犬のDICをご存知ですか?子宮蓄膿症や熱中症、血管肉腫、リンパ腫、急性膵炎等の基礎疾患を原因に発症し、血液凝固に異常がみられる病態です。基礎疾患の治療が主に行われます。この記事では犬のDICについて、原因から症状、手術等の治療法。治療費を詳しく解説します。
この記事の目次
目次を閉じる犬のDICは回復する?術後・予後は良好な病態なのか
犬も人間と同様に、さまざまな病気にかかるリスクがあるため、健康でいられるようにしっかりと予防してあげたいですよね。
ですが、なかにはDICのように思うように予防できない病態・病気もあるため、不安に感じている飼い主も多いと思います。
犬のDICは、悪性腫瘍や敗血症などの基礎疾患が原因で起こる、血液凝固の異常病態です。臓器が機能できない状態まで陥ってしまいますと、危険を伴うため注意が必要です。
今回この記事では、犬のDICについて、
- 犬のDIC(播種性血管内凝固症候群)とは?
- 犬のDICの治療法、治療費用、予防法を詳しく紹介!
- DICにかかりやすい犬種や年齢、性別はある?
犬のDIC(播種性血管内凝固症候群)とは?原因や症状を解説!
まず、犬のDICとはどのような病態なのか、原因や症状を詳しくこの見出しで解説したいと思います。
- 犬のDICとは?判断基準とは?
- 犬のDICの原因は?
- 犬のDICの症状は?
そもそも犬のDICとは?診断基準についても解説!
犬のDIC(Disseminated Intravascular Coagulation)とは、
- さまざまな基礎疾患に合併して、血を止める仕組み(血液凝固系)が亢進してしまい、全身の微小血管内に微小血栓が多発して臓器障害がおこる病態
- 敗血症などの「感染症」
- 白血病などの「造血器系悪性腫瘍」
- 肺障害
- 重度の火傷
- 熱射病
- 流産
- 子宮蓄膿症
- 手術
犬のDICの原因は?基礎疾患によるによる血液凝固の異常が原因
犬のDICの原因は、悪性腫瘍や敗血症、固形がんなどの重大な基礎疾患を発症しているかどうかが重要なポイントです。
体の中に血管異常などが生じる恐れのある病気を抱えていると、微細な血液凝固が進行していきます。
血液凝固ができると、今度は血液を溶かすためのメカニズムが発生するのですが、DICは血液の凝固系と溶かすための線溶系が同時に活性化することが原因で起こります。
このふたつが活性化することで、本来止める必要があるところの血液を止めることができなくなってしまうのです。
犬のDICはなってからでは遅いため、基礎疾患を見つけたらすぐに「血を固まらせる能力」があるかどうかを検査することが大切です。
犬のDICの症状は?呼吸困難や神経障害等の症状を解説!
犬のDICの症状は、大きく分けて以下の2つの症状があります。
- 出血症状…血尿や消化管出血・紫斑など
- 血栓性の臓器症状…呼吸障害や神経障害・脳障害など
犬のDICの治療法、治療費用、予防法を詳しく紹介!
犬のDICは、救命できる可能性が低いため早期発見・早期治療が大切なポイントになります。
万が一DICにかかった場合、一体どのような治療法があるのでしょうか。
ここでは、
- 犬のDICの輸血や手術等の治療法、治療費を詳しく紹介!
- 犬のDICの予防法は?
犬のDICの輸血や手術等の治療法、治療費を詳しく紹介!
犬のDICは、まず大前提として基礎疾患の改善を行うことが重要です。
犬のDICの主な治療方法
- 輸血(血小板や、血液凝固因子などの補充)
- 抗凝固薬の内服
- ヘパリン(血液凝固の働きを抑える)
- たんぱく分解酵素阻害剤
費用 | |
---|---|
診察・初診料 | 2,500円~ |
血液検査料 | 5,500円~ |
CT検査料 | 20,000円~ |
超音波検査料ほか | 20,000円~ |
手術費用 | 50,000円~ |
入院費用(1日) | 3,000円~ |
犬のDICの予防法は?早期発見・早期治療が大切!
犬のDICは非常に予後が悪く、海外ではその死亡率の高さから「Death Is Comming」と言われることがあります。
そのため、早期発見・早期治療がものすごく重要な病態であることを飼い主は理解することが大切です。
犬のDICの予防法は、残念ながらこれだというものが無いことが実情として挙げられます。
ただし、基礎疾患からなる病態のため、DICよりも先にDICになる可能性のある病気を早期発見・早期治療することを心がけましょう。
飼い主は普段の犬の様子を細かくチェックして、少しでも体調に不安を感じるようであればすぐに動物病院に連れていってあげてくださいね。
DICにかかりやすい犬種や年齢、性別はある?
犬のDICは、性別関係なく男女ともにかかる恐れがある病態です。
病態が出やすい年齢は、0歳と10歳以上が高い割合を示しています。もっともかかりにくい年齢は1歳であり、そこから年をとるごとに徐々に病態が出る割合も高くなっていきます。
年齢 | 割合(%) |
---|---|
0歳 | 0.524% |
1歳 | 0.275% |
2歳 | 0.265% |
3歳 | 0.282% |
4歳 | 0.333% |
5歳 | 0.371% |
6歳 | 0.392% |
7歳 | 0.46% |
8歳 | 0.453% |
9歳 | 0.55% |
10歳~ | 0.854% |
(参考サイト「みんなのどうぶつ病気大百科」より
ただ、DICは基礎疾患があるかどうかが重要となるため、DICを発症する可能性がある病気を発症しているかどうかが最も重要となります。
もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!
犬のDICにかかる治療費や入院費は、飼い主の10割負担となるため多くの検査や手術が必要となったときに何十万円もの費用がかかる恐れがあります。
もしものときに備えて、大切なペットのためにもペット保険に加入しておくことをおすすめします。
ペット保険に加入すれば、
- 大切なペットを守ってあげることができる
- ペットにかかる医療費の負担を軽減できる
- 商品によっては病院の窓口清算が可能である
まとめ:犬のDICとは?余命はどれくらいなのか
犬のDICとはどんな病態なのか、原因や症状、予防についてなどを詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 犬のDICは、悪性腫瘍や敗血症などの基礎疾患による血液凝固の異常が原因で起こる病態
- 犬のDICの症状は、主に出血症状と臓器症状の2種類がある
- 犬のDICは非常に予後が悪く、海外では「Death Is Comming」と言われている