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猫の多飲多尿についてご存知ですか?甲状腺機能亢進症や慢性腎不全、糖尿病等の病気を原因に起こります。治療は食事療法等原因の病気によって変わります。また嘔吐や下痢、体重減少がある際は注意が必要です。この記事では猫の多飲多尿について、原因から予防法まで解説します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫の多飲多尿とは?嘔吐や体重減少の症状がある際は要注意!

飼い猫が、近頃水をたくさん飲んでいると感じたら、注意深く様子をみてみましょう。


おしっこの量も増えていませんか?

嘔吐や体重減少などはありませんか?


もし水を多く欲し、尿の量が多い場合「多飲多尿」かもしれません。


猫の多飲多尿は、大きな病気の初期症状の場合があります。

嘔吐や下痢の症状が出ている場合は、体内で病気が進行していることもあります。


そこで今回「MOFFME」では、

  • 猫の多飲多尿とは
  • 多飲多尿の原因となる病気
  • 多飲多尿の検査・治療方法
  • 猫が飲む正常な水の量・尿の量はどのくらい?
  • 多飲多尿になりやすい猫

について解説します。


飼っている猫の飲み水の量が最近多い気がする・・・もしかして病気?

と心配になったとき、不安になりますよね。


この記事を読んでいただければ、多飲多尿の判断ライン、多飲多尿の原因や対処方法を知ることができます。


猫ちゃんの健康を保つには、飼い主の知識が必要です。

ぜひ、最後までご覧ください。


MOFFMEではペット保険のランキングについても紹介しておりますので、そちらもぜひご覧下さい。

猫の多飲多尿は治る?原因や考えられる病気を解説!

猫の飲む水の量や、尿の量が異常に多いことを、「多飲多尿」といいます。


ここからは、以下の通り多飲多尿の原因についておもに解説します。

  • 多飲多尿でも元気なら見過ごしても大丈夫?
  • 多飲多尿の原因はストレス?
  • もしかして腎臓病や糖尿病?

水を多く飲んでいるから、おしっこが多くなっているだけ、と軽く考えてはいけません。


多飲多尿が見られる時、それが異常なレベルであれば病院に連れて行く必要があります。


まずは、どのような様子なら病院に連れて行くべきなのか、また多飲多尿を引き起こしている原因は何なのか、を確認しましょう。

そもそも猫の多飲多尿とは?元気なら異常なしの状態なのか

多飲多尿の症状がでているとき、猫の様子は元気ということもあるでしょう。

暑い日や運動した時には、一時的に飲水の量が増えるのはよくあることです。


元気な場合でも飲んでいる水の量が多いと感じる場合は、1~2日間、飲む水の量を計測しながらおしっこの様子を観察しましょう。

すぐにいつもどおりの様子に戻るなら心配はないでしょう。


ただ、2~3日経過しても水の量やおしっこの量が多い、食欲が低下している、食べているけど痩せてきている、また嘔吐・下痢など別の症状がある場合は必ず病院にいくべきです。

猫の多飲多尿の原因とは?ストレス等の原因を解説!

もともと猫はストレスを抱えやすい動物と言われます。

そのため猫が多飲多尿をおこしているのは、ストレスが起因していることがあります。


精神的に負担がかかる出来事があったならそれにより自律神経を乱し、多飲多尿になっている可能性もあります。

思い当たる場合は、原因の対処から始めてみましょう。


ただストレスの原因を対処しても、多飲多尿が何日も続くようであれば病院で受診することをおすすめします。

猫の多飲多尿を引き起こす病気は?腎臓病や糖尿病を解説!

猫の多飲多尿は、重大な病気の初期症状である可能性もあります。


とくに高齢の猫は腎臓の病気を患いやすいと言われています。

多飲多尿により一番疑われるのは、腎臓の機能が低下する慢性腎臓病です。


慢性腎臓病は、血中老廃物をろ過したり必要な水分の再吸収をしたりする機能が低下します。

そのため尿の量が増えて飲む水の量が増えたり、血中に毒性物質が蓄積し尿毒症を引き起こしたりします。


高齢の猫で多飲多尿の他に、だんだん痩せてきた、嘔吐、口内炎などの症状がみられるときは、慢性腎臓病の可能性が考えられます。


また糖尿病の可能性も考えられます。


糖尿病は、血糖値を下げるインスリンの働きが弱かったり、インスリンに体が反応しなくなったりすることで、血糖値が常に高くなる病気です。


猫の糖尿病も肥満や運動不足などが原因で起きやすくなります。

膵炎から併発して糖尿病になることもあります。


多飲多尿に加え、貧血や食べているのに痩せてきている、毛艶が悪くなったなどの変化は糖尿病の可能性も考えられます。


腎臓病や糖尿病以外の病気では、ホルモン異常による甲状腺機能亢進症高カルシウム血症などの病気も多飲多尿の症状がでることがあります。

猫の多飲多尿の検査方法とは?診断基準を解説!

猫の飲む水の量・尿の量は、どの程度が正常なのかご存知でしょうか?

普段おしっこの量まで意識することがない飼い主さんも多いかもしれませんね。


まずは正常かどうかを判断するときの目安として、ここからは、猫の飲む水の量・尿の量について

  • 猫の正常な飲水量、尿量はどれくらい?
  • 猫の飲水量、尿量の測り方は?

以上を解説していきます。

猫の正常な飲水量、尿量の目安はどれくらい?

猫の適正な飲水量は、食事内容、運動量、気温などによっても変化しますが、体重1キロあたり1日50ml以下と言われます。


水分量はフードの水分量を含みます。

ドライフードの水分含量は約10%、ウエットフードの水分含量は約75%程度です。


また健康なときの尿の量体重1キロあたり、標準1日20~40ml位です。

体重1kgあたり、50mlを超えると多尿といえます。

目安(1日)体重1kg体重2kg体重3kg体重4kg体重5kg
適正飲量50ml100ml150ml200ml250ml
適正尿量20~40ml40~80ml60~120ml80~160ml100~200ml

飲水量が多い時、水の量を減らすのは危険ですのでやめましょう。

おしっこの量が多いとき摂る水分を減らすと、脱水や病気進行を招くリスクがあります。

猫が欲するだけ、常に新鮮な水を飲めるようにしてあげてください。

猫の飲水量、尿量の測り方は?

飲水量の測り方

  1. 計量カップで水の量を測り、与えた分を記録
  2. 1日の終わりに残りの水の量を測り、差し引いて飲んだ量を計測

3~5日ほど計測すると良いでしょう。

病院にいくときは飲んだ水の量を獣医さんに伝えます


同じ量の水を別に用意し蒸発した水の量を差し引くと、更に正確に飲んだ量を知ることができます。また与えたフードの水分量も考慮しましょう。


尿の量の測り方

  • ペットシーツの場合:1日に何回か取り替え、未使用のシーツと重さの差を計測
  • 固まる砂の場合:水50mlでできる塊を目安に、排尿後の塊の大きさを比較

猫の多飲多尿の治療法や予防法とは?

飼い猫の症状が多飲多尿である場合、病院ではどのように治療するのでしょうか。

また、飼い主ができることはあるのでしょうか。


ここでは、

  • 多飲多尿に対する治療法や食事療法
  • 多飲多尿は、早期発見・早期治療が大切

について解説します。


多飲多尿の症状がみられた場合の治療法や、家での食事療法、また早期発見するためのポイントもあわせて解説します。

猫の多飲多尿の治療法とは?食事療法等を解説!

動物病院において多飲多尿はどのように治療されるのでしょうか。


まず水分が必要以上に排出されて脱水状態になっている場合は、点滴などで脱水状態を回復させます。

そして、血液検査尿検査などにより、原因疾患を見極めて治療が進められます


慢性腎臓病の場合は、慢性腎臓病の場合、初期の段階では点滴に加えて食事療法が基本です。進行してさまざまな症状が出てくると、それに合わせて腎臓病治療薬や尿毒症の毒素を吸着する活性炭、高血圧を改善する降圧剤、貧血を改善する造血ホルモン剤、嘔吐に対する制吐剤などを投与します。


食事療法によって腎臓への負担を減らす必要もあります。

タンパク質やリンを少なくする食事療法で腎臓への負担を減らします。

また人間の食べ物は、猫の腎臓に悪影響を与えることが多いので控えてください。


糖尿病の場合はインスリンの投与、フードによる食餌療法があります。

食事療法では療法食が用いられ、食後の血糖値の急上昇を抑えるため食物繊維を増量して糖の吸収を穏やかにしたり、高タンパク低炭水化物によりすい臓に負荷をかけない食事を摂るようにします。


甲状腺機能亢進症の場合は抗甲状腺薬を投与し、高カルシウム血症の場合は原因となっている病気の治療を行います。


病院から食事療法を指示された場合は、ほかの餌は控えるようにし、獣医と相談しながら正しい食事を与えるようにしましょう。

猫の多飲多尿の予防法は?早期発見・早期治療が大切!

猫の多飲多尿は慢性腎臓病糖尿病の可能性があります。


慢性腎臓病予防には、適切な食事と飲水量の確保、糖尿病予防には体重管理(運動と食事管理)が効果的です。


良質な栄養食と新鮮な水を与えることを基本に、日頃からおやつ・運動・ストレスなどに気をつけておきましょう。


しかし気をつけていても患う可能性はあります。


特に腎臓病は10歳以上の猫の3割がかかると言われます。


慢性腎臓病にはある程度病気が進行しなければ症状が現れないという特徴があります。また、腎臓は一度壊れてしまうと元には戻らないため、定期的に検査を受けて、早期発見・早期治療することが大切です。


またトイレを掃除する際には日頃から尿量や匂いの変化に注意したり、飲み水の量に気を配るようにしましょう。

多飲多尿になりやすい猫種や年齢、性別はある?

年齢を重ねるにつれ慢性腎臓病を発生するリスクが高まります。7歳以上で腎臓病を発症することが多く、15歳以上の猫であれば80%以上が罹患しているともいわれています。


とくにシャムやアビシニアン、ロシアンブルー、ペルシャなどの品種は、他の猫の2倍以上慢性腎臓病にかかりやすいといわれています。


糖尿病に関しては去勢したオス猫に多くみられ、7歳以上から発症率が高くなります。

また肥満も糖尿病のリスクを高めます。


日頃からどんな猫であっても塩分や糖分の多いおやつや人間の食べ物には注意が必要です。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!


動物の医療費は公的保険がなく、完全に自己負担となってしまいます。

そのため、気軽に病院に連れていけない飼い主さんも多いのではないでしょうか。


日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)」によると、動物病院にかかる月の概算費用は、猫の場合平均6,991円であり、この金額だけをみると「なんとかなるかな」と思うかもしれません。


ただ、腎臓病や糖尿病となると、治療期間が長く、長期入院しなければならないケースもあるため、費用が跳ね上がります。


病院・診療内容・症状により金額差はありますが、家庭どうぶつ白書2019「どうぶつ医療を取り巻く環境」によると、腎臓病・糖尿病でかかる年間費用の平均は以下のとおりです。

  • 腎臓病 平均額:27万2,598円
  • 糖尿病 平均額:32万1,831円

病気の発覚は大抵予想外であることから、突然この費用を全額自己負担となると困る人も多いでしょう。


このような時のために、ペットの医療費に備えた、ペット保険があるのをご存知でしょうか。


ペット保険は、ペットの通院・手術・検査などの費用が保険により医療費が補填されます。

もし気になることがあれば気軽に受診でき、病気も早期発見できることから、ペット保険に加入することはペットの長生きにも繋がります。


小さいうちなら比較的安い保険料で加入することもできますが、年齡や保障によって保険商品は様々です。慢性腎臓病や糖尿病にかかってからでは加入できないことがほとんどですので、健康なうちに加入しておくことが大切です。


どんな保険がよいかわからなければ、MOFFMEにある猫のペット保険の記事をぜひ参考にしてみてくださいね。

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まとめ:猫の多飲多尿とは?尿の回数が多い時は注意!

猫の多飲多尿について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 多飲多尿とあわせて別の症状が出ていたら即病院へ
  • 多飲多尿は腎臓病・糖尿病の疑いがある
  • 多飲多尿は早期発見が大事!
  • 高齢の猫は定期的な検診を受けて病気の兆候がないか確認する
  • 高額な医療費がかかる慢性疾患のためにペット保険に加入がおすすめ

ペットの健康と長生きは、病気の早期発見・早期治療ができるかどうかで大きく左右されます。

とくに高齢の猫の場合は、日頃から様子をよく見て「多飲多尿」を見逃さないようにしましょう。


また、医療費が気になって、受診が遅れてしまうと最悪の事態も起こり得ます。

そのためにペット保険への加入もぜひ検討してみましょう。


MOFFMEにはペット保険に関する記事が多くありますので、検討の際にはぜひ読んでみてくださいね。