【獣医師監修】犬の狂犬病とは?原因や症状、予防法、ワクチン注射と登録方法を解説のサムネイル画像

犬の狂犬病をご存知ですか?感染するとどうなるか気になりますよね。日本ではほとんど見られない病気ですが、毎年のワクチン予防接種と登録が必要になる病気です。この記事では犬の狂犬病について、原因や症状と予防法、義務であるワクチン接種と副作用等を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬の狂犬病とは?ワクチン注射と副作用についても解説!

記事モデル:Bowser


現在、日本で犬を飼育する場合、飼い主は愛犬に狂犬病ワクチンの接種を受けさせることが義務付けられています。


「動物病院で言われたし、決まりだからなんとなく毎年打っている・・」という飼い主さんも多いのではないでしょうか。


大切な愛犬に接種するワクチンですから、その効果や副作用をきちんと知っておきましょう。今回「MOFFME」では狂犬病とワクチンについて詳しく解説していきます。


この記事を読めばきっと狂犬病ワクチンへの理解が深まるはずです。


またMOFFMEではペット保険のランキングについても紹介しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

  • 狂犬病ってどんな病気?その特徴や原因、症状は?
  • 犬の狂犬病の治療法と狂犬病にかからない為の予防法!
  • 狂犬病ワクチンの副作用と費用、登録の手続き方法は?
  • もしもに備えた安心のペット保険!
  • 狂犬病ワクチンは必ず接種しよう!

犬の狂犬病とは?特徴や原因、症状を詳しく解説!

             

狂犬病は犬だけの病気ではありません。人間・犬・猫・キツネなど哺乳類である動物は全て感染する恐れがあります。


犬の狂犬病の特徴や原因、感染した場合に起こる症状についての詳しく説明します。

  • 犬の狂犬病ってどんな病気?特徴や診断方法について
  • 犬の狂犬病の原因はなに?狂犬病の感染経路とは
  • 犬が狂犬病に感染したときの症状について
  • もし人間が感染してしまったらどんな症状が出るのか

犬の狂犬病とは?どんな病気なのか、特徴や診断方法等を解説!

日本は狂犬病の発生は昭和32年(1957年)の猫を最後に発症はありません。現在の日本は狂犬病の発生がない国なのです。

しかし、狂犬病が発生していない国は日本の他に英国、オーストラリア、ニュージーランドなどの一部の国のみです。

つまり、狂犬病というのは現在全世界で感染の可能性がある病気なのです。

世界では年間におおよそ5万5千人の人が狂犬病で亡くなっていると言われています。狂犬病に感染し発症すると、死亡率はほぼ100%です

感染すると助かる見込みは限りなく0に近い恐ろしい病気であることが特徴です。

診断は死亡した後に解剖され脳ウイルスを検査します。現在の医療では残念ながら生前検査はほぼ不可能とされています。

犬の狂犬病の原因とは?狂犬病ウイルスの感染経路も解説!

狂犬病はラブドウイルスという菌が原因で発症します。


感染経路は狂犬病のウイルスを持った動物に噛まれたり舐められることで傷口から唾液に含まれた狂犬病ウイルスが体内に侵入し感染します。


狂犬病には潜伏期間があり、犬の場合は1~6週間程度です。また、非常に稀ですが気道粘膜感染もあると言われています。


世界で狂犬病の感染源になる恐れが高い動物を表でまとめると次の通りです。

国・地域感染経路になりやすい動物
アジア犬・猫
アフリカ犬・猫
アメリカキツネ・アライグマ・スカンク・コウモリ・犬・猫
ヨーロッパキツネ・アライグマ・スカンク・コウモリ・犬・猫
中南米犬・猫・コウモリ・マングース

特にアジアでは狂犬病の発生が多いとされています


参考:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html

犬の狂犬病の症状は?嘔吐や下痢、凶暴化等の症状を解説!

狂犬病の症状には嘔吐や下痢などの症状が現れることは少ないです。狂犬病発症後の症状には、主に狂騒型麻痺型の2タイプがあります。

狂騒型は、徘徊や壁に自らぶつかるような異常行動に始まり、激しい興奮状態に陥り他者や物に対して攻撃的になったり、精神錯乱状態になるというのが特徴です。

一方、麻痺型の場合は後半身から前半身に麻痺が拡がり、排泄が困難になったり、食事や水分が取れなくなります。

狂犬病に感染する犬のほとんどは狂騒型の症状が出ると言われています。
最終的には大量のよだれが出たり、筋肉が麻痺し昏睡状態になった後に死亡します。

発症から死亡するまでの期間、犬はとても辛い症状に苦しみながら絶命することになるのです。

補足:犬の狂犬病は人間にも感染する?症状はどうなるのか

狂犬病は人間にも感染する病気です。

人間への感染原因の経路になっている一番の動物は犬です。


野良犬からだけでなく、飼い犬が狂犬病に感染し飼い主や家族へと感染する例も多くあるのです。


人間が狂犬病に感染した場合、次のような症状が見られます。

  • 強い不安感
  • 錯乱(一時的)
  • 水を見ると首の筋肉が痙攣する(恐水症)
  • 風が吹くと首の筋肉が痙攣する(恐風症)
  • 高熱
  • 麻痺
  • 運動失調
  • 全身痙攣
  • 呼吸障害

人間の場合、潜伏期間は1か月~3か月程度です。中には1~2年の潜伏期間を経て発症したという例もあります。


死亡率の例外はなく、発症すれば人間もほぼ100%の確率で死亡します。狂犬病が人から人へ感染することはありませんが大変恐ろしい病気です。

犬の狂犬病の治療法や予防法とは?

  

これまでの内容から狂犬病が非常に恐ろしい病気であるということは十分伝わったかと思います。では、実際に狂犬病の治療法はあるのでしょうか。


また、大切な愛犬や家族を狂犬病から守る為の予防法にはどのようなものがあるのでしょうか。飼い主の責任として狂犬病についての正し知識を身につけましょう。


狂犬病の治療法と予防法について解説します。

  • 狂犬病の治療法は?感染後の余命はどれくらい?
  • 犬の狂犬病は予防できる?ワクチンの費用と副作用を紹介

犬の狂犬病の治療法は?感染した後の余命も紹介!

現在、犬の狂犬病に有効な治療法はありません。これが狂犬病の最も恐ろしい点ではないでしょうか。犬が狂犬病に感染すると発症してから死亡するまでは1週間程度です。

効果的な治療法や助ける方法がないため、犬の場合は狂犬病に感染したことが明らかになったら安楽死となります。

また、人間が感染した疑いのある場合は噛まれた直後から暴露後ワクチンを連続して接種することで発症を抑えることができます。

ただし発症してからでは暴露後ワクチンの効果はありません。人間も狂犬病を発症すると余命は犬と同じく1週間程度です。

日本国内で狂犬病に感染する可能性は極めて低いですが、海外旅行先などでは注意が必要です。感染の疑いがある場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。

犬の狂犬病の予防法は?ワクチン接種の値段相場や副作用も紹介!

犬の狂犬病は狂犬病ワクチンを接種することで予防できます。狂犬病ワクチンは動物病院で接種ができます。


また自治体によって集合注射を行っているところもあるので各案内に従って受けに行くとよいでしょう。


狂犬病ワクチンの相場はおよそ3000円~4000円(保険適用外)です。


犬の狂犬病ワクチンの副作用症状。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 発熱
  • 湿疹
  • ムーンフェイス
  • アナフィラキシー

上記の症状が出た場合、すぐに病院を受診しましょう。特にアナフィラキシーは処置が遅れると命に関わります。


因みに人用の狂犬病ワクチンもあるので渡航する予定がある場合は接種しておきましょう。人間の場合は間隔をあけて3回の接種が必要です。


遅くても渡航の1か月前には1回目の接種を済ませましょう。


1回の注射代の相場は13000円~15000円程度(保険適用外)です。高いと感じるかもしれませんが命を守るために渡航前には接種をおすすめします。


また、海外で感染源になる動物との接触は控えましょう。

犬の狂犬病のワクチン接種とは?副作用や値段、登録について解説

      

狂犬病のワクチン接種にかかる費用は注射代だけではありません。各自治体の登録等が必要です。狂犬病のワクチン接種や登録の方法と手順について具体的に解説していきます。

  • 犬の登録の手続きをして鑑札とワクチン接種の証明書をもらう
  • 狂犬病ワクチンはいつから打てばいいの?
  • 散歩をしない室内犬なら狂犬病ワクチンは不要なのか
  • なにかあったとき安心のためのペット保険
  • 狂犬病ワクチンは必ず接種してあげよう

犬の登録方法と手続きは?鑑札やワクチン接種の証明書を解説!

犬の所有者になった飼い主は、犬を取得した日(幼犬については、その犬が生後90日を過ぎた日)から30日以内にお住まいの市町村に登録の申請が必要です。


登録料として3000円費用がかかりますが、この登録は一頭につき生涯有効となります。登録が完了すると犬鑑札が交付されるので首輪につけておきましょう。


狂犬病ワクチンの接種時に動物病院で登録手続きを行ってくれる場合もあるので確認してみるとよいでしょう。


狂犬病のワクチンを接種すると狂犬病予防注射済票注射済票が交付されます。


注射済票交付手数料として毎年550円かかります。狂犬病予防注射済票は大切に保管し、注射済票は犬鑑札と一緒に首輪につけておきましょう。

犬の狂犬病ワクチンはいつ打つ?接種の時期を紹介!

狂犬病予防法に基づき、飼い主は飼い犬の登録と狂犬病ワクチンの接種が義務づけられています。

生後91日を過ぎた犬を迎えた場合は30日以内に狂犬病ワクチンの接種を済ませ、それ以降は年に1度のペースで受けさせましょう。

接種時期は市町村で飼い犬の登録を行うと毎年春ごろに狂犬病ワクチンのお知らせが郵送で届きます。

お知らせが届いたら早めに接種を済ませましょう。4月~6月までに済ませておくのが一般的です。

狂犬病ワクチンは散歩しない室内犬でも打たなきゃダメ?

狂犬病の接種を受けさせること飼い主に義務づけられているため、散歩に行かない犬は打たなくてもよいという例外はありません。


法律により20万以下の罰金刑になる可能性もあります。


ただし、重い病気の治療やワクチンにアレルギーがあるなどの特別な理由がある場合は獣医師判断の基、狂犬病予防接種猶予免除証明書を発行(約3000円)してもらい市町村へ申請することで接種を免除できます。


免除の場合でも毎年申請が必要です。

念のためにペット保険に加入しておくのがおすすめ!


日本は狂犬病撲滅国なので犬同士が喧嘩をして怪我を負っても狂犬病に感染する可能性は全くありません。


狂犬病よりも怪我や体調不良など、他の病気を患ったりすることで動物病院を受診する機会のほうが多いでしょう。


ペットの保険加入は義務ではないため治療費は高額になりがちです。手術で数十万という費用がかかるのも珍しくありません。大切な愛犬には十分な医療を受けさせてあげたいですよね。


もしものとき、治療費用を少しでも軽減し飼い主も愛犬も治療に専念できるように、前もってペット保険に加入しておくのがおすすめです。


MOFFMEでは沢山あるペット保険会社の一括比較サービスや加入者の口コミや評判を紹介しているので迷っている方は是非参考にしてみてください。

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まとめ:犬の狂犬病とは?注射は必ず打たないとダメ!

犬の狂犬病についてまとめました。

  • 犬の狂犬病は感染すると助からない恐ろしい病気である
  • 狂犬病は狂犬病ワクチンで予防できる
  • 副作用がでたらすぐに病院を受診する
  • 飼い犬の登録と狂犬病ワクチンの接種は飼い主の義務
  • ペット保険に加入しておけば治療費も安心
特別な理由がない限り、愛犬は狂犬病のワクチンを必ず打たないといけません。

これまでなんとなく打たせてた・・という方もここまでの記事を読んで狂犬病の恐ろしさをご理解いただけたのではないでしょうか。

日本で発症していないとはいえ絶対に感染しないと安心してはいけません。

飼い犬や自らの命を守るため、あとで後悔しないように狂犬病ワクチンは決まった時期にきちんと接種させましょう。

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