内容をまとめると
- 猫が唸る原因は様々だが何らかのストレスを抱えている可能性が高い
- てんかん、歯周病、尿路結石、甲状腺機能亢進症が代表的な病気に挙げられる
- 異変を感じた場合すぐに動物病院に連れて行くことが大切
- 猫の治療費用は全額自己負担になるため、万が一に備えてペット保険への加入がおすすめ
猫が「うー」と唸る理由はなんでしょうか?何もないところで唸ると幽霊でもいるのかと不安になりますよね。またずっと唸る・噛む・暴れる場合に飼い主はどうするのが正解でしょうか。この記事では、猫が唸る際の発情期や痛み、てんかん、ストレス等の原因や対策を徹底解説します。
この記事の目次
目次を閉じる猫が「うー」と唸るのはなぜ?猫の心理や飼い主にできる対策とは
猫の鳴き方には色々な種類がありますが、猫を飼っていると「うー」という唸り声を聞くことも多いですよね。また、唸ったあとに暴れる・噛むというトラブルに発展するケースも珍しくはありません。
さっきまで楽しく遊んでいたのに突然豹変する猫に対して、不思議に思う飼い主さんもいるのではないでしょうか?
そこで、今回「MOFFME」では、猫が唸る心理と唸ったときの対処方法について解説していきます。
- 猫が唸るのはなぜ?唸る猫の6つの心理を徹底解説!
- 猫が唸るのは病気が原因のことも!注意すべき症状・病気を解説!
- 猫が唸るのをやめさせるには?2つの対処法を徹底解説!
- 補足:「うー」と唸る以外にも猫には様々な鳴き声がある!
猫が唸るのはなぜ?唸る猫の6つの心理を徹底解説!
猫が何もないところで突然唸り出すと、「幽霊が見えるの?」と恐怖する飼い主さんも多いはず。
しかし、猫が唸るのは次のような理由があるためです。
- 突然近づいてきた他の猫等に警戒・威嚇している
- 雷やサイレン等何かに対して恐怖を覚えている
- 遊び中におもちゃ・おやつを取られた等で怒りを覚えている
- 引っ越しや多頭飼い等でストレスを感じている
- 発情期
- 痛みを感じる、てんかん等の病気に罹ってしまっている
①:突然近づいてきた他の猫等に警戒・威嚇している
猫は、犬と同じように警戒や威嚇をしているときに唸ります。
猫は縄張り意識が強く、それぞれのテリトリーを持っています。そのテリトリー内に他の猫などが近づくと、警戒して唸ることがあります。
唸り声を無視して近づくと、警戒は攻撃に変わります。暴れる・噛むなどのトラブルは、この警戒のサインを無視したことで起こってしまうのです。
猫が警戒をして唸り声をあげているときには、近付かずにそっと離れるなどの対応を心がけましょう。
②:雷やサイレン等何かに対して恐怖を覚えている
猫は、驚いたり恐怖を感じると唸ることがあります。
雷やサイレンなどの大きな音、地震の揺れや飼い主さんの唐突な動作など、猫が怖がる原因は様々です。猫が何に怯えているのかを観察し、恐怖の対象を取り除いてあげると良いでしょう。
また、対象が自然災害など回避できないものの場合は、安心できる場所やアイテムを用意すると猫を早く落ち着かせることができます。
③:遊び中におもちゃ・おやつを取られた等で怒りを覚えている
猫とおもちゃで遊んでいるときに唸られる飼い主さんも多くいます。
狩猟本能が刺激されて興奮しているケースもありますが、嫌なことをされたときなどに怒りを感じて唸ることがあります。遊びのつもりで猫のおもちゃを奪ったり、おやつを取り上げたりすると怒って唸られてしまうのです。
猫の反応が面白いからとついついやってしまいがちですが、猫からの信頼を失いかねないのでやめておきましょう。
④:引っ越しや多頭飼い等でストレスを感じている
猫は自分の縄張りを大切にするため、引っ越しや多頭飼いなどの環境の変化に強いストレスを感じます。
ストレスがかかると防衛本能が強くなり、唸る・噛むなどの問題行動に発展していきます。また、食欲低下や脱毛、下痢や嘔吐などの症状が出ることもあるため、早急にストレスを軽減させる必要があります。
引っ越しの場合は、新居に慣れるまで狭い部屋で生活させ、慣れたら行動範囲を広げていきます。あまり構いすぎず猫のペースを守ることで、徐々に環境に適応していきます。
多頭飼いによるストレスの場合は、その猫だけのプライベートスペースを作ると良いでしょう。一時的に部屋を分けるなど、なるべく接触をさせない工夫が大切です。
⑤:発情期
避妊していないメスには年に2~3回ほど発情期が訪れます。そして、メス猫のフェロモンに影響されてオスも発情しはじめます。
発情期の猫は、「ウオォォン」という特有の唸り声を出します。とても大きな声で、夜中に鳴き続けることもあり、近所迷惑にならないか不安になる方もいるのではないでしょうか。
発情期には唸り声以外にも、次のような問題行動が増えます。
- トイレ以外でのおしっこ
- スプレーと呼ばれるおしっこを飛ばす行為
- 多頭飼いの場合は、オス同士のケンカが増える
- メスの場合は異常に甘える
⑥:痛みを感じる、てんかん等の病気に罹ってしまっている
猫が唸る理由として、痛みや病気によるものがあります。
痛みを感じている場合は、次のような行動が見られます。
- 体の特定の箇所を触ると唸る・噛む・逃げる
- 体を丸めてじっとしている
- そわそわと落ち着きがない
「触られたくない気分なのかな」と軽く考えるのではなく、普段と違う素振りがないかを注意深く観察してください。
また、てんかん発作の前兆として唸るケースもあります。唸ったあとに全身が痙攣し一時的な意識障害がある場合は、てんかん発作だと考えられます。
てんかん発作はウイルスの感染や脳腫瘍が原因であることが多く、繰り返しやすい病気です。投薬で発作を抑えられるので、早急に動物病院を受診しましょう。
猫が唸るのは病気が原因のことも!注意すべき症状・病気を解説!
猫が唸る原因は、威嚇や怒りなどの感情だけではありません。病気が隠されている可能性もあるため注意が必要です。
- 唸りつつ突然吐く・嘔吐する、苦しそうなのは病気のサインかも
- 猫が唸る際に考えられる病気とは?症状や治療法を徹底解説!
唸りつつ突然吐く・嘔吐する、苦しそうなのは病気のサインかも
猫は、グルーミングで飲み込んだ毛玉を吐くことがあります。そのため、猫の吐き戻しに慣れている飼い主さんは多いのではないでしょうか。
しかし、病気が隠れている吐き方もあるため、猫の様子や嘔吐物をしっかりと確認する必要があります。
吐きながら唸っていたり、苦しそうにしている場合は、病気である可能性が非常に高いです。食道炎や胃腸炎、場合によっては腸閉塞や中毒症状の恐れもあります。
また、脱水症状に陥る危険もあるので、猫が唸りながら吐いているときは早めに動物病院を受診し、適切な処置をしてもらいましょう。
その際は、獣医さんに状態が伝わりやすいように、吐いた回数や時間などを記録してください。
猫が唸る際に考えられる病気とは?症状や治療法を徹底解説!
- 歯肉からの出血
- 口臭
- 歯のぐらつき
- 顔の皮膚に膿が溜まり、穴が開く
- おしっこが少量頻回
- 落ち着きがなくうろうろする
- 尿がキラキラ光る
- 血尿が出る
- 動きが活発になる
- 攻撃性が増す
- 大きな声で鳴く・唸る
- 異常に甘える
- 食欲はあるのに体重が減る
- 多飲多尿
- 下痢・嘔吐
猫が唸るのをやめさせるには?2つの対処法を徹底解説!
ここまで、猫が唸る理由についてお伝えしました。
ちゃんとした理由があるにしても、愛猫に唸れ続けるのは悲しいですよね。また、唸ったあとの攻撃行動に困っている方も少なくはありません。
続いては、猫が唸るのをやめさせるための対処法をご紹介します。
- 猫が唸る場合も基本的には放置・構いすぎないようにする
- 唸る以外に体調不良がみられる場合は動物病院を受診する
猫が唸る場合も基本的には放置・構いすぎないようにする
猫が唸ったときに「怖くないよ」「怒らないで」など、諭すように話しかける飼い主さんは意外に多いです。
しかし、最も効果的な方法は、目を合わさずに猫から離れることです。猫が唸ったときは一旦距離を置き、落ち着くまでそっとしておきましょう。
猫が唸るのは、警戒や威嚇、怒りなどが原因です。猫が不快に思う行動をすぐに中断することで猫の興奮を鎮められます。
また、多頭飼いなどで猫同士が唸り始めた場合は、猫同士を別々の部屋に移動させてください。その際、安易に手を出すと、興奮した猫に噛みつかれる恐れがあるので注意しましょう。棒などを使って誘導すると安全です。
猫にも感情があり、唸る行動にも理由があります。そのため、叱って止めるのは逆効果です。
猫が不快に思う原因を取り除くなど、環境を整えてあげることで唸る回数が減ってきますよ。
唸る以外に体調不良がみられる場合は動物病院を受診する
歯周病・尿路結石症・甲状腺機能亢進症・てんかんなど、猫が唸るときに考えられる病気はいくつもあります。猫が唸った場合には、上記の病気の症状がないかを都度確認すると良いでしょう。
また、明らかな症状がなくとも、
- 落ち着きがない
- 食欲低下
- 元気消失
補足:「うー」と唸る以外にも猫には様々な鳴き声がある!
唸る以外にも猫にはたくさんの鳴き声があります。鳴き声ごとの意味をご紹介しましょう。
【ニャー・ミャー】
私たちがよく聞くこの鳴き方には、ごはんを食べたい・撫でてほしいなど、要求や甘えの意味があります。
【ニャッ】
短い鳴き声は、挨拶や返事を意味しています。また、強い口調で短く鳴くときは、不快であることを伝えています。あまりしつこくしないようにしましょう。
【ウミャウミャ】
餌やおやつが美味しいときに、つい口から洩れてしまう鳴き声です。
【シャー】
怒ったり、威嚇をしているときに出す鳴き声です。興奮している状態なので、手を出すと攻撃されることがあり危険です。
【アーオ】
遠吠えのような鳴き方をする場合は、強い不安を感じています。
【ケケケ・カカカ】
ケケケ・カカカという鳴き方はクラッキングと呼ばれ、狩猟本能が働いているときに出る鳴き声です。獲物が窓の外にいるなど、捕まえたいのに捕まえられないもどかしさを感じたときに多く見られます。
【ゴロゴロ・グルルル】
猫は、幸せを感じたときにゴロゴロ・グルルルとのどを鳴らします。また、甘える際にも出す音なので、のどを鳴らしながら近づいてきたら思いっきり撫でてあげましょう。
まとめ:猫が唸る心理は?原因・理由から対処法まで徹底解説!
猫が唸る理由についてお伝えしました。
改めてこの記事のポイントをまとめます。
- 猫が唸るのは、警戒・威嚇・恐怖・怒り・ストレスなど負の感情が強いため
- 猫が唸ったら、すぐに距離を置いて落ち着かせる
- 猫が唸らずに済む環境を作ることが大切である
- 猫は発情期、痛みや病気などでも唸ることがある
- 猫が唸る病気は、歯周病・尿路結石症・甲状腺機能亢進症・てんかんなどがある
- 唸る以外にも体調不良が見られる場合には、すぐに動物病院を受診する