犬の視力はどれくらいなのかご存知ですか?犬の視力は人間と比べて悪いというのは本当なのでしょうか。また暗闇での見え方や色の識別も気になりますよね。この記事では犬の視力について、人間と比較して良い・悪いのかや暗闇での見え方、色の識別、視野の広さを解説します。
この記事の目次
目次を閉じる犬の視力はどれくらい?動体視力や色の識別も人間とどう違うのか
犬は嗅覚の鋭い動物ですが、視力はどれ位良いのか?疑問に思った飼い主さんも多いことでしょう。
犬は人間に飼われる前は、獲物を狩ることで食糧を確保していました。
その名残から、人間に飼われている今も動体視力が優れています。しかし、犬も視力が低下すれば、いろいろと行動に支障が出てきます。
目の病気は視力の低下を引き起こすこともありますので、飼い主さんは愛犬の視力を把握し、眼病の早期発見・早期治療に心がけたいものですよね。
そこで今回「MOFFME」では、「犬の視力・動体視力や色の識別能力、気を付けるべき眼病」について
- 犬の視力はどれ位なのか?
- 色の識別はできているのか?
- 視力が良い犬種とは?
- 犬の眼病の確認方法とそのケア
犬の視力は具体的にどれくらい?視力測定の方法も解説!
飼い主さんがフリスビーを投げ愛犬が口にくわえてナイス・キャッチ。そんな風にして愛犬と野外で遊ぶとき、運動神経はもちろん、その愛犬の動体視力にも感心するはずです。
はたして犬の視力はどの位なのか?気になる飼い主さんも多いはずです。
こちらでは、
- 犬の視力はどれ位あるのか?
- 犬が近視の理由
- 犬の視力検査方法
犬の視力はどれくらい?人間と比較して良い・悪いのか
どんなに健康な子犬・成犬であっても、犬の目はピントを合わせる能力が弱いと言われています。人間でたとえれば「近視」というわけです。
犬の視力は人間の視力でいうところの0.3未満です。そのため、2~3m先の物体はハッキリと見えていないようです。
また、犬は遠視気味ともいわれており、70㎝以内と近すぎる物体もぼやけて見えてしまいます。
なぜ犬は近視なのか?どうして目が悪いのか解説!
人間の水晶体の厚さは4mm程度です。一方、犬の水晶体は6.5~7.2mm程度と、人間より2倍ほど分厚い仕組みになっています。
物体にピントを合わせる場合、水晶体の厚さを調節しなければいけません。この水晶体が厚いなら、余計ピントを合わせるには苦労することでしょう。
それに加え、犬はピントを合わせる時に使う目の筋肉も人間より弱いです。そのため、犬の眼はどうしても近視のような状態となるのです。
犬の視力はどうやって測る?視力の検査方法を解説!
愛犬は、自分の見え方を言葉で伝えることができません。物体が正常に見えているかどうかをチェックするには、動物病院での検査が欠かせません。
動物病院では眼圧を測るための眼圧計、角膜からレンズ、硝子体までを診るスリットランプ、眼底を診るための眼底鏡・眼底カメラ、網膜が光を捉えているかを診断する網膜電位図、眼の中の構造を把握するエコー等、様々な医療機器で判断します。
愛犬の眼の精密な検査ができる動物病院は限られてきます。専門性の高い眼の検査・手術のできる動物病院はホームページ等で、その内容を明示しています。愛犬の眼の検査をしたい際は参考にしてみましょう。
犬は色の識別はできるのか?犬の色の見え方を解説!
犬が色を識別する能力は人間に比べてかなり低いと言えます。そもそも色を識別する細胞は網膜にある「錐体細胞」という部分が影響します。
錐体細胞の種類は人では3種類ありますが、犬は2種類しかありません。
そのため、赤⇒暗いグレー、緑・黄色・オレンジ⇒黄色っぽい色、紫・青⇒青っぽい色という見え方をしているようです。
飼い主さんは、愛犬の色の見え方が人間と大きく異なることを知っておくと良いでしょう。
犬の視力で、人間と比較して優れているところとは?
犬は近視でかつ遠視の傾向もあり、色を識別する能力は人間に比べてかなり低いわけですが、犬の「視る」能力は人間よりも優れている部分が少なからずあります。
こちらでは
- 犬の動体視力は非常に優れている
- 犬の視野はかなり広い
- 暗い場所でも良く見える
犬は動体視力に優れている!
前述したように犬は遠くの物体へピントを合わせるのが苦手です。しかし、動く物体を追う動体視力は人間よりもはるかに上です。
犬は犬種によっては800m以上離れた動く標的も見分けられると言われており、牧羊犬ならば1.5㎞先の人間の動きも見える場合があるそうです。
大昔に犬が狩りをしていた際、獲物または天敵の早期発見をする場合には、確かに遠くまで良く見えた方が有利です。犬は進化の過程で優れた動体視力を身につけたのです。
犬の視野は人間よりも広い!
犬の視野角度も人間より断然優れています。人間は約180度見渡せますが、犬は250度と広いです。
鋭い嗅覚と、その優れた視野角度で広範囲を見渡せるため、動く存在をすぐに察知することができ、獲物を狩ったり逃走したりする行動がとりやすくなります。
この視野の広さも、厳しい生存競争に勝ち抜くためには、やはり必要不可欠の能力だったのです。
犬は暗い場所では人間よりも優れた視力を発揮する!
犬はもともと猫と同様に夜行性の生き物でした。そのため犬は「夜目」がきき、人間より暗い場所での行動はとりやすいです。
犬の網膜の裏側に、人間には無い反射板があって、わずかな光でも反射して増幅させることが可能です。
愛犬の写真を撮った際、愛犬の目が光って写っているのは、網膜の裏にある反射板が原因なのです。
夜目がきくことで天敵に襲われた際も、速やかに逃げられるよう進化の過程で会得した能力と言えます。
犬の視力は犬種によって違う?視力が良い犬種とは
犬は動体視力に優れていますが、視力が特に良い犬種は次の通りです。
- イタリアングレーハウンド:ウサギ等の小動物を狩るため作出された狩猟犬種。俊足でスタイルが良いため、かつてヨーロッパでは貴族のみが飼育・所持を許された特別な犬。
- サルーキ:狩猟犬の一犬種で、飼育犬の中で最も古い犬種と言われている。容姿の美しさ、スピード、忍耐力において広く賞賛されている。
犬の視力が低下した際どうする?犬の視力は回復するのか
犬が人間に飼われるようになると、獲物を探す手間も天敵から襲われるリスクも無くなりました。
とはいえ、犬の視力低下が激しく失明ともなれば、やはり深刻な事態と言えます。飼い主さんが早めに愛犬の眼の異常へ気付き、早期に治療を行うことが必要です。
こちらでは、
- 愛犬の視力低下の原因とは?
- 自宅でできる愛犬の視力低下の確認方法
- 犬の視力が低下した場合の対処法
犬の視力低下の原因は?高齢やストレス、白内障等が考えられる
愛犬も当然、年を取っていきます。シニア犬ともなれば動体視力も若い時ほど機能せず、次第に衰えていきます。
愛犬の視力が低下する原因の1つとして、「白内障」があげられます。愛犬の目が白っぽくなっていることに気づいたころには、症状がかなり進行している場合もあります。高齢犬に多くみられので注意が必要です。
また、糖尿病に伴う網膜剥離、緑内障等で視力の低下している症例があるので、動物病院で検査することが必要です。
犬の視力低下を確認するには?視力が低下した際の症状とは
- 室内の家具の配置を変える
- 通路に障害物を置く
犬の視力が低下したらどうする?犬は視力低下に適応できるのか
愛犬の視力が低下したら、飼い主さんは次のような対応をとりましょう。
安全に配慮し寄り添う
シニア犬となり視力が自然に低下していったのなら、飼い主さんも愛犬に合わせて、いろいろと工夫することが大切です。犬は目が見えていたころの家具の位置やお散歩コースなどを覚えていますし、嗅覚や聴覚などを駆使することができますが、例えば室内の段差や障害物を減らしたり、家具の配置換えを控えたりして、愛犬がぶつかってケガをしないよう心がけると良いでしょう。
動物病院で治療をする
- 内科治療:点眼や内服薬等を使用。主に白内障の進行を遅らせることが目的。ただし、内科治療だけでは一度失われた視力を取り戻すことは不可能。
- 外科治療:眼科専門の病院で外科手術を行う。愛犬の網膜等の機能が正常である場合は手術可能。人工の眼内レンズを目に入れて治療する。
- 犬種:ボストン・テリア(3歳)
- 入院:6日
項目 | 金額 |
---|---|
診察 | 500円 |
検査 | 20,200円 |
全身麻酔 | 10,000円 |
白内障手術 | 260,000円 |
処置 | 5,800円 |
注射 | 3,500円 |
入院 | 18,960円(6日分) |
処方 | 2,500円 |
合計 | 321,460円 |
もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!
前述したように犬の視力は手術で回復できる可能性があります。ただし、かかる治療費は飼い主さんの全額自己負担となってしまいます。この様な事態に備え、ペット保険に加入しておくのが良い方法です。
ペット保険は、かかった治療費を補償割合(例:5割補償・7割補償・10割補償)に応じて賄うことができます。補償割合が大きくなれば、その分保険料は高くなります。
MOFFMEでは、一括比較サービスやペット保険に関する記事を取り扱っているので、是非参考にしてみましょう。
まとめ:犬の視力はどれくらい?
犬の視力・動体視力や色の識別能力、気を付けるべき眼病について解説してきましたが、いかがでしたか。
今回は
- どんなに健康な子犬・成犬であっても、人間でたとえれば「近視」の状態である
- 犬が色を識別する能力は人間に比べてかなり低い
- ただし、犬は動体視力に優れ、視野も人間より広い
- 犬も老衰や白内障等で視力が低下する
- 犬の視力が低下したら、飼い主さんは安全に配慮し寄り添うことが大切