内容をまとめると
- ヒキガエル中毒に要注意
- 早期に口腔内を水で洗浄するなどの対処を行えばほとんどの場合、中毒症状は残らない
- 1回の駆虫では駆除しきれないことが頻繁にあるので、定期的に動物病院で診断することが大切
- 猫の医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心
梅雨時に見かける機会が増えるカエル。田園地帯だと年中見かけて、夜中には大合唱していますよね。そんなカエルを猫が持ってくることがあり、さらには食べたりしますが、そこには中毒や寄生虫を媒介とした病気の危険性を伴います。今回は猫にとってのカエルの危険性を解説します。
この記事の目次
目次を閉じる猫がカエルをくわえたら気を付けて!中毒や感染症の危険を解説
梅雨時期など特にカエルを見かける機会も多いのではないでしょうか。アマガエルなどは比較的目にすることもありますよね。
猫を飼われている方の中には、愛猫が外に出た時にカエルをくわえてきた!なんて方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
猫がカエルをくわえることは大丈夫なのかな、心配いらないのかなと気になりますよね。
実は外に行くことのある猫にとって、カエルは少し気をつけた方が良い生き物なのです。
今回「MOFFME」ではカエルによって引き起こされる中毒や、感染症の危険について解説していきます。
- ヒキガエル中毒について症状や治療法を解説
- カエルから猫を通して飼い主にも危険を及ぼすマンソン裂頭条虫とは?
- 野良猫や外猫は特に注意が必要
ヒキガエル中毒とは?症状や治療法も徹底解説!
猫がカエルをくわえた時などに起こりうるものにヒキガエル中毒というものがあります。
とくに好奇心旺盛の猫にとっては、ぴょんぴょん飛び回るヒキガエルに興味が湧いて口で捕まえてしまいヒキガエル中毒になることが多いようです。
ではヒキガエル中毒とは具体的にどういったものなのでしょうか?ヒキガエル中毒について、症状や治療法など詳しく解説していきます。
- ヒキガエル中毒の成分と症状について
- ヒキガエル中毒の治療法とは?
ヒキガエル中毒の成分と症状
ガマガエルやイボガエルとも呼ばれているヒキガエルは、体調7〜20㎝ほどの大型のカエルです。それらのカエルの耳の後ろにある耳下腺や皮膚に大きな毒腺を持ちます。そして外敵から身を守るために、そこから強力な毒液を出しています。
しかし、その毒性は種によって異なり、様々な心毒性物質、カテコラミン類、インドールアルキルアミン類が含まれています。
毒液の成分は、血管内凝固を招くジキタリス様作用を引き起こすブーファキンやブフォトキシン、オキシトシン作用や強昇圧作用を呈するブフォテニンを主としています。
その毒素の強度やその猫の大きさなどによっても症状は異なります。よって軽度なものから重度なものまで症状は様々です。
主な症状として以下のものが挙げられます。
- 口腔粘膜の知覚麻痺
- よだれを垂らす
- 口腔および咽頭粘膜の激しい刺激を伴い、食べてしまうと呼吸困難、不整脈、吐き気、運動麻痺、場合によっては発作や痙攣、時には死に至ることも
ヒキガエル中毒の治療法
ヒキガエル中毒を引き起こしてしまった場合の治療法は、まず口腔内を水で洗浄することです。
そして毒液除去のために、麻酔をかけて気管チューブをし、大量の水で口腔内を洗浄し、毒液を完全に除去します。
毒液は粘膜や破壊された皮膚から吸収されますが、それらは腸肝循環に入るとされているため、活性炭の投与も奨められます。
場合によっては冷却処置や、点滴などの対症療法が必要となる場合もあります。
早期に対処し、回復すればほとんどの場合後遺症などは残りませんが、まずは動物病院に連絡をして口腔内の洗浄の必要性について確認して、獣医師の指示に従いましょう。
必要に応じて応急処置を行い、動物病院に連れて行くのが安心です。
また、万が一、動物病院を利用することになった場合に備えてペット保険に加入しておくと安心です。
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マンソン裂頭条虫とは?カエルから愛猫経由で飼い主へ
マンソン裂頭条虫とは猫の消化管に寄生する寄生虫です。猫がカエルやヘビなどを食べることにより、マンソン裂頭条虫に感染します。
そしてそれは愛猫を通して人に感染することもあります。人に感染した場合、その回虫が成長することはありませんが、体の組織中に殻を作って、数ヶ月生存し続けます。その間に免疫が落ちると、アレルギー反応が起きたり、目や神経などに好酸球性肉芽腫ができたりします。
では猫がカエルからマンソン裂頭条虫に感染した場合、どのような症状が現れるのでしょうか?またその治療法とはどんなものがあるのでしょうか?具体的に説明していきます。
- マンソン裂頭条虫の症状について
- マンソン裂頭条虫の治療法について
マンソン裂頭条虫の症状
ほとんどの場合寄生しても無症状であることが多いですが、軽症だと軟便、食欲があるのに体重が増えないといった症状が見られる程度です。
カエルを食べたことで寄生した数が多い場合には、慢性的な下痢、痩せ、さらに重症になると虫が腸管に詰まってしまい腸閉塞を起こしてしまうこともあります。
便の中に、ゴム紐のようなマンソン裂頭条虫の体の一部である片節が混ざって出てくることで、感染に気づく場合が多いです。
マンソン裂頭条虫の治療法
カエルから寄生するマンソン裂頭条虫は、他の腸内寄生虫よりも寄生力が強いので、注射での駆除になります。飲み薬やスポット剤では完全な駆除は難しいです。しかしこれらの薬に反応することで、部分的な片節が出てきて気づく場合もあります。
そしてどの寄生虫にも言えることですが、1回の駆虫では駆除しきれないこともよくあります。ですので、必ず再度受診し検査を行い、完全に駆除できたことを確認することが大切です。
治療中でも屋外に出てカエルやヘビなどを口にすると当然再度感染してしまいます。ですので、屋外に猫を出すことは控えましょう。
補足:野良猫や外猫は条虫や回虫持ちが多い
これまで述べてきたように、外にいる猫はカエルなどに出くわす機会も多くなり、より回虫に寄生され感染する可能性が高くなります。
特に室内と外を行き来する場合、飼い主である人間にも感染するリスクは高くなります。
ですので、そういった場合はあまり長時間出すのは控えたり、カエルが出ることの多い夜に外に出すことはしないなど、ある程度の行動制限が必要です。
もしも愛猫が外から戻ってきた後に、普段と違った様子であったり、体調に変化がある場合は特に注意して様子を観察し、異常が見られればすぐに病院を受診する様にしましょう。
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まとめ:カエルには要注意!異変が起きたらすぐ病院へ行こう!
今回以下の内容について解説してきました。
- ヒキガエル中毒の症状には、口腔粘膜の知覚麻痺、よだれを垂らす、口腔および咽頭粘膜の激しい刺激、食べてしまうと呼吸困難、不整脈、吐き気、運動麻痺、場合によっては発作や痙攣、時には死に至ることもあり、治療法としてまずは口腔内を洗浄し、その症状に合わせた対症療法を行う。
- マンソン裂頭条虫とは、カエルを食べたときに寄生する寄生虫のことで、猫を通して人にも感染する恐れがある
- 野良猫や外猫はカエルなどに出くわすことも多く、回虫に寄生される可能性が高いので特に注意が必要
愛猫の健康を守るためには、外に出す機会をできるだけ減らすことも大切です。私たちがしっかりと管理してあげることで、愛猫も家族も皆が元気に快適に暮らしていくことができます。
そのひとつの知識として参考にしてみてくださいね。最後までお読みいただきありがとうございました。