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老犬の介護はどうすれば良いのでしょうか。仕事との両立等で疲れた・限界となる前に、介護の期間がいつまでかや必要な介護用品、介護食等を知っておきたいですよね。この記事では老犬の介護について、介護が必要なシーンや具体的な対策、必要なもの、介護施設まで徹底解説します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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老犬の介護はどうする?不安な高齢犬介護について徹底解説

飼い主様は毎日元気な愛犬と一緒に楽しく暮らしていると思います。ドッグフードや動物医療も年々改良され、平均寿命も延びるようになりました。


しかし、それでも犬は私たちより寿命が短く、飼い主様はいつか迎える老犬の介護をしなければなりません。


また、介護は老犬だけではありません。

病気や事故により後遺症が残った場合も介護が必要になります。


犬の介護はどうすればいいのか分からない飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか?


「昔に飼っていた犬を介護したことがある!」と言う方もいらっしゃるかと思いますが、今一緒にいる犬が昔に飼っていた犬と同じ介護とは限りません。


それぞれの犬に適にした介護を行う必要があります。

必ず迎える介護に向けて必要な知識やグッズを揃えませんか?


今回「MOFFME」では、老犬の介護について、

  • 介護が必要になるケースとは?
  • 具体的な介護のやり方
  • 介護に必要なグッズ
以上のポイントを解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください!

またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください!

老犬の介護が必要になる場合とは?5つの要介護のシーンを解説


元気だった犬もいつかはシニアになり、介護が必要となります。


私も実家で飼っていた犬が腎不全になり、手足も動かなくなり介護食を与えていた時期もありました。


当時の私は子供ながらに一生懸命、介護に努めていましたが、事前に介護の知識があればもっと犬のためにできることはあったのではないか?と思うことがよくあります。


まず、犬を介護するシーンについて解説したいと思います。

  • 目が見えない
  • トイレができない
  • ご飯が食べることができない
  • 寝たきりになる
  • 認知症などが発症する

①:目が見えなくなる

緑内障や網膜剥離などといった病気や事故、老いることで目が見えなくなることがあります。


犬は目が悪いと言われていますが、動体視力に優れていたり暗闇の中でも周りを診ることが出来ます。


ある程度景色は見えているので、いきなり視界が失われることは犬にとってもストレスになり、不安な世界となります。


また、目が見えなくなった場合、犬は嗅覚と聴覚を使って外の様子や危険察知を行いますが、それも犬が老いると共に耳は遠くなり、嗅覚も衰えます。

②:自分でトイレができなくなる

老犬になると足腰や筋肉、内臓が衰えるため、普段出来ていたトイレを行うときの中腰ポーズが出来なくなります。


また、病気などにより自分で意図しておしっこをしたくても出来ないこともあります。


そのため、自分でうまくトイレが出来なくなり、おもらしや排泄をしてしまうケースがあります。


もし、犬が粗相してしまっても、絶対に叱らないでください。


飼い主様もストレスは貯まるかと思いますが、犬も今まで出来ていたことが出来なくなりストレスと申し訳ない気持ちになっています。

③:自分でご飯を食べられなくなる

老犬や病気を患ったことで犬が自分でご飯が食べられない原因は主に以下の内容が多いと言われています。

  • 噛む力が無くなる
  • 消化器官が弱くなる
  • 歯が抜ける
  • 体が動かない
犬はご飯やおやつが大好きです。

今まで積極的に食べていたご飯やおやつが食べれなく辛さは犬にとって一番辛いことかもしれません。

このように自分でご飯が食べれなくなった場合は、飼い主様の手からご飯を与えるようにしましょう。

また、無理してドッグフードや硬いおやつを与えると喉に詰まらせるといった最悪の事態が起こるので必ず避けてください。

④:足腰が弱る、寝たきりになってしまう

今は元気に走り回っている犬も歳をとったり、病気を患うことで犬は動くことが辛くなり、足腰が弱り寝たきりが多くなります。


多少は動いた方が良いですが、無理に運動させることは避けましょう。

心臓に負担がかかったり、疲労が蓄積されて歩行が困難となるケースがあります。


運動させる場合は、飼い主様が犬に合わせて歩くようにしましょう。


ずっと寝たきりになった場合は、体全体にマッサージを行い血流を良くしてあげてください。

⑤:認知症・痴呆で夜鳴き等の問題行動が増えてきた

犬も人と一緒で認知症や痴呆といった症状が発症することがあります。


犬の認知症・痴呆の症状は夜中にいきなり吠えたり遠吠えするケースがあります。また、家中をウロウロ歩き回る俳諧行動も目立つようになります。


15歳前後の犬に認知症や痴呆は発症することが多いですが、先天性だったりストレスや脳の血管障害がある場合にもこのような現象は見受けられることがあります。


そのため、老犬だけでなく若い犬にも発症することがあるので注意しましょう。

老犬介護の具体的なやり方を、6つのシーン別に徹底解説


前述で介護のシーンについて具体的に解説しましたが、実際に介護を行う場合、どのように介護を行えばよいか分からない飼い主様も多いかと思います。


これから解説する内容は、それぞれのシーンに分けて具体的な介護の方法についてお伝えします。


既に介護を行っている飼い主様も、これからの介護に向けて知識を付けて置きたい飼い主様にもご参考ください。

  • 食事の介護
  • トイレの介護
  • 床ずれの介護
  • 散歩・歩行の介護
  • 認知・痴呆の介護
  • お風呂・グルーミングの介護

①:食事の介護

自分で食事が出来なくなった場合、必ず柔らかいご飯を与えるようにしましょう。


自分でご飯が食べることが出来ないということは、噛む力も衰えているため、硬い食べ物を食べると喉に詰まらせることになります。


そのため、ご飯は以下のような食べ物を与えることをおすすめします。

  • 小粒のドッグフード
  • 半生のドッグフード
  • 介護食といったウェットフード

もし、小粒のドッグフードが無い場合は、普段のドッグフードを水などでふやかしてあげてください。水分も一緒に吸収するため、一石二鳥です。


手作り食の場合は、飲み込みしやすいように出来るだけ食材を細かく刻み、とろみをつけたスープと一緒に与えることで、犬も食に対しての楽しみが出来て嬉しいと感じます。

②:トイレの介護

足腰が弱くなったことで上手くトイレが出来なくなった犬にはおむつがおすすめです。おむつを履かせることで、老化や絨毯が汚れません。


しかし、おむつをすることでストレスが貯まる犬も多いです。そのため、おむつをさせる場合は犬の様子を観察して判断するようにしてください。


また、上手くトイレが出来ない犬にはマッサージすることで上手くトイレが出来る場合があります。


自然におしっこや膀胱におしっこが貯まっている場合、膀胱が位置する下腹部を両手で挟み軽く押すようにしてください。


うまく排便ができない場合は、オリーブ油などをつけた綿棒を少し肛門に入れて、小さく回し、排便を促すようにしてください。


また、腸を「の」の字を描いて優しくマッサージすることも効果的です。

③:床ずれの介護

犬も人間と同じで、寝たきりの状態になると床ずれが発生します。


皮膚が部分的に長時間、圧迫される状態になると、栄養が体に届かないため血流が悪くなり、筋肉や皮膚、皮下組織などが壊死する状態となります。

また、出血や感染を起こしやすくなり、全身に悪影響があります。


そのため、床ずれを起こさないよう、小まめに体勢を変えるようにしましょう。高反発のベッドなどで寝かせ、体への負担を軽減させることも対策の1つです。


床に触れやすい部分は円座のようなクッションや包帯を巻いてあげるなどの工夫もしてみましょう。


床ずれは体を悪化させる進行がとても早いです。

もし、床ずれが発生している場合は、動物病院へ行き診てもらいましょう。

④:散歩・歩行の介護

老犬や歩行が難しい病気を患った場合、散歩が難しくなります。ずっと寝たきりでは体に悪影響があるため、犬も散歩がしたい意思があるときは、出来るだけ散歩に行くようにしましょう。


しかし、歩行が難しい犬に対して、普段と同じ首輪での散歩はやめてください。

首を引っ張られる行為は犬にとってとても苦しい行為です。


そのため、犬の体にあったハーネス(補助)を付けて散歩するようにしてください。

ハーネスは体に装着させて体を支えながら散歩させることが可能となります。


今は介護用のハーネスも販売されているため、自分の犬に適したハーネスを選ぶようにしましょう。元々、散歩が大好きな犬にとって、散歩ができるようになった喜びを感じるとストレスも軽減されます。

⑤:認知症・痴呆の介護

犬が認知症・痴呆が発生した場合、遠吠えや夜鳴き、徘徊といった症状が見受けられます。それぞれの症状にあった対策をご紹介します。


遠吠えや夜鳴きの場合

遠吠えや夜鳴きの原因は様々です。昼夜が逆転、ストレス、脳血管障害などがあります。

そのため、犬に朝日を浴びさせたり、犬を撫でながら話しかけてリラックスさせることも効果的です。


足をストレッチやマッサージすることで体の巡りが良くなり、落ち着くため、こちらも併せて試してみてください。


徘徊の場合

円型のサークルを用意し、その中で徘徊させるようにしましょう。

サークルの中であれば物にぶつかる心配もありません。

また、サークルの中にペットシーツを敷くと急な排泄に安心です。


しかし、サークルの中に1日中置いておく場合、もちろんストレスが貯まります。こまめにサークルから出させるようにしましょう。

⑥:お風呂・グルーミングの介護

おむつしていたり介護食を与えていたりすると、体が汚れるため、こまめにお風呂にいれるようにしましょう。


お風呂やグルーミングする場合は、出来るだけ犬にかける負担を最小限にするよう心掛けてください。


体が乾きやすい晴れの日を選び、水はぬるま湯で洗うようにしましょう。


複数の人数で洗うことが望ましいです。

ぬるま湯が入ったボウルの中にシャンプーを混ぜて泡立たせます。


その泡立てた泡をスポンジやタオルなどに付けて優しく洗いましょう。

洗い流す場合は、泡が付いていないスポンジにぬるま湯を浸み込ませて洗ってください。


また、吸水性の高いバスタオルで体を拭くようにしてください。


寝たきりの犬には、シャンプータオルや蒸しタオルなどで優しく拭いてあげましょう。

老犬ケアで必要なものとは?準備しておくべき4つのグッズを紹介


介護の具体的な方法についてご紹介しましたが、実際に何を用意すればいいか分からない飼い主様も多いと思います。


私の実体験ですが、老犬を介護する際、事前に何も勉強や調べたりしなかったので、実際に目の当たりして必要な物を用意することが多くありました。飼っていた犬には本当に申し訳ない気持ちです。


この記事を読んでくださっている飼い主様たち、犬たちには辛い思いをしてほしくないため、今から介護に必要な準備しておくべき介護用品グッズをご紹介します。

  • おむつ
  • クッション、犬用ベッド
  • ハーネス、車椅子
  • 手持ち食器

①:おむつ、ずれないペットシーツ

自分でトイレができない犬や、寝たきりの犬の場合にはおむつを用意しましょう。


おむつを履かせることで、排尿や排便に対応ができます。

しかし、おむつを嫌がる犬には無理に履かせないようにしましょう。逆にストレスが貯まり、体に悪影響があるおそれがあります。


おやつを与えておむつに慣れさせる方法もありますが、難しい場合は、どこでもトイレが出来るようペットシーツを敷きましょう。できればペットシーツがずれないよう、滑り止めの上にペットシーツを敷くことをおすすめします。


また、トイレ後は肛門周りやお腹周りが汚れるため、小まめにウェットティッシュなどで拭き、清潔にケアを行いましょう。


そして、おむつやペットシーツの対策を行っても、上手くいかず床や絨毯に排泄物が落ちることがあります。そのため、アルコール消毒臭い消しスプレーの用意も必需品となります。

②:クッション、犬用ベッド

寝たきりの生活が続くと床ずれが発生するため、クッション型や高反発のベッドを用意してください。又はマットレスも良いでしょう。


高反発は体圧を分散させるため、部分的なストレス(圧迫)軽減されます。

逆に柔らかすぎるベッドは体への負担が大きいため、避けてください。


ベッドのサイズは様々なので犬の体格に合わせたベッドを準備してください。


寝ている時に動いてしまう犬に対しては低反発のベッドが向いていますが、迷う場合は動物病院に相談しましょう。


また、同じ体勢を長時間寝かせることは体に良くないため、小まめに寝返りをさせて体勢を変えてください。


そして、ベッドにベッドカバーや防水カバーも併せて用意しましょう。ご飯の食べ落しやおしっこなどで汚れた場合、洗濯がしやすくなります。

③:ハーネス、車椅子

足腰が弱くなった場合、体を支えてくれるハーネスを準備しましょう。


最近は前足用・後ろ足用のハーネスが販売されています。足が弱っている方のハーネスを準備してください。


また、病気などで前足は元気だけど後ろ足が全く動かない犬には犬用の車椅子を用意してあげると良いでしょう。もちろん、前足用の車椅子もあります。


車椅子があれば犬は自由に走り回ることが出来ます。

しかし、犬の大きさにあった車椅子が必要なため、サイズには注意しましょう。


車椅子の販売もありますが、動物病院でレンタルできるケースもあります。

一度、かかりつけの動物病院に相談してみてください。


寝たきりの犬には犬用のカートバギーに乗せて外の空気を吸わせてあげましょう。

カートで公園まで行き、ハーネスや車椅子で散歩させる方法もあります。

④:持ち手付き・シリコン製の食器

今まで自分でご飯を食べていた犬ですが、首の力や歯、体が衰えた場合、自分でご飯が食べられなくなるため、飼い主様の手からご飯を与えることになります。


毎日、飼い主様の手からご飯を与える場合は、飼い主様が持ちやすい持ち手が付いている食器で与えるといいでしょう。


そして、ご飯を犬に与える場合、口に食器が入るためソフトスプーンシリコン製の食器を扱いましょう。


ちなみに、私が犬を介護していた時は、動物病院から流動食を購入していたのでシリンジでご飯やお水を与えていました。宜しければご参考ください。


また、首の筋力が落ちた犬や消化器官が衰えた犬には、食器台も利用するのも効果的です。食器台を使用することで首や消化器官への負担を軽減させることが可能です。

ペットシッター、老犬ホーム、老犬介護士に相談するのもおすすめ


お仕事をされている飼い主様もいらっしゃるので、毎日一緒にいたいけどずっと犬のそばにいることも出来ないことが多いかと思います。仕事と介護の両立は難しいですよね。


そんな飼い主様を助けるためにペットシッターや老犬ホーム、老犬介護士に相談することをおすすめします。飼い主様も犬も負担が軽減でるよう助けてくれるので、辛くなったら頼るようにしましょう。


ペットシッター、老犬ホーム、老犬介護士について解説します。


ペットシッターとは、飼い主様の自宅でご飯や散歩、犬の世話をする人です。


老犬ホームとは、短期から長期、一定した期間まで犬を預かり、お世話をしてくれる施設です。


老犬介護士とは、高齢犬や体が不自由な犬に対して介護に特化している人です。主に動物病院や老犬ホームなどで働いています。

念のためにペット保険に加入しておくのがおすすめ!

近年加入者が増えていっているペット保険ですが、それでも現在の加入率はペットを飼っている方のおよそ10%程度にしかなりません。


ペットの治療費は全額自己負担となりますので、突然の病気による手術等で数十万円といった高額な費用がいきなり請求されてしまうことも珍しくありません。


しかし大切なペットには最適な治療を余裕を持って受けさせてあげたいですよね


もしもの時、治療費の負担を少しでも軽減し飼い主やペットが治療に専念できるように、前もってペット保険に加入しておくことをおすすめします。


MOFFMEでは「どんな保険に加入すれば良いか分からない」・「入りたい保険がいくつかあるけど、どれが一番良いのか悩む」といった方のために、ペット保険の一括比較サービスを行っております。


ペット保険への加入を検討されている方はぜひ利用してみてください!

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まとめ:老犬の介護はどうすれば良い?

老犬の介護についてのまとめです。

  • トイレが出来ない場合はおむつを履かせるかペットシーツを敷く
  • ご飯を与える場合は柔らかいご飯をソフトスプーンなどで与える
  • 床ずれを回避するために高反発のベッドやクッションに寝かせ、こまめに体勢を変える
  • 散歩をする場合はハーネスや車椅子を利用する
  • 介護で大変な場合は老犬ホームやペットシッターに頼る
犬の介護はいつまで続くか分かりません。介護に「疲れた」「限界」と嘆く日もあると思います。

犬ももちろん辛いですが、同様に飼い主様も辛い思いをします。介護で一番重要なことは無理をしないことであり、飼い主様が笑顔であることが犬にとって一番嬉しいことなのです。

そのためにも辛くてしんどい思いをしたら、ペットシッターを頼ったり老犬ホームに預かりをお願いするなどで工夫しましょう。またアドバイスを貰ったり、話を聞いてもらうことで精神的にも楽になります。

最後まで飼い主様と犬が笑顔で過ごせるよう、今から介護について考えてみませんか?

MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!