猫もいびきをかくことをご存知でしょうか。寝ながらグーグーといびきをかく姿はとても可愛らしいです。しかし、もしかするとそのいびきは病気の可能性を示唆しているかもしれません。この記事では、猫がいびきをかく理由や病気の可能性を解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じる猫もいびきをかくの?猫がいびきをかく理由や病気の可能性を解説
猫は普段すやすやと静かに寝ています。しかし、時にはいびきをかきながら寝ることもあります。
非常に微笑ましく、こちらまで自然と笑みがこぼれてしまう瞬間ですが、猫の場合いびきをすることにどんな理由があるのでしょうか?
ということで今回、MOFFMEでは理由や病気、対処法など、「猫のいびき」について詳しく紹介していきます。
解説していく内容は以下の通りです。
- 猫がいびきをかく理由は?
- いびきに潜む病気を解説
- いびきの対処法を解説
- 大丈夫ないびきと危険ないびきを比較
- いびきをかきやすい猫種
猫がいびきをかく理由は?
猫がいびきをかくのは、寝ている時に鼻の内部が狭くなり、空気の通りが普段より悪くなることが原因と言われています。
気道が狭くなった状態で呼吸をすると空気が振動します。
この空気の振動が音となって聞こえるようになる、というのが猫のいびきの仕組みです。
体に異常のない猫でも起こるものなので、必ずしもどこか悪いというわけではないですが、中には理由があっていびきをかく場合もあります。
猫がいびきをかく理由としてよく見られるのは以下の2つです。
- 肥満
- 鼻炎
これらは人間がいびきをかく理由としても知られています。
猫の場合も人間と同じなのかひとつずつ詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
猫がいびきをかく理由①肥満
肥満状態の猫は、標準体重や標準体型の猫よりもたくさんの脂肪を身に付けています。
当然、首周りにも多くの脂肪を蓄えてしまうため、気道が圧迫されて狭くなりいびきをするようになります。
この他、肥満の猫は少し遊んだだけで疲れてしまったり、起きている時でさえ呼吸がしにくくなることがあります。
もし、立っている状態の愛猫を上から見た時にお腹周りがポコッとでているようであれば、肥満体型と言っても良いでしょう。
くびれが分からない場合は肥満気味になっているので、十分注意してください。
ただ、肥満の場合は人間と同じように生活の仕方を見直すことで軽減することも可能です。
詳しくは「猫のいびきの対処法を解説」にて紹介しているので、ぜひ見てみてくださいね。
中にはまるっとした体型が好きな方もいるかと思いますが、肥満はあらゆる病気のきっかけを作ります。
太り過ぎは猫自身にも辛い思いをさせてしまうため、愛猫が快適に暮らせるように運動や食事の管理はしっかりしていくようにしましょう。
猫がいびきをかく理由②鼻炎
アレルギー性鼻炎
家の中にあるハウスダストや花粉、タバコを吸う方がいる場合はタバコの煙などが猫の体内に入り込むことで起こります。
原因物質が体内に入ると免疫システムが過剰反応してしまうことがあります。
すると、呼吸器が充血したり腫れたりして気道が狭くなってしまうために、いびきをかいてしまうのです。
他にも、鼻水が空気の通りを悪くしてしまうこともあるようですよ。
ウイルス性鼻炎
猫カリシウイルスや猫ヘルペスウイルスなどが原因で引き起こされる鼻炎です。
猫風邪を引いた時に見られることが多く、感染すると鼻の粘膜が腫れて気道が狭くなりいびきをかく場合があります。
細菌性鼻炎
細菌が二次感染することで引き起こされる鼻炎です。
鼻の粘膜が弱っている時に起こることがあり、感染すると黄色や緑色の粘着性のある鼻水が出ます。
真菌性鼻炎
稀ではありますが、カビが原因となっている鼻炎です。
ただの鼻炎と思って放置していると重症化し、鼻の内部を破壊されることがあるため注意しなければなりません。
どの種類であっても動物病院で診てもらうのが一番ですが、自宅でできる対処法というものもあります。
しっかり対策を取っていけばいびきを軽減できる可能性があるので、どうにかしたいと考えている方は試してみることをおすすめします。
こちらも下記にて対処法を解説していますので、参考にしてみてください。
猫のいびきに潜む病気を解説
猫は単に熟睡しているだけであってもいびきをかくことがあります。
普段より少しだけ大きな音であれば特に問題はないです。
しかし、突然いびきをかくようになったり、苦しそうだったりする場合は病気や先天的なものが原因になっている可能性も考えられます。
今回解説する病気や先天的な問題によって起こるいびきは4つです。
- 腫瘍
- 喉頭・気管の異常
- 軟口蓋過長
- 喉頭虚脱・気管虚脱
これから解説していく内容に心当たりがあったり、他にも気になることがあるのでしたら早めに動物病院に相談してみると良いでしょう。
猫のいびきに潜む病気①腫瘍
腫瘍が鼻腔内にできてしまうと、その腫瘍が原因で空気の通りが悪くなっていびきをすることがあります。
位置が気道に近いとよりいびきをかきやすくなると言われており、悪性の場合命の危険もあるため決して油断のできない病気です。
また、いびき以外の症状にも注目するようにしてみてください。
- いびき
- 鼻水
- くしゃみ
- 鼻づまり
- 呼吸困難
- 食欲不振
- 体重減少
- 貧血状態
- リンパ節の腫れ
- 持続性の熱
- しこり
- 顔の変形
- 鼻血
猫のいびきに潜む病気②軟口蓋過長
軟口蓋過長は、上顎の骨がある固い硬口蓋よりももっと奥にある、骨がなくて柔らかい軟口蓋が通常より長くなっている状態のことを言います。
軟口蓋が必要以上に長いと、気道が狭くなり空気の通り道を塞いでしまうため、呼吸をすると振動して音が聞こえるようになります。
寝ている時にいびきをするのはもちろん、起きている時も苦しそうにしていたり「ブーブー」といった呼吸音が聞こえてきます。
他にも、ご飯が食べにくくなるため、起きている時から明らかに様子がおかしい、当てはまる症状がある場合は早めに動物病院で診てもらいましょう。
軟口蓋過長はほとんどが生まれつきのもので、猫より犬に多いと言われている病気です。
だからといって猫には見られない病気というわけではありません。
症状が悪化すると呼吸困難やチアノーゼを引き起こす危険性もあるため、十分注意するようにしてください。
猫のいびきに潜む病気③喉頭虚脱・気管虚脱
喉頭・気管虚脱は、気管が潰れることで呼吸がしにくくなる病気のことです。
本来は軟骨によってホース状になっている気管ですが、気管虚脱になると平たくつぶれてしまうため、通常の構造や働きが維持できなくなってしまいます。
その結果、呼吸がしにくくなり寝ている時にいびきをかいたり、起きている時も「ヒューヒュー」や「ガーガー」といった呼吸をするようになります。
他にも咳が出たり、悪化すると呼吸困難やチアノーゼといった症状を引き起こすことがあります。
原因は遺伝や外的圧迫などが考えられていますが、はっきりとしたものはまだ分かっていません。
ただ、軟口蓋過長もそうですが手術をすることで治せる病気です。
気になる症状があったり当てはまるものがある場合は、早めの受診をおすすめします。
猫のいびきの対処法を解説
病気が原因になっているなら治療するのが一番です。
しかし、上でも解説したように太り過ぎや鼻炎が原因なら、生活環境や習慣といったものを見直すことで軽減や改善できることがあります。
そこでここからは、猫のいびきの対処法を2つ紹介していきます。
- 部屋を綺麗にする
- ダイエット
猫のいびきの対処法①部屋を綺麗にする
ハウスダストや花粉などが体内に入り込むことで起こるアレルギー性鼻炎は、原因物質をできるだけ排除することで軽減できる可能性があります。
やること自体はいたって簡単で、猫が出入りする部屋を中心にこまめに、そして念入りに掃除をするだけです。
言葉で説明するのはとても簡単ですが、やるのは大変ですし忙しいと難しいですよね。
そんな時は空気清浄機を設置してみることをおすすめします。
また、鼻炎の原因はハウスダストなどだけではなく、ウイルスもあります。
ウイルスは湿度が低く乾燥しているような環境を好み、繁殖もしやすくなってしまうため湿度の管理はとても重要です。
加湿器などを上手く使いながら最適な湿度を維持し、少しでもウイルスの繁殖を防げるようにしていきましょう。
部屋を清潔に保つのは大変なことではありますが、猫にとっても人間にとっても非常に大切なことです。
日々の掃除はもちろん、空気清浄機や加湿器といったものにも頼りながらいびきを軽減できるようにしてあげてくださいね。
猫のいびきの対処法②ダイエット
肥満に適した対処法は、ずばりダイエットです。
たくさん付いてしまった脂肪が原因でいびきをしているなら、運動や食事の見直しをして脂肪を落とすことが一番効果的と言えるでしょう。
1日のご飯の回数が1回や2回などある程度まとめてあげているのでしたら、3回や4回に増やして1回の食事量を減らすようにしてみてください。
フードの量はそれぞれの猫に合った適正量を守るようにし、おやつを与える場合はその分ご飯の量を減らす必要があります。
また、普段からあまり体を動かさないのでしたら、おもちゃやキャットタワーなどを使って運動させるようにすることも大切ですよ。
ただ、いきなり食事量を減らしたり運動をたくさんさせるのは猫にも大きな負担となるためおすすめしません。
食事は少しずつ減らし、運動は慣れてきたら徐々に時間を長くするようにしましょう。
不安であれば獣医師に相談してダイエットの方法を詳しく聞いてみるのもおすすめです。
大丈夫な猫のいびきと危険ないびきを比較
いびきをかくからといって、その全てが異常というわけではありません。
中には何の問題もない安心ないびきもあります。
では、一体何が安心で何が心配なのでしょうか。
- 大丈夫な猫のいびきの特徴:一定のリズム
- 危険な猫のいびきの特徴:低く大きないびき・不安定ないびき
大丈夫な猫のいびき特徴:一定のリズム
心配のない正常ないびきは、寝息に近いいびきです。
普段の寝息より少し音が大きく「スピースピー」や「クークー」など、音が高くて一定のリズムのいびきなら心配はありません。
このようないびきは熟睡している証で、飼い主にも心を許しリラックスしている状態です。
苦しそうに息をしているなどの様子が見られないのであれば、とくに問題はありませんのでゆっくり寝かせてあげてくださいね。
危険な猫のいびきの特徴:低く大きないびき・不安定ないびき
音が低く、大きないびきをかいている場合は、注意して様子を見るようにしましょう。
「グーグー」や「ゴー」などの音が聞こえるのでしたら、他に何か気になる症状はないか、猫の体型はどうかを確認してください。
とくに肥満体型の場合、脂肪で気道が圧迫されるため寝ている時に低くて大きないびきをかくことがあります。
そのままにしていても何も良いことはないので、太っているのであればダイエットを試してみてください。
また、音が大きいだけではなく、リズムが一定ではない場合も気を付ける必要があります。
「グーグー」といびきをかいていると思ったら、「ズビッ!」という音が聞こえてきたり、一瞬息が止まるようないびきは鼻炎や病気の疑いも考えられます。
もし、いびきに雑音が混ざっていたり、起きている時も苦しそうに呼吸をしているといった気になる症状がある場合は、できるだけ早く病院に連れて行きましょう。
いびきをかきやすい猫種を紹介
現在、猫は約60種が認定団体に登録されており、未登録を含めると100~300を超えるとも言われています。
そんな数え切れないほど存在している猫の中には、他の種類に比べていびきをかきやすい子もいるということをご存知でしょうか?
ということでここからは、いびきをかきやすい猫について以下の内容で解説します。
- いびきをかきやすい猫:短頭種
- なぜ短頭種はいびきをかきやすいの?
いびきをかきやすい猫種:短頭種
短頭種とは、簡単に言うと鼻が低い猫のことを言います。よく言われている「鼻ぺちゃ」の猫が短頭種ということですね。
鼻ぺちゃの猫は何種類か存在しています。
- ペルシャ
- ブリティッシュショートヘア
- エキゾチックショートヘア
- エキゾチックロングヘア
- ヒマラヤン
- チンチラ
なぜ短頭種はいびきをかきやすいの?
短頭種がいびきをかきやすいのは、その他の猫に比べて鼻腔が狭くなっていることが原因です。
鼻腔の狭さは鼻の低さと同じように個体差があるのですが、狭ければ狭いほどいびきをかきやすくなります。
非常に狭くなると寝ている・起きているに関わらず常に呼吸音が聞こえたり、中には口を開けて呼吸する子もいます。
鼻ぺちゃは生まれつきのものなのでどうすることもできませんが、明らかに苦しそうだったり息がし辛そうな時は手術をすることもあります。
また、「短頭種気道症候群」という病気にも注意しないといけません。
この短頭種気道症候群は、上で解説した軟口蓋過長や喉頭虚脱、気管虚脱などの病気の総称で、その名の通り短頭種に多く見られます。
症状が悪化すると呼吸困難を起こしたり死亡する恐れもあるため、いびきや呼吸がおかしい場合は早めに獣医師に相談するようにしましょう。
まとめ:心配な時にすぐに動物病院へ!
これまでただのいびきだと思っていましたが、その中にも安心なものと危険なものがあるということが今回の記事で分かったのではないでしょうか。
では、最後に解説してきた内容をまとめていきましょう。
- 健康な猫でも熟睡している時にいびきをかくことがある
- いびきをかきやすくなる理由の多くは肥満や鼻炎
- 腫瘍や喉頭・気管の異常など病気が原因の可能性も考えられる
- 肥満はダイエット、鼻炎は部屋を清潔すると軽減できることがある
- 心配な時はいびきのリズムや音の大きさ、高さなどを確認しよう
- 短頭種は他の猫よりいびきをかきやすく、特有の病気にも注意が必要
今まではあまり気にしていなかった方も、これを機に愛猫の寝息を聞いてみると新しい発見があるかもしれませんよ。
またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!