ペットショップに行くとかわいい子犬や子猫にうっとりしてしまいますよね。ですが、同時に大人になった動物たちはどうなるのか気になる人も多いと思います。そこで今回はペットショップの売れ残り達がどうなるのかや売れ残りをなくすためにできることについて解説します。
この記事の目次
目次を閉じるペットショップの売れ残り問題、売れ残ったペットはどうなるの?
ペットショップには、犬や猫をはじめうさぎハムスターなどの小動物や、インコや魚など色々な種類の動物たちが販売されていますよね。
どの子もかわいくて、皆さんも一度は足を止めたことがあるのではないでしょうか。
しかし、現在のペットショップの販売形態には大きな問題もあります。
それが、「ペットの売れ残り」という事実です。
今回「MOFFME」では
- ペットショップで売れなかった動物がどうなるのか?
- 売れ残りはなぜ起こってしまうのか?その原因を解説
- 動物の売れ残りに対する今後の変化ついて
- ペットショップで売れ残ってしまった子は引き取れる?
について解説していきます。
動物たちに悲しい末路をたどらせないためにも、私たちは売れ残りの動物たちについて知っておく必要があります。
ペットショップの売れ残りはなぜ起こってしまうのか、対処法はないのかなど様々な観点から見ていきましょう。
この記事では、その中でも市場規模の大きい犬と猫に焦点を当ててご紹介していきます。
またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。
ペットショップで売れ残った動物はどうなるか
モデル:ぽんず&みりん
ペットショップで売れ残ってしまった動物たちはいつまでその場にいることができるのでしょうか。
動物たちの行く先を考えたことがありますか?
お店の見栄えやお客さんの選択肢を増やすために、ペットショップにはいつでも多くの動物がいますよね。
しかし、その中で購入にまでいたる動物の割合は低いのが現実なのです。
ここでは
- 子犬や子猫には売れ時がある?何歳頃までが人気なのか
についてご紹介していきます。
子犬や子猫には、形容しがたいほどのかわいらしさがありますよね。
しかし、その一方で売れ時という悲しい期限があることも知っておきましょう。
子犬・子猫の売れ時は何歳?
ペットショップで売られている犬や猫は、子犬や子猫が多いのが一般的ですよね。
では実際、ペットショップで人気がある「売れ時」というのは何ヶ月までだと思いますか?
実は、ペットショップでの犬や猫の売れ時は3か月頃までといわれています。
ペットショップに置かれ始めるのは生まれてから8週(約2カ月)を過ぎたころからですので、いわゆる売れ時と呼ばれる時期はほぼ一カ月しかないことになります。
そして、売れ時以降はセールで価格を下げて販売していきます。
それでも売れ残ってしまった動物については、基本的に元のブリーダーや業者が引き取りという形で別の場所へ移ることになります。
その後の対応は引き取り業者によっても様々で、良心的なところでは引き取り先を探せる場所へ移すこともあるようです。
しかし、悪徳な業者がペットを扱う例も後を絶ちません。
一部ではそのまま保健所へ連れていかれ殺処分になってしまったり、人間用の病気の薬を開発するための実験動物として安い値段で取引されてしまうこともあります。
ただし、一部ネットの知恵袋にあるような、動物園で動物の餌にされてしまうといった悪質な情報は不確かなものですので安易に信じないようにしましょう。
なぜペットショップで売れ残りが起こってしまうのか
モデル:ぽんず&みりん
ペットショップ業界でこんなにも売れ残りが問題になってしまう背景には、どんな事情があるのでしょうか。
普段ペットショップで見ているだけではわからない、動物たちが直面している現実があるのです。
こちらでは
- 供給とのバランス
- 売れる動物に偏りがある
- 売れ時とされる期間の短さ
の3つについて解説していきます。
動物を販売する業者、買い手の事情、販売する店舗の戦略など様々な原因が重なって起きてしまう売れ残り。
現状のままでは、売れ残り悲しい思いをする動物はどんどん増加してしまいます。
売れ残りの理由を知って、ペットショップに置かれる動物たちに対する理解を深めましょう。
ペットショップでの売れ残り理由①:供給過多
私たちが、日頃何気なく眺めているペットショップの動物たち。
どうやって生まれて来ているのか、皆さんはご存知でしょうか。
犬や猫をペットショップで販売できているということは、その動物を繁殖させている業者があるということです。
犬の繁殖業者をブリーダーと言いますが、ペットショップはこのブリーダーから動物を買取っているのです。
この時、ペットショップ側も売れそうな動物を仕入れたい為人気のない子は買ってもらえず最初の売れ残りが発生します。
さらに、数あるブリーダーが繁殖をし続ける為ペットショップとの需要と供給のバランスが悪くなります。
また、ブリーダーは非常に良し悪しが分かれます。
中には劣悪な環境で健康も保てないような動物に繁殖をさせているところもあり、近年では摘発される業者も出てきています。
この供給過多のループを止めるには、ペットショップ自体の販売形態を変えるという方法しかありません。
ペットショップでの売れ残り理由②:かわいい動物だけ売れる
ペットショップに販売されている犬の中でも、好まれるのは見た目が整った犬や人気のある犬種です。
例として、90年代には日本でコーギー(ウェルシュ・コーギー・ペンブローク)ブームが起き一気に販売数が伸びました。
しかしこのようなブームが終わると、次第に人気は他の犬種に移り売れ残りを引き起こしてしまいます。
また、気象の荒い性格や身体が弱いなどの理由で売れ残ってしまう子もいます。
飼いやすさを求めるのは買い手として仕方のないことでもありますが、見た目や性格で選り好むことで売れ残ってしまう動物がいることも忘れないでください。
犬は、必ずしも人間の好む外見や性格で生まれてくるわけではありません。
ペットが見た目や人気だけで選ばれていくという概念も、根本から変えていかない限り売れ残りは無くならないでしょう。
ペットショップでの売れ残り理由③:売れ時が短い
先ほどもご紹介した「売れ時」には、どうせ買うなら小さいうちから飼いたい、小さいほうがかわいいといった買い手側の意見も反映されています。
しかし、このペットショップのシステムが売れ残りという悲しい現実の大きな要因となってしまいます。
ペットは2ヶ月頃から店頭に出すことができますが、売れるピークは3ヶ月頃までです。
売れ時と言われるこの1ヶ月間の間に売れなかった犬や猫は、その後売れ残りとして扱われる運命にあるのです。
月齢が上がるにつれて値引きをされていきますが、半年から一年ほどたつと商品として扱うところはほとんどなくなります。
特に、小型犬に比べ体の大きい大型犬は月齢が上がってからの販売が難しいともいわれています。
このような状況を変えるには、ペットショップで生体を販売するという形態事態を無くす必要があります。
しかし、現在の日本ではそういった考えはまだ浸透しておらず解決には程遠い状態です。
今後のペットショップ売れ残り事情はどうなる?
モデル:ぽんず&みりん
ペットショップでの生体販売をするうえで、店舗側にはある程度の決まりがあります。
その内容はペットショップで独自に決めたルールだけでなく、日本の法律で定められたものも含まれているのをご存じですか?
本来、尊い命である動物たちは人間と同様に法律で守られるべき存在です。
しかし、実情では法律でカバーできない部分がたくさんあるのです。
こちらでは
- 2013年に改正された動物愛護法は動物にとって十分か?
について解説します。
行く先のない動物たちの運命を左右する動物愛護法の法律。
この法律で、ペットショップの動物たちを守ることはできるのでしょうか。
2013年に改正された動物愛護法の改正部分を参考に、今後の売れ残り事情がどうなっていくのか考察してみましょう。
2013年の動物愛護法改正でも不十分?
2013年には、動物愛護法の改正が行われました。
大きく変わった部分もあったので、動物好きの方は知っている方もいますよね。
その中でも特に大きな変更があったのが「動物取扱業者」に対する内容です。
動物取扱業者にはペットショップやブリーダーも含まれ、ここで動物業界にも変化がありました。
ではこの動物保護法の改正によって、売れ残りに直接関係するような事項はあったのかを見ていきましょう。
改正された中で、一番ペットショップの販売形態に影響したのは以下のような内容です。
“改正動物愛護管理法では、生後56日を経過しない犬及び猫の販売、販売のための引渡し・展示が禁止されました。
ただし、制度を円滑に施行し、全ての犬猫等販売業者に遵守していただくため、改正動物愛護管理法の施行時(平成25年9月1日)から3年間は、生後45日を経過しない犬及び猫の販売等が禁止されます。”
この法律により、幼すぎる犬や猫が販売される事態は回避することができるようになりました。
そのほか対面販売の義務化や無登録での販売行為の厳罰化、生体の現状報告の義務化などが追加されました。
しかし改正が行われても、売れ残りの対策になるような法律はまだ生まれていません。
動物愛護法については現在も法改正が求められていますので、今後に期待しましょう。
売れ残りペットを引き取る3つの方法
モデル:ぽんず&みりん
ペットショップでの売れ残りになってしまった犬や猫は、業者に引き取られる以外に行く先はないのでしょうか。
できることなら、幸せな申請を全うしてほしいですよね。
実は、私たちでも行き場のない動物たちを助けられるシステムがいくつかありますので見ていきましょう。
ここからは
- ペットショップに出向く
- 譲渡会に参加する
- 公式サイトを確認
についてご紹介していきます。
現在、保護犬や保護猫に新しい家族を見つけてあげようという活動は増加傾向にあります。
その譲渡対象に売れ残りのペットたちがいるという事実は変わりませんが、それでも少しずつこういった活動が増加していけば何かが変わるきっかけになります。
皆さんもぜひ参考にしてみてください。
売れ残りペットを引き取る方法①:ペットショップ
シンプルですが、こちらはペットショップにいき売れ残ってしまっている子に目を向けるという方法です。
売れ残りとして値下げされている子は、ほとんどの場合外のケージに出され値段も下がっています。
ペットショップで小さい子から選ばず、売れ残りの子に手を差し伸べてあげることが一つの命を救うことになるのです。
しかし、長い間ペットショップでの暮らししかしてこなかった犬や猫はしつけが難しいのも事実です。
購入の際には、ペットショップの販売員に性格やその子に合った飼育方法をよく確認しておくようにしましょう。
家族に迎えると決めたからには、根気よく付き合っていく覚悟も大切です。
売れ残りペットを引き取る②:譲渡会
譲渡会とは、行き場のなくしたペットたちと新しい家族の面会式の会です。
愛護センターや保健所が行っているものから、小規模の各保護団体が行っているものなどがあります。
このペットの中には、飼育放棄されてしまった子や保護された子に加え、表記はされませんが売れ残りで保健所などにいる子など経歴は様々です。
譲渡会の活動は全国で行われていて、その施設で行われるものや決まった頭数ではあるもののその場まで犬や猫が出張してくるパターンもあります。
里親になるには比較的厳しい引き取り条件が設定されていて、動物たちが二度と悲しい思いをしないようにと配慮されています。
会場によっては定員が決まっている場合もありますので、出向く際は事前に確認しましょう。
引き取りたいという人には無料で譲渡してくれることがほとんどですが、その後の検査や初期費用などはすべて自己負担になりますのでその点も覚えておきましょう。
売れ残りペットを引き取る③:公式サイト
保護犬の譲渡が増加傾向にある今、ペットショップも新たに譲渡のシステムを取り入れるところが出てきました。
そういった活動をしているペットショップでは、公式ページで動物の写真や経歴などを事前に確認することができます。
代表的なペットショップの例として、クーアンドリクやイオンペットといった会社が参入しています。
クーアンドリクでは、ペットが在籍している店舗が決まっていてネットで検索することができます。
北海道から沖縄まで全国にあり、東京や大阪などの中心地には頭数も多い傾向にあるようです。
また、コメリやイオンなどの店舗に入っていることもありますのでご自宅の近くの店舗を探してみましょう。
イオンペットでは、LIFEHOUSEという独自の施設を設けていて気になるこの元へ会いに行くという手筈です。
現在この店舗があるのは東京、千葉、埼玉、茨城、愛知、大阪、兵庫、福岡です。
まだ全国にあるわけではないですが、審査や講習会までしっかし行ってくれるシステムですので安心です。
まとめ:動物は『商品』ではなく、『家族』
- ペットショップで売れ残ってしまった動物たちの行く末とは
- 売れ残りが起こってしまうには原因がある?
- ペットの売れ残りは今後変わっていく?
- 売れ残ってしまった動物たちと家族になる方法