犬にミネラルウォーターを与えて大丈夫なのでしょうか?市販の天然水や水道水はほとんど軟水なので問題ありませんが、硬水を与える際は結石や下痢・嘔吐等に注意が必要です。この記事では犬とミネラルウォーター・飲み水について、水の種類や飲料水の選び方を解説します。
この記事の目次
目次を閉じる犬にミネラルウォーターを与えて大丈夫?飲み水の選び方とは
- ミネラルウォーターとは
- 軟水・硬水の違い
- 犬にこの水を与えてもよいか
- 与える際の注意点
- 犬に適した水とは
そもそもミネラルウォーターとは?水の種類や硬度等を解説!
ミネラルウォーターは、そもそも水道水や浄水器の水とはどう違うのでしょうか。
この水を飲んでみて喉ごしが良いと感じたり、美味しいと感じたりすることはあっても「分類的にはどんな水なの?」と聞かれると戸惑ってしまう方も多いことでしょう。
ここではミネラルウォーターの分類の定義や種類、硬度などについて解説していきます。
- ミネラルウォーターの定義と種類
- 軟水と硬水の違いや硬度とは何かについて
ミネラルウォーターとはどんな水?定義や飲料水の種類を解説!
ミネラルウォーターとは地下水をくみ上げたり湧き水をボトリングした、水単体を原料とする鉱物(ミネラル)を含んだ清涼飲料水のことです。
ミネラルウォーターの原料となる主な水の種類は、以下の通りです。
種類 | 水の詳細 |
---|---|
鉱水 | 地下水のうち鉱物を含んでいる水 |
鉱泉水 | 湧き水のうち水温が25℃以下であり 鉱物を含んでいる水 |
温泉水 | 湧き水のうち水温が25℃以上である
もしくは温泉第二条に規定される鉱物が含まれる水 |
- ナチュラルミネラルウォーター:単一の天然水を使用し、沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の物理もしくは化学的処理を行っていないもの
- ミネラルウォーター:複数の天然水を使用したり、を沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の物理もしくは化学的処理を行っているもの。
硬水・軟水とは?硬度について解説!
ミネラルウォーターと名が付くものは、農林水産省の規定で必ず鉱物が含まれていなければいけないという規定が存在します。
よって、全ての製品に硬度と呼ばれるカルシウムとマグネシウムの量を示した概念が存在することになっています。
硬度がゼロのものは、この水には一切存在しません。
この清涼飲料水は、厚生労働省の規定で以下のように硬度分類されています。
- 60 mg/L以下:軟水
- 60~120 mg/L :中硬水
- 120~180 mg/L :硬水
- 180 mg/L 以上:超硬水
参考:清涼飲料水評価書 カルシウム・ マグネシウム等 (硬度) 2017年4月 食品安全委員会|Ⅱ.カルシウム・マグネシウム等(硬度)|厚生労働省
犬にミネラルウォーターを与えたらダメ?与える際の注意点とは
ミネラルウォーターについて詳しく解説したところで、この水を犬に与えてもよいかどうかについて次は取り上げていきます。
結論から言うと、種類によってはこの水を犬に与えてもよいといえるでしょう。
ここでは以下の観点から、犬にこの水を与える際の注意点を解説していきます。
- 犬にミネラルウォーターを与えて良いのか
- 与える際の注意点
犬にミネラルウォーターを与えても大丈夫!
健康な犬ならば、ミネラルウォーターを与えても基本的には大丈夫です。
しかしこの水の中には、硬水と呼ばれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが非常に多く含まれているものも存在します。
犬に与える際には、ミネラル分が少ないものを選んであげるとよいでしょう。
なお、腎臓に疾患がある犬や結石ができやすい犬にはこの水は適していません。
ミネラルウォーターを与える際の注意点とは?結石に注意!
硬水にはミネラルが非常に多く含まれているので、犬に与えると尿路結石のリスクが非常に大きくなってしまいます。
人間の体にとってはこのミネラル量は体によくても、体の小さな犬にとっては過剰摂取となってしまうのです。
愛犬に与える際には、硬度60mg/L以下の軟水を選ぶようにしましょう。
なお、小売業界では硬度120mg/Lのものを軟水、それ以上の硬度の水を硬水とする評価が多い傾向にあります。
こちらの指標は多くの商品に当てはめられていますので、パッケージに軟水と書かれているからといって油断は禁物です。
愛犬に水を選ぶ際には、必ず硬度の数値を確認するようにしてください。
補足:犬が1日に必要な水分量はどれくらい?
犬が1日に必要とする水分量は、体の大きさによって異なります。
具体的には犬の体重1kgに対して50~60mlの水が必要であるといわれています。
これよりも摂取量が少なくなると尿路感染症のリスクが高まるため、愛犬がいつでも水を飲めるよう準備しておくことが大切です。
なお、暑い夏には水分摂取量は増える傾向にあるため、たっぷりと水を飲ませてあげましょう。
犬がやたらと水を飲みたがったり、飲む量が以前よりも増えたりしている場合には、糖尿病や腎臓疾患などの病気にかかっている可能性があります。
いつもと様子が違うなと感じた場合には、かかりつけ獣医師の診察を受けるようにしてください。
ペットには結局どんな水を与えれば良い?おすすめの飲料水とは
ミネラルウォーターは健康な犬にとっては飲んでも問題のない水ですが、持病があったり結石ができやすい場合など、おすすめができないケースもあります。
では、愛犬に与える水にはどのようなものが適しているのでしょうか。
ここでは犬に与えるのに適した水は何かを解説していきます。
- 犬におすすめな水は水道水
- カルキが気になる方には犬用ウォーターサーバーがおすすめ
- ウェットフードからも水分補給は可能
水道水・浄水が一番おすすめ!カルキ抜きの方法も解説!
日本の水道水は世界的に見ても非常に安全性が高く、WHOの世界的安全基準を大きく上回ってクリアするほどの安全性を誇ります。
消毒のために使われるトリハロメタンが含まれていることで有名な水道水ですが、日本では平均してWHOの基準である0.6~1.0を大きく下回っています。
よって、ペットはもちろん人間が飲んでも全く問題ない品質だといえます。
水道水のほとんどはミネラルを含んでいない軟水であり、安全性が高い上にきちんと殺菌をされているので犬に与えるには最適です。
水道水のカルキが気になるという方は、一度沸騰させて冷ましてから与えるか、活性炭を使って除去をするとよいでしょう。
なお、九州や沖縄県、関東地方の一部地域の水道水は、軟水ではなく硬水となっている場合もあります。
水道水を愛犬に与える際には、その水がドのような場所で生産されているのかや、浄水形態などをチェックしておくとより安心でしょう。
ウォーターサーバー等の市販の犬用飲料水もおすすめ!
どうしても水道水を与えることに不安を感じる方や、住んでる地域の水道水が硬水であるとわかった場合にはウォーターサーバーを利用するとよいでしょう。
これらの水にはカルキやミネラルが一切入っていないので、犬に与えても安心です。
さらにメーカーによっては、スタッフが水を定期的に運んできてくれるケースもあります。
空容器が出ない上に水を買いに行く手間も省けるため、これらのサービスはマンションなどに住んでいる方や高齢の方におすすめです。
また、市販の水の中には犬のために作られた専用のものも存在しますので、ウォーターサーバーを家に置けない方はそれらを利用するのも手だといえます。
補足:ウェットフードからでも水分を摂取できる!
病気や高齢などの事情でどうしても愛犬が水を飲みたがらない場合には、毎日の食事をウェットフードに変えてみましょう。
ドライフードと比較してウェットフードには水分が含まれているので、慢性的な水分不足を防ぐことが可能になります。
健康な犬でも夏場には水分が不足することがあるため、よく運動をする子には定期的にウェットフードを与えるのもおすすめです。
固形状ではなくスープがたっぷり入っているものを選ぶのが、水分補給目的でウェットフードを利用する際のコツです。
念のためにペット保険に加入しておくのがおすすめ!
近年加入者が増えていっているペット保険ですが、それでも現在の加入率はペットを飼っている方のおよそ16%程度にしかなりません。
ペットの治療費は全額自己負担となりますので、突然の病気による手術等で数十万円といった高額な費用がいきなり請求されてしまうことも珍しくありません。
しかし大切なペットには最適な治療を余裕を持って受けさせてあげたいですよね。
もしもの時、治療費の負担を少しでも軽減し飼い主やペットが治療に専念できるように、前もってペット保険に加入しておくことをおすすめします。
MOFFMEでは「どんな保険に加入すれば良いか分からない」・「入りたい保険がいくつかあるけど、どれが一番良いのか悩む」といった方のために、ペット保険の一括比較サービスを行っております。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひ利用してみてください!
まとめ:犬にミネラルウォーターを与えても大丈夫?
いかがだったでしょうか。
この記事のまとめは以下の通りとなります。
- 犬に与えてもよいミネラルウォーターは軟水のみ
- 硬水を与えると尿路結石のリスクがある
- 最も安全な飲み水は水道水
- 水道水に不安がある場合にはウォーターサーバーや犬用飲料水を利用する
意外にもミネラルウォーターを与えるよりも、水道水の方が犬にとっては安全であるという事実に驚かれた方も多いのではないでしょうか。
日本の水道水は世界が認めた安全基準を誇る、美味しくて安全な水です。
しかし犬の体に良くない硬水となっている地域もあるので、そのような場合はウォーターサーバーなどを利用するとよいでしょう。
この記事を期に、あなたも愛犬に与える水について見直してみてはいかがでしょうか。
MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください。