犬の耳掃除の正しいやり方や頻度は?嫌がる場合の対処法も紹介!のサムネイル画像

愛犬の耳掃除をしてあげたいと思っても、正しいやり方がわからないと嫌がられたりケガの危険性があったりします。犬の耳は人間の耳とは構造が違うので、病気を防ぐためにも正しいやり方を理解することが大切です。犬の耳掃除の必要性や嫌がる場合の対処法も合わせて紹介します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

目次を閉じる

犬の耳掃除は必要?正しいやり方や頻度を紹介!

犬を飼っている飼い主さんは犬の耳の掃除をしたことがあるでしょうか。飼い主さんの中には耳の掃除自体をしたことがない方も少なくないと思います。


そもそも犬の耳掃除は必要なのかという疑問もあると思います。また、耳掃除を行うにも正しいやり方をしなければ、怪我や病気の原因となってしまうこともあります。


今回「MOFFME」では、耳掃除の必要性や頻度、正しいやり方などを紹介します。


内容としては

  • 犬の耳掃除の正しいやり方!
  • そもそも耳掃除は必要?適切な頻度は?
  • 耳掃除をする時の注意点や嫌がる場合の対処法は?
  • 耳掃除から病気がわかる?注意するべき状態とは
  • 定期的な病院でのチェックが大切!耳掃除の料金は?
以上の5つの内容について書いていきます。


 犬を飼っている方や今後犬を飼う予定があるという方などは、ぜひ、最後までご覧ください。

犬の耳掃除の正しいやり方!


犬の耳掃除のやり方は、長年犬を飼っていたり、犬について勉強するなどして知識を持っていないとなかなかわからないのではないでしょうか。


耳掃除の正しいやり方がわからない方に向けて正しい耳掃除のやり方を書いていきます。


ここからの内容は

  • 用意するもの
  • 耳に触られることに慣れさせる
  • クリーナーや洗浄液を耳に入れる
  • 見える範囲の汚れを拭き取る
  • おすすめの洗浄液はどれ?

以上の5つです。


誤ったやり方で耳掃除をしないためにも正しいやり方をしっかり覚えましょう。

犬の耳掃除のやり方①:用意するもの

犬の耳掃除は、人間が使っているような耳かきなどを使ってはいけません。


では、何を使って耳掃除をするのかというと、イヤークリーナーやイヤーローションといった洗浄液耳掃除専用のシートなどを使って耳掃除をします。


この他にもペットショップなどには、耳掃除用の道具として様々な物が販売されていますが、自宅で耳掃除をするには洗浄液と耳掃除専用のシートがあれば十分です。


また、耳掃除をする犬の耳毛が多い場合には、ピンセットを用意しておくと便利です。


耳掃除を嫌がる犬は多いので、耳掃除が終わったら頑張ったご褒美として、おやつなどをあげましょう。

犬の耳掃除のやり方②:耳に触られることに慣れさせる

初めて耳掃除をやる犬であったりすると、耳を触られること自体嫌がってしまうことも多くあります。


どの犬も最初は耳を触られることを嫌がるので、まずは、耳に触られることに慣れてもらいましょう。


耳に触られることに慣れさせる方法としては、ガムなどのよく噛む物を食べさせているときに背中など触れるところからゆっくりと耳の方へ動かして触っていきましょう。


しかし、ずっと触っていると嫌がるので、あくまで食べているときのみ触って、触ることができたら褒めてあげましょう。


触って、褒めてというのを繰り返すことでだんだんと耳を触られることに慣れていき、普通に触れるようになります。

犬の耳掃除のやり方③:クリーナーや洗浄液を耳に入れる

実際の耳掃除のやり方として、まずは、洗浄液を数滴犬の耳の中に入れます。


その後、飼い主さんが耳の根元をつまんで、何回か揉みます。中の余分な液体は、犬が首を横に振ったときに出てくるので、吸い取ったりする必要はありません。


クリーナーを使用することもありますが、基本的に耳に病気などのトラブルが無い限り、クリーナーを使用する必要はありません。


また、耳に入れないで、耳掃除専用のシートを洗浄液で浸して優しく馴染ませるという方法もあります。


洗浄液で浸して馴染ませるときは、汚れを落とすことを目的にせず、浮かせるイメージで優しく行いましょう。

犬の耳掃除のやり方④:見える範囲の汚れを拭き取る

洗浄液を耳の中で馴染ませた後は、耳掃除専用のシートで汚れを拭き取りましょう。


犬の耳の皮膚は傷つきやすいので、優しく拭き取るようにしてください。


また、耳の中は、あくまで見える範囲のみ拭き取るようにして、絶対に奥まで触らないようにしましょう。


汚れを拭き取り終わった後は、耳の中をしっかりと乾かします。乾かす理由としては、乾かさなければ中耳炎なる恐れがあるからです。


特に、トイプードルやミニチュア・ダックスフンドといった耳が垂れている犬は、耳の穴が塞がっているので、とても蒸れやすいです。


耳の中を拭いた上で、しっかりと乾かしたり、乾きやすい洗浄液を使用しましょう。

補足:おすすめの洗浄液はどれ?

犬の耳掃除のやり方として、洗浄液を耳の中に入れるか、耳掃除専用のシートを使って馴染ませると書きましたが、洗浄液も様々な種類があります。


一番最初に確認することは、洗浄液を使った上で、痒みや痛みなどの異常が出ないかどうか様子を見ることです。


また、洗浄液のタイプとしてゆっくりと耳垢を溶かすプロテクタータイプというものがあります。


プロテクタータイプの洗浄液を使うことをおすすめする場合は

  • 外耳炎を発症している
  • 脂漏症を発症している
  • 耳垢腺が過形成を起こしている
  • 耳道が狭い
などです。


耳の炎症が起きている場合は、自宅で耳掃除は行わず、動物病院でしてもらうか、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

そもそも犬に耳掃除は必要?適切な頻度は?


人間は耳掃除が必要ですが、犬も耳掃除をする必要があるのでしょうか。


結論から言えば耳掃除は必要です。必要な理由や適切な頻度などを詳しく書いていきます。


ここからの内容は

  • 雑菌の繁殖を防ぐために耳掃除は必要!
  • 垂れ耳の犬は外耳炎や中耳炎の恐れがある!
  • 適切な頻度
  • 補足:子犬の耳掃除はいつからする?
以上の4つです。

雑菌の繁殖を防ぐために犬の耳掃除は必要!

犬の耳掃除は必要ですが、なぜ必要なのかというと、雑菌の繁殖を防ぐためです。


犬は常にマラセチア黄色ブドウ球菌など雑菌を持っていますが、この雑菌が増殖してしまえば外耳炎などの病気になる可能性があります。


特に梅雨などの湿度が高くなりやすい時期や身体を洗った後などは、外耳道が蒸れやすくなります。


外耳道が蒸れると耳垢腺からの油分が増え、マラセチアが増殖しやすくなります。


外耳炎は犬がよく発症する病気ではありますが、症状によっては手術をすることになる場合もあります。


外耳炎にならないためにも耳掃除をして、清潔にしてあげましょう。

垂れ耳の犬は外耳炎や中耳炎の恐れがある!

多くいる犬種の中でも、外耳炎中耳炎など耳のトラブルが起きやすい犬種がいます。


耳のトラブルを起きやすい犬種とは

  • ゴールデン・レトリーバー
  • ラブラドール・レトリーバー
  • トイプードル
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • ミニチュア・シュナウザー
  • ブルドッグ
  • パグ
  • ホワイト・テリア
  • アメリカン・コッカー
  • キャバリア・キング・チャーリーズ・スパニエル
といった耳が垂れている犬種や耳毛が多い犬種、耳道の狭かったり、耳垢が出やすい犬種です。


しかし、ここまで挙げた犬種以外にも若い犬やアレルギーを持っている場合であれば外耳炎や中耳炎にかかりやすいです。


耳が垂れている犬種などを飼っている飼い主さんは、こまめに耳をチェックするようにしましょう。

適切な頻度は月に1〜2回

犬の耳掃除はどのくらいの頻度が適切なのか分かる方は少ないのではないでしょうか。


耳掃除の適切な頻度は1ヶ月に1回~2回です。また、耳が汚れていないかどうかという確認は、1週間に1度は行うようにし、汚れていれば軽く拭き取ってあげましょう。


しかし、この頻度は基本とされているものなので、耳が汚れにくかったり、汚れやすかったりと犬種によって様々なので、頻度は異なります。


汚れやすい場合は、1ヶ月に1回~2回程度、汚れにくい場合は、2ヶ月に1回など犬の状態に合わせて耳掃除を行いましょう。

補足:子犬の耳掃除はいつからする?

耳掃除をするといっても、子犬であればいつからしたらいいのかわからないと思います。


外耳炎などにならないようにするためにも、できるだけ早く耳掃除をしたほうがいいですが、最初は耳を触られることに慣れるように練習しましょう。


子犬の時期から耳を触れるようにする練習方法は、触ることで喜んでくれる所から段々と耳の近くを触っていきます。


また、この練習を行うときには、褒めつつ、おやつを少しずつ与えながら行いましょう。


そして、犬は耳を触られることが嫌なので、最後は喜んでくれる場所を触って良いイメージで練習を終わらせます。


練習をして、耳を好きに触れるようになったら、耳の汚れを軽く拭き取ったりと耳掃除を始めても大丈夫です。


子犬の耳掃除も奥までは絶対に触らず、あくまで見える範囲だけ掃除するようにしてください。

犬の耳掃除をする時の注意点や嫌がる場合の対処法は?


いざ、犬の耳掃除をしようとしても嫌がられてしまうことも少なくありません。


また、耳掃除をする上で注意しなければならない点もあります。


耳掃除をするときに嫌がられたときの対処法や注意点について書いていきます。


ここからの内容は

  • 耳掃除はしすぎるのも良くない
  • 綿棒や耳かきは使わない
  • 耳毛は抜かない
  • 犬用以外のウェットティッシュなどは使わない
  • 嫌がる場合は理由を考え、徐々に慣れさせる

以上の5つです。

耳掃除はしすぎるのも良くない

外耳炎にならないために、常に耳の中を綺麗にしようとして、耳掃除を結構な頻度でしてしまう飼い主さんもいると思います。


しかし、掃除をしすぎてしまうと細菌などから守ってくれる機能を破壊し、耳の病気を引き起こしてしまうことがあります。


犬の耳掃除は、多くても1ヶ月に1回~2回にしましょう。


耳の奥が汚れていた場合は、気になったとしても無理に掃除はせず、入口付近を軽く拭き取るだけにしておきましょう。

綿棒や耳かきは使わない

人間は耳掃除をするときに、綿棒などを使いますが、犬の耳を掃除するときに使ってはいけません。


綿棒などを使ってはいけない理由としては、耳の中を傷をつけてしまったり、耳垢を奥の方に押し込んでしまう可能性があるからです。


そもそも、犬の耳の中と人間の耳の中では、構造が異なります。犬の耳の中は、L字型になっているので、奥にある耳垢などを取り除くことは困難です。


また、無理に取り除こうとして、逆に押し込んでしまうと外耳炎を発症する原因となってしまう可能性があります。


犬の耳はとてもデリケートなので、耳掃除をするときには洗浄液と耳掃除専用のシートを使って掃除するようにしましょう。

耳毛は抜かない

犬は、耳毛が多く生えてくる動物なので、耳掃除はやりにくいです。


しかし、耳毛を抜いてはいけません。なぜ、抜いてはいけないのかというと、耳毛は外からの汚れを防ぎ、中に入らないようにしてくれています。


耳毛を抜く場合は、あまりにも汚れているときだけです。しかし、知識のない人は絶対に抜いてはいけません。


知識のない人が抜こうとしてしまうと痛みが発生する上、炎症を起こしてしまう可能性があります。


耳毛を抜かなければいけない状況のときは、トリミングサロンやペットショップなどでトリマーの人にお願いして耳毛を抜いてもらいましょう。

犬用以外のウェットティッシュなどは使わない

耳掃除をするときに、犬用以外のウェットティッシュは使用してはいけません。


人間が使っているアルコールが染み込んでいるウェットティッシュなどは、綺麗にしてくれるように感じます。


しかし、アルコールの成分があまりにも強すぎて、犬にとっては害のあるものとなってしまいます。


アルコールが染み込んでいる物を使ってしまうと、肌にダメージを与えてしまったり、皮膚を守っている菌を殺してしまうこともあります。


他にも赤ちゃんなどに使う事が多い肌に優しいとされている物も防腐剤などが含まれていることから安全ではありません。


アルコールが染み込んでいるウェットティッシュほど危険ではありませんが、緊急時以外は極力使わないほうが良いです。

嫌がる場合は理由を考え、徐々に慣れさせる

犬は耳掃除をするときに嫌がることがあります。嫌がっている理由は様々ですが、なぜ、嫌がっているのか考える必要があります。


犬の耳には自浄作用があるので、あまりにも嫌がる場合は、耳掃除をしなくても大丈夫です。


しかし、汚れが酷く、どうしてもしたい場合は、おやつをあげながら行いましょう。


おやつをあげても嫌がってしまう場合は、トリミングサロンや動物病院にお願いして耳掃除をしてもらいましょう。


また、初めての耳掃除で嫌がってしまったときは、無理には行わず、軽く耳を触ったり、汚れを軽く取るなど徐々に慣れさせるようにしていきましょう。

犬の耳掃除から病気がわかる?注意するべき状態とは


耳掃除をしたときに耳垢の色犬の状態から病気に気づくことができます。


では、どのような犬の状態や耳垢の色のときが病気の可能性があるのでしょうか。


ここからの内容は

  • 茶色?ベタベタ?耳垢の色や状態から考えられる病気の兆候
  • 耳を触られるのを異常に嫌がる、暴れる時は? 

以上の2つです。

耳掃除をしたときに病気に気づくことができれば、悪化を防げたり、いち早く治療を行って治すことができます。

愛犬のためにもどのような状態のときに注意しなければならないのか知っておきましょう。

茶色?ベタベタ?耳垢の色や状態から考えられる病気の兆候

犬の耳掃除をしていると耳垢が取れたり、見つけることがあると思います。


その耳垢の色状態によっては、病気に気づくことができます。


耳垢の色や状態から考えられる病気を表にまとめていきます。

耳垢の色や状態考えられる病気
症状
黒色or茶色

べっとりしている
  • マラセチア性外耳炎
  • 細菌性外耳炎
頭を振る回数が増える

耳がかゆくなる
黄色

膿の臭いがする
 ドロっとする
  • 外耳炎
  • 中耳炎
  • 内耳炎
耳から膿がでる

 強いかゆみや痛みがでる
赤黒い
ミミダニ症
強いかゆみがでる

臭いを発生させる

健康的な状態のときの耳垢は、臭いやベタつきもなく、黄色みがかった白色であることが特徴です。


どの病気も動物病院に連れて行って治療が必要となるのですが、ミミダニ症は感染症なので、他の犬と接触しないようにしなければなりません。


また、1度の治療では完治せず、何回も動物病院に行って治療を受けなければなりません。

耳を触られるのを異常に嫌がる、暴れる時は?

耳掃除をしようとすると暴れたりなど異常に嫌がる場合があります。その場合は、病気の可能性があります。


犬が耳を触るだけで嫌がったり暴れたりするときに考えられる病気は

  • 外耳炎
  • 中耳炎
などです。


耳を触られるのを嫌がる理由としては、痛みやかゆさが酷いことが多いです。


また、外耳炎と中耳炎は、甘く見られがちですが、治療を行わないと内耳炎も発症してしまい、ふらつきやすくなったり、車酔いのような状態になって、嘔吐などをしてしまいます。


外耳炎や中耳炎の疑いがあるときは、できるだけ早く動物病院に連れていき、治療を受けるようにしてください。

定期的な病院でのチェックが大切!耳掃除の料金は?



ここまで、耳掃除の必要性や正しいやり方、注意点などを紹介しましたが、耳掃除をすること自体が不安だと思う飼い主さんも多くいるはずです。


耳掃除は、有料ではありますが、動物病院でもやってもらえます。


動物病院であれば、耳掃除の他に健康状態も診てもらうことができます。


また、動物病院での耳掃除であれば、耳垢の状態などから病気になっていないかチェックしてくれて、病気が発見できた場合は、すぐに治療に移ってくれます。


しかし、動物病院での耳掃除は、料金が発生してしまいます。


金額としては、動物病院によって違いはありますが、診察料と合わせて1,500円~2,000円程度が多いです。


安全に耳掃除を行い、健康状態の確認もしてもらえて一石二鳥なので、耳掃除は動物病院でしてもらうことをおすすめします。

まとめ:犬の耳掃除の正しいやり方や注意点

今回は犬の耳掃除の正しいやり方耳掃除をする時の注意点などについて書いてきました。 


 この記事では、

  • 犬の耳掃除の正しいやり方!
  • そもそも犬に耳掃除は必要?適切な頻度は? 
  • 犬の耳掃除をする時の注意点や嫌がる場合の対処法は? 
  • 犬の耳掃除から病気がわかる?注意するべき状態とは
  • 定期的な病院でのチェックが大切!耳掃除の料金は?

 以上の5つの内容を解説してきました。


 耳掃除は1ヶ月に1回~2回を基本にして行うようにしてください。しかし、耳が汚れにくい犬種の場合は2ヶ月に1回にするなど工夫することも大切です。


また、病気を疑われる耳垢を見つけた場合は、すぐに動物病院に行き、獣医師に診てもらいましょう。


 MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険について解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!