【獣医師監修】犬の分離不安症とは?原因や症状、対策、予防法を解説のサムネイル画像

犬の分離不安症をご存知ですか?犬の精神疾患の一種で、飼い主の外出時に吠える、震える、吐く、下痢をする、自分を噛む等の問題行動を起こします。治療としてしつけや投薬が行われます。この記事では犬の分離不安症について、原因から症状、治療法、予防法まで解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬の分離不安症を治すには?トレーニングすれば改善するのか

記事モデル:シュガー&シェリー


飼い主さんに甘え、時にはやんちゃもする愛犬。そんな愛犬は家族の一員として大切な存在です。


しかし、自分がいないとき愛犬の問題行動が目立つようになったと、不安に思う飼い主さんも少なくありません。


問題行動が目立つのは、愛犬が「飼い主さんがいないから、やんちゃができる。」と思っているわけではなく、分離不安症かもしれません。


そこで今回「MOFFME」では「犬の分離不安症の原因と症状、そして対応方法」について

  • 愛犬はなぜ分離不安症になるのか?
  • 犬の分離不安症の治療や予防方法とは?
  • 分離不安症になりやすい犬の特徴
以上を中心に解説していきます。

この記事を読めば、愛犬の分離不安症の原因や、発症した場合の対処法が良くおわかりになることでしょう。是非、最後までご覧ください。

またMOFFMEでは、ペット保険のランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

犬の分離不安症とは?原因や症状、チェック方法等を解説!

 

愛犬に関して「いつも、おもちゃの扱いとかは乱暴だけど、ここ最近は何かやんちゃぶりがひどくなってしまった。」と、不安な飼い主さんは多いかもしれません。


まずは分離不安症かをチェックしてみてはいかがでしょうか?分離不安症も早期発見が大切です。


こちらでは、

  • そもそも犬の分離不安症とはどんな病気?
  • 愛犬が分離不安症となる原因はいったい何?
  • 分離不安症の症状とは?
について解説します。

そもそも犬の分離不安症とは?診断方法も紹介!

分離不安症とは、愛犬が飼い主さんと離れて過ごすことで不安になり、精神的・肉体的な不調が起き、それによるストレスが原因で様々な問題行動を起こす症状のことです。


愛犬が分離不安症かどうかは、飼い主さんでも次のような行動の有無で判断することができます。

  • 飼い主が留守のとき部屋を荒らし、家具等を壊す
  • トイレ以外の場所で排泄していた
  • 自宅を出かけた後でも吠え続ける声が聞こえる
  • 自傷行動を起こす(例:自分の前脚を噛む等)

愛犬が飼い主さんの後をついて歩く程度であれば、飼い主さんに懐いているからとも言えます。しかし、家具の破壊や吠え続ける、糞尿をまき散らす、自傷行動を起こしているなら、動物病院で診察を受けてみましょう。

犬の分離不安症の原因は?過度な留守番や神経障害等の原因を解説

 

愛犬の分離不安症となる原因は様々です。しかし、ほとんどの場合は飼い主の留守番中に恐怖等を感じた経験が影響します。


主に次のような原因があげられます。

  • 子犬の時期に長時間留守番をして、空腹感や恐怖感を感じた
  • 前の飼い主等に遺棄された経験がある
  • 保護施設で育ち、たくさんの人がいる中で育った
  • 留守番中、地震や落雷、爆発音等の怖い経験をした
  • 何らかの事情で、長期間他人の家またはペットホテルに預けられた
このように、実体験でつらい思いをしたり、人がたくさんいる中で育ったりすると、自分だけ取り残されることに過剰なストレスを感じることもあります。

一方、愛犬自身の実体験の他、次のような状態になっている場合も考えられます。
  • 加齢で目が見えなくなり、耳が遠くなったりして、不安感が増大した
  • 認知症になってしまった
  • 甲状腺機能低下症、神経疾患、脳腫瘍等の何らかの病になった
  • 胎児のとき、母犬に過度のストレスがかかった影響
このように、認知症や何らかの病になったケースも考慮しておくべきです。

犬の分離不安症の症状は?嘔吐や下痢等の発作を解説!

愛犬の分離不安症は、「飼い主さんがいなくなった。どうしよう!」「留守番していて危険なことが起こるのでは。」という不安感が抑えきれなくなって、次のような症状を引き起こす場合があります。

  • 食欲の低下
  • 下痢・嘔吐をよくする
  • 飼い主さんがトイレ・入浴のためそばを離れるとパニックになる
また、飼い主さんが帰宅すると興奮して、その場でおしっこをしてしまうこともあります。

食欲の低下や下痢・嘔吐が目立つ場合は、別の病気も疑うべきですが、いずれにしても早期に動物病院での診察を行いましょう。

犬の分離不安症の治療法や治療費用、予防法を詳しく紹介!

 

愛犬の分離不安症は前述した異常行動により、飼い主さんの知るところとなります。この症状は、外科手術で治るものではありません。しかし、治療はちゃんと存在します。


こちらでは、

  • 愛犬の分離不安症の治療法や費用
  • 犬の分離不安症の予防法、しつけ方法
について解説します。

犬の分離不安症のしつけ等の治し方、費用と注意点を解説!

愛犬の分離不安症の症状がひどいならば、「薬物療法」が試みられます。主にクロミプラミンやアミトリプチリンの薬物が使用されます。


これらの薬は人に対しても不安症、神経症の治療として用いられますが、犬にも同じく効果が認められています。費用としてはクロフラニール10mg(100錠入り)で3,000円程度となります。


この薬物療法に加え行動療法(いわゆる「しつけ」)もあわせて行います。このしつけは愛犬と人間との間で起こる行動をコントロールし、犬の心理的な安定・学習を促す治療法となります。


しかし、動物病院の獣医師のカウンセリング等を通し、行動療法のアドバイスを受けた方が無難です。


動物病院には「行動診療科」も設置されており、「初回診察+カウンセリング」で行動療法のコツ等の指示を受けることになるでしょう。初回診察はカウンセリング込みで90分15,000円~20,000円程度となります。

犬の分離不安症の予防法は?しつけや飼育環境に注意!

愛犬を分離不安症にさせないため、飼い主さんはその不安を和らげる心掛けや工夫を行いましょう。例えば、愛犬が飼い主の留守中に糞尿で床等を汚しても、決して怒らないことが大切です。


また、ケージを活用するのも良いでしょう。その中は楽しい場所だと教えてつつ、飼い主さんの外出時間を徐々に伸ばしていけば、仮に飼い主を見かけない時間が続いても愛犬は穏やかに待っているはずです。

分離不安症になりやすい犬種や年齢、性別はある?

 

分離不安症は犬種問わずに発症し、「この犬種がとてもリスクが高い!」というわけではありません。


ただし、甘えん坊で寂しがり屋の犬が発症し易いことは事実です。例えば、次の犬種が当てはまります。

  • トイ・プードル
  • チワワ
  • 柴犬
トイ・プードルは甘えん坊ですし、チワワ・柴犬も人間と接していたいと言う傾向があります。

必ず分離不安症を発症するわけではありませんが、愛犬の気になる行動は常にチェックしておいた方が無難です。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!

ペット保険では必ず犬・猫がサポート対象となります。また、ペット保険はペットの病気やケガの入院費・治療費をサポートする商品ですが、分離不安症で入院・通院して発生した「診察料」「治療費」も補償対象です。


ペット保険はかかった費用をサポートする「50%サポートプラン」「70%サポートプラン」というように、保険適用の割合を選べる商品が多いです。


当然、保険適用の割合が高いならばその分保険料はかかりますし、小型犬・中型犬・大型犬の違いでも保険料に差が出てきます。なお、保険契約は概ね1年毎に自動更新されます。


他にも、MOFFMEではペット保険に関する記事が数多くあるので、是非参考にしてみて下さい。

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まとめ:犬の分離不安症は治る?サプリやトレーナーは有効か

 

犬の分離不安症の原因と症状、そして対応方法について解説してきましたが、いかがでしたか。


今回は

  • 分離不安症とは、愛犬にストレスが蓄積したことで様々な問題行動を起こす症状
  • 分離不安症になると食欲の低下や下痢・嘔吐等を行うケースが多い
  • 愛犬の分離不安症の症状がひどいならば、「薬物療法」が試みられる
  • 薬物療法に加え行動療法も行い、犬の心理的な安定・学習を促す治療となる
  • ペット保険では分離不安症のための「診察料」「治療費」が補償対象となる
でした。

実際に動物病院で処方してもらう薬の他、犬用の不安を和らげるサプリメントも販売されています。獣医師に相談しつつ、試してみるのも良いでしょう。

また、トレーナーによる愛犬の分離不安症を解消する方法もあります。しかし、獣医師やトレーナーと協力しつつ、飼い主が分離不安症を患った愛犬と向き合っていくことが何より大切です。

MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひご覧ください。