コーギーのしっぽを切る理由とは?切らないとどんなデメリットがある?のサムネイル画像

コーギーがしっぽを切られるのは何故なのでしょうか?コーギーのしっぽは、実は日本のペットショップでの基準を満たすためだけに切られています。この記事ではコーギーの断尾が本当に必要かどうかを、理由を踏まえながら検証していきます。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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コーギーのしっぽはなぜ切るの?断尾しないといけない理由とは?

近年愛犬家の間で、尻尾を切る「断尾」と呼ばれる行為が問題視されています。


断尾をされる犬種の中でも代表的なのが、今回取り上げるコーギーと呼ばれる犬種です。


本来この犬種には、立派な尻尾があることを皆さんはご存じでしょうか。


今回「MOFFME」では

  • 本来コーギーはどんな犬種なのか
  • なぜ断尾されるのか
  • 断尾を行うタイミングとかかる費用
について調べ、本当にこの断尾という断尾と呼ばれる行為が必要なのかを検証していきます。

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そもそもコーギーとはどんな犬種?生まれつきしっぽはないの?


コーギーはイギリスで牧畜犬として作り出した犬種で、短い脚とちょこんと生えた短い尻尾、ハート型にカットされたお尻が特徴です。


尾のないハート形のお尻は可愛らしく、SNSでお尻の画像が話題になったりそれらの画像を集めた写真集が発売されたりするほどの人気があります。


しかしこれは生まれつきではなく、後天的に作り出されたものであることをご存じでしょうか。


この犬種には本来、キツネのような長くふさふさした立派なしっぽがあるのです。


尾のない「ウェルシュコーギー・ペンブローク」と、尾がある「ウェルシュコーギー・カーディガン」の2種がコーギーには存在します。


日本で見られるこの犬種のほとんどがペンブロークであるため、コーギーにはしっぽがないと思われがちになるのです。

ウェルシュコーギーはしっぽのありなしで種類を見分けられる

ウェルシュコーギーはしっぽの有無で種類を見分けられる犬種です。


ペンブロークは日本で最も一般的な種類であり、日本にいるこの犬種のほとんどがこれに該当します。


一方のカーディガンは、日本ではほとんど見かけませんが原産国のイギリスでは一般的な種類です。


どちらの種類も胴長短足であり大きな目立つ立ち耳をしていますが、この2種では唯一異なる点が1つ存在します。それが尻尾の有無です。


日本にいるこの犬種のほとんどを占めるペンブロークには、尾がありません。


一方のカーディガンには、ペンブロークにはない長くふさふさしたキツネのような立派な尻尾があることが特徴です。

コーギーのしっぽを切る理由|なぜこんなかわいそうなことをするの?


コーギーはどうして尾を切られてしまうのでしょう?


尾を切るのには苦痛が伴いますし、かわいそうに感じてしまう方も多いのではないでしょうか。


断尾をすることには、本来この犬種の歴史背景に基づいたいくつかの理由がありました。


しかし現在これらが行われる理由はこの限りではなく、全く異なる訳が存在します


ここでは何故コーギーのペンブローク種が断尾されてしまうのかを、詳しく解説していきます。


コーギーの断尾について疑問を抱いている方や、この犬種になぜしっぽがないのかが気になっている方はぜひご覧ください

  • 尾を切る3つの理由
  • 現在の断尾は何故行われるのか
  • 断尾のデメリットはあるのか
  • 海外での断尾事情
  • 耳やしっぽを切られている犬種

コーギーのしっぽを切るのにはさまざまな理由がある

コーギーの尻尾は、歴史上の様々な理由で切られてきました。


1つめの理由は、節税のためです。


今となっては信じられないことですが、かつてこの犬種が生み出されたイギリスでは「犬の尾税」という税金が存在しており、節税目的でありとあらゆる犬に断尾がされていました。


2つめの理由は、牧畜犬として働くためです。


しっぽが長いまま牧畜犬として働いていると、仕事をしている時に牛などの動物に尾を踏まれて怪我をしてしまうリスクがあります。


このリスクをなくすために、牧畜犬として飼われているコーギーには断尾が行われているのです。


3つめの理由は、狂犬病を防ぐためです。


今となっては全く根拠のない話ですが、かつてヨーロッパでは尻尾を切った犬は狂犬病にならないという言い伝えがあったとされています。

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【獣医師監修】犬の狂犬病とは?原因や症状、予防法、ワクチン注射と登録方法を解説

今の日本のブリーダーが断尾をするのは基準を満たすため

歴史上の様々な理由で尾を切られてきたコーギーですが、ほとんどが愛玩犬となった現在でも日本で断尾され続けているのはどうしてでしょうか。


日本には狂犬病は蔓延していませんし、牧畜犬として活躍している場所も少ないのにも関わらず、この犬種はしっぽを切られ続けています。


現在日本でこの犬種の断尾が行われている理由は、ブリーダーがペンブロークというブランドの犬種基準を満たし、血統書を発行するためなのです。


血統証明書について(一般社団法人ジャパンケネルクラブ)


ブランドの基準である「尾がないこと」を満たした血統書付きのコーギーは市場で高く取引されます。


かわいそうなことに、コーギーは人間が利益を得るために今もしっぽを切られ続けているのです。

断尾のデメリット|しっぽを切らないと問題はある?

犬に本来あるはず尾をそのまま残すことには、血統書が発行できないこと以外なんの問題もありません。


しかし尾を切ると、犬にとって数多くのデメリットが発生してしまいます。


犬が生まれ持った尾を人間の手で切ってしまうのですから、リスクが発生しないわけがないのです。


犬が尾を切られることによって発生するデメリットは以下の通りです。

  • しっぽを振って意思や感情を伝えられなくなるため、他の犬とのコミュニケーション能力が低下する
  • 尾で意思疎通をはかれないことにより、非社会的で攻撃的な犬に育つ可能性がある
  • 身体のバランスがとりにくくなり、平衡感覚が弱くなりやすい
  • 泳げなくなるなどの運動障害を招くことがある
  • 断尾の際にできた傷から感染症を起こすリスクがある

海外では断尾が禁止されていることも

コーギーの原産国であるイギリスでは、現在犬種のスタンダード維持や美容目的での断尾が法律で禁止されています。


しかし狩猟犬は尾をもつことへのリスクを考慮し、使役犬として安全を確保するために断尾が許可されていることが多い傾向にあります。


血統書におけるスタンダード維持や美容目的での断尾について禁止している国は、主にヨーロッパに多くアジア圏ではほとんどない傾向にあります。


断尾を禁止及び検討している国は、以下の通りです。

  • 禁止措置が取られている国…イギリス・ドイツ・デンマーク・ポルトガル・ハンガリー・エストニア・スペイン・オランダ・キプロス・スイス・スウェーデン・チェコ・ノルウェー・フィンランド・ベルギー・ルクセンブルグ
  • 禁止措置が検討され始めている国…アメリカ

補足:断尾や断耳が行われている犬種

コーギーのほかにも、耳や尾を切られている犬種は多数存在します。


しかしこの行為は犬のためではなく、あくまで犬種の「スタンダード」と呼ばれる血統書発行基準を満たすためにブリーダーが行っているにすぎません。


スタンダード維持や美容目的のために尾や尻尾を切られている犬種は、こんなにたくさん存在します。


この機会に犬の尾や耳を切るのが本当に正しい事なのか、今一度皆さんも考えてみてください。

  • 尾を切られる犬種…プードル系・ポインター系・ジャックラッセルテリア・アメリカンコッカ―スパニエルなど
  • 耳を切られる犬種…テリア系・ボクサー・グレートデンなど
  • 耳と尾を両方切られる犬種…ドーベルマン・シュナウザー系・ピンシャー系など

コーギーのしっぽを切るタイミングや費用について


ペットショップで見かけるコーギーに、尻尾があることはありません。


ブリーダーから計画的に譲り受けたコーギー以外は既に尾を切られてしまっており、あの特徴的なお尻になってしまっているケースがほとんどなのです。


つまりこの犬種は、ペットショップにやってくるまでの赤ちゃん時代に尻尾を切られてしまっていることになります。


一体いつどんな切り方で、この犬種の尻尾は切られているのでしょうか。


気になる方のために、ここではコーギーの断尾事情について詳しく解説しています。

  • 断尾はいつ行われるのか
  • 断尾の際の尾の詳しい切り方や施術の手順
  • 尾を切る際の施術方法と施術する役割を担う人の種類
  • 尾のあるコーギーを自主的に断尾するのにかかる費用

断尾はいつ行う?切り方も紹介

コーギーは生後2~5日目のまだ生まれて間もない時期にしっぽを切られます。


この際にはなんと麻酔をかけることはしない上に、獣医ではなくブリーダーが尾を切る処置をすることもあるのです。


これは、生まれて間もない子犬は痛みをあまり感じないという通説があるためだとされていますが、これは医学的な根拠に基づいているとは現在言い難いという反説も現れ始めています。


事実尻尾を切られた時のショックで死んでしまう、かわいそうな子犬も中にはいるのです。


また、里親で迎えたコーギーの尻尾が長かった場合には動物病院で断尾手術をすることも可能ですが、これについても数々のリスクが伴うためおすすめできません。


犬の尾を切る際に用いられる方法は、以下の2種となります。

  1. 結紮法…尾をゴムバンドで締め上げ、結び目以降の組織を壊死させる方法
  2. 切断法…メスやハサミなどの外科的な器具で尾を物理的に切り落とす方法

断尾にかかる費用はどれくらい?

お迎えの際に既に大きくなっていたり、里親で迎えたコーギーの断尾を自主的に行う際には、生後8週目以降に獣医の立会いのもと全身麻酔をかけて断尾が行われます。


この際にはメスやハサミを使ってしっぽを切り落とす切断法が用いられます。


しかしこの断尾は犬の身体に全身麻酔による負担をかけてしまったり、継続的な痛みを与えてしまうことになりかねません。


切断手術後には感染症のリスクが伴ったり、痛覚過敏や幻肢痛を伴うなどの事例も報告されています。


平成27年度の家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査によると断尾にかかる費用は平均19,014円です。


参考:家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度:公益社団法人 日本獣医会)

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まとめ:日本でコーギーのしっぽを切る理由は基準を満たすため

いかがだったでしょうか。


この記事のポイントを要約すると

  • コーギーの尾は現在では美容や血統書目的で切られている
  • 犬の尾を切ることには様々なデメリットがあり、苦痛を伴う
  • 生まれて間もないころに尾は切られるが、ショックで死んでしまう子犬もいる
  • 大人になってから尾を切る場合、多額のお金がかかりリスクもある

となります。


美容や血統書のためにリスクをかけてまで、この犬種の尾を切る必要があるのでしょうか。


断尾そのものは、犬にとって全く必要のない行為です。


今一度皆さんも尾を切ることについて、動物愛護の観点から見直してみることをおすすめします。


美容目的ではなく怪我や病気で、愛犬のしっぽを切らなくてはならなくなることも時折あります。


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