犬に顔を舐めさせることのリスクと、代わりに愛情表現を受け止める方法を解説します。犬に顔を舐めさせることには、「人間側が病気になる」「犬が体調を崩す」の両方のリスクが存在します。特に免疫力が低下していたり、傷があったりする場合は要注意です。
この記事の目次
目次を閉じる犬に顔、舐めさせてる?リスクと代わりのじゃれあい方を解説!
犬にとって、相手の顔を舐めることは最大級の愛情表現です。
自分の愛犬がうれしそうに自分の顔を舐めていると、飼い主さんも幸せな気持ちでいっぱいになりますよね。
しかし、犬が顔を舐める行為には大きなリスクがあります。
この記事では、「顔を舐められることのリスク」と「代わりにどうやってじゃれあえば犬が喜ぶのか」を解説します。
顔を舐めさせると、こんな危険が……!
犬に顔を舐めさせるという行為には、このようなリスクがあります。
- 舐めさせた人が病気になる
- 顔につけている化粧品などが口に入り、犬が体調を崩す
リスク①:舐めさせた人が病気になる
※写真はイメージです。病気の解説とは一切関係がありません。
犬の口の中にはたくさんの菌が存在しており、そのほとんどは人間の体には存在していない菌です。寄生虫などが存在しているときもあります。
そのため、顔を舐めさせることで、それらの菌や寄生虫から病気に感染することがあります。このように動物から人に感染する病気のことを「人獣共通感染症(ズーノーシス)」と言います。
健康な人が病気に感染するリスクは低いですが、顔や口周りに傷があったり、乳幼児や高齢者など免疫力が低下している人の場合は、深刻な病気に発展してしまうケースもあります。
特に注意が必要なのは、以下のような人たちです。
- 乳幼児
- 妊婦
- 高齢者
- 顔や口周りに傷/病気がある人(アトピー、にきび、歯周病、口内炎など)
- 免疫力が低下している人(糖尿病、がんなど)
- 感染症などで闘病中、あるいは治ったばかりの人
- ステロイドなど、特定の薬を服用している人
- アルコールを過剰に飲む人
- パスツレラ病
- イヌ・ネコ回虫症
- Q熱
- カプノサイトファーガ感染症
- 副鼻腔炎の悪化
- 鼻から膿が出る
- 鼻づまりや鼻水が長く続く
- 喉の痛み、声のかすれ
- 発熱
- 肺炎
- 肝炎
- 失明
- 腹部けいれん
- 腸閉塞
- (噛まれた場合)数時間以内に、噛まれた傷口の周囲に水疱ができる
- (噛まれた場合)腫れや膿、噛まれた傷口が痛む
- 発熱
- 倦怠感
- 下痢や胃痛
- 筋肉痛や関節痛
- 吐き気、嘔吐
リスク②:顔につけている化粧品などが口に入り、犬が体調を崩す
病気になる可能性があるのは人間だけではありません。犬が体調を崩してしまう場合もあります。
特にメイクをしている人が顔を舐めさせた場合、薬品に含まれている化学物質で犬が中毒症状を起こす可能性があります。
顔に付着している化粧品の量はごく少量であり、一般的には中毒症状を起こすほどではないため、ほとんどの場合は問題ありませんが、小型犬などの場合は念のため注意が必要です。
犬が顔を舐めたがる!どうしたらいい?
ここまで、犬に顔を舐めさせるリスクについて解説してきました。
しかし、そうは言っても、自分の愛犬が顔を舐めたがっていたら、どうしても応えてあげたくなるという人も多いでしょう。
その場合は、以下のような対応を取ると良いです。
- 口元を手でガードし、手を舐めさせてあげる
- 口元を舐めてきたときは顔を背け、落ち着いたら褒める
- 飼い主以外の人の顔を舐めようとしたときは、代わりにおやつをあげてもらう
対応①:口元を手でガードし、手を舐めさせてあげる
犬にとって、顔を舐める行為は愛情表現です。
そのため、顔を舐める行為自体はしつけず、飼い主さんの側で口元をガードするという方法をとる人も多いです。
ただし、手に傷があっては本末転倒です。その点は注意しましょう。
対応②:口元を舐めてきたときは顔を背け、落ち着いたら褒める
こちらは、犬の方をしつける対応になります。
頻繁に顔を舐めたがる場合、毎回飼い主さんが自分でガードするのは大変です。その場合は、犬に我慢を覚えてもらうことも検討しましょう。
犬が口元を舐めてきたら顔を背け、場合によってはその場を立ち去ります。そして、犬の様子が落ち着いたら褒めてあげます。これを繰り返します。
そのうち、犬が「顔を舐めることを我慢すれば褒めてもらえる」と学習するため、顔を舐めるのをやめるようになります。
注意点としては「叱らないこと」が挙げられます。顔を舐める行為は愛情表現であるため、顔を舐めたときに叱ってしまうと犬がストレスを溜めてしまいます。
対応③:代わりにおやつをあげてもらう
これは、道ですれ違った人や来客など、飼い主さん以外の人の顔を舐めようとしたときの対応になります。
誰かの顔を舐めようとしたときは、まず「おすわり」と「まて」で制止しましょう。
もし相手も犬と交流したいようなら、犬が待っている間に相手におやつを渡します。
「よし!」と同時に相手の手からおやつをあげてもらい、相手の手を舐めさせてあげると、犬も相手も愛情表現ができるため、気持ちよく過ごすことができます。
まとめ:リスクを理解して、愛犬の気持ちを受け止めよう!
自分のかわいいワンちゃんが顔を舐めてきたら、ついつい甘やかしたくなる飼い主さんも多いでしょう。
しかし、傷があったり、免疫力が低下している人は病気になるリスクがあります。
特に以下のような人は注意が必要です。
- 乳幼児
- 妊婦
- 高齢者
- 顔や口周りに傷/病気がある人(アトピー、にきび、歯周病、口内炎など)
- 免疫力が低下している人(糖尿病、がんなど)
- 感染症などで闘病中、あるいは治ったばかりの人
- ステロイドなど、特定の薬を服用している人
- アルコールを過剰に飲む人
- 口元を手でガードし、手を舐めさせてあげる
- 口元を舐めてきたときは顔を背け、落ち着いたら褒める
- 飼い主以外の人の顔を舐めようとしたときは、代わりにおやつをあげてもらう