犬にアルコールを与えてはダメなことをご存知ですか?少量でもエタノール中毒を起こす可能性があり、匂いに敏感な犬にアルコールティッシュや傷・怪我の消毒用スプレー等を使う際は注意が必要です。この記事では犬にアルコールを与えてはダメな理由、誤飲の対処法を解説します。
この記事の目次
目次を閉じる犬にアルコールを与えてはダメ!お酒を舐めたらどうすれば良い?
- 犬はアルコールをなぜ分解できないのか
- 犬の体重やアルコールの種類・度数によっても致死量は違ってくる
- 症状の現れ始める時間
- エタノール中毒の主な症状
- エタノール中毒を起こした場合の対応
- やってはいけない対処法
なぜ犬にアルコールを与えたらダメ?その理由や致死量を解説!
犬にアルコールを与えてはいけない理由はズバリ
- アルコールを分解できないから
また致死量は犬の大きさにより変わってきます。
体重1㎏あたりアルコールが5~6mlが致死量となり、小型犬にいたっては1口だけでも、体調が急変する可能性があります。軽量スプーンで小さじ1杯が5ml、身近な物だとペットボトルの蓋2/3あたりで小さじ1杯分になります。
- 大型犬 20~30㎏で致死量は165ml程度
- 中型犬 6~15㎏で致死量は55ml程度
- 小型犬 3~5㎏で致死量は11ml程度
犬はアルコールを分解できない!エタノール中毒の症状とは?
机の上に置いていた、アルコールの入ったビンやカンなどを倒してしまい、舐めてしまったり、不注意で与えてしまった結果、エタノール中毒を発症してしまうケースがあります。
また、嗅覚のすぐれている犬は、アルコールの匂いを嗅いだだけでも、発症する場合もあります。エタノールとは一般的にはアルコールと呼ばれます。犬は人間のようなアルコールを分解する酵素をもっておらず、誤飲したアルコールは胃腸で吸収され、中枢神経に作用します。
本来であれば中枢神経には異物をブロックするバリアが存在するのですが、胃腸で吸収されたアルコールは、そのバリアを破り中枢神経に影響を及ぼします。また、分解されず体内に蓄積されることで、呼吸器官や心臓にも悪影響を及ぼします。
摂取してから30分~1時間以内に下記の症状が現れ始めます。最悪の場合は、昏睡状態や心肺停止がおこり死亡してしまいます。
エタノール中毒の主な症状
- フラフラしている
- ぼーっとしている
- 脱力して動かない
- 嘔吐
- 食欲減退
- 呼吸が弱い
- 呼びかけても反応しない
- 体温の低下
飼い主さんが様子がおかしいと判断した場合や、呼びかけても反応しない、呼吸が弱い場合はためらわずに、すぐにかかりつけの動物病院へ連絡しましょう。
犬のアルコールの致死量はどれくらい?お酒の種類別に解説!
- ビール 約1100ml
- 焼酎 約150ml
- ワイン 約500ml
- ビール 約220ml
- 焼酎 約30ml
- ワイン 約100ml
犬がアルコールを誤飲したらどうすれば良い?対処法を徹底解説!
万が一アルコールを誤飲してしまった場合は、落ち着いて犬の様子を確認して行動しましょう。
- 中毒症状が現れていないか確認する
- かかりつけの動物病院か近くの動物病院へ連絡する
- 誤飲した時間・量を把握する
- 医師の指示に従う
飼い主さんが慌ててしまい、無理やり飲んだ物を吐かようとしたり、口の中をテッシュで拭ったりするのは絶対に止めましょう。吐いた物がのどに詰まったり、テッシュが口の中に引っ付いてしまい、窒息を引き起こす可能性もあります。
飲んだアルコールが少量ならまずは愛犬の様子を見よう
体重などにもよりますが、本当に少量舐めただけであれば、まずは様子を確認しましょう。フラフラしていないか、嘔吐がないか、ぼーっとしていないかなどエタノール中毒の症状がでていないか見てみましょう。
持病のある犬や老犬や子犬の場合は、特に注意して様子を確認しましょう。ただし、明らかに舐めただけでなく、飲み込んでしまった場合や呼吸に異常がある場合、呼びかけに反応しない場合はすみやかに動物病院へ連絡して、獣医師の指示を聞いてください。
酔う等のエタノール中毒の影響が見られたら動物病院へ!
- 誤飲時間
- 摂取量
- アルコール濃度
- アルコールの種類
動物病院ではどのような治療が行われる?
病院や犬の状態により治療法も変わってきますが、意識がある場合は催吐処置を行います。
- 催吐処置:体内に吸収されるアルコール量を減らすため嘔吐させます。
意識がない場合には、胃洗浄や活性炭治療、点滴を行います。
- 胃洗浄:胃の内部に残っている毒物を胃管によって回収する治療法で、誤飲してから1時間以内に行うのが効果的です。
- 活性炭治療:活性炭素には物質と吸着する性質があり、活性炭は消化管から吸収されないため中毒の吸収を減少させたり、血液中に吸収されてしまった毒物の排泄を促進する効果も証明されています。
- 点滴:静脈に温かい点滴を行います。
お酒以外も要注意!アルコールが含まれる食材、日用品とは?
お酒以外にも私たちの身近なものから意外なものまで、アルコールが含まれている物は沢山あります。
- 除菌シート・除菌スプレー
- 香水・化粧品
- 加熱前のパンやピザの生地
お酒以外にも消毒用のアルコールシート、スプレー等に注意!
補足:与えても大丈夫!犬用のノンアルコール飲料もある!
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まとめ:犬にアルコールは絶対に与えてはダメ!
- 犬はアルコール分解をする酵素を持っていないため、アルコールを分解できない
- 体重1㎏あたり5~6mlが致死量となり、最悪の場合は亡くなってしまう
- 誤飲してしまったら、誤飲時間・摂取量・アルコールの種類・度数を確認し動物病院へ連絡する
- お酒だけでなく、化粧品や香水・除菌シートなどにも注意する
- 犬用のノンアルコール飲料がある