
炎症の状態によって様々な治療法がありますので、獣医師に相談しながら愛犬にベストな治療法を決めてい行きましょう!
犬の指間炎の治療法①原因の除去
まずは原因の除去です。ここまで上げた通りに指間炎の原因は様々です。しかし、原因を取り除かなければ、現在の炎症が落ち着いてもまた再発してしまうだけです。
指間炎の症状から全体的な皮膚疾患を持っている事が発覚する場合もあります。その場合は、指間炎の炎症を抑えつつ膚疾患の治療も始めるよう獣医師と相談して行きましょう。
その他の原因は飼い主さんの日々の観察と注意で防ぐ事が出来るものです。散歩のコースを変えたり、散歩後に足のチェックを行う事を習慣化すると良いでしょう。
トリミングサロンに通う犬であれば、トリミングサロンにも相談するしてみましょう。プロの目でもからックしてもらい、アドバイスをもらえる場合もあります。
犬の指間炎の治療法②内服薬
獣医師に診てもらうと、内服薬(飲み薬)をもらう場合もあります。指間炎の症状は皮膚の炎症なので、炎症を抑える抗生物質などが多いでしょう。
犬に内服薬を飲ませるのが苦手という方は以下の方法を試してみてください。
- ステップ①上あごの犬歯(きば)の少し後ろあたりをもって口を少し開く
- ステップ②もう一方の手で薬をなるべく口の奥の方へ入れる
- ステップ③口をとじて鼻先が上を向くようにしたままキープ
- ステップ④喉を上から下に優しくなでる
これがメジャーな薬の飲ませ方です。
抗生物質を処方された場合は、必ず処方された分は飲み切るようにしましょう。抗生物質は菌と戦う薬ですが、指示より早くに服薬を辞めてしまうと効果が出きらないばかりか、生き残った菌が変異して抗生物質への耐性をつけてしまい、今後この抗生物質の効果出なくなってしまう事があるためです。
犬の指間炎の治療法③外用薬
外用薬は塗り薬等です。炎症が起きている足先へ直に塗り込んで、痒みや炎症を抑えるものが獣医師から処方されるでしょう。
この時絶対に自己判断で市販薬などを使用しないようにしましょう。人間が使用するために作られた薬品では、犬には効果が強すぎて症状を悪化させてしまう事もあります。
獣医師に診てもらい外用薬が処方された場合は、指示に従って清潔な手で患部に塗り込むようにしましょう。一日に数回の塗布を一週間前後行う事が多いようですので、次回の診察など獣医師とよく相談しておきましょう。
犬の指間炎の治療法④薬浴
4つめの治療法は薬浴です。薬用成分の含まれるシャンプーを行う事で、抗菌殺菌の効果が期待できます。
指間炎以外に皮膚疾患や脂漏症など症状にも効果が期待できますが、定期的にこのシャンプーで洗う必要があります。またシャンプーで体が濡れた後は、水分を残さないようにしっかりと乾かさないとかえって逆効果になってしまいます。
トリミングサロンが併設されている動物病院であればそちらにお願いするか、通っているトリミングサロンにシャンプーを持っていき相談すると良いでしょう。もしご自身でシャンプーを行う場合は獣医師とよく相談したうえで行い、乾かし残しがないようにしましょう。
愛犬のシャンプー方法については以下の記事でも紹介しているので是非チェックしみてみください!
犬の指間炎の治療法⑤エリザベスカラー
治療法⑤はエリザベスカラーです。あまり聞き馴染みはないかもしれませんが、他の治療法と組み合わせて使用される事が多いものです。
柔らかなプラスチックで扇のような形をしています。これを犬の首に巻き付けるように装着することで、傷を舐めようとしても届かないようにできるものです。
指間炎などの皮膚疾患では痒みなどがあり、患部を舐めてしまう事が多いですが、唾液は炎症を悪化させてしまいます。塗り薬を塗った際は薬を舐めとってしまう事も防ぐ事ができます。
病院で使用されるエリザベスカラーは柔らかなプラスチック製が多いですが、普段の生活で使用するには不便な点もあります。
- つけたままだと食事や水を飲むことができない
- 犬が横になった時に邪魔である
- 犬が顔を動かした時にエリザベスカラーが物に引っかかる
- 犬が首の締め付けを嫌がる
犬の指間炎の治療法⑥肉球の隙間の毛を刈る
犬の肉球の間には毛が生えます。そのままにしておくとどんどん伸びてゆき、汚れや菌が繁殖する原因になってしまいます。
肉球周辺の毛はバリカンで刈る方法とハサミでカットする方法があります。ですが、どちらの方法も慣れていない人が行うと肉球を傷つけてしまう可能性があります。
トリミングサロンに通っている場合はサロンで対処してくれるでしょう。バリカンの刃に負けて炎症が起きる場合もあるので、皮膚が弱い場合はバリカンの刃ミリ数を長くしてもらうか、ハサミでカットしてもらうと良いでしょう。
どうしても飼い主さんがカットする場合は、肉球からはみ出た毛だけを切るようにしましょう。足先を触れられる事を嫌がる犬は多いので、突然の動きなどに注意して行ってください。
まとめ
今回の記事では犬の足先に赤い炎症が起きる指間炎について解説してきました。
指間炎の原因は大きく6つ
- 原因①皮膚疾患
- 原因②ケガ
- 原因③火傷
- 原因④爪の疾患
- 原因⑤汚れ
- 原因⑥トリミングなどでの違和感
日常生活の中に様々な原因が潜んでいて、どんな犬でも指間炎のリスクがありますが、皮膚疾患が起きやすい犬種は特に注意をすべきです。
指間炎の症状が出ていたら、動物病院で相談をして以下のような治療を行います。
- 治療①原因の除去
- 治療②内容薬
- 治療③外用薬
- 治療④薬浴
- 治療⑤エリザベスカラー
- 治療⑥肉球の間の毛を刈る
原因が様々である事から、1つの方法だけでなく複合的な治療を行うことが多いようです。
一度発症してしまうと繰り返す事が多い指間炎です。普段の生活の中で愛犬の足元もよく観察して、変化があれば獣医師に相談するようにしましょう。
またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!