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子犬を飼い始めたけど餌をふやかすのはどうすれば良いのかわからない。。。そんな悩みを抱える飼い主さんもいると思います。食事は犬の健康を支えるとても大事な習慣です。この記事では子犬を飼い始めた方向けに餌をふやかす方法など正しい知識を紹介していきます。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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子犬の『餌をふやかす』のはいつまで?子犬の餌に関する情報を紹介

「子犬にはカリカリフードをそのまま与えちゃダメって本当?」

「子犬に与えるふやかしってなに?どうやって作るの?」


上記のような疑問を抱いている新米飼い主さんは、きっと多いでしょう。


まだ幼いワンちゃんの消化不良を効果的に防止できる「ふやかし」は、カリカリのドッグフードに水分を加え、ウェットフード状にしたもの。


子犬に欠かせないだけでなく他のワンちゃんにも臨機応変に使える食餌ですので、ぜひ作り方をマスターしたいものですね。


今回「MOFFME」では、「ふやかし」について徹底解説します。

  • ふやかした餌が必要なのはどんな犬?
  • 餌をふやかすメリットを紹介
  • 餌をふやかすデメリットを紹介
  • 餌をふやかす際の注意点を解説
  • 子犬の餌の回数や量を解説
  • まとめ:3-4ヶ月を超えたら子犬の餌はドライフードにしよう
ぜひ最後までご覧くださいね!

ふやかした餌が必要なのはどんな犬?


ふやかしが必要にあるワンちゃんは、実は子犬だけではありません。


そもそもふやかしは、消化不良などの不調を起こしているワンちゃんのための食事。


成犬であっても消化に異常がある子には、ふやかしが必要なこともあるんですよ。


ここでは、ふやかしが必要なワンちゃんはどんな子かを紹介します。

  • 餌をふやかす① 生後3ヶ月
  • 餌をふやかす② シニア犬
  • 餌をふやかす③ 肥満犬
ご自身のワンちゃんが上記の3項目に該当する場合は、ふやかしを作ることも検討してみてくださいね。

以下では、各項目を徹底解説します。

餌をふやかす① 生後3ヶ月

まだ幼い子犬期のワンちゃんの中でも、生後3か月での子にはふやかしが必須!


ふやかしを子犬に与えるべき理由は、主に4つあります。


【ふやかしを子犬に与える理由4つ】

  • 未発達な子犬の消化器官を助けるため
  • ドッグフードが子犬の喉に詰まらないようにするため
  • 歯のまだ弱い子犬に柔らかい食事を与えるため
  • ドッグフードの風味を引き立て食いつきをよくするため

ふやかしを子犬に与えるべきなのは、生後3ヶ月まで。


その後は歯の発育を促すためにも、ドライフードを積極的に与えるようにしましょう。


愛犬が大きくなり、顎や歯が発達して固いものを食べられるようになったら、ふやかしごはんからの卒業は近いです。


子犬期のふやかしは、あくまで年齢と共に卒業するものだと心得てくださいね。

餌をふやかす② シニア犬

歯や歯茎が衰え、硬いものを食べるのが苦痛になったシニア犬にも、ふやかしを与えるべきです。


ふやかしは子犬期にのみ使われる食事法ではなく、高齢犬の介護食としても利用可能。


以下の状態にご家庭のワンちゃんが陥っているなら、ふやかしフード生活を始めるがおすすめですよ。


【ふやかしフードを与えたい高齢犬の特徴4つ】

  • 食欲が低下している
  • 歯や歯茎が弱りご飯を食べられない
  • 消化器官が弱り軟便・便秘を繰り返す
  • 飲み込む力が弱くなり吐き出し・むせが増加した
シニア犬の歯茎の状態や食欲などは、個体により大きな差があります。

しかし、どの犬種でもシニアフードを与えるような年齢になってきたら、食欲や体の機能低下に着目した方がよいでしょう。

あなたの愛犬がフードを食べにくそうにしていたら、ふやかしを与えるべき時期に迫ってきているかもしれませんよ。

餌をふやかす③ 肥満犬

実はふやかしには、肥満犬のダイエットを促進する効果もあります。


ふやかしたドッグフードは、水の分だけかさが増えます。


その結果、以下のような肥満解消のためのメリットを得られるようになっちゃうんです!


【肥満犬にふやかしが効果的な理由3つ】

  • かさが水分で増え同カロリーなのに高い満足感が得られる
  • 消化がゆっくりになり腹持ちを良くできる
  • 水分で代謝が上がりダイエット効果を得られる
ドッグフードを意図的に減らし、ふやかしてかさ増しをすれば、ダイエットの補助食が簡単にできてしまうというわけですね。

無理矢理ドッグフードの量を減らしてダイエットをしようとすると、基本的に犬はストレスを感じます。

カロリーそのままで食事量を変更せず、腹持ちも良いふやかしは、ダイエットにうってつけだといえるでしょう。

餌をふやかすメリットを紹介

「そもそもふやかしってなんのために与えるの?」

「ふやかしを与えると、ワンちゃんにどんなメリットがあるのか知りたい」


上記のような疑問を抱く飼い主さんのために、ここでは餌をふやかすメリットを紹介します。

  • 餌をふやかすメリット:消化吸収が良い
  • 餌をふやかすメリット:喉に詰まらない
  • 餌をふやかすメリット:水分補給できる
  • 餌をふやかすメリット:胃捻転を防ぐ
餌をふやかすと得られるメリットはさまざま。中には、愛犬の命を守るような、非常に大きなメリットもありますよ。

以下では各メリットを徹底解説するので、愛犬にふやかしのメリットを享受させたい方はぜひご覧くださいね。

餌をふやかすメリット:消化吸収が良い

ふやかしはドライフードと違い、愛犬の消化効率が良くお腹を壊しにくいごはんです。


柔らかい食事は固い食事と比較して、消化器官の負担がとっても少ない傾向にあります。


消化機能が弱っているワンちゃんや、まだ消化器が未発達な子犬には、ふやかしがうってつけ!


下痢や便秘、消化不全などのトラブルを心配せず、おいしいごはんを食べてもらえるようになるんですよ。

餌をふやかすメリット:喉に詰まらない

固いものが喉に詰まると危険なのは、ワンちゃんも人間も同じこと。


幼い子犬や老犬は固いものを喉に詰まらせ窒息したり、食道を傷付けてしまいがちです。


ドライフードからふやかしに変更すれば、そんな悲しい事故が起こる心配はなくなります。


柔らかくふやかしたドッグフードは喉に詰まりにくく、食道を傷付けることもありませんからね。


事故を防ぎ安心してごはんを食べてもらうためにも、ふやかしは必要な食事なのです。

餌をふやかすメリット:水分補給できる

ふやかしは、同時に水分補給もできちゃう優れた食事。


ドライフードでは同時摂取できない水分も、ふやかしなら簡単に取れちゃいます。


お水にはドライフードのうまみもしみ出しているため、水分を積極的に取りたがらない子でも水を飲んでくれやすくなるのも魅力ですね。


なかなか水を補給したがらない子犬・老犬の脱水症状を効果的にふやかしは防止可能。


特に熱中症や脱水症状が起きやすくなる夏場には、ふやかしでの水分補給がとっても役に立ちますよ!

餌をふやかすメリット:胃捻転を防ぐ

大型犬に良く起こりやすい胃捻転を防げるのも、ふやかしの魅力です。


胃捻転とは、胃がねじれてしまう非常に怖い病気。時に愛犬の死因にもなるほど、恐ろしい疾患なんですよ!


胃捻転が起こりやすい以下の犬種は、成犬であったとしてもふやかしを与えた方が安全であるという説もあります。


【胃捻転を起こしやすい犬種】

  • グレートデン
  • ジャーマンシェパード
  • ゴールデンレトリバー
  • ラブラドールレトリバー
  • サモエド
  • ハウンド系の犬種
  • 秋田犬
  • アラスカンマラミュート など
胃捻転の原因は、ドカ食いや一気に水分を取ってしまったときなどに、胃が急激に膨張することです。

これらの犬種に該当する、早食いのワンちゃんが特に胃捻転を起こしやすいのはそのため。

愛犬の早食い・早飲みが気になる方は必要に応じ、愛犬にふやかしを与えるのも検討してみてくださいね。

餌をふやかすデメリットを紹介


「ふやかしにもデメリットってあるの?」

「ふやかしを積極的に与えてはいけない犬はいる?」


ふやかしは特殊な食事。普段与えるドライフードと比較してデメリットもいくつかあります。


ここでは、餌をふやかすデメリットを2つ紹介します。

  • 餌をふやかすデメリット:歯石がつきやすい
  • 餌をふやかすデメリット:顎が弱くなる
ふやかしは主に、歯にトラブルを起こしやすい食事。成犬の健康な歯・顎の発達に、悪影響を及ぼすこともあるのです。


どんなワンちゃんにもふやかしは与えられますが、健康な成犬にはそのままのドッグフードを食べさせた方がいいでしょう。


以下では、各デメリットを徹底解説します。


愛犬にふやかしを与えるべきか迷っている方は、ぜひチェックしてくださいね。

餌をふやかすデメリット:歯石がつきやすい

ドッグフードを柔らかくふやかすと、どうしても歯石が付きやすくなるのがデメリットです。


歯石の原因は、食事の食べのこしなどを餌にする細菌が繁殖した歯垢。


歯垢が石灰化すると固い歯石になり、取り除き処理が非常に困難になってしまいます。


歯石は分厚くなると、虫歯菌が住み着きやすくなる「歯周ポケット」を広げる原因になりがちです。


ふやかしを与える際には必ずワンちゃんのオーラルチェックやケアを徹底し、歯に付いた食べ残しを取り除いて歯周病菌の増殖を防止しましょうね。

餌をふやかすデメリット:顎が弱くなる

固いものを噛むことは、歯を健康に保つだけでなく顎の筋肉を鍛えるのにも役立ちます。


歯や顎が健康なのにふやかしを与えていると、顎が弱くなり将来固いものを食べられなくなる確率が高くなってしまいがち。


噛んで歯や顎を健康に保ちたい成犬には、ふやかしではなく極力固いものを食べさせましょう。


顎が弱り食べ物が食べにくくなったシニア犬や、顎が発達していない生後3か月までの子犬には、ふやかしを与えてもかまいません。


成犬でも歯周病の治療中で歯が弱っているならば、一時的にふやかしを与えてOKです。


しかし、歯周病が完治し固いものを食べられるようになったら、その子のごはんはドライフードに戻してくださいね。

餌をふやかす際の注意点を解説

「ふやかしを作るのにおすすめの方法はあるの?」

「ふやかしを作るのに慣れていない…作る際の注意点を教えて欲しい!」


上記のような思いを抱く飼い主さんは、少なくないでしょう。


ふやかしを作るのが初めての方や、普段作り慣れていない方なら、なおさら悩んじゃいますよね。


悩める飼い主さんたちのために、ここでは愛犬の餌をふやかす際の注意点を徹底解説します。

  • 餌をふやかす注意点① 30〜40度のぬるま湯を使う
  • 餌をふやかす注意点② 作り置きしない
  • 餌をふやかす注意点③ ミネラルウォーターは使わない
3つの注意点を守れば、きっと愛犬のためにおいしいふやかしを作れること間違いなし!

以下では各注意点を徹底解説するので、ふやかし作りに悩んでいる飼い主さんは必見ですよ。

餌をふやかす注意点① 30〜40度のぬるま湯を使う

まず、ふやかしを作る際に重要になるのは、お湯の温度です。


熱湯や冷水では、実はふやかしは上手く作れません!


熱湯を使うとフードの栄養素が破壊され、水を使うと上手くフードがふやけてくれなくなります。


ふやかしを作る際には、30~40℃のぬるま湯を使い、じっくり5~15分ほどかけてご飯を柔らかくするのがおすすめ。


やや固めなら5分、ちょうどいい柔らかさなら10分、ペースト状なら15分ほど放置するとよいでしょう。


愛犬の顎や歯の状態、食欲にやわらかさを合わせつつ、フードの状態を破壊しないお湯の温度は30~40℃。


ぬるま湯を使い、栄養満点で食べやすいふやかしを実現してあげてくださいね。

餌をふやかす注意点② 作り置きしない

ふやかしをたくさん作り過ぎちゃった…

冷蔵庫で保存してもいい?

ちょっと待って!

ふやかしの作り置きは

絶対NGです。

ふやかしたごはんは

細菌がとても

発生しやすいんですよ。

余ったふやかしご飯を保存するのは、たとえ冷蔵庫内であったとしても絶対にNGです。


水をかけふやかしたドッグフードは、非常に傷みやすい食品に変わります。


ドッグフードの長期保存ができるのは、粒内から水分を取り除いているため。


水分をドッグフードに加えると、たちまち腐りやすくなり最近の温床にもなってしまうんです。


愛犬が食べなかった分のふやかしは冷蔵庫などで保存せず、必ずすぐに処分してください。

餌をふやかす注意点③ ミネラルウォーターは使わない

人間の健康に良いミネラルウォーター。しかし犬にとっては時に有害になると、あなたは知っていましたか?


ミネラルウォーターには、ワンちゃんの尿路結石の原因になりやすいミネラルが多く含まれます。


水を多く含むふやかしにミネラルウォーターを使うと、尿路結石を非常に招きやすくなるのです。


ふやかしを作る際には、必ず水道水を使いましょう。


塩素などの添加物が気になる場合は、一度煮沸させカルキを飛ばしてからお水を使ってくださいね。

子犬の餌の回数や量を解説

「ふやかしを与える予定のうちの子、子犬なんだけど餌の量をどうするべき?」

「子犬のご飯って何回食べさせたらいいんだろう…」


そうお悩みの子犬の新米パパ・ママはたくさんいるのではないでしょうか?


ワンちゃんを初めて子犬から育てる方は、特に餌に関する不安でいっぱいのことでしょう。


ここでは、そんな皆さんのために子犬の餌の回数や量について徹底解説します。

  • 子犬のご飯の回数は?
  • 子犬のご飯の量は?
給餌の回数や量をしっかり説明するので、以下から始まる解説をじっくり読んでくださいね。

子犬のご飯の回数は?

子犬のご飯の回数や質は、時期によって大きく変動します。


小型犬・中型犬・大型犬の区分けや犬種によっても、回数は左右しがちです。


以下にライフステージ・犬種別の給餌回数の目安をまとめたので、飼い主さんはぜひ判断の参考にしてみてくださいね。


【ライフステージ・犬種別の子犬への給餌回数】

犬種生後3ヶ月まで生後4ヶ月まで生後6ヶ月以降成犬
小型犬5回3~5回2回1~2回
(生後8~10ヶ月以降)
中型犬5回2回2回
1~2回
(生後12ヶ月以降)
大型犬5回3回2回
1~2回
(生後15ヶ月以降)
素早く大人になる小型犬は、若いうちの食事回数が多くなりがち。

たくさん食べて素早く成長し、生後8~10ヶ月で成犬になるので、生後3ヶ月以降の成長期にごはんをしっかり食べさせましょう。

一方の大型犬は、ゆっくりじっくり時間をかけて成犬になります。

成犬になるまでの間は食事管理をじっくり徹底し、健康な体を長期的に育てるようにしてください。

子犬のご飯の量は?

子犬に必要な食事の量は、以下の要素で左右されます。


【子犬に必要な食事量を左右する要素】

  • フードの種類
  • 子犬期のライフステージ
  • 運動量の増減
  • 犬種
  • 体格の個体差 など
フードの裏面には、子犬に与えるフードの目安や、100gあたりの総カロリーなどが記載されています。

フード裏に書かれた情報を元に、あなたのワンちゃんに与える食事量を調整しましょう。

生後3ヶ月以降の子犬は、たくさんの栄養素を必要とする「成長期」に入ります。

フードを与える量は必然的に増えるため、栄養価の高いパピー用フードをたっぷり食べさせてあげましょう。

子ども期に栄養価の高い食事をたっぷり摂らせておけば、将来身体の頑丈な子に育ちやすくなります。

愛犬の将来をよりよいものにするためにも、食事の内容や給餌量は様子を見ながら慎重に決めましょうね。

まとめ:3-4ヶ月を超えたら子犬の餌はドライフードにしよう

いかがだったでしょうか。


この記事のまとめは、以下の通りです。

  • ふやかしは子犬・シニア・太り過ぎの愛犬におすすめ
  • 生後3か月での子犬にはふやかしが必須!
  • ふやかしは高齢犬の介護食としても利用可能
  • ふやかしには、肥満犬のダイエットを促進する効果もある
  • ふやかしのメリットは、消化吸収が良い・喉に詰まらない・水分補給できる・胃捻転を防ぐ、の4つ
  • ふやかしのデメリットは歯石がつきやすい・顎が弱くなる、の2つ
  • 作る際には30〜40度のぬるま湯を使おう
  • 作り置きは絶対にNG!
  • ミネラルウォーターは使わず水道水でふやかしを作ろう
  • 子犬の食事回数・給餌量はさまざまな要素で決定される
ふやかしは子犬の食事・介護食・ダイエット食などに使える便利な食事。

しかし、子犬の場合噛む力を鍛えられなくなるデメリットもあります。

様子を見つつ生後3~4ヶ月ごろを目安に、ふやかしを卒業させる判断をしましょうね。

MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関するおすすめ記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!