野良猫の保護費用はどれくらい?野良猫の飼い方や注意点も徹底解説!のサムネイル画像

野良猫の保護費用はどれくらいでしょうか。拾った子猫や野良猫を、保健所に渡さずに飼いたい方もいるでしょうが、自分で飼うはどうするのが良いか気になりますよね。ワクチン接種等が必要になるので注意してください。この記事では野良猫の保護費用や飼う方法等を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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野良猫の保護費用はどれくらい?飼い方のコツや注意点も解説!


記事モデル:タチコマ&ウチコマ


家の近くに気になる野良猫がいて保護したい、猫を迎えるのであればショップからではなく、住む家のない子を飼いたい、そのように考えている猫好きの方も多いのではないでしょうか?


特に春から夏にかけては野良猫が子猫を出産するシーズンとなるため、育児放棄された子猫や弱った親子猫を見かけることもあるかもしれません。


では野良猫を保護する時や拾った後は、どのようなことに注意するべきなのでしょう。


今回「MOFFME」では

  • 野良猫を保護したら、必ず動物病院で確認すべきこと
  • 保護した猫に飼い主がいないか確認する
  • 野良猫の捕まえ方と注意点
  • 野良猫を保護した後にかかる費用
  • 猫を迎えた後1年でかかる費用
  • 猫の飼育用品購入にかかる費用
  • 保護した野良猫を飼う時に覚悟しておくべきこと
を中心に、野良猫の飼い方や育て方、保護後にかかる費用について説明していきます。

自分で野良猫を保護して飼う方はもちろん、ボランティアさんが保護した猫の里親になる方にも参考にしていただきたい内容ですので、ぜひ最後まで目を通してくださいね。

またMOFFMEでは、ペット保険のランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

野良猫を保護したらまずやることは?動物病院に連れて行こう

 

子猫であっても成猫であっても野良猫を保護したら、できる限り早く動物病院に連れて行って簡単な健康診断をしてもらう必要があります。


ここでは

  • 動物病院で検査したい項目
  • 飼い猫ではないか確認
  • 警戒心の強い猫の捕まえ方や保護方法
について説明していきます。

まずは野良猫を拾ったらどうするのか、猫を保護したらすぐに行うべきことについて紹介していきますので、心構えとして確認しておきましょう。

まずは動物病院で病気や寄生虫等の検査をしてもらう

野良猫を保護したら、できる限りその日のうちに動物病院に連れて行き、ノミやマダニが寄生していないか、血液検査で猫エイズ(FIV)や猫白血病(FelV)などの病気に罹患していないかを診てもらいましょう。


外で暮らしていた期間が長い猫ほど、健康上の問題を抱えている可能性が高いです。血液検査の結果は10〜20分で出ますので、野良猫を保護した時は必ず受けてください。


特に家に先住の猫がいる場合には、うつす危険性のある病気に罹っていないかきちんと確認する必要があります。


たとえば猫風邪の野良猫を保護して先住猫と同じ部屋で生活させてしまうと、先住猫にも風邪がうつってしまいます。


野良猫を保護したらまずは近隣の動物病院に電話をして、猫を保護した旨と診察を頼みたいことを伝えて必要な検査を受けましょう。

保護した猫が本当に野良猫かどうかも確認しよう

保護した猫が迷い猫や外飼の猫ではなく、本当に野良猫や捨て猫なのかも早いうちに確認しておく必要があります。


保護した時にダンボール等に入れられていたといった事情があれば、捨て猫と考えて問題ありませんが、首輪をしていたりあまりにも毛並みが綺麗な猫の場合は飼い猫の可能性も高いです。


動物病院を受診した際、マイクロチップの有無なども確認しておきましょう。また保健所や警察に連絡をして猫を保護した場所や特徴を伝え、迷い猫の届け出がないかも確認しましょう。

補足:野良猫はどうやって捕獲する?捕まえ方や注意点も解説!

偶然に捨てられた子猫を見つけた、という場合であればキャリーバッグや洗濯ネットなどに子猫を入れて動物病院に向かえば大丈夫ですが、人馴れしていない野良猫を保護したい場合には、まず餌を与えて「ここに来れば食べ物がある」と覚えさせる必要があります。


そして何日間か様子を見て猫が餌場に来るようになったら、餌を捕獲器の中に入れて猫を保護します。


捕獲器は放置せずに、隠れて猫が中に入るまで様子をうかがってください。特に捕獲器を自分の家の庭などではなく公園や公道に設置する場合には、周辺住民への配慮も忘れないようにしましょう。


猫は暗い場所のほうが安心しますから、捕獲器を布で包んでおくと入ってくれやすくなります。もしも保護したい猫と別の猫が中に入ってしまった場合は、すぐに逃してあげましょう。


保護したその場で捕獲器からキャリーバッグに移動させようとすると、猫が逃げてしまう可能性が高いため注意が必要です。


飼いたいと思っていた野良猫が捕獲器に入ったら、捕獲器ごと家に持ち帰るか動物病院に持ち込むことをおすすめします。


また、捕獲器を使わなければ捕まえられない野良猫を保護したい場合には、地域で活動している動物ボランティアさんや保健所の職員さんに相談すると安心です。


理由をきちんと説明すれば捕獲器を貸してくれる団体さんも少なくありませんし、野良猫の捕まえ方や注意点についてもアドバイスをもらえますよ。

野良猫を保護した際にかかる費用とは?治療費等の費用を紹介!

 

野良猫を保護したら動物病院に連れて行くべきと説明しましたが、血液検査などの最初の診察ではどのくらい費用がかかるのでしょうか?


また飼育道具にかかる費用はどのくらい必要なのでしょう?


ここでは

  1. 野良猫を保護した直後にかかる費用
  2. 猫を家に迎えて1年の間にかかる費用
  3. 猫の飼育道具を揃えるためにかかる費用
以上の3つの費用について説明していきます。

①:動物病院で最初にかかる費用はどれくらい?

野良猫を保護した直後に動物病院に連れて行った際、発生する医療費は以下の通りです。

  • ノミ、マダニの駆除 約2,000円
  • 血液検査 約5,000〜15,000円
  • 初診料 約1,000〜3,000円
健康な猫を保護した場合でも上記の費用が必要であり、もし猫風邪をひいていた場合には薬代などの治療費が別途かかります。

なお、保護した猫が生後1ヶ月などの月齢の低い子猫であった際には血液検査をしても正確な結果が得られないおそれがあるとの理由から、血液検査を行わない動物病院もあります。

その場合には動物病院と相談したうえで時期を決め、子猫が成長してから血液検査を行うことをおすすめします。

②:お迎えして1年以内に動物病院でかかる費用はどれくらい?

野良猫を保護した場合に限らず、子猫を家族に迎えた際には1歳になるまでに下記のような費用が発生します。

  • ワクチン 約3,000〜8,000円
  • 避妊・去勢費用 約10,000〜30,000円
猫のワクチンには3種から7種までの種類があり、最も安価なのが猫汎白血球減少症、猫カリシウイルス感染症、猫ウイルス性鼻気管炎が予防できる3種混合ワクチンです。

猫は犬と違って完全室内飼育が基本となるため、ワクチンの必要性を感じない飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

しかしできれば猫もワクチンを摂取することが望ましいため、かかりつけの動物病院とよく相談のうえ、接種間隔などを決めてください。

また発情のストレスや予期せぬ妊娠を防ぐためにも、生後6ヶ月を迎えたら避妊、去勢手術の検討をおすすめします。

③:その他餌やトイレ、ケージ等でかかる費用はどれくらい?

その他、猫の飼育そのものにかかる費用や飼い始めに揃えておきたい飼育道具の費用は以下のとおりです。

  • トイレとトイレ砂 約1,000〜4,000円
  • キャリーバッグ 約3,000〜5,000円
  • 爪とぎ 約2,000円程度
  • ブラシ 約1,000円程度
  • 食器 約500〜1,000円を2個
  • おもちゃ 約500〜1,000円
餌に関しては猫の年齢や食いつき、体型などを見ながら最良のものを選んでください。とは言え、食事は生涯必要なもののため、飼い主さんが購入を続けられる価格帯のものから選ぶことも大切です。

この他にケージ(約10,000円〜)があれば留守番の時の事故を防ぐことができますし、自宅に上下運動できる環境がない場合にはキャットタワー(約10,000円)を設置するとよいでしょう。

野良猫を飼う際の注意点は?5つの注意点を詳しく解説!

 

捨てられたばかりの子猫を拾った場合は別ですが、外での生活が長い猫を保護して家に迎えた場合には懐いてくれない、脱走しようとするなど飼い主さんが頭を悩ませる局面も多いかもしれません。


ここでは野良猫を迎え入れる前に確認しておきたい

  1. 根気よく世話を続ける
  2. トイレの失敗も覚悟する
  3. お風呂に入りたがらないおそれもある
  4. 避妊・去勢手術の必要性
  5. 思い描いた通りの猫でなくても受け入れる
という5つの事柄について説明していきます。

注意点①:すぐに懐く可能性は低いので、根気よく接する

外での生活が長い猫や、前の飼い主に捨てられてから過酷な生活を送ってきた猫は人に対する警戒心が強く、なかなか懐いてくれない可能性が高いです。(もちろんすぐに懐いてくれた!というケースも聞きます。)


触ろうとしたりケージの中を覗いただけでも、シャーシャー鳴いて威嚇してくるかもしれません。


また猫は環境の変化が苦手なため、家の中での生活に馴染めずに食欲が落ちてしまう子もいるでしょう。


しかしあまりにも食事を摂らずに痩せてしまうといったケース以外は、あまり心配せずに環境や人間に慣れるまで見守ってあげてください。


早く距離を縮めようとしつこく触ろうとしたりすると、逆に嫌われてしまうおそれもあります。

注意点②:トイレのしつけも根気よく行う

猫は教えなくてもトイレを覚えてくれるため、保護した野良猫もトイレを置いておけば勝手にそこで排泄してくれると思われるかもしれません。


しかし自分のにおいのしないトイレや馴染みのないトイレ砂を置かれても、そこが排泄場所だと認識できない子もいます。


保護した野良猫が何度も粗相をしてしまう、別の場所をトイレと認識してしまうということもあるかもしれません。


トイレを失敗することがあっても決して怒らず、落ち着きがないなど排泄の前兆が見られたらトイレに誘導するなどして根気よくしつけをしましょう。

注意点③:お風呂はストレスの原因になる可能性がある

猫は水が苦手な子が多く、子猫の頃に慣れさせておかないと生涯お風呂を嫌がるという子も少なくありません。


短毛の猫であればブラッシングだけでも清潔に暮らせますから、無理にお風呂に入れなくてもよいでしょう。汚れが酷い場合には、水のいらないフォームシャンプーなどで汚れた箇所を拭いてあげてください。


一方で長毛の猫の場合は自分でグルーミングしても根本まで綺麗にできないうえ、毛玉もできやすいため1ヶ月に1度程度はシャンプーすることが好ましいです。


どうしても嫌がる場合はトリミングもしている動物病院に相談する、お風呂場でご飯を食べさせて水の音に慣れさせるなど対処法を考えましょう。

注意点④:去勢・不妊手術を必ず行う


雌の猫は年に2〜3回発情期を迎え、交尾してから排卵するためにもし発情期に脱走するなどのトラブルが合った場合には、かなりの確率で妊娠してしまいます。


また発情期に交尾できないとストレスが溜まって体調を崩すケースもあり、予期せぬ妊娠を防ぐためにも、猫の健康のためにも避妊手術は必須と言えるでしょう。


雄の猫も去勢手術で攻撃性が収まる、マーキングなどの問題行動をしなくなる、前立腺の疾患を防げるといったメリットを得られます。


避妊、去勢手術をいつ行うべきかは猫の体格によっても異なるため、かかりつけの動物病院とよく相談をして時期を決めてください。

注意点⑤:どんな猫であっても必ず最後まで責任を持つ

懐かない、病気に罹っていて治療費が高額になる、脱走癖が酷くてすぐ外に出ようとするなど保護した猫に悩まされることもあるかもしれません。


あまりにも問題行動ばかり起こすため、「こんなことなら、外で暮らしていたほうが猫も幸せだったのでは?」と思うこともあるかもしれません。


しかし明日をもしれない外の暮らしよりも、安心して食事や睡眠が取れる飼い主さんに守られた生活のほうが猫にとってはずっと幸せです。


特に保護した当初は大変なことの連続かもしれませんが、どんな猫であっても大切に育ててあげましょう。必ずその子なりの愛情表現を返してくれる日が来るはずです。

念のためにペット保険に加入しておくのがおすすめ!

 

野良猫を保護した際、既に病気に罹っていた場合には保険に入っても補償の適用外になってしまう可能性も少なくありません。


また重大な疾患を抱えている子に関しては、そもそも保険に入れないおそれもあるでしょう。


しかし保護した時点で疾患がなく、健康な子の場合にはなるべく早くペット保険の加入を検討することをおすすめします。


若い頃は病気知らずであっても、老齢になると下部尿路疾患などで猫の医療費も嵩みがちになります。


老齢になってからは入れない保険も多いため、愛猫が若く、そして健康なうちから必要な補償や毎月支払える保険料を整理しておくとよいでしょう。


MOFFMEでは猫のペット保険の一括比較サービスや、加入者の生の声を取り扱った記事を多数掲載しています。ぜひ愛猫の保険選びに役立ててくださいね。

まとめ:野良猫の保護費用はどれくらい?育て方の注意点も解説!

今回は野良猫を保護する方法や保護した猫を飼うのにかかる費用、野良猫を迎える時の注意点について紹介致しました。


この記事のポイントは

  • 野良猫を保護したら必ず動物病院に行く
  • 飼い猫ではないか確認する
  • 捕まえ方や捕獲器の扱いに自信がない場合はボランティアや保健所に相談する
  • 猫を保護する前に血液検査、ワクチン、飼育用品などの費用が払えるか検討する
  • トイレを覚えない、懐かないなどの可能性も覚悟しておく
  • どんな猫であっても一度保護したら終生飼育する
です。

野良猫を見ると可哀相で拾いたい、と考える猫好きの方も少なくないことでしょう。

しかし個体差はあるものの保護猫はペットショップなどから迎えた子猫よりも飼育が難しい可能性が高く、思ったほど懐いてくれないといったおそれもあります。

一時の感情に流されず、本当に生涯面倒を見られるのかどうか、きちんと考えてから野良猫を保護してくださいね。

MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください。