ペット保険で尿路結石は、基本的には補償されます。ただし、症状や治療内容によっては、補償されない場合もあります。そこでこの記事では、どの保険で尿路結石が補償されるのかを解説していきます。ご自身のペット保険が補償対象かどうか気になる方は、ぜひご確認ください。
この記事の目次
目次を閉じる尿路結石でも入れるペット保険はある?病気の症状や原因についても徹底解説!
ペットがかかる病気の中で、尿路結石という病気を聞いたことがありますか?
比較的代表的な病気で、ペットフードなどにも尿路結石ケアのものが販売されているので飼い主さんは目にしたことがあるのではないでしょうか。
今回「MOFFME」では、
- 尿路結石はどんな病気?症状や原因について
- 尿路結石は予防できる?日常生活でできる注意点
- 尿路結石にかかったときに注意したいこととは
- ペット保険で尿路結石はカバーできる?発症後の加入は?
- 尿路結石がペット保険で補償された事例をご紹介
尿路結石は、珍しい病気ではありませんが油断すると怖い病気です。
病気の治療費を補償してもらえるペット保険に加入していれば、突然発症したときにも迅速に対応することができます。また、発症した事に気が付きにくい病気でもありますので日ごろの予防策や健康観察をしっかり行うようにしましょう。
ペットの医療費が保険適用されないことは、多くの飼い主さんが直面する大きな問題です。突然の病気や怪我による高額な治療費は、家計に大きな負担となります。
万が一の時に備えてペット保険に加入しておくと安心です。
MOFFMEではペット保険の一括比較を行っているのでぜひご確認ください。
そもそも尿路結石症とは?
尿路結石は、体の中に結石という石のようなものがたまってしまう病気です。結石がたまるのは、体の中で作られた尿を外に排出するときの尿路の中です。
この石の正体は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が固まったものです。結石は固いため、尿をするときに尿路を傷つけてしまったりひどい時には尿道を塞いでしまうこともあります。
ある程度大人になってから発症することが多く、犬でも猫でも発症する病気です。
尿路結石の症状や死亡のリスクについて解説
初期の症状では、おしっこの出方が悪くなったり通常よりもトイレに行く回数が増えたりすることから始まります。飼い主さんが異変を感じるのも、このような初期症状が出たときでしょう。
また、結石が尿道を傷つけると血尿が発生し、痛みを伴うので排尿時に不自然な格好になる子もいます。痛みを伴ったり、結石が結石が大きくなってくると手術が必要です。
膀胱や尿道に結石ができたまま手術しないでいると、他の病気を併発してしまう危険性もあります。主に尿道が傷ついたことによる尿道炎や、尿路結石とよく似た症状の膀胱炎などを併発します。
深い関係があるこの2つの病気。
尿路結石になると膀胱炎になりやすくなりますが、膀胱炎になったことが原因で尿路結石になることもあるのです。
結石が増えさらに重症化してくると、おしっこの通り道である尿道を塞いでしまいます。こうなると、排尿ができなくなり膀胱破裂などのリスクも出てきてしまいます。
膀胱破裂だけでなく、他の臓器にまで影響が及ぶ尿毒症や急性腎不全も併発の恐れがある病気です。この3つの病気は、死亡リスクもある重大な病気です。
そのため、尿路結石が疑われる場合は気が付いた時点ですぐに動物病院で治療を受けることが大切です。
尿路結石の発症の原因は、偏った食事にあり?
そもそも、なぜ体の中に結石ができてしまうのでしょうか。結石の正体は、外部から摂取されたミネラルの一部が結晶になったものです。
主に結石になりやすいのは、「ストルバイト」や「シュウ酸カルシウム」といった成分。実はこのような成分は、ペットが普段口にしている水やペットフードにも含まれています。
表記で表すと、
- マグネシウム
- カルシウム
- リン酸
などがこれにあたる成分です。このような成分が入っているペットフードやおやつを過剰に与えることが、結石を作る原因になることもあります。
普段から摂取している食事は、ペットにとって影響が大きいので予防できる一種の要因として覚えておきましょう。しかし、原因はフードだけにあるわけではありません。
尿が濃縮されることにより結晶ができやすくなるので、尿を濃くし過ぎない為に水を飲む量にも注目しましょう。あまりに飲む量が少ない場合には、運動や飼い主さんによる水分補給も必要になってきます。
また、前述したように尿路に感染がおこる膀胱炎により結石ができやすくなることもあります。このように、結石ができるにはいくつかの原因がありますので、偏った食事や運動不足を避け健康的な生活を目指しましょう。
尿路結石の治療法と治療費について
尿路結石の場合、動物病院に行くとどんな検査や治療をするのでしょうか?排尿で気になることがあったときは、早い段階で動物病院を受診しましょう。
こちらでは、
- 尿路結石はどんな治療が必要?処置や手術について
- 尿路結石を治療するには、どの程度の費用が必要?
- ペットの種類によって尿路結石になりやすいことはある?
についてご紹介していきます。
治療法の他、治療費や尿路結石を発症しやすいペットがいるのかどうかについても細かく解説していきます。
尿路結石の治療法は?手術の方法について解説
動物病院では、まず結石の有無を確認します。症状が出ていたとしても、膀胱炎である場合もあるからです。
触診などの一般的な診察を経て、結石のありかを探るためのX線検査や尿検査、炎症の値を見る血液検査なども行います。この時、見つかった結石の成分によって治療法が変わってきます。
結石が膀胱にたまっている膀胱結石については、多くの場合外科手術によって取り除かれます。
結石の種類がストルバイト結石や尿酸アンモニウム結石だった場合は専用の療法食でも治療が可能です。ただし、これも結石が小さいという条件のもと可能な治療法です。
また、尿道に結石が詰まっている場合にはカテーテルというホースのような器具を使って強制的に結石を押し出す手段を取ります。しかし、それでも押し出せない程の結石で尿路閉塞を起こしている場合には、尿道を開き別の場所へつなげる大がかりな手術が必要になります。
結石は、放置しておくと治療もどんどん難しくなります。普段の健康観察で気付くことがあればすぐに獣医師に相談しましょう。
尿路結石の治療費はどれくらいかかる?
尿路結石と診断された時、できればいち早く結石を取り除いてあげたいですよね。ペットの尿路結石の治療には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
治療法によっても変わってきますので1つずつ見ていきましょう。
①:療法食で結石の溶解
項目 | 費用 |
---|---|
猫 ドライタイプ | 2,000~/1kg |
犬 ウェットタイプ | 500~/1缶370g |
②:カテーテル挿入の場合
項目 | 費用 |
---|---|
診察・検査他 | ¥15,000~ |
カテーテル処置 | ¥15,000~ |
処置後の療法食 | ¥2,500~/1㎏ |
③:手術を要する場合
項目 | 費用 |
---|---|
術前検査など | ¥15,000~ |
入院、点滴など | ¥7,000~/1日 |
膀胱切開手術 | ¥30,000~ |
処置後療法食 | ¥2,500~/1kg |
※尿道を切開し新たにつなげる手術の場合は、¥130,000〜¥150,000
以上のように、結石の状態や動物病院の治療方針によって治療費は大きく上下します。
一度尿路結石になると、その後は療法食を続けていくことが多くなります。療法食は一般のペットフードより高額になるので、その部分も治療費として念頭に置いておきましょう。
尿路結石にかかりやすいペットの種類はある?
尿路結石には、犬・猫それぞれで発症しやすい種類があります。
尿路結石になりやすい犬種 | ヨークシャー・テリア ミニチュア・シュナウザー ダックスフント キャバリア・キング・チャールズスパニエル パグ シーズー など |
---|---|
尿路結石になりやすい猫種 | ヒマラヤン アメリカンショートヘア スコティッシュフォールド など |
大型犬より、小型から中型犬のほうがかかる確率が高くなっています。これについて詳しい原因はわかっていませんが、少なくとも小型犬のほうが家にいる時間が長く、尿の回数が少ないことや肥満になりやすいことが関係している可能性があります。
猫では、純血種のほうがかかりやすく混血種では比較的少なくなります。
雄と雌では発症する確率についてさほど違いはありませんが、雄のほうが尿路閉鎖を起こしやすいので注意しましょう。これは、体の構造的に雄のほうが尿道が長いことや尿道の形が雌よりも複雑であることに起因しています。
尿路結石症の予防法は?普段から気を付けておくべきこととは
結石ができるかどうかは、尿のPHバランスが大きく関係しています。尿がアルカリ性に傾けばストルバイト結石ができ、酸性になりすぎるとシュウ酸カルシウム結石ができやすくなるのです。
バランスの良い尿を作り出すには、日頃のどのような対策が有効なのでしょうか。まずは食生活を見直してみましょう。
尿路結石は基本的に手術をすれば一度は完治しますが、発症しやすい体質の子は再発を繰り返してしまいます。そのため、尿路結石を患った経験があるペットには療法食がおすすめです。
食事で尿のPHをコントロールしてくれるので、日常生活で病気の予防をすることができます。しかし、療法食を与えるには獣医師の指導が必要ですので指示があった場合のみ活用しましょう。
獣医師の指示がない場合は、自分で成分を吟味してフードを決めることになります。ポイントになるのは、タンパク質、リン、マグネシウム、カルシウム、ナトリウムなど、結石になりやすい成分です。
とはいえ、全てを排除していては体にもよくありません。一番大事なのは偏った食事をしないことですので、ペットにあったフードを見つけ日頃の予防をしましょう。
また、水分摂取の量も非常に重要です。ドライフードを与える場合は水分が少なくなりがちなので、きちんと水を飲ませます。
また運動不足も、水分摂取量が減ったり肥満の原因にもなります。犬であればしっかり定期的な散歩に行って運動させることが予防につながります。
尿路結石症の注意点
尿路結石症は、早い段階での発見と治療がとても大切です。飼い主さんがペットの異変に気が付き、尿路結石を早く発見するにはどんなことに注意すれば良いのでしょうか。
こちらでは、
- 尿路結石は症状が分かりづらく発見が遅れがちなので注意
- 手術しないという選択は?その他の治療はあまり効果がないことも
についてご紹介していきます。重症化すると、切開を伴った大きな手術が必要になります。
この手術が、どうして必要なのかについても詳しく解説していきます。
症状が分かりづらい
初期の尿路結石の症状は、おしっこが出ないことや頻繁にトイレに行くことなどです。しかし、これらの行為は飼い主さんの見ていないところで行われることも少なくありません。
特に、室内外の小型犬や猫においては初期症状で気付かれないことも多々あります。ペットがいつもより多く尿意をもよおしているような仕草がみられた時には、観察を怠らないようにしましょう。
とはいえ犬の場合、散歩中におしっこが出なくても何度も排尿の仕草をするのはよくあることです。そのため、血尿の症状がみられ、初めて異常に気が付くパターンもあります。
血尿は、赤い尿というよりは薄いピンク色です。通常の尿との違いを見極めることが大事ですので、掃除のときによく確認しておきましょう。
結石が尿道に詰まる段階まで受診しないと、排泄できなかった尿が腎臓周辺を圧迫して腎機能の低下を引き起こしている可能性があります。
早期発見の方法として定期的な健康診断は有効です。家では特に異常を感じていなくても、健康診断の尿検査の数値で見つかることもありますのでぜひ行ってください。
手術しない選択肢もあるがあまり効果はない
尿路結石の治療は、出来るきっかけや結石の種類によっていくつかの選択肢があります。
細菌性の膀胱炎がきっかけで結石が出来たと判明した場合には、まず細菌を除去するための薬を投与します。また、結石が少量かつ小さい時には結石をとかす作用のあるフードで対応することもあります。
しかし、これらの方法はあくまでも初期段階の治療で、ほとんどの場合は手術で結石を取り除くことになります。手術をしない選択をしたとしても、その他に効果的な継続治療がないためです。
現在、手術の方法は開腹手術が多いですが、腹腔鏡という開腹範囲を極力狭くするような治療も出来るようになってきているので今後に期待が持てますね。
悪化すると命にも関わる尿路結石。日常の痛みや不快感を取り除くという意味でも、手術しないという選択肢はほぼないと言えるでしょう。
尿路結石でも加入できる保険はある?尿路結石はペット保険で補償されるか解説!
ペットが病気やケガをした時、動物病院でかかる治療費の一部をまかなってくれるペット保険。尿路結石になった場合は補償してもらえるのでしょうか?
ここからは、
- ペット保険に加入した後に尿路結石になった場合は補償対象
- 補償開始前に尿路結石を発症したら補償の対象にならない!加入不可になることも
について解説していきます。多くの保険会社では、保険加入後の尿路結石の発症は補償対象とされています。
しかし、逆に尿路結石の既往歴がある場合は補償内容に制限が出たり、保険に入れないパターンもあります。保険会社によって対応が変わってきますので、
参考例として
などの細かい条件も見ていきましょう。
加入後尿路結石を発症すれば補償対象となる
もし健康な時にペット保険に加入していて、保険期間中に尿路結石になったらどうでしょうか?
結論的には、ペット保険の保証期間中に尿路結石を発症したのであれば、ほとんどの場合保険金を受け取ることができます。そのため、病気になる前にペット保険への加入が済んでいれば補償は受けられると思っていて大丈夫でしょう。
加入前に発症した場合は補償対象外か加入できない
ペット保険には、加入条件というものがあります。基本的な加入条件の他に、各保険で開示を求められるのが既往歴の有無です。
飼い主さんの自己申告にはなりますが、今までかかった病気を正しく申告する必要があります。この時、間違った情報を提出するとその後補償はおろか保険にも加入できなくなってしまうので気を付けましょう。
では、尿路結石を患ったことがあると申請したときにはどんな対応になるのでしょうか。結果としては、2つの可能性があります。
一つは、尿路結石にかかった経験があると加入を断られるパターン。もう一つは、保険には加入できるが尿路結石の再発については補償してもらえないパターンです。
ペット保険は、健康な時に加入したほうがメリットがはるかに大きいので加入の際はぜひ早めをおすすめします。
実際に保険金が支払われた事例について紹介!
尿路結石症は、ペット保険の保険金支払い事例でも多くの割合を占める比較的ポピュラーな病気です。実際に動物病院でかかる治療費から、ペット保険に入っているとどのくらい金額の違いが出るのか見てみましょう。
膀胱結石の場合(70%補償プラン)
項目 | 費用 |
---|---|
診察・検査など | ¥30,000 |
膀胱切開手術・処置など | ¥86,000 |
入院(2泊3日) | ¥9,000 |
合計 | ¥125,000 |
自己負担する金額 | ¥37,500 |
※こちらは、治療費の目安です。
尿道閉鎖の場合(70%補償プラン)
項目 | 費用 |
---|---|
診察・検査など | ¥30,000 |
膀胱切開手術・処置など | ¥160,000 |
入院(4泊5日) | ¥15,000 |
合計 | ¥205,000 |
自己負担する金額 | ¥61,500 |
※こちらは、治療費の目安です。
症状や結石の状態によって処置方法も変わる尿路結石は、突然高額の手術をせざるを得なくなる可能性も大いにあります。ペット保険で治療費をカバーできるのはとても心強いですよね。
また、上記でご紹介した保険以外にも様々なプラン内容の保険があります。どんな内容の保険がしっくりくるか、月々の保険料とも照らし合わせて考えてみましょう。
まとめ:尿路結石でもペット保険には加入できるが条件付きでの加入になる!
ペットに起こりやすい尿路結石という病気。日常的な観察や、早めの受診が重症化させないためのポイントであることが分かりましたね。
この記事では、
- 尿路結石について!症状や原因からどんな病気なのか考察
- 尿路結石にならない為に日常生活でできる予防はある?
- 尿路結石を発症したら注意することとは?
- 尿路結石はペット保険の補償対象?発症後に加入は可能?
- 尿路結石の治療費をペット保険で補償した時の自己負担額
について解説してきました。手術をすれば完治させることもできる病気のため、金額が高いからと言って治療を躊躇したくありませんよね。
ほとんどのペット保険で補償対象になっている病気なので、日ごろから備えておけば安心して最後まで治療することができます。
ただし、尿路結石を発症してからでは条件付きの加入になり保険金を受け取ることができません。ぜひ、お早めの検討をおすすめします。
MOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!