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愛猫にかさぶたができたら心配ですよね。人間のかさぶたはそこまで心配する必要がないケースが大半ですが、猫の場合はどうなのでしょうか。今回のMOFFME記事では、猫にかさぶたができる原因や病気の可能性、猫のかさぶた予防策を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫のかさぶたについて詳しく解説!猫にかさぶたができる原因

猫ちゃんにかさぶたができていたら心配ですよね。


人間のかさぶたは怪我したときにきちんと処置できていれば心配する必要がないケースがほとんどですが、猫の場合はどうなのでしょうか。


原因はさまざまありますが、猫同士の喧嘩の怪我などでかさぶたが出来ていることが分かっていれば、対処法も分かるでしょう。


しかし、かさぶたの部位が広がったり色が変わったりしていると、何らかの病気が進行している可能性があります。


猫ちゃんが動物病院を訪れる代表的な理由のひとつが皮膚病です。


かさぶたの発見後は猫ちゃんをよく観察して、気になる場合は動物病院で診てもらうようにしましょう。

猫にかさぶたができる原因を紹介


猫ちゃんにかさぶたを見つけたら、どう対処したら良いのでしょうか。


猫や人間などの動物の皮膚は外からの刺激に対して体内の血液や組織を守るために作られています。皮膚に傷が出来たときにまず出血します。そしてその出血を止めるために血液のなかの組織が固まってかさぶたとなります。


かさぶたがあるということは、皮膚に傷が出来て出血が起きたということです。


原因はさまざまですが、今回は猫にかさぶたができる原因として

  • 猫同士の喧嘩
  • 病気
  • ストレス

をご紹介していきます。


全身のどこにでもかさぶたが出来る可能性があります。


かさぶたを見つけたときの対処の仕方や、かさぶたから考えられる原因についてご紹介していきます。

猫にかさぶたができる原因①猫同士の喧嘩

猫ちゃんの歯や爪は先が鋭く細いことが特徴です。猫ちゃん同士の喧嘩の傷は目立たないくらい小さいこともありますが、奥深くまで傷を負っている可能性があります。


去勢前の男の子は縄張り争いで喧嘩になることがあります。多頭飼いの場合、嫉妬や順位争いで喧嘩に発展することもあります。


出血した部位にかさぶたが出来たあとは、細菌などの二次感染がない限りは自然に治癒することが多いです。発熱や食欲低下、腫れなどの症状があれば動物病院で診てもらいましょう。

猫にかさぶたができる原因②病気

猫ちゃんが身体をかゆがる仕草をしていたら、皮膚に炎症が起きている可能性があります。発疹などが起きてしまうと見ているこちらも辛いですよね。


部位が広がったり色味が変わってきたり、症状によっては病気が進行している場合もあります。


二次感染の危険性もありますので保護した野良猫ちゃんやお外の猫ちゃんだけでなく、室内飼いの猫ちゃんの接触にも注意していきましょう。


皮膚の病気については後ほど詳しく解説します。

猫にかさぶたができる原因③ストレス

上記2つに当てはまらない場合は、ストレスによる過剰な毛づくろいによって皮膚に炎症を起こしている可能性があります。


ザラザラとした舌で舐めることによって身体の一部に脱毛やかさぶたができます。


猫ちゃん同士の関係や騒音、引っ越し、生活環境の変化、飼い主からの愛情不足など、ストレスの原因はさまざまです。


かゆみを伴っているときはかゆみ止めなどの薬を与えることもありますが、治療よりも猫ちゃんのストレスの元を見つけて見直し・軽減するようにしてあげましょう。

猫にかさぶたができる病気を紹介


かさぶたが出来る病気の原因はさまざまで、アレルギーやアトピー性皮膚炎、ダニ、カビだけでなく内蔵の病気が原因で皮膚に炎症が起きている場合もあります。皮膚病は猫ちゃんが動物病院に通う多い理由のひとつです。


アレルギーの場合、かゆみによって猫ちゃんが皮膚をかいてしまい、傷が出来ることによって出血しかさぶたが作られます。


また皮膚の病気で最も多い原因は、ダニなどの寄生虫による感染です。二次感染を起こす危険性もあります。室内外に関わらず接触には注意しましょう。


今回は猫にかさぶたができる主な病気として、

  • ノミアレルギー
  • 食べ物アレルギー
  • アトピー性皮膚炎
  • ニキビダニ症
  • 疥癬
  • 白癬
  • がん

をご紹介していきます。

猫にかさぶたができる病気①ノミアレルギー

ノミアレルギーはノミに対してアレルギーがある猫ちゃんに起こる皮膚の病気です。


ノミに咬まれたときにノミの唾液が体内に入り、強いアレルギー反応が起こります。ノミが寄生するだけではかゆがるだけですが、アレルギーを持っていると強い症状が出ます。


強いかゆみのある発疹ができ、かさぶたや脱毛ができることもあります。はじめは下半身から症状が出て、首から尻尾の付け根までの背中によく症状が現れます。


治療をしないと猫ちゃんによる掻き傷や脱毛ができ、出血した傷口から細菌が入り感染することで重症化となるケースもあるので注意しましょう。


ノミが原因のアレルギーなのでノミの駆除が一番効きます。強いかゆみの場合は、かゆみ止めを処方してもらうこともあります。

猫にかさぶたができる病気②食べ物アレルギー

人間と同じで猫ちゃんによっては食べ物アレルギーがある場合があります。


フードに含まれているアレルゲンが原因で起こります。卵、小麦、大豆、肉などが主です。


全身に強いかゆみが現れ、特に皮膚の薄い箇所に赤みが現れやすいです。かきむしることでかさぶたができます。脱毛や発疹、激しいかゆみによる蕁麻疹が伴うこともあります。また、消化器系で拒否反応をしめすので、嘔吐や下痢などの症状がでることもあります。


フードには様々な原料が使われているため特定が難しいと言われています。アレルゲンの原因を探るためにアレルギー対策の食事を試していきましょう。


似た症状のアトピー性皮膚炎と異なり、嘔吐や下痢などがあれば食べ物アレルギーの可能性が高いでしょう。

猫にかさぶたができる病気③アトピー性皮膚炎

生活環境のなかのハウスダストや花粉などのアレルゲンが原因による皮膚の炎症をアトピー性皮膚炎といいます。


食べ物アレルギーなどと異なり、単純にアレルゲンに反応してかゆくなるわけではなく、色々な要因が重なって皮膚に症状が現れると考えられています。


遺伝的なものや生活環境、温度・湿度が原因として考えられます。アレルゲンの特定が困難な場合もあります。


強いかゆみで皮膚をかきむしったり舌で舐めることによって、皮膚の炎症が悪化する場合もあります。顔や皮膚の薄い部分に多い症状です。かさぶたや脱毛を伴うこともあります。


命に関わる病気ではありませんが、獣医さんと相談の上、生活環境を見直したり治療をすすめていきましょう。

猫にかさぶたができる病気④ニキビダニ症

ニキビダニ症は、ニキビダニなど猫に寄生する節足動物が皮膚や毛穴に寄生し起こる皮膚の病気です。


顔や首周り、頭などに発症することが多いです。まれに背中やお腹、脚などにも症状が見られる場合もあります。耳に感染すると耳たぶや鼓膜などの耳のなかが炎症して腫れる外耳炎になります。


フケや脱毛、赤みやかゆみなどが症状として現れ、かゆみの程度が激しい場合はかきむしることでかさぶたができる可能性があります。


成猫よりも子猫に発症することが多いです。成猫が発症している場合は、ほかの病気を併発している可能性が疑われます。早めに動物病院で診てもらいましょう。

猫にかさぶたができる病気⑤疥癬

疥癬(かいせん)症はヒゼンダニと言われる肉眼では確認できないくらい小さいダニが皮膚に寄生して発症します。皮膚の表面に産卵して繁殖します。


発疹やフケ、赤みなどが症状として現れます。主に顔周りや耳に症状が出ますが、身体全体に広がる場合もあります。


激しいかゆみを伴うためかきむしることでかさぶたができます。耳に寄生すると外耳炎が発症し黒っぽい耳垢が大量に出るようになります。


品種は問わず子猫時期にかかりやすいと言われています。


掻き傷から細菌に感染する危険があるので注意しましょう。症状が悪化すると治療に時間がかかってしまうので早めに動物病院で診てもらいましょう。

猫にかさぶたができる病気⑥白癬

白癬(はくせん)症は糸状菌といわれるカビの一種が皮膚に寄生する皮膚の病気です。皮膚糸状菌症とも呼ばれます。


猫ちゃんにカビが生えるなんて想像しにくいですが、同じように人間の水虫などもカビが原因です。


症状として顔や身体に円形の脱毛が現れます。見た目よりもかゆみは少ないですが、大量のフケやかさぶたが発症する場合もあります。


子猫の感染症で3番目に多いといわれています。免疫力が落ちている成猫もかかりやすい傾向があります。


症状が出ている箇所の毛を刈って、抗真菌薬などを服用して治療します。場合によっては全身の毛を刈る必要があります。室内や使用していたものを消毒洗濯して再感染を防ぎます。

猫にかさぶたができる病気⑦がん

扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんといわれる皮膚がんが猫ちゃんに多いといわれています。耳や顔周りなどの毛がや色素が薄いところに発症しやすいです。


潰瘍ができたり、出血やかさぶたなどが症状として現れます。様々な見た目であるため、傷や他の病気の皮膚炎と勘違いしてしまうケースがあります。転移は遅いといわれています。


見た目の変化とともに、食欲不振や飲水不振なども現れる場合があります。


扁平上皮がんの原因ははっきりと分かっていません。ただ、色素が薄い皮膚に症状があ現れやすいので日光の浴びすぎによって発症すると考えられています。外に出る白猫は特に注意が必要です。


予防方法は今のところなく、完全室内飼いで日光にさらさられる時間を短くすれば確立を下げることはできるかもしれません。

猫のかさぶた(皮膚病)を予防する方法を紹介!


皮膚の病気の発症原因によって変わりますが、基本的には以下の対策で皮膚トラブルを予防することが出来ます。

  • 薬用シャンプー
  • ブラッシングをする
  • ノミ・ダニの予防薬
  • 保護服
  • 低アレルゲンのキャットフード

以上5つがおすすめの予防法です。このあと詳しく解説していきます。


そのほかにはアレルゲンの原因である物質には接触しないことや、室内や猫ちゃんの寝床は清潔に保つことが重要です。


また外に猫ちゃんが出てしまうと、感染している動物と接触する可能性があるため、病気予防の観点からは室内飼いをおすすめします。野良猫と接触したあとは家に帰ってから手を洗ったり、服を着替えたりして感染リスクを抑えましょう。

猫のかさぶた予防策①薬用シャンプー

毛が覆っている猫ちゃんは、毛根に外部からの異物が入ったり、毛によって皮膚が蒸れて細菌が繁殖しやすくなるため、定期的にシャンプーをすることで皮膚や毛の汚れを落として健康を保つことができます。


シャンプーは猫用のフケやベタつきを軽減する薬用シャンプーを使用しましょう。


目安は月1回程度です。シャンプーのしすぎで皮膚の免疫力を落としてしまう可能性があるので、洗いすぎに注意しましょう。


シャンプーが苦手な猫ちゃんはトリミングサロンやブラッシングで対応して予防します。

猫のかさぶた予防策②ブラッシングをする

抜け毛のつまりや汚れをブラッシングで取り除きましょう。ブラッシングを習慣づけることで皮膚の異常にすぐ気づくことも出来ます。


短毛の猫ちゃんは最低週1回、長毛は最低週2〜3回が理想です。毛玉にならないように気をつけましょう。やりすぎでフケが発生してしまうこともあるので、力加減には注意です。


シャンプーの前にブラッシングをすると、毛の絡まりが軽減して汚れが浮かしやすくなります。

猫のかさぶた予防策③ノミ・ダニの予防薬

ノミやダニなどの外部の寄生虫が原因で皮膚の炎症が起きている場合は、予防薬を定期的に与えることで対策することができます。


寄生虫を予防すると、皮膚の炎症になる確率を大きく下げることができます。市販薬もありますが、病院で処方してもらうお薬のほうが効果があるので、病院で診てもらうことをおすすめします。


おやつのように猫ちゃんに好まれやすい工夫された予防薬もあるので、猫ちゃんに合わせて選んでいきましょう。

猫のかさぶた予防策④保護服

皮膚の病気予防に保護服を活用することが出来ます。本来は去勢手術や避妊手術などのあとに手術痕を保護するための服ですが、皮膚病予防のひとつになります。


ペットショップなどにあるファッション向けの商品は保護服として向いていません。生地の質によっては擦れて症状が悪化してしまうこともありますので、専用のを用意しましょう。


商品によっては防虫や抗菌などの効果もあります。

猫のかさぶた予防策⑤低アレルゲンのキャットフード

食べ物アレルギーの場合は低アレルゲンのフードに変更することで予防することができます。


特にとうもろこしや小麦、ビートパルプ、玄米、大豆などの穀物類や添加物は食べ物アレルギーを発症しやすいので、穀物不使用のグルテンフリーのフードを選ぶと良いでしょう。


猫ちゃんは肉食動物なので、穀物類の消化がうまくなく、食べ物アレルギーを引き起こしてしまうといわれています。


特定の食物が原因だと分かれば、フードの変更のみで治すことができます。

まとめ:猫のかさぶたには要注意!

この記事では、猫ちゃんの皮膚トラブルであるかさぶたについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?


猫ちゃんの皮膚トラブルの原因はいろいろとありますが、そのほとんどが飼い主のケアや毎日のチェックで防ぐことが出来ます。

  • かさぶたを見つけたら発生原因を確認する
  • かさぶたの原因には猫同士の喧嘩や病気、ストレスなどがある
  • かさぶたにならないための予防策について学び、実践する

以上のことに気をつけていきましょう。


特に梅雨の時期や暑い夏の時期は寄生虫などの繁殖が盛んなので皮膚病が起きてしまったらしっかりと対処して早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。


MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!