犬にアルコールは絶対ダメ!致死量や誤飲の際の対処法を徹底解説!のサムネイル画像

犬にアルコールを与えてはダメなことをご存知ですか?少量でもエタノール中毒を起こす可能性があり、匂いに敏感な犬にアルコールティッシュや傷・怪我の消毒用スプレー等を使う際は注意が必要です。この記事では犬にアルコールを与えてはダメな理由、誤飲の対処法を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

目次を閉じる

犬にアルコールを与えてはダメ!お酒を舐めたらどうすれば良い?

犬にアルコールを与えてはいけないと聞くことがありますが、どうして与えてはいけないのかご存知でしょうか。また誤ってお酒を与えてしまった場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか

大切な愛犬がいつもと違う様子になると、飼い主さんは焦ってしまいます。誤った対処や処置が遅れると、愛犬の命に関わる事態になります。

そこで、今回「MOFFME」では
  • 犬はアルコールをなぜ分解できないのか 
  • 犬の体重やアルコールの種類・度数によっても致死量は違ってくる
  • 症状の現れ始める時間
  • エタノール中毒の主な症状
  • エタノール中毒を起こした場合の対応
  • やってはいけない対処法
についてご説明します。

この記事を読んで、なにかあった際には落ち着いて行動できるようにしましょう。

またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

なぜ犬にアルコールを与えたらダメ?その理由や致死量を解説!


犬にアルコールを与えてはいけない理由はズバリ

  • アルコールを分解できないから
です。

また致死量は犬の大きさにより変わってきます


体重1㎏あたりアルコールが5~6mlが致死量となり、小型犬にいたっては1口だけでも、体調が急変する可能性があります。軽量スプーンで小さじ1杯が5ml、身近な物だとペットボトルの蓋2/3あたりで小さじ1杯分になります。

  • 大型犬 20~30㎏で致死量は165ml程度
  • 中型犬 6~15㎏で致死量は55ml程度
  • 小型犬 3~5㎏で致死量は11ml程度

犬はアルコールを分解できない!エタノール中毒の症状とは?

机の上に置いていた、アルコールの入ったビンやカンなどを倒してしまい、舐めてしまったり、不注意で与えてしまった結果、エタノール中毒を発症してしまうケースがあります。


また、嗅覚のすぐれている犬は、アルコールの匂いを嗅いだだけでも、発症する場合もあります。エタノールとは一般的にはアルコールと呼ばれます。犬は人間のようなアルコールを分解する酵素をもっておらず、誤飲したアルコールは胃腸で吸収され、中枢神経に作用します。


本来であれば中枢神経には異物をブロックするバリアが存在するのですが、胃腸で吸収されたアルコールは、そのバリアを破り中枢神経に影響を及ぼします。また、分解されず体内に蓄積されることで、呼吸器官や心臓にも悪影響を及ぼします。


摂取してから30分~1時間以内に下記の症状が現れ始めます。最悪の場合は、昏睡状態や心肺停止がおこり死亡してしまいます


エタノール中毒の主な症状

  • フラフラしている
  • ぼーっとしている
  • 脱力して動かない
  • 嘔吐
  • 食欲減退
  • 呼吸が弱い
  • 呼びかけても反応しない
  • 体温の低下

飼い主さんが様子がおかしいと判断した場合や、呼びかけても反応しない、呼吸が弱い場合はためらわずに、すぐにかかりつけの動物病院へ連絡しましょう。

犬のアルコールの致死量はどれくらい?お酒の種類別に解説!

1㎏に対し5~6mlが致死量とされます。体格や体重によっても致死量は変わってきますが、大型犬では165ml・中型犬では55ml・小型犬11mlといわれています。

ご家庭でもよく飲まれる、ビール・焼酎・ワインではどのくらいの量を誤飲してしまうと致死量となるのかまとめました。

①大型犬 30㎏の場合

  • ビール 約3300ml
  • 焼酎  約450ml
  • ワイン 約1500ml

②中型犬 10㎏の場合

  • ビール 約1100ml
  • 焼酎  約150ml
  • ワイン 約500ml

③小型犬 2㎏の場合

  • ビール 約220ml
  • 焼酎  約30ml
  • ワイン 約100ml
大型犬の場合、こんなに沢山の量を飲むことはないと思うかもしれませんが、意外と簡単に飲んでしまうこともあるので要注意です。

犬がアルコールを誤飲したらどうすれば良い?対処法を徹底解説!


万が一アルコールを誤飲してしまった場合は、落ち着いて犬の様子を確認して行動しましょう。

  • 中毒症状が現れていないか確認する
  • かかりつけの動物病院か近くの動物病院へ連絡する
  • 誤飲した時間・量を把握する
  • 医師の指示に従う

飼い主さんが慌ててしまい、無理やり飲んだ物を吐かようとしたり、口の中をテッシュで拭ったりするのは絶対に止めましょう。吐いた物がのどに詰まったり、テッシュが口の中に引っ付いてしまい、窒息を引き起こす可能性もあります。

飲んだアルコールが少量ならまずは愛犬の様子を見よう

体重などにもよりますが、本当に少量舐めただけであれば、まずは様子を確認しましょう。フラフラしていないか、嘔吐がないか、ぼーっとしていないかなどエタノール中毒の症状がでていないか見てみましょう。


持病のある犬や老犬や子犬の場合は、特に注意して様子を確認しましょう。ただし、明らかに舐めただけでなく飲み込んでしまった場合呼吸に異常がある場合呼びかけに反応しない場合はすみやかに動物病院へ連絡して、獣医師の指示を聞いてください。

酔う等のエタノール中毒の影響が見られたら動物病院へ!

エタノール中毒の症状が見られた場合は、すぐに動物病院へ連絡し指示を受けてください

夜間や休日の場合は対応している動物病院へ連絡してください。動物病院へ連絡するときには、必ず伝えてほしいことがあります。

  • 誤飲時間
  • 摂取量
  • アルコール濃度
  • アルコールの種類
「今から〇分前に、アルコール度数5%のビールをグラスの半分ほど誤飲してしまい、現在はぐったりしている」などと具体的に伝えましょう。愛犬の様子にパニックになってしまいますが、飼い主さんは落ち着いて行動してください

動物病院ではどのような治療が行われる?

病院や犬の状態により治療法も変わってきますが、意識がある場合は催吐処置を行います。

  • 催吐処置:体内に吸収されるアルコール量を減らすため嘔吐させます。

意識がない場合には、胃洗浄活性炭治療点滴を行います。

  • 胃洗浄:胃の内部に残っている毒物を胃管によって回収する治療法で、誤飲してから1時間以内に行うのが効果的です。
  • 活性炭治療:活性炭素には物質と吸着する性質があり、活性炭は消化管から吸収されないため中毒の吸収を減少させたり、血液中に吸収されてしまった毒物の排泄を促進する効果も証明されています。
  • 点滴:静脈に温かい点滴を行います。
また、呼吸困難の場合には人工呼吸、心肺停止の場合には心肺蘇生を行います。

お酒以外も要注意!アルコールが含まれる食材、日用品とは?


お酒以外にも私たちの身近なものから意外なものまで、アルコールが含まれている物は沢山あります。

  • 除菌シート・除菌スプレー
  • 香水・化粧品
  • 加熱前のパンやピザの生地
香水や化粧品のパッケージの裏に香料と記載されている物はありませんか?この香料に揮発性のアルコールが含まれています。

また、とても意外なのが加熱前のパンやピザの生地です。生地が膨らむにはアルコール発酵が必要となるため、誤飲してしまうと中毒になる可能性があります。

お酒以外にも消毒用のアルコールシート、スプレー等に注意!

近年はコロナの影響もあり、家に除菌用のアルコールシートやスプレーを常備している方も多いのではないでしょうか。散歩後にコロナが心配で犬の体を除菌シートで拭いたりアルコールスプレーをしたりしていませんか?

アルコールシートやスプレーには消毒用のため、お酒よりも度数の強いものが使用されています。体を舐めてしまい、体内に入ってしまう可能性や皮膚からも吸収される場合もあるため、人間用の物は使用を避けて下さい。

散歩後の汚れや菌が気になる場合は、ペットショップに、ペット用の除菌シートや除菌アイテムが販売されているため、そちらを使用しましょう。タオルで拭いてあげたり、手足をドライシャンプーするだけでも、愛犬を綺麗にしてあげることが出来ます。

補足:与えても大丈夫!犬用のノンアルコール飲料もある!

愛犬と一緒にお酒を楽しみたい、誕生日や記念日を祝いたいと思う飼い主さんもいらっしゃるでしょう。

そんな飼い主さんには犬用のノンアルコール飲料を紹介します。種類も様々でビールやワイン・シャンパンにお洒落なカクテルまで販売されています。原料は主に野菜やハーブから作られており、発酵過程は省いて製造されています。

ハーブなどでアレルギーをおこす可能性も少なからずあるため、念のため獣医師に相談してから飲ませてあげるほうが良いかも知れません。

MOFFMEのペット保険一括比較サービスを利用するのもおすすめ

近年加入者が増えていっているペット保険ですが、それでも現在の加入率はペットを飼っている方のおよそ10%程度にしかなりません。


ペットの治療費は全額自己負担となりますので、突然の病気による手術等で数十万円といった高額な費用がいきなり請求されてしまうことも珍しくありません。


しかし大切なペットには最適な治療を余裕を持って受けさせてあげたいですよね


もしもの時、治療費の負担を少しでも軽減し飼い主やペットが治療に専念できるように、前もってペット保険に加入しておくことをおすすめします。


MOFFMEでは「どんな保険に加入すれば良いか分からない」・「入りたい保険がいくつかあるけど、どれが一番良いのか悩む」といった方のために、ペット保険の一括比較サービスを行っております。


ペット保険への加入を検討されている方はぜひ利用してみてください!

ペット保険の一括比較はこちら

まとめ:犬にアルコールは絶対に与えてはダメ!

今回の記事では、犬にアルコールを与えてしまった場合の危険性や対処法をまとめました。飼い主の皆さんにしっかりと伝わったでしょうか?

愛犬を守るためには飼い主さんの行動がカギを握っています。万が一に備え、知識をつけておけば慌てることなく、対応することが出来ます。
  • 犬はアルコール分解をする酵素を持っていないため、アルコールを分解できない 
  • 体重1㎏あたり5~6mlが致死量となり、最悪の場合は亡くなってしまう 
  • 誤飲してしまったら、誤飲時間・摂取量・アルコールの種類・度数を確認し動物病院へ連絡する
  • お酒だけでなく、化粧品や香水・除菌シートなどにも注意する
  •  犬用のノンアルコール飲料がある
上記の内容をしっかり覚えておきましょう。

また、かかりつけの動物病院だけでなく、休日や夜間に診療している病院の連絡先を事前にスマートフォンに登録しておくと良いかもしれません。

MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください。