猫がアワビを食べるのは大丈夫でしょうか?猫が餌・おやつにアワビの内臓や殻等、食べてはいけない部分を誤食すると、言い伝えになるような「耳が落ちる・耳が取れる」症状が出る恐れがあり危険です。この記事では、猫がアワビを食べちゃダメな理由、誤食の対処法を解説します。
この記事の目次
目次を閉じる猫はアワビを食べられる?耳が落ちるという言い伝えは本当なのか
猫にアワビ…考えた事もない組み合わせではないでしょうか?
猫は魚介類が好きなイメージがありますよね。
しかし、遡るとなんと江戸時代から猫に貝を食べさせてはいけないとの説が存在するのです。
聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれませんが「猫がアワビを食べると耳が落ちる」という言い伝えがあります。
この言葉をそのまま受け取るとかなり恐ろしいですよね。
ですがこの言い伝え、間違いではないのです!
今回の「MOFFME」では猫にアワビを与える事の危険性について解説いたします。
- 猫がアワビを食べてはいけない理由と危険性について
- 誤って食べてしまった時の対処法について
- アワビ以外で食べてはいけない貝・食べてもいい貝について
猫はアワビを食べちゃダメ!アワビの危険性について徹底解説!
昔からの言い伝え通り、猫にはアワビを食べさせてはいけません。
アワビに限らず貝類には毒性のある成分が含まれている部分があるのです。
次項ではアワビに含まれる成分と、その成分を摂ることで引き起こされる症状についてお話していきます。
- 猫がアワビを食べてしまうと「光線過敏症」を発症する恐れがある
- 「光線過敏症」が起こる原因と具体的な症状について
- アワビを食べると耳が落ちる…どんな言い伝え?
猫がアワビを食べるのは危険!光線過敏症になる恐れがある!
高価なアワビを猫に与える機会はあまり無いとは思いますが、猫には食べさせてはいけない事を覚えておいてください。
猫がアワビを食べてしまうとアワビに含まれる毒性の成分が原因となり光線過敏症になる恐れがあります。
光線過敏症とは日光を浴びた皮膚にかゆみや痛み等の炎症が起こる事です。
特に毛が薄く日光を浴びやすい部分、耳や目・口周りに症状が出やすいと言われています。
耳に炎症が出やすいことで、「耳が落ちる」という言い伝えに繋がってきます。
光線過敏症はどんな病気?原因や症状について徹底解説!
光線過敏症とは、アワビに含まれている物質「ピロフェオホルバイドα」が原因で引き起こされます。
アワビの餌である海藻には、光合成を行う葉緑素「クロロフィル」が含まれており、
「クロロフィル」は「中腸腺」と言われる部位に蓄積されていきます。
その「クロロフィル」が酵素によって分解され「ピロフェオホルバイドα」が生成されます。
「ピロフェオホルバイドα」は可視光線を浴びると活性化し活性酵素が作り出され、更に脂肪酸などを酸化させ「過酸化脂質」が生まれます。
この「過酸化脂質」が炎症反応の原因となります。
光線過敏症の症状は以下の通りです。
- かゆみ
- 痛み
- フケ
- 腫れ
- 脱毛
補足:アワビを食べると耳が落ちるという言い伝えはどんなもの?
「アワビを食べると耳が落ちる」という通説はいつから始まったのでしょうか?
最も古いとされているのは1712年の江戸時代に発行された「和漢三才図会」に記載されている一文です。
猫、鳥貝の腸を食へば、則ち、耳欠落す、往々之を試むるに然り
(猫がからす貝の内臓を食べると耳が落ちてしまうので与えてはいけない)
また、その後1728年に発行された医学書「俗説正誤夜光璧」やその他の文献資料にも似たような表現が使われています。
江戸時代の浮世絵の猫は、アワビの貝殻と一緒に描かれていることが多いのです。
当時は貝殻をお皿にし餌を食べていたそうです。
明治以降も、あの有名な夏目漱石「吾輩は猫である」に登場する名無しの猫さんがアワビのお皿を使っていたことが分かる描写もあるのです。
こういった文献資料によりこの時代まで言い伝えられてきたのでしょう。
猫がアワビを食べてしまった!誤食の対処法を徹底解説!
猫がアワビを食べることの危険性についてご理解いただけたかと思います。
では、もし愛猫が誤ってアワビを食べてしまったらどうすればいいのでしょうか?
中々そんな場面はないと思いますが
可能性がゼロではない限り対処法も知っておいた方がいいでしょう。
- アワビを少しでも食べてしまったら動物病院に連れて行こう
- アワビは生でも加熱済みでも危険性は変わらない
猫がアワビを食べた!少量でもすぐに動物病院を受診しよう
アワビによる光線過敏症は人間でも起こる事が分かっています。
人間よりも体の小さい猫にとっては少量でも危ないと言えるでしょう。
ですから、もし猫がアワビを食べてしまったらすぐに動物病院を受診して下さい。
光線過敏症の症状は、誤食直後には現れず1~2日経ってから発症するケースがほとんどです。食べてすぐに異変がなくても油断してはいけません。
受診する際はアワビを「いつ」「どのくらい」食べてしまったのか獣医師に伝えましょう。
注意:アワビは生だけではなく、加熱済みでも危険!
調理済み・加熱済みなら大丈夫だと思っていませんか?
アワビに含まれる毒性は加熱して消えるものではありません。
生でも、火を通したものでも危険性は変わらないのです。
アワビの内臓部分に毒性が蓄積されていますので、肝ソースは要注意です。
ペロッと舐められないようにしてくださいね。
補足:猫がアワビ以外に食べてはダメ・食べてもいい貝類とは?
貝類には様々な種類がありますよね。
私達人間はアサリやサザエなど美味しく食べてますが
猫達はアワビ以外に食べてもいい貝はあるのでしょうか?
また、アワビと同じく与えてはいけない貝類があるのであれば知っておきたいですよね!
- 猫がアワビ以外に食べてはいけない貝類
- 猫が食べても問題ない貝類
猫がアワビ以外に食べちゃダメな貝類には何がある?
そもそも猫は貝類やイカ等の甲殻類の消化が苦手です。
それに加え、アワビのように毒性のある貝類が存在しますので安易に与えてはいけません。
では、猫にとって危険な貝類をご紹介します。
サザエ・トコブシ・トリガイ
アワビと同じく海藻を食べる為、光線過敏症の原因となる物質を持っている貝類です。
2月~5月の春の時期は特に毒性が高まると言われています。
アサリ・シジミ・ハマグリ(生の状態)
二枚貝に分類される貝には、「チアミナーゼ」とゆうビタミンB1(チアミン)を破壊してしまう成分が含まれています。過剰摂取してしまうと急性ビタミンB1欠乏症になってしまいます。
症状としては嘔吐・食欲不振から始まり、進行すると瞳孔が開き痙攣などが起こります。
猫が食べてもいい貝類はある?アサリ等は大丈夫!
さて、猫が食べても問題ない貝類のご紹介です。
アサリ
前途では生の状態のアサリは猫に食べさせてはいけないとお伝えしていますが
アサリの場合は加熱処理すれば与えても大丈夫なのです!
「チアミナーゼ」は加熱すると不活性化しますので、茹でたり火を通したものを食べさせるようにしてください。
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まとめ:猫はアワビを絶対に食べちゃダメ!
今回は猫にアワビを与える事の危険性について解説しました。
江戸時代の頃から分かっていたとはびっくりでしたね。
昔の人の学びを大切に、アワビや貝類の取り扱いには十分気を付けましょう。
最後に今回の記事のまとめです。
- アワビに含まれている物質「ピロフェオホルバイドα」が毒性を持っている
- 「ピロフェオホルバイドα」が原因で光線過敏症になる恐れがある
- 光線過敏症は日光を浴びると皮膚に炎症が起こる病気
- 特に日を浴びやすい耳に炎症が起こりやすく、耳を掻きむしることにより変形や壊死が起こる
- 江戸時代から猫とアワビについて言い伝えられてきた
- アワビを誤食した場合は少量だとしてもすぐに獣医師に相談する
- アワビの毒性は加熱しても消えない
- サザエなどもアワビと同じく毒性を持っている
- 生の二枚貝に含まれる「チアミナーゼ」も猫には危険
- 「チアミナーゼ」は加熱すると不活性化するので火を通したアサリは食べても大丈夫
- ホタテは貝柱・貝ヒモ部分であれば食べさせてもいい